更新日:2026年10月21日

ED治療薬の副作用は、正しく理解することが大切です。バイアグラの副作用(血管拡張5.78%・頭痛3.87%)やレビトラ(頭痛11.7%・ほてり10.6%)、シアリス(頭痛1%以上・潮紅1%以上)、ステンドラ(頭痛・ほてり)の発生確率は限定的です。
本記事では、ED治療薬の副作用の種類や確率、安心して治療を続けるためのポイントを詳しく解説します。

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
ED治療薬の副作用は、頭痛やほてりなど血管が広がることで起こる症状が中心です。3種類とも血管を広げる働きを持つPDE5阻害薬のため、現れる症状は似ています。
ただし、添付文書に記載された発生確率は薬ごとに違います。
どの薬にどんな症状が出やすいかを知っておけば、実際に症状が現れたときに落ち着いて対応できます。ここからは、薬ごとに副作用を見ていきましょう。

副作用について不安がある場合は、自己判断で服用をやめるのではなく、まず医師に相談することが大切です。

ここからは、主な副作用を順に見ていきます。
バイアグラの副作用としてほてりや顔の赤み(潮紅)として現れる可能性があり、発生確率は5.78%と記載されています。シルデナフィルには全身の血管を広げる働きがあり、顔まわりの血流が増えることで顔が熱くなったり赤みが出たりします。血中濃度が下がるにつれて治まっていく傾向にあります。
頭痛は、発生確率3.87%として添付文書に記載されている副作用です。脳の血管が広がることで周囲の神経が刺激され、こめかみや後頭部にズキズキとした痛みが出ることがあります。薬の効果が切れるとともに軽くなっていくケースが一般的です。
めまいは、発生確率0.1〜1%未満として添付文書に記載されています。血管が広がることで一時的に血圧が下がり、立ち上がったときにふらつきを感じることがあるためです。
消化不良や口渇、胃腸障害、腹痛といった消化器症状も、発生確率0.1〜1%未満として添付文書に記載されています。消化管の血管も広がるため、胃のもたれや口の渇きを感じることがあるからです。
眼充血や結膜炎、視覚障害、彩視症などの目の症状は、発生確率0.1〜1%未満として記載されています。多くは一時的で、薬の効果が切れると元に戻ります。

ここからは、レビトラの主な副作用を確認していきます。
レビトラの副作用として添付文書に記載されている確率が高いのが、頭痛です。発生確率は11.7%と記載されています。脳の血管が広がることで周囲の神経が刺激され、痛みとして感じられます。
ほてりは、発生確率10.6%として添付文書に記載されている副作用です。顔まわりの血流が増えることで、顔が赤くなったり体が熱く感じられたりします。頭痛と同じく、薬が作用している過程で起こる症状です。血中濃度が下がれば治まっていくため、涼しい場所で水分をとりながら休むと落ち着きやすくなります。冷たいタオルで首元を冷やす方法も試してみてください。
鼻閉は、発生確率1%以上として添付文書に記載されています。鼻の粘膜にある血管が広がって粘膜がむくむことで、鼻の通りが悪く感じられるためです。風邪による鼻づまりとは仕組みが違うため、市販の点鼻薬を使う前に医師へ相談しましょう。薬の効果が切れれば自然に治まっていくケースが多く、息苦しさが強いときは受診してください。
めまいも、発生確率1%以上として添付文書に記載されている副作用です。血管が広がることで血圧が一時的に下がり、ふらつきにつながります。添付文書には血圧を下げる薬との併用に注意する旨も記載されているため、降圧薬を飲んでいる方は診察時に必ず伝えてください。症状が出たときは座って休み、回復するまで運転は控えましょう。
消化不良は、発生確率1%以上として記載されている副作用です。消化管の血管が広がることで胃の働きが変化し、もたれや不快感として感じられます。バルデナフィルは食事の影響を受けにくい成分ですが、脂質の多い食事の直後を避けると症状を感じにくくなる場合があります。症状が続くときは、薬の種類や用量の見直しを医師に相談しましょう。

ここからは、1%以上の確率で記載されているシアリスの副作用を見ていきましょう。
頭痛は、シアリスの添付文書に1%以上の確率で記載されている副作用です。血管が広がることで起こる点はほかの治療薬と同じです。
潮紅は、1%以上の確率で記載されている副作用です。顔まわりの血管が広がって血流が増えることで、顔が赤くなったり、体が熱く感じられたりします。
消化不良も、1%以上の確率で添付文書に記載されています。消化管の血管が広がることで胃の働きが変わり、もたれや胸やけとして感じられるためです。
背部痛は、シアリスの添付文書に1%以上の確率で記載されている副作用です。腰や背中の筋肉に鈍い痛みを感じるもので、タダラフィル特有の症状として報告されています。
参考:U,S. FOOD&DRUG ADMINISTRATION「ステンドラ 米国添付文書(FDA)」
ステンドラの副作用で多く見られる症状が頭痛です。薬の作用によって頭部の血管が拡張し、痛みが引き起こされると考えられています。
顔や体のほてりも比較的よく見られる症状です。血管拡張作用によって全身の血流が良くなり、一時的に顔が赤くなったり、熱っぽく感じたりする場合があります。
鼻の粘膜の血管が広がることで、鼻づまり(鼻閉)が生じることがあります。血流の増加によって鼻の内側の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなるためです。
背中や腰周辺に痛みが生じる症状です。薬の血管を拡張して血流を促す作用によって、背中周辺の筋肉や組織が充血することで痛みが生じると考えられています。
参考:U.S.FOOD&DRUG ADMINISTRATION「ステンドラ 米国添付文書(FDA)」
副作用が出たときは、まず安静にして様子を見て、改善しなければ医療機関に相談するのが基本です。ED治療薬の副作用の多くは血中濃度が下がるにつれて治まるため、慌てて対応する必要がない症状もあります。ただし、判断に迷う症状もあるため、対応の目安を知っておきましょう。

副作用が怖いからと治療をためらっている方も少なくありませんが、副作用が出てから対処するより、始める前に医師に相談することで多くの不安は解消できるでしょう。
万が一、副作用が出た場合でも、プランの変更や治療の中止など柔軟に対応できるので、一人で抱え込まず気軽に医師に相談してください。
ほてりや頭痛などが出たときは、まず性行為を中止して安静にしましょう。ED治療薬の副作用は薬の成分が体内で分解されるにつれて軽くなっていく傾向にあるためです。
涼しい場所で横になり、水分をとりながら休むと落ち着きやすくなります。ほてりが強いときは首元や額を冷やす方法も有効です。ふらつきがあるうちは立ち上がらず、運転や入浴は避けてください。飲酒をしている場合は、それ以上お酒を飲まないようにしましょう。
安静にしても改善しない症状が出たときは、自己判断で対処せず医療機関を受診してください。ED治療薬の添付文書には、心筋梗塞や失神、視力低下などの重い症状の報告も記載されているためです。次のような症状は早めの受診が必要になります。
これらに当てはまらない場合でも、症状が翌日まで残るときや繰り返し起こるときは、処方を受けた医師に伝えましょう。薬の種類や用量を見直すことで、症状が軽くなる場合があります。
ED治療を続けるうえでは、副作用以外に知っておきたい注意点があります。飲み合わせや食べ合わせによって、薬の効き方や副作用の出方が変わることがあるためです。ここからは、あらかじめ押さえておきたい3つの注意点を紹介します。

ED治療を長く続けるためには、デメリットも事前に理解しておくことが大切です。副作用だけでなく、治療期間・費用についても理解したうえで治療を始めましょう。
ED治療薬を使う日は、アルコールの量を控えめにしておきましょう。ED治療薬にもアルコールにも血管を広げる働きがあり、重なることで血圧が下がりやすくなります。
また、アルコールには脳の働きを抑える作用があるため、飲みすぎると性的な刺激への反応が鈍くなることもあります。
グレープフルーツを一緒に摂ると、薬の作用が強く出る可能性があります。ED治療薬はCYP3A4という酵素で分解されるため、その働きが妨げられると血中濃度が上がりやすくなります。結果として、ほてりや頭痛といった副作用が強く出ることがあります。服用の前後はグレープフルーツやそのジュースを避けましょう。
ED治療薬には、一緒に飲んではいけない薬(併用禁忌薬)が定められています。添付文書に記載されている主な併用禁忌薬をまとめました。
| 併用禁忌薬 | バイアグラ(シルデナフィル) | レビトラ(バルデナフィル) | シアリス(タダラフィル) | ステンドラ(アバナフィル) |
|---|---|---|---|---|
| 硝酸剤・NO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等) | 併用禁忌 | 併用禁忌 | 併用禁忌 | 併用禁忌 |
| sGC刺激剤(リオシグアト) | 併用禁忌 | 併用禁忌 | 併用禁忌 | 併用禁忌 |
| アミオダロン塩酸塩(経口剤) | 併用禁忌 | 併用禁忌 | 記載なし | 記載なし |
| クラスIA抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド等) | 記載なし | 併用禁忌 | 記載なし | 記載なし |
| CYP3A4を強く阻害する薬(リトナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール等) | 併用注意 | 併用禁忌 | 併用注意 | 併用禁忌薬 |
狭心症の治療で硝酸剤を使っている方は、4種類すべてが併用禁忌にあたります。持病があって薬を飲んでいる場合は、診察時に医師へ伝えてください。市販薬やサプリメントも含めて共有しておきましょう。
ED治療薬の副作用は頭痛やほてりなど血管が広がることで起こる症状が中心で、発生確率は薬の種類によって異なります。症状が出たときは性行為を中止して安静にし、改善しない場合は医療機関を受診してください。胸の痛みや急な視力低下、4時間以上続く勃起は早めの受診が必要です。
あわせてアルコールの飲み過ぎとグレープフルーツを避け、併用禁忌薬がないかを確認しておきましょう。副作用への不安は、自己判断で服用をやめる前に医師へ相談することで解消できるケースがあります。
ここからは、ED治療薬の副作用について検索されることの多い質問に回答します。症状が続く期間やリスクの考え方を確認して、治療を判断する参考にしてください。
ED治療薬の副作用はいつ治まりますか?
薬の成分が分解されて血中濃度が下がるにつれて、副作用も治まっていくのが一般的です。副作用の多くは血管が広がることで起こるため、成分の量が減れば症状も軽くなります。治まるまでの時間は、成分が体内で半分に減るまでの時間(消失半減期)によって変わります。翌日まで症状が残るときや、日常生活に支障が出るときは医師に相談しましょう。
ED治療薬はリスクがある?
ED治療薬にもリスクはあり、特に併用禁忌薬との飲み合わせには注意が必要です。硝酸剤やsGC刺激剤と一緒に飲むと血圧が大きく下がり、失神などにつながるおそれがあります。
狭心症や心筋梗塞の治療を受けている方、抗不整脈薬や一部の抗真菌薬を飲んでいる方は該当する可能性があります。持病や服用中の薬を診察時に正確に伝えれば、飲めるかどうかを医師が判断できます。自己判断や個人輸入で入手して飲むことが、いちばん避けたい使い方です。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」 U.S.FOOD&DRUG ADMINISTRATION「ステンドラ 添付文書」
National Library of Medicine「勃起不全治療薬アバナフィル(Avanafil for erectile dysfunction.2013)」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「タダラフィルOD錠 添付文書」