更新日:2025年11月28日
「健康的に痩せたい」「短期間で痩せたい」「お腹周りだけ痩せたい」といった、お悩みはないでしょうか。医師の管理下でダイエットを進めていくメディカルダイエット(医療ダイエット)なら、健康的かつ短期間に痩せられることがあります。また、お腹周りや太ももといった特定の部位に働きかけることも可能です。
本記事では、メディカルダイエットを解説します。また、向いている人や注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
メディカルダイエット(医療ダイエット)とは、医師の管理下で実施するダイエットのことです。ダイエットに効果があるとされる機器や薬品の中には、医師の許可がないと使用できないものが多いです。
医師の指導の下で進めていくメディカルダイエットなら、医療機器や医薬品を適宜使用できるため、効果的なダイエットを実現しやすくなります。
メディカルダイエットの主な方法は、次の4つです。
それぞれの方法について解説します。
体重減少につながる可能性がある、内服薬を用いたメディカルダイエットもあります。たとえば、リベルサスなどのGLP-1製剤は、インスリンの分泌を促し血糖値を下げるホルモンGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)をベースとして、開発された医薬品です。服用することで血糖値の上昇を抑え、食欲を抑える効果を期待できます。
GLP-1製剤には内服薬と注射薬があります。自己注射に自信がない方や、外出先でも手軽にダイエットを続けたい方は、注射薬よりも内服薬が利用しやすいでしょう。
また、メトホルミンなどのビグアナイド系製剤は、肝臓での糖新生抑制と骨格筋でのインスリン感受性改善に作用します。
フォシーガなどの選択的SGLT2阻害剤も、メディカルダイエットに用いられることがある医薬品です。糖質の排出を促進するため、脂肪として体内に蓄積されにくくなります。
注射薬によるメディカルダイエットは、主に次の2つの種類があります。
オゼンピックやビクトーザ、サクセンダ、マンジャロなどのGLP-1製剤は、いずれも食欲抑制効果を期待できる注射薬です。ただし、いずれも用法や用量、保管方法などが異なるため、処方されたときに確認しておきましょう。
たとえば、オゼンピックやマンジャロは週1回の頻度で注射しますが、ビクトーザは基本的に1日1回注射します。また、オゼンピックとビクトーザは注射の際に注射針をセットする必要がありますが、マンジャロは注射器と針が一体となったタイプです。
部分痩せを目指す場合は、脂肪細胞を破壊する脂肪溶解注射をクリニックで実施することがあります。複数回の処置で効果が半永久的に続くため、顎や二の腕、お腹周りなどの特定の部位のみ気になるときの選択肢として検討できます。
ただし、ダウンタイムがほとんどないGLP-1製剤とは異なり、注射後1~2週間程度は腫れや痛みが続くこともあるため注意が必要です。
メディカルダイエットに用いられる主な医療機器は、以下をご覧ください。
HIFUとラジオ波、脂肪冷却のいずれも脂肪細胞に直接アプローチする施術です。HIFUは超音波による破壊、ラジオ波は熱による溶解、脂肪冷却は冷却による破壊といったように、脂肪細胞へのアプローチ方法は異なりますが痛みやダウンタイムがほとんどなく社会生活に支障が生じにくい点が共通しています。
一方、EMSマシンを使ったメディカルダイエットは、電気刺激により筋肉を収縮させるため、筋力トレーニングを実施したときと同様の効果を期待できる手法です。また、筋力アップにより基礎代謝量や消費エネルギー量の増加を見込めるだけでなく、ボディラインの引き締め効果も期待できます。
外科的療法によるメディカルダイエットは、主に次の2つが挙げられます。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
脂肪吸引とは、局所麻酔下で皮下脂肪を直接吸引除去する方法です。部分痩せを実施できるだけでなく、即効性があり、施術後すぐに効果を実感できます。
一方、胃バイパスは胃の一部を切り取って容量を減らす方法です。少量で満腹感を得られるようになるため、自然と食事を制限でき、体重減少を期待できます。
ただし、外科的療法は他のメディカルダイエットでは十分な効果が得られない重度肥満患者向けの手法です。また、ダウンタイムもあり、日常生活に影響を及ぼすこともあるため、慎重な検討が求められます。
メディカルダイエットは、手法や使用する医薬品ごとに期待できる効果が異なります。始める前にしっかりと医師に相談し、体重やボディラインの悩みに応じた手法・医薬品を選ぶようにしましょう。
食べ過ぎや間食の多さが気になる場合は、食欲を抑える効果を期待できるメディカルダイエットに注目してみましょう。たとえば、GLP-1製剤には、食欲を抑え、満腹感を維持する効果を期待できます。自然と食事量が減り、体重を落としやすくなります。
また、胃バイパス手術も食欲抑制効果を期待できる手法です。胃の容量が減るため、少量の食事でも満腹感を得やすくなります。
GLP-1製剤は、脂肪や糖質の吸収を抑える効果も期待できる医薬品です。脂肪や糖質が吸収されにくくなれば、食事の量や内容はそのままでも体重が増えにくくなります。
また、選択的SGLT2阻害剤には、腎臓での糖の再吸収を抑制する効果を期待できる医薬品です。余分な糖は尿として排出されるため、体内に蓄積されにくくなります。
GLP-1製剤は、食後の血糖値上昇を抑える効果も期待できます。血糖値の急激な上昇を抑制することで脂肪が蓄積されにくくなり、体重減少につながることがあります。
また、ビグアナイド系製剤はすでに分泌されているインスリンの効き方を改善する薬です。血糖値の上昇を抑制する効果を期待できるため、代謝が促進されて痩せやすくなるだけでなく、食後の倦怠感や眠気の軽減も期待できます。
HIFUやラジオ波発生装置、脂肪冷却装置などの医療機器を用いたメディカルダイエットでは、脂肪細胞の破壊が可能です。脂肪細胞の数が減るため、ボディラインが引き締まるだけでなく、リバウンドしにくい傾向にあります。
ただし、破壊された脂肪細胞は尿や便から排出されますが、糖や脂肪の過剰摂取が続くと、期待するようなダイエット効果を得られない点に注意が必要です。医師の指導の下、食事の見直しや運動も並行して実施しましょう。
ダイエット方法ごとのメリットを把握しておくことも大切です。メディカルダイエットの主なメリットとしては次の点が挙げられます。
各メリットについて解説します。
メディカルダイエットは医療機器や医薬品を使用するため、医師によるサポートなしには開始できません。実施前に体調や病歴、服用している医薬品などについて尋ねられ、ダイエットをする人に適した方法や医薬品が提案されます。
また、医師のサポートを受けられるため、健康を維持しやすいのもメリットです。早く痩せたいと食事抜きや極端に負荷の大きい運動に取り組むのでは、体重は落とせても、健康を損ねることになりかねません。医師に相談できる環境なら、健康を害せずに理想とするボディを手に入れやすくなるでしょう。
メディカルダイエットは脂肪細胞や食欲といった太る原因に働きかける手法です。そのため、リバウンドしにくく、長期にわたって理想とする体重やボディラインを維持できるとされています。
しかし、ダイエットに成功しても、暴飲暴食や運動をしない生活を続けていれば、いつかは体重が増えてしまいます。理想の体重・ボディラインを獲得した後も、適度な食事量と運動を維持するようにしましょう。
ダイエットにはさまざまな方法があります。体重減少に重きを置くなら食事制限、ボディラインの引き締めを目指すなら筋力トレーニングや水泳、ジョギングのように、目的に合わせてダイエット方法を選びましょう。
メディカルダイエットは、次のような人に向いています。
個人差はありますが内服薬を用いたダイエットの場合、2~3週間程度で効果が表れることもあります。短期間で効果を得たい人は、メディカルダイエットを検討してみてもよいかもしれません。
医療機器を用いたメディカルダイエットの場合、特定の部位のみ痩せられることもあります。太ももやお腹周りといった気になる部分に直接アプローチすれば、理想のボディラインが手に入りやすくなるでしょう。
一方、食事制限によるダイエットでは、気になる部分が痩せられるとは限りません。痩せたい部分が決まっている人も、メディカルダイエットを検討してみましょう。
メディカルダイエットは、運動時間を確保しづらくても効果を期待できます。医療機器を用いた手法はクリニックに通うことが必要ですが、医薬品を用いたメディカルダイエットならオンライン診療で始めることが可能です。
オンライン診療のレバクリは、オゼンピックやマンジャロなどのGLP-1製剤を用いたメディカルダイエットに対応しています。ご予約から診療、処方までのすべてがオンラインで完結するため、通院の必要がありません。お気軽にご相談ください。
メリットの多いメディカルダイエットですが、いくつか注意点もあります。
気になる点は医師に相談し、疑問を解消してから取り組みましょう。
医薬品によっては吐き気や頭痛、倦怠感などの副作用が生じることもあります。例えば部分痩せに用いられる脂肪溶解注射では、腫れや痛みが1~2週間ほど続くこともあります。
また、外科的療法では感染症や麻酔によるリスクもあるため注意が必要です。個人差はあるものの副作用が強く表れることもあるため、事前に医師としっかり相談しましょう。
妊娠中や授乳中の場合、薬剤が胎児・乳児に影響を及ぼす可能性があるため、メディカルダイエットを実施できないことがあります。
また、肝機能障害・腎機能障害、心臓病、精神障害などがある人も注意が必要です。副作用のリスクが高くなったり、かえって病状が悪化したりする恐れがあるため、メディカルダイエットを実施できない可能性があります。
メディカルダイエットは美容目的のため、原則として保険が適用されません。医薬品の種類や使用量、処置の回数などによっても異なりますが、予想以上に費用が高額になることもあるため、開始前に確認しておきましょう。
ただし、高度肥満症や肥満関連の疾患がある場合は、保険が適用される可能性があります。肥満を扱う医療機関を受診し、診断を受けてからダイエットを開始するようにしましょう。
短期間で痩せたい人や、辛い食事制限や運動を避けたい人は、メディカルダイエットも選択肢として検討してみましょう。医師のサポートを受けながらダイエットを進めていくため、健康を維持したままスリムなボディラインを獲得しやすくなります。
忙しい人やダイエット目的での通院に抵抗がある人は、オンライン診療も視野に入れてみてはいかがでしょうか。レバクリでは、内服薬や注射薬によるメディカルダイエットのオンライン診療を実施しています。予約から診療、処方、医薬品の受け取りまでのすべてをオンラインで対応可能です。ぜひお気軽にご相談ください。