更新日：2024年01月24日
EDの治療薬で有名なバイアグラですが、使用期限があるのをご存じでしょうか。「ずいぶん前に処方された薬だけど飲んでいいのか」と考えたことのある方もいるでしょう。
この記事では、バイアグラの使用期限について解説します。使用期限の切れたバイアグラの効果やリスク、正しい保存方法についても解説するのでぜひ参考にしてください。
一般的に、日本国内で処方されるバイアグラはPTPシート（プラスチックとアルミで薬を挟んだシート）で包装されており、PTPシートに入った状態で保存した場合の使用期間は、5年程度とされています。 ただし、保存状態によってバイアグラの使用期限は大幅に変わります。
ここからは、PTPシートから取り出した状態で保存した場合と割られた状態で保存した場合の、それぞれの使用期限について詳しく解説します。
PTPシートから取り出したバイアグラの使用期限は1年程度とされています。 錠剤をピルケースなどに入れ、直射日光を避けて常温で保存すれば、裸の状態でもすぐには劣化せず、しばらくは使用できるとされています。
ただし、PTPシートに入れた状態に比べると、どうしても劣化は進みやすいので、取り出した後はなるべく早く服用するようにしましょう。
割った状態のバイアグラの使用期限は、気温が高く湿度が高い時期で約1週間、気温が低く空気が乾燥している時期で約2週間程度とされています。
バイアグラの錠剤は、薬剤の周りをコーティング剤で保護するような構造となっているため、錠剤を割ってしまうと、中身の薬剤が空気に触れ、劣化が進みやすくなります。 そのため、PTPシートやピルケースで保管した場合に比べると使用期限が大幅に短くなります。 特に湿気の多い時期は、バイアグラの薬剤が劣化しやすくなるため、服用しても体に吸収されにくく、十分に効果を発揮しない可能性があります。
人によっては、効果が強すぎるなどの理由で、50mgのバイアグラを半分に割って服用することがありますが、もともとバイアグラは割って使用する薬ではないので、先述した使用期間はあくまで目安となります。割ったからといって、ただちに劣化して効果がなくなるということはないですが、なるべく短期間で使用することをお勧めします。
使用期限が過ぎたバイアグラを使用しても、効果を十分に実感できない可能性があります。
薬は化学物質なので、温度や湿度、酸素、光などの影響を受けて分解が進行し、劣化していきます。 劣化したバイアグラは、体に有効成分が吸収されにくくなり、効果を感じづらくなる可能性があります。バイアグラに限らず、基本的に使用期限の過ぎた薬は服用するべきではないでしょう。
また、使用期限の経過したバイアグラは、劣化や変質により効果を発揮しないだけでなく、体に有害なリスクが発生することも否めません。 使用期限を過ぎたバイアグラに関する明確なデータはありませんが、使用は控えるべきでしょう。
バイアグラの使用期限が数日経過しただけで有害な物質に変質し、体に障害をきたす可能性は高くありませんが、自身の判断のみで期限切れの薬を服用することは大変危険です。 「もったいない」と感じるかもしれませんが、安全のためにも使用期限が切れたものは服用せず破棄すべきでしょう。
バイアグラの効果については、「バイアグラの効果や特徴は？副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」を参照してください。
バイアグラの使用期限は、錠剤が入ったPTPシートに記載されています。PTPシートのどこかに「EXP◯.◯」という表示があり、◯部分には数字が記載されています。仮に「EXP25.10」と記載されていた場合、そのバイアグラの使用期限が「2025年10月まで」であることを意味します。
処方されたバイアグラが10錠入りであれば、PTPシートに上記のような使用期限の記載がありますが、10錠未満で処方された場合は、PTPシートの使用期限の記載箇所が切れている可能性があり確認できないことがあります。そのため、使用期限は病院で処方されたタイミングで確認するのが確実でしょう。
また、バイアグラの使用期限はPTPシートが梱包された箱にも記載されています。ただ、一般的にバイアグラはPTPシートで処方されるので、箱で使用期限を確認するのは現実的に難しいでしょう。
バイアグラは、なるべくシートに包装された状態で保存するのがお勧めです。
PTPシートから錠剤を取り出したり割ったりすると、錠剤が空気に触れてしまうため、どうしても劣化が進みやすくなります。PTPシートから取り出す場合は、ピルケースなどに入れ、直射日光や高温・多湿を避け、常温で保存しておくことで、劣化の進行を抑え良質な状態を保てるでしょう。ピルケースに保管しておけば、外出時にバイアグラを持ち運ぶ場合も外部の衝撃から守れます。
また、ピルケースで保管する場合は、PTPシートからバイアグラを取り出した年月日を記載し、きちんと管理しておくことが重要です。万一、PTPシートから取り出した年月日が分からないバイアグラがあったら、使用せず必ず破棄するようにしましょう。
割ったバイアグラを保存する際は、なるべく空気に触れないようサランラップで包むか、ピルケースで保管することをお勧めします。ピルケースに入れて保管する際も、錠剤をティッシュで包むなど、なるべく空気に触れないよう工夫しましょう。
この場合も、シートから取り出して割った年月日が分かるようどこかに記録し、管理してくことが重要です。いつ割ったか不明なバイアグラは破棄するようにしましょう。
バイアグラの使用期限は5年程度です。また、PTPシートから取り出したバイアグラの使用期限は約1年、割ったバイアグラの使用期限は1〜2週間程度です。PTPシートから取り出して持ち歩く場合は、ピルケースなどに入れ、直射日光や衝撃からバイアグラを守り、劣化を防ぐことが大切です。
バイアグラの使用期限は、PTPシートに記載されている「EXP◯.◯」という表示から確認できます。PTPシートから取り出す場合は、取り出した日にちをメモしておくと良いでしょう。 期限の過ぎたバイアグラを服用しても、十分な効果を発揮しない可能性があるため、使用期限はしっかり守ることが重要です。
また、期限切れの薬を服用することは、予期せぬ健康被害や副作用を招くリスクもあるため、必ず使用期限を守る必要があります。正しい方法で管理・保存し、使用期限内に服用することで、十分な効果を得られるでしょう。 自身の安全のためにも、いつ処方されたか分からない薬は服用せず、必ず新しいものを処方してもらいましょう。
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この記事の監修：
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
＜所属学会＞ 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
