更新日:2025年11月28日
医療ダイエットとは、医師の指導のもと科学的根拠に基づいて行われるダイエット方法です。
この記事では、保険適用になる医療ダイエットの条件や医療ダイエットで受けられる治療について解説します。あわせて、保険適用外になる医療ダイエットで受けられる治療や、保険適用外の治療費を抑える方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください
医療ダイエットとは、科学的根拠に基づいたダイエット方法のことで、医師の指導のもとで実施されます。科学的根拠に基づくため、これまでの激しい運動や過酷な食事制限によるダイエットとは違い、医学的手法で効率的に体重を落とします。なお、医療ダイエットは、メディカルダイエットと呼ばれることもありますが、基本的には同じ意味です。
医療ダイエットの目的には、以下の2つのパターンがあります。
それぞれのダイエット目的に応じて、保険適用となるかどうかが異なるため注意しましょう。保険適用になる条件を、次項で解説します。
医療ダイエットが保険適用になる条件を解説します。脂肪を減らして見た目を美しくする美容目的のダイエットは、基本的に保険適用外です。
肥満に関連する病気の影響で減量が必要な場合に、保険適用になる可能性があります。保険適用の場合の自己負担割合は1~3割で、風邪などで通院した際と同等の負担割合と考えるとわかりやすいでしょう。
保険適用となるための条件には、次の2つが関係しています。
それぞれの条件について見ていきましょう。
医療ダイエットが保険適用になるかどうかの基準のひとつが、BMI(Body Mass Index)です。BMIは、次の計算式で算出されます。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)の2乗
BMI値と肥満の判定基準は、次の表の通りです。
| BMI値 | 判定 |
|---|---|
| 18.5未満 | 低体重(痩せ型) |
| 18.5〜25未満 | 普通体重 |
| 25〜30未満 | 肥満(1度) |
| 30〜35未満 | 肥満(2度) |
| 35〜40未満 | 肥満(3度) |
| 40以上 | 肥満(4度) |
BMIの値が35(肥満3度)以上の場合に、医療ダイエットが保険適用となる可能性が高くなります。
BMI値が25以上で、かつ肥満に関係する疾病がある場合にも、保険適用となる可能性があります。医療ダイエットを通じて疾病の治療や予防を目指すもので、医療ダイエットが治療の一環として認められる場合です。
保険適用対象となる可能性のある肥満関連疾患には、次のようなものが挙げられます。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
保険適用となる可能性についてまとめると、以下の通りです。
保険適用を受けて治療でダイエットすることを、肥満外来と呼びます。
見た目を美しくする美容目的のダイエットの場合は、一般的に保険適用外です。痩せてきれいになるために医療ダイエットを希望しても、美容目的のダイエットになるため、保険適用は受けられません。
肥満外来で受けられる代表的な治療は、次の4つです。
各治療法について解説します。
肥満外来で行われる食事指導では、管理栄養士から栄養指導を受けます。食事指導は減量の基本で、体重や内臓脂肪量を減らすために有効です。
肥満を改善するためには、食事制限をして、摂取エネルギーをただ減らせばよいというわけではありません。過度な食事制限によって別の健康障害が生じる可能性もあるため、注意しましょう。
肥満外来では、患者一人ひとりの1日の活動量や生活スタイルを管理栄養士が把握し、1日に必要な摂取エネルギーを計算します。その上で、各自に向けた食事を提案してくれるのが特徴です。
肥満外来における運動指導の目的は、体に過剰についた脂肪の燃焼や代謝の改善です。有酸素運動やレジスタンス運動、ストレッチングなど、患者ごとに適切な運動プログラムが提供されます。
基本的には、有酸素運動が主体です。体に負担がかからないウォーキングからスタートし、レジスタンス運動もあわせて行うことで筋肉量の増加を目指します。それらの運動を通じて、中性脂肪値や血圧、血糖値などの低下が見込めるでしょう。
薬物療法は、食事指導や運動指導を行っても改善が見られない場合に行われます。保険適用で処方される薬の一例が、サノレックス(食欲抑制剤)です。
ただし、サノレックスには服用できる期間が決められており、最大3か月です。服用時の副作用として、口の渇きや便秘、睡眠障害、吐き気などがあるため、注意しましょう。
漢方治療も保険適用となる場合があります。保険適用となる漢方薬の一例は、次の通りです。
肥満治療に用いられる漢方薬には、このほかにもさまざまなものがあります。気になる人は、医師の診断を受けてみましょう。
保険適用外で受けられる主な治療は、次の4つです。
保険適用外になるため、しっかりと治療内容や費用について理解してから治療を受けるようにしましょう。費用については次項で解説するので、気になる人はそちらもあわせてチェックしてください。
脂肪冷却とは、脂肪を冷やして壊死させ体外に排出する施術です。破壊された脂肪細胞は汗や尿などの老廃物と一緒に体外に排出されます。
脂肪細胞が4°Cで壊死するという性質を利用した施術で、メスを用いないため、ほかの組織にダメージを与えずに脂肪細胞のみ破壊できるのが特徴です。1回で脂肪細胞を約20%減少させる効果があるとされています。
施術対象となる部分は、次の通りです。
リバウンドが少ない点が魅力ですが、効果が現れるまでに約1〜3か月かかる点には注意しましょう。
脂肪溶解注射とは、脂肪細胞を溶かす作用のある薬剤を注射することで、脂肪を減少させます。注射によって直接脂肪細胞を破壊するため、鼻や頬などの脂肪溶解にも対応可能です。
施術対象となるのは、次のような部分があります。
脂肪溶解注射は部分痩せに効果的で、施術直後から効果を実感しやすいことも魅力といえます。
医療ハイフ(HIFU)などの高周波やレーザーを用いた施術も保険適用外です。
脂肪細胞の減少以外に、コラーゲン生成や肌の引き締め効果なども期待できます。メスを用いずに短時間で行えるのが特徴ですが、個人によって効果に差がある点は注意しましょう。
GLP-1製剤には、胃腸内容物排泄遅延による満腹感の持続と、脳の中枢に直接作用して食欲抑制させる機序があります。
GLP-1製剤は、もともと2型糖尿病の治療薬として用いられてきました。しかし、体重減少につながる効果があるとして、現在はダイエット目的でも使用されています(糖尿病治療で使用する場合は保険適用です)。
肥満外来と医療ダイエットでかかる費用について見ていきましょう。肥満外来は保険適用になるため、低コストで治療を受けることが可能です。医療ダイエットは自費診療になるため、肥満外来に比べて高い治療費がかかる傾向にあります。
それぞれの費用相場は、次の通りです。
| 肥満外来 | 費用相場 | 医療ダイエット | 費用相場 |
|---|---|---|---|
| 初診料 | 2,000〜5,000円程度 | 脂肪冷却 | 50,000〜300,000円程度/1回 |
| 再診料 | 1,000〜3,000円程度 | 脂肪溶解注射 | 20,000〜100,000円程度/1回 |
| 薬剤費 | 数百〜数千円程度 | GLP-1製剤 | 10,000〜30,000円程度 |
なお、費用は各医療機関によって異なるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
肥満外来がおすすめの人は、肥満の人や肥満による疾病を持っている人です。コレステロール値や中性脂肪値が上昇することで血管が細くなったり、血液がドロドロになって血管に詰まったりして心筋梗塞や脳梗塞などにつながる恐れがあります。
それらの疾病の発症を抑えるためにも、健康的に痩せることが必要です。
保険適用外の医療ダイエットがおすすめの人としては、次のようなタイプの人が当てはまります。
保険適用外の医療ダイエットでは、脂肪冷却などの脂肪細胞に直接アプローチする施術や内服薬での治療などを受けられます。施術と並行して基礎代謝を上げられれば、リバウンドしづらい体質改善にもつながるでしょう。
また、保険適用外の医療ダイエットは、小顔施術・部分痩せを希望する人にも向いています。
脂肪溶解注射は小顔施術に用いられている施術で、気になる部分の脂肪細胞を溶解すれば小顔に近づけます。医療ハイフや脂肪冷却、脂肪溶解注射を組み合わせれば、部分痩せも可能です。
医療ダイエットを受けるクリニックの選び方について解説します。
保険適用で治療したいのであれば、まずは自分の身体の状態(BMIや肥満関連疾患の有無など)が保険適用になるのかどうか、事前に確認することが大切です。
保険適用外の医療ダイエットを受ける場合には、各医療機関で費用が異なるため、複数の医療機関の費用を比較検討することをおすすめします。あわせて、治療法の安全性や効果についてもしっかりと理解しておくことが重要です。
そして、保険適用の有無にかかわらず、以下の点に注意して医療機関を選びましょう。
保険適用外になる医療ダイエットの費用は、治療内容によっては高額になりがちです。ここでは、保険適用外の医療費用を抑える方法を解説します。
おすすめの方法は、次の4つです。
医療機関を選ぶ際には、上記のことを念頭において選ぶと、少しでも費用を抑えられるでしょう。
費用を抑える方法のひとつが、割引キャンペーンの利用です。医療機関の中には、紹介割引や初回割引などを実施しているところがあるため、それらをうまく利用できれば費用を抑えられるでしょう。
パッケージプランを選ぶと、単発で施術や治療を受けるよりも全体的な費用を抑えられる可能性があります。パッケージプランとは、複数回の治療を1セットにプラン化したものです。
全体的な費用を抑えられる効果がある半面、長期契約が条件の場合もあるため、契約内容を事前に確認して自分にあったプランを検討しましょう。
ダイエットモニターに選ばれれば、通常価格よりも安い金額で施術を受けられる可能性が高いです。
医療機関の中にはダイエットモニターを募集している(モニター制度がある)場合もあります。ダイエットモニターになるためには条件があり、定期的な来院が可能なこと、施術前と施術後の写真を提供できることなどが一般的な条件です。
安いからとモニターに応募するのではなく、条件をしっかりと確認してから応募しましょう。
GLP-1製剤の治療のように自己注射や服用での治療の場合、オンライン診察を行っている医療機関であれば比較的安価な料金で済みます。
来院型の医療機関の場合、初診料や再診療として都度費用が必要になるケースがありますが、オンライン診療であれば無料で予約が可能なところが多いです。
また、通院の手間や交通費の負担も省けるため、検討してみてはいかがでしょうか。
医療ダイエットが保険適用になるかの基準は、例えば肥満症のような痩せるために治療が必要になるかどうかです。単に美容目的で医療ダイエットを行う場合は、自費となるため注意しましょう。
また、それぞれでかかる費用も大きく異なります。とくに保険適用外の治療を希望する場合は費用が高額になりがちなため、オンライン診察などをうまく活用して、費用を抑える工夫をしましょう。