更新日:2025年11月28日
「根拠のある方法でダイエットをしたい」「リバウンドを避けたい」と考えている方なら、医療ダイエット(医療痩身)を検討してはいかがでしょうか。医療ダイエットは医師による管理の下、医薬品や手術などにより実施するダイエットです。医学的な根拠に基づくため、個人差はあるものの効果を期待できます。
本記事では、医療ダイエットの種類やメリットを解説します。また、医療機関の選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
医療ダイエットとは、医師の管理下で実施されるダイエットのことです。医療痩身や、メディカルダイエットと呼ばれることもあります。
外科的手術を伴うダイエットや医薬品・医療機器を用いるダイエットなど、多様な種類があることも医療ダイエットの特徴です。外科的手術や医療機器を用いる手法は主に医療機関内で実施しますが、医薬品を用いる手法の一部は場所を問わず実施できるため、オンライン診療に対応していることがあります。
医療ダイエットも痩身エステも、いずれも体重減少や痩身を目的としている点は同じです。しかし、医療ダイエットは医師によって実施されるのに対し、痩身エステはエステティシャンが実施するという点が異なります。
医療ダイエットでは医薬品や医療機器などを用いてダイエットを進めていくため、医師による管理が欠かせません。また、体調に不安を感じる場合も随時医師と相談できるため、健康を維持しやすいという特徴もあります。
医療ダイエットは、医学的根拠に基づいたダイエットです。体脂肪吸引や冷却または溶解によって脂肪細胞の自然死や分解を促し、体重減少や痩身を目指します。
適切に実施すれば確実に痩せられるとされていますが、効果には個人差があるため必ずしも目標体重を実現できるとは限りません。また、選択する医療ダイエットによっても効果が異なるため、医師と相談して適切な方法・医薬品を選ぶことが大切です。
医療ダイエットを実施する際、食事制限や運動を組み合わせることで、より痩せやすくなります。医師に相談の上、無理のない範囲で食生活や運動習慣も改善しましょう。
医療ダイエットには次の種類があります。
クリニックによって、対応している方法や医薬品が異なります。できれば医療機関を受診する前に、対応している医療ダイエットの種類や医薬品を確認しておきましょう。
医療ダイエットでは、食欲抑制効果や糖の排出効果のある医薬品を用いることがあります。医薬品によって服用方法や用量、服用タイミングが異なるため、処方される前に医師に確認しておきましょう。
医療ダイエットに用いられることがある主な医薬品を紹介します。
リベルサスは、食後にインスリン分泌を促し、血糖値を下げるホルモン「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」をベースとして開発された、GLP-1製剤の一種です。起床時などの空腹時に内服し、食欲を抑制する効果を期待できます。
GLP-1製剤は医療ダイエットでは定番とされる医薬品ですが、注射薬として処方されることが少なくありません。「自己注射に自信がない」「外出時に服用しやすいタイプがよい」と考えている方は、内服薬であるリベルサスの取り扱いがある医療機関に相談してみましょう。
マンジャロも、リベルサスと同じくGLP-1製剤の一種です。ただし、注射薬のため自分で注射することが条件となります。
とはいえ、注射針があらかじめセットされた状態で処方されるため、自己注射ではあるものの難しい操作はありません。また、注射の頻度も基本的には週に1回のみで、比較的負担の少ない医薬品といえます。
オゼンピックはマンジャロと同様、GLP-1製剤の注射薬です。基本的には週に1回の頻度で、腹部などに自己注射をします。
ただし、注射針があらかじめセットされているマンジャロとは異なり、注射時に自分で針をセットする必要があります。注射針の設置に慣れるまでは、操作が難しいと感じるかもしれません。
ビクトーザも、GLP-1製剤の注射薬です。日本で最初に発売されたGLP-1製剤で、注射針をセットしてから自己注射をします。
ただし、こちらは基本的には1日に1回の頻度で注射しなくてはいけません。毎日の注射が負担に感じる場合は、マンジャロやオゼンピックなどの服用頻度が低い医薬品を検討しましょう。
フォシーガは、選択的SGLT2阻害剤の内服薬です。選択的SGLT2阻害剤には、体内に存在するSGLT2(ナトリウム・グルコース共役輸送体)の働きを阻害して、腎臓でのブドウ糖再吸収を阻害することで、尿中に糖を排出し、血糖値を下げる作用があります。糖尿病や慢性心不全の治療薬としてだけでなく、医療ダイエットに用いられることもあります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
利尿作用を促すため、副作用として脱水症状が見られることや、尿中の糖濃度が上昇して尿路感染症にかかりやすくなることがあります。用量を守って服用するのはもちろんのこと、服用中はこまめに水分を補給しましょう。
メトホルミンは、ビグアナイド系製剤の内服薬です。ビグアナイド系製剤とは、肝臓での糖産生を抑え、筋肉・脂肪組織での糖の取り込みを促進し、小腸での糖吸収を抑制することで血糖値を下げる効果を期待できる医薬品です。
血糖値や中性脂肪、LDLコレステロールの数値を改善する必要があるときに処方される医薬品です。
メトホルミンは多様なアプローチで血糖値を下げるため、場合によっては低血糖状態になり、ふらつきや冷や汗といった副作用が見られるかもしれません。また、脱水症状や下痢などが見られることもあります。副作用が表れたときはすぐに服用を止め、医師に相談してください。
医療機器を用いて、痩身を目指す方法もあります。たとえば、脂肪冷却装置を使い、局所的に脂肪細胞を死滅させて体外に排出する手法は、多くのクリニックで実施されています。脂肪細胞以外の細胞や組織を傷つけず、なおかつメスや注射針を使わないため、身体へのダメージが少ない点も特徴です。
また、脂肪細胞を加熱分解するラジオ波による手法や、超音波により皮膚表面は傷つけずに内部を引き締める高密度焦点式超音波治療法(HIFU)などもあります。電気的に筋肉に刺激を与えるEMSマシンを使った手法では、代謝が向上するため痩せやすい体を目指せます。
医療機器を用いる手法は、いずれも部分痩せが可能です。体重を減らすというよりは、顔やお腹周り、太ももといった特定の部位を引き締めたいときに活用されます。また、ダウンタイムが少なく、日常生活に支障が生じにくいのも医療機器を用いたダイエットの特徴です。
外科的手法を用いたダイエットとは、メスを使った手法です。たとえば、脂肪吸引では皮下に吸引管を挿入し、皮下脂肪を直接取り除きます。二の腕やお腹周り、太ももなどの皮下脂肪がつきやすいほとんどの部位に実施できるため、部分痩せの手法として用いられることがあります。
また、リバウンドしにくい点も外科的手法を用いたダイエットの特徴です。ただし、医療機器を用いた方法と比べるとダウンタイムが生じやすく、個人差はありますが手術後2~3週間程度は内出血や腫れがみられることもあります。
ダイエットの手法ごとのメリット・デメリットを把握しておくと、自分に合う手法を選びやすくなります。医療ダイエットの主なメリットは、以下をご覧ください。
各メリットについて解説します。
医療ダイエットは、痩せたい部分にアプローチできるダイエット法です。たとえば、医療機器を用いる場合なら、HIFUやラジオ波などで痩せたい部分の脂肪細胞に直接アプローチできるため、顎や太ももといった気になる部分だけを引き締められます。また、脂肪吸引も痩せたい部分に直接アプローチできる医療ダイエットです。
ただし、すべての医療ダイエットが部分痩せに適しているわけではありません。たとえば、医薬品を用いる方法では、特定の部位の脂肪だけにアプローチするわけではないため、気になる部分だけを引き締められない可能性があります。医師の指導の下、食事や運動にも注意をして理想のダイエットを実現しましょう。
内服薬を用いたダイエットでは、個人差はありますが、2~4週間で効果を実感し始めることがあります。また、医療機器を用いた手法では、1~3か月で効果を実感し始めるケースが多いようです。
食事を減らしたり運動量を増やしたりする一般的なダイエットでは、すぐに効果が出るとは限りません。長期的に継続することが大切ですが、あまりにも長期間効果が見られないと挫折してしまうこともあるでしょう。比較的短期間で効果を実感できる医療ダイエットなら、モチベーションを維持でき、継続しやすいかもしれません。
医療ダイエットでは、食事制限や運動をしなくても体重を落とせることがあります。たとえば、医療機器や外科的手法を用いたダイエットなら、脂肪細胞に直接アプローチするため、食事制限や運動なしに痩身効果を期待できるでしょう。
また、医薬品を用いたダイエットなら、食欲を抑えやすくなるため、ストレスをあまり感じずに食事を制限できることがあります。ただし、よりいっそうの効果を期待するなら、適切な運動や食事の内容・量の調整が必要です。医師に相談し、効率よくダイエットを進めていきましょう。
医療機器や外科的手法を用いると、脂肪細胞そのものを減らせるため、リバウンドしにくくなります。また、医薬品を用いた手法も、食欲抑制効果を期待できるため、ストレスによる過食を防ぎやすくなるでしょう。
引き締まった体を長期的に維持したいときは、リバウンドしにくい医療ダイエットを検討してみるのも1つの方法です。
メリットの多い医療ダイエットですが、いくつかデメリットもあります。
医薬品を用いた手法では、下痢や脱水症状などの副作用が表れることがあります。また、外科的療法により合併症や感染症のリスクが生じることもあります。
医療ダイエットを実施する前に副作用や合併症について確認し、症状が見られるときはすぐに医師に相談するようにしましょう。
医療ダイエットは美容目的のため、基本的には保険が適用されません。医薬品や施術、診察などはすべて実費となるため、費用が高額になることもあります。
また、同じ医薬品を処方してもらう場合でも、クリニックによって値段が異なることもあります。割高なクリニックを避けるためにも、いくつか比較しておくとよいでしょう。
ただし、高度肥満症などの特定の疾患と診断されるときは、医薬品や施術の一部に保険が適用されることがあります。医師に相談してみましょう。
妊娠・授乳中だったり、高齢、心臓病や消化管運動障害があったりする人は、危険性が高いため基本的にメディカルダイエット(特にGLP-1を用いた)はできません。
医師の指示に従って、まずは生活習慣を見直す、時期を改めるなどしましょう。
医療ダイエットを成功させるためにも、信頼できるクリニックを選ぶことが必要です。クリニックを選ぶ際には、次のポイントに注目してください。
医療ダイエットは痩身効果を期待できますが、副作用や合併症などのリスクもあります。また、原則として保険適用外のため、費用面でも気になる点があるでしょう。納得して医療ダイエットを開始するためにも、施術や処方の前に疑問を解消しておくことが大切です。
無料カウンセリングを実施しているクリニックなら、疑問を解消してから医療ダイエットを開始できます。どのクリニックにするか迷ったときは、無料カウンセリングの有無を確認してみましょう。
複数の方法や、医薬品に対応しているかどうかも確認しておきましょう。たとえば、医療ダイエットに使用される医薬品はいずれも効果を期待できるものではありますが、個人差があるため、すべての方に同一の効果が出るわけではありません。また、効果を得られても副作用が強い場合は中断せざるを得ないでしょう。
複数の方法や医薬品に対応しているクリニックなら、期待するような効果が見られないときや副作用が生じるときは別の方法・医薬品に切り替えられます。担当医に相談するようにしましょう。
期待できる効果は、医師の技術や経験によって左右されることもあります。とくに医療機器や外科的手法による医療ダイエットは、スキルや経験の差が大きく出やすいと考えられます。信頼できる実績があるのか確認してからクリニックを選びましょう。
医学的根拠に基づいてダイエットを進めていく医療ダイエットには、部分痩せを期待できる、比較的短期間で効果を実感しやすいといったメリットがあります。しかし、副作用が生じるリスクもあるため、信頼できるクリニックを選び、慎重に進めていくことが大切です。
どのクリニックにするか迷ったときは、オンライン診療のレバクリをご検討ください。レバクリではご相談から処方、医薬品の受け取りまですべて場所を問わず実施できます。また、無料診察を実施しているため、疑問を解消してからダイエットに取り組めるのも特徴です。お気軽にお問い合わせください。