更新日:2025年09月03日
「心因性EDのような気がする」と思っている人もいるかもしれません。心因性EDは、ストレスや不安、トラウマなどによって引き起こされます。
本記事では、心因性EDの特徴や原因、治療法について解説します。心因性EDについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
心因性EDとは、身体的な問題ではなく、心理的な要因によって引き起こされるED(勃起不全)を指します。
EDは原因に応じて「心因性ED」「器質性ED」「薬剤性ED」「混合性ED」の4つに分類され、その中でも心因性EDは精神的な負担が原因となるケースです。
以下では、心因性EDの特徴とEDの分類について解説します。
心因性EDは、身体的な問題ではなく心理的な要因に起因する勃起不全です。20代や30代の若い男性に多く見られ、突然発症することがあります。
強いストレスや精神的なプレッシャーなどによる勃起力の低下が特徴であり、特定の場面やパートナーとの性行為の際にのみ症状が現れることもあります。
EDは、原因に基づいて以下の4種類に分けられます。
EDの種類 | 特徴 |
---|---|
心因性ED | ストレスや不安、トラウマなど精神的な要因で発症する 特定の場面・相手との性行為でのみ勃起が妨げられることもある |
器質性ED | 血管や神経の障害によって起こる 動脈硬化や糖尿病、高血圧などが原因となる |
薬剤性ED | 服用中の薬の副作用によって起こる 循環器系の薬や消炎鎮痛剤などが原因となる |
混合性ED | 心因性EDや器質性ED、薬剤性EDのいずれかが重なって起こる 4種類のEDの中でも多く見られるタイプ |
心因性EDや器質性ED、薬剤性EDのいずれかが重なって起こる 4種類のEDの中でも多く見られるタイプ
EDは原因が多岐にわたるため、気になる症状があるときは自己判断せず医師へ相談しましょう。
心因性EDには、さまざまな心理的要因が関与しています。これらの要因は、大きく分けて以下の3つです。
それぞれの原因が単独で、あるいは複合的に作用して、EDの症状を引き起こすことがあります。ここでは、それぞれの原因について確認しましょう。
現実心因とは、日常生活における心理的なストレスのことです。職場での人間関係や家庭内のトラブルなどが原因となり、長期間にわたってストレスを受けると、勃起力が低下する場合があります。
こうしたストレスは多くの人が抱えるものであり、年齢を問わず心因性EDを発症する可能性があるでしょう。
深層心因は、心の奥に潜む不安や怒り、憎しみなどです。
心因性EDを引き起こす深層心因には、幼少期の体験や性的なトラウマなどが挙げられます。これらの要因は、本人が自覚しにくく、気づきにくい点が特徴です。
うつ病や不安神経症などの精神疾患は、心因性EDの原因の1つです。精神疾患によって意欲が低下すると性欲も減退し、脳が性的刺激をうまく認識できなくなるため、勃起が妨げられることがあります。
心因性EDの治療法には、ED治療薬の服用や心理療法、パートナーとのコミュニケーション、精神疾患の治療などがあります。また、日常生活のストレスを軽減することも大切です。これらのアプローチを組み合わせることで、心因性EDの改善を図れます。
ここでは、心因性EDのそれぞれの治療法について解説します。
心因性EDの治療方法として、ED治療薬の服用が挙げられます。ED治療薬は、性的刺激を受けた際に勃起の妨げとなる酵素を阻害し、血管を拡張して陰茎への血液流入をサポートします。
ED治療薬の服用により、勃起しやすくなるだけでなく、「勃起状態を維持しやすくなる」という安心感も得られ、心因性EDの改善につながるでしょう。成功体験を積み重ねることで、将来的にはED治療薬に頼らずに心因性EDを改善できる可能性もあります。
心因性EDの治療には、認知行動療法やカウンセリングといった心理療法も効果的です。これらの心理療法は、トラウマの解消や自信の回復を目指しており、性に関する正しい知識を得るための性教育が行われることもあります。
心因性EDを改善するために、パートナーと話し合うことも大切です。まずは、EDが起こる状況や原因を詳しく説明しましょう。
説明しないままでいると、パートナーは何が起こっているのかわからず、不安を感じる場合もあります。そのため、EDについて理解してもらうためのコミュニケーションが大切です。たとえば、「仕事で疲れていると勃起しにくくなる」などと説明することで、パートナーの理解を得やすくなるでしょう。
また、EDについて一緒に学ぶことで、医学的な症状の理解やお互いの感情の共有を図れます。2人で問題に向き合い、改善策を見つけることが大切です。
心因性EDの背景に精神疾患がある場合、重症度によっては精神疾患の治療を優先することもあります。治療には、主に抗うつ剤を用いる薬物療法が適用され、認知行動療法などが併用されることもあります。
なお、精神疾患の治療で使用する薬は、勃起力や性欲の低下といった副作用が出る場合があります。医師とよく相談し、治療方針を決めましょう。
心因性EDは、ストレスにより男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下することで発症する場合があります。そのため、日常生活のストレスをできる限り解消することが大切です。
たとえば、入浴の際は湯船にゆっくり浸かりましょう。湯船に浸かることによりリラックスできるだけでなく、血流促進も図れます。
睡眠時間と睡眠の質を確保することによっても、疲労・ストレス解消を図れます。また、テストステロンは睡眠中の特に深い眠りのときに多く分泌されるため、就寝直前の食事やスマートフォンの使用は避け、部屋の温度・湿度を調整して質のよい睡眠をとりましょう。
さらに、瞑想して心をリラックスさせることも効果的です。これらを実践し、日々のストレスを軽減しましょう。
EDの症状に悩んでいる場合、一人で抱え込まず、医師に相談することが大切です。 EDの治療は、泌尿器科やED治療クリニックで行えます。ここでは、それぞれについて解説します。
EDの症状がある場合、泌尿器科で受診するのが一つの選択肢です。泌尿器科では、腎臓や尿管、膀胱といった泌尿器のほか、男性生殖器も治療の対象となります。
EDについて相談したいときは、ED治療クリニックで受診するのも一つの方法です。クリニックによっては、医師・スタッフを男性のみとしているところがあります。また、オンライン診療に対応しているED治療クリニックもあるため、状況に合わせて活用するとよいでしょう。
オンライン診療では、通院の手間を省いて自宅で受診でき、時間や場所に制約されずにEDについて相談できます。また、他の患者や受付スタッフと顔を合わせる必要がないため、「知り合いに会わないか心配」という方も受診しやすいでしょう。
心因性EDは、心理的要因が影響する勃起不全であり、主にストレスや不安、トラウマが原因です。若い男性に多く見られ、特定の状況下でのみ症状が現れることもあります。
心因性EDは、早期の治療が大切です。治療法としては、ED治療薬の服用や心理療法、パートナーへの相談などが挙げられます。
心因性EDは、医療機関での相談が改善への第一歩です。症状が気になる場合は、泌尿器科やED治療クリニックでの受診をおすすめします。
レバクリでは、EDのオンライン診療を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)