更新日:2025年09月03日
アルコールには中枢神経の働きを抑制する作用があり、勃起機能に影響を与えます。性行為の前に飲酒する場合は、注意が必要です。本記事では、アルコール摂取とEDの関係を解説するとともに、EDの予防法をご紹介します。
「お酒を楽しんだ後に性行為をしようとすると、うまくいかない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。アルコール摂取による頭痛や吐き気などの体調不良により、性行為に悪影響を及ぼすケースもあるでしょう。
本記事では、アルコールが勃起に与える影響について解説します。アルコールによるED(勃起障害・勃起不全)を予防する方法や、ED治療薬とアルコールを併用する際の注意点もまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
過度なアルコール摂取は、勃起機能の低下を招くおそれがあります。アルコールは中枢神経の働きを鈍らせる作用があり、アルコールの摂取量が多すぎると、性的刺激が陰茎へ伝わりにくくなるためです。
「普段より勃起するまでに時間がかかる」「硬さが足りない」「射精できない」など、さまざまな症状があらわれることがあるため、性行為前の過度なアルコール摂取は控えるべきでしょう。
アルコールがED(勃起障害・勃起不全)に影響する理由は、以下の3つです。
それぞれについて解説します。
アルコールは、性的興奮を伝達する役割がある中枢神経系の働きを抑制します。そのため、脳は興奮を感じていても神経が正常に機能しなくなり、勃起できない現象を引き起こします。
また、基本的にアルコールは血管を拡張させますが、過剰摂取は血管の収縮を招くため、勃起に必要な血液が陰茎に届かなくなることも原因の1つです。
ただし、勃起機能に影響を与えるのは、「過度な飲酒」です。リラックス効果が期待できる少量のアルコールであれば、心配する必要はないでしょう。
アルコールの摂取によって、頭痛や吐き気などの体調不良を経験したことのある人もいるでしょう。飲酒量が多すぎると、肝臓がアセトアルデヒドを分解しきれなくなり、血中のアセトアルデヒド濃度が高くなります。すると、その毒性の影響で頭痛や吐き気などの症状があらわれやすくなります。
体調が万全でなければ性欲や性機能は低下し、勃起しづらくなってしまいます。性行為の前に飲酒する際は、適量を守ることが大切です。
アルコールを過剰摂取すると、性欲や性的機能に関わる男性ホルモン(テストステロン)の生成に悪影響を及ぼします。
テストステロンは、男性だけでなく女性にも存在するホルモンの1つで、筋肉の増大や骨格形成などの役割を果たし、20代をピークに徐々に減っていくホルモンです。テストステロンが減ると、勃起障害や性欲の減退といった症状があらわれることがあります。
アルコールの過剰摂取はテストステロンの分泌を低下させるといわれており、勃起障害の原因になる場合があります。テストステロンの分泌量は睡眠の質の影響も受けるため、アルコールの過剰摂取による睡眠の質低下も、テストステロンの減少につながるおそれがあります。
アルコールによるED(勃起障害)は、性行為の前に過度な飲酒を控えることで予防可能です。他にも、以下のような予防策があります。自身の症状や生活習慣と照らし合わせて、できることから取り組んでみましょう。
それぞれについて解説します。
過度な飲酒は、勃起力の低下を招くおそれがあります。アルコールは中枢神経を抑制する作用があり、感覚を鈍らせるため勃起の維持や射精に影響を与えるだけでなく、性行為の満足度も低下させることがあります。
パートナーと食事やお酒を楽しんだ後に、性行為をすることがあるかもしれません。その場合は、適量を守るようにしたり、飲酒と性行為の間隔を空けたりするとよいでしょう。
アルコールの摂取は生活習慣病と密接な関係があり、普段から飲酒量を控えることは健康を維持するうえで大切です。
アルコールの代謝能力は年齢とともに低下するといわれています。若い頃と同じように飲酒していると、EDを含め肝臓病や循環器疾患などさまざまな病気の原因になることがあるため、注意が必要です。
飲酒は適量(日本酒であれば1日あたり1合程度)を守り、週1日以上の休肝日を設けて楽しむようにしましょう。
飲酒による体調不良が気になる場合は、飲酒前に酔いを防ぐ薬や悪酔い防止のサプリメントなどを飲むことで、体調不良を予防できる可能性があります。
ただし、酔いを防ぐ薬・サプリメントは体調不良の予防や緩和効果は期待できますが、勃起機能の回復に直接作用するものではありません。あくまで悪酔い防止のための手段と考えたほうがよいでしょう。
性行為前に飲酒する場合は、量を控えることはもちろん、「一緒に水を飲む」「度数の低いお酒をゆっくり飲む」などの心がけが大切です。
バイアグラやシアリスなどのED治療薬は、陰茎の血流を増大させることで、勃起しやすくしたり、勃起を維持したりする効果が期待できます。普段からEDの傾向がある場合や、飲酒後の性行為に不安がある場合は、ED治療薬の服用を検討してみるとよいでしょう。
ED治療薬に興味があるものの、クリニックへ行く時間がなかったり、クリニックへ足を運ぶことに抵抗を感じたりする人がいるかもしれません。その場合は、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。
基本的に、ED治療薬とアルコールの併用は禁忌ではありませんが、お酒を飲む場合は下記の3つの注意点があります。注意点をよく理解したうえでED治療薬を服用するようにしましょう。
それぞれについて解説します。
適度な量のアルコールに関しては過度に慎重になる必要はありませんが、アルコールを過剰摂取してしまうとED治療薬の効果を低下させるおそれがあります。
アルコールの過剰摂取は、脳の神経伝達機能を低下させます。ED治療薬によって脳が勃起を促進させようとしても、アルコールを過剰摂取すると脳からの指令が陰茎に伝わりにくくなってしまいます。ED治療薬の効果を実感するために、お酒は適量を守ることが大切です。
アルコールとED治療薬を一緒に飲むと、普段よりも酔いやすくなることがあります。ED治療薬には、陰茎の血管を拡張させて血流を促進させる作用があるためです。
血流促進作用は全身に影響を与え、血管が拡張した状態で飲酒するとお酒が全身にまわり、酔いやすくなってしまいます。
ただし、酔いやすさには個人差があります。自分自身の適量を見極めることが大切です。
グレープフルーツとED治療薬を一緒に飲むと、グレープフルーツに含まれる成分の影響を受けて薬の血中濃度が上がり過ぎてしまい、副作用が出やすくなるおそれがあります。ED治療薬を服用する当日は、グレープフルーツを含む飲料は控えたほうがよいでしょう。
グレープフルーツそのものはもちろん、グレープフルーツジュースやグレープフルーツを使用したカクテル、グレープフルーツサワーなどにも注意が必要です。
過度な飲酒は勃起機能を低下させるおそれがあるため、注意が必要です。健康維持の観点からも、適量を守ってお酒を楽しむようにしましょう。
アルコールによるEDを予防する方法としては、飲酒量を抑えるほか、ED治療薬の服用もおすすめです。レバクリでは、ED治療薬のオンライン処方を行っています。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)