更新日:2026年01月16日
「皮下脂肪の落とし方を知りたい」と考える方もいるかもしれません。皮下脂肪を落とすには、食事の栄養バランスを意識し、摂取エネルギーを消費エネルギー以下にすることが大切です。また、有酸素運動や筋力トレーニングを合わせて行うのが効果的です。この記事では、皮下脂肪を落とすための食事法と運動方法を紹介します。ダイエット前に知っておきたいことも解説しているので、皮下脂肪にお悩みの方は参考にしてみてください。
皮下脂肪は、皮膚の下に蓄積される脂肪のことです。つまんで確認できる脂肪が皮下脂肪であり、太ももやお腹、腕など体のさまざまな部位につきます。体を保護したり体温を維持したりする働きがあるものの、過剰に蓄積すると見た目の問題だけでなく健康にも影響してくるでしょう。ここでは、皮下脂肪の特徴やつく理由について解説します。
皮下脂肪と内臓脂肪の主な違いは、蓄積しやすい場所だといえるでしょう。皮下脂肪は皮膚の直下にある脂肪で、手で触れられるのに対し、内臓脂肪は腸や肝臓など内臓の周りについている脂肪で、外からは見えません。
皮下脂肪と内臓脂肪の違いを表でまとめると以下のようになります。
| 特徴 | 皮下脂肪 | 内臓脂肪 |
|---|---|---|
| 位置 | 皮膚の下 | 内臓の周り |
| 触知 | つまめる | つまめない |
| 健康リスク | 過剰につくと生活習慣病の原因となるリスクがある | 睡眠時無呼吸症候群や関節痛、月経異常などの原因となるリスクがある |
内臓脂肪には脂質異常症や動脈硬化など生活習慣病のリスクを高める恐れがあります。皮下脂肪は内臓脂肪ほど健康を脅かすことは少ないものの、見た目や服のサイズに影響するため、多くの方が減らしたいと考えるでしょう。
皮下脂肪が増える主な原因は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスの崩れです。食べる量に対して運動量や基礎代謝が少ないと、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されます。特に加齢とともに基礎代謝は低下するため、同じ食習慣を続けていても脂肪がつきやすくなるのです。
また、ホルモンバランスの変化も皮下脂肪増加の要因になります。女性は閉経後にエストロゲンが減少し、脂肪がつきやすくなります。ストレスや睡眠不足も皮下脂肪を増やす原因の1つです。
ストレスによってコルチゾールというホルモンが分泌されると、血糖値が上昇するためです。皮下脂肪を増やさないためには、規則正しい睡眠習慣やストレスの発散方法を見つけることが必要だといえるでしょう。
皮下脂肪を効果的に減らすには、食事習慣の見直しが欠かせません。以下で紹介するコツを取り入れ、皮下脂肪を減らしやすい体づくりを目指しましょう。
皮下脂肪を落とすためにまず意識すべきことは、摂取エネルギーを消費エネルギー以下にすることです。摂取エネルギーが消費カロリーを下回ると、足りないぶんを脂肪から使用するため、徐々に皮下脂肪が減っていきます。
しかし、急激なカロリー制限は代謝を落とし、かえって痩せにくい体質になる可能性があるため、極端な食事制限は避けましょう。消費エネルギーより200〜500kcal程度抑えた食事を心掛けるのが理想的です。たとえば、毎日のおやつを半分に減らしたり、夕食の炭水化物を少し減らしたりするだけでも効果が期待できます。
消費エネルギーは運動量や性別、年齢によって異なります。体重や年齢に合わせた基礎代謝計算サイトなどを活用して、自分に適切なカロリー設定を見つけておくと良いでしょう。
皮下脂肪を落とすには、筋肉量の維持が重要です。筋肉は基礎代謝を高め、脂肪燃焼を促進する役割を担うからです。そのためには、筋肉の主要な構成要素であるタンパク質の摂取が欠かせません。
タンパク質の推奨摂取量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版年版)(p.126)」によると18~64歳の場合、男性は1日あたり60~65g、女性は50gほどとされています。質の良いタンパク質源としては、鶏むね肉や赤身肉、魚、卵、豆腐、納豆などがあります。これらを各食事に分散して摂ることで、効率良く筋肉の合成を促せるでしょう。また、運動後にタンパク質を摂取すると、体内のアミノ酸が筋肉に形成されやすくなります。トレーニング後には積極的にタンパク質を含む食事やプロテインを取り入れると良いでしょう。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
糖質と脂質は体に必要な栄養素ですが、摂り過ぎると脂肪として蓄積されてしまうため、量や質を見直しましょう。糖質は急激に血糖値を上げるものを避け、全粒粉のパンや玄米など食物繊維が豊富で消化吸収がゆっくりなものを選ぶことをおすすめします。
脂質は、摂取量の調整だけでなく質にも注目することが大切です。オメガ3脂肪酸を含む青魚や、オリーブオイル・アボカドなどの不飽和脂肪酸は、血液中のLDLコレステロールを下げるなどの効果があります。
一方、揚げ物や加工食品に含まれるトランス脂肪酸や飽和脂肪酸の過剰摂取は控えた方が良いでしょう。トランス脂肪酸や飽和脂肪酸によって血液中のLDLコレステロールが増加すると、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが高まります。
腸内環境の改善は、皮下脂肪の減少に間接的に貢献します。食物繊維には、糖や脂肪の吸収を穏やかに、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、食物繊維には便の水分保持や排便運動を促すといった腸内環境を整える働きもあるため、便秘の解消にもつながるでしょう。
食物繊維が豊富な食品としては、野菜や果物、豆類、全粒穀物などが挙げられます。厚生労働省の「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(p.144)」によると、食物繊維の一日の摂取目安量は、年齢によって異なりますが18~64歳の男性で1日20~22g以上、女性は1日17~18g以上です。いきなり増やすとお腹がゆるくなることがあるため、少しずつ増やしていくのがおすすめです。また、ヨーグルトや発酵食品を組み合わせると、さらに腸内環境の改善が期待できます。
参考:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」
食事の順番を意識することも、皮下脂肪対策に役立ちます。最初に野菜など食物繊維が多いものを食べると、血糖値の急上昇を抑え、満腹感を得やすくなります。理想的な食事の順番は、食物繊維→タンパク質→炭水化物です。
また、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。早食いは満腹中枢が反応する前に食べ過ぎてしまう原因になります。一口30回以上噛むことを意識すると、少量の食事でも満足感を得やすくなります。
さらに、食事の時間帯も考慮すると効果的です。夜遅い食事は消費されにくく脂肪として蓄積されやすいため、できるだけ就寝の3時間前までに夕食を済ませるようにしましょう。
皮下脂肪を落とすには運動も欠かせません。ここでは、皮下脂肪を落とす運動方法を紹介します。自分のライフスタイルや好みに合わせて、続けられるものから始めてみましょう。
有酸素運動は、皮下脂肪を直接燃焼させるのに効果的な方法です。ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどが有酸素運動にあたります。有酸素運動は、酸素を使って脂肪をエネルギー源として消費するため、継続的に行うことで皮下脂肪の減少が期待できます。
効果を活かすには、適切な強度と時間が重要です。息が少し弾む程度の「ややきつい」と感じる強度で、20分以上続けることが理想的です。運動を始めて約15分経過すると、エネルギー源が糖質から脂肪へと移行し始めるため、それ以降の運動が脂肪燃焼に効果的となります。初心者の場合は、無理のない範囲から始めましょう。たとえば、最初は1日10分のウォーキングから始め、徐々に時間や強度を増やしていくのがおすすめです。週に3〜5回の頻度で続けることで、効果を実感しやすくなるでしょう。
筋力トレーニングを行い筋肉量を増やすことで基礎代謝が高まります。基礎代謝量が高くなると、安静時でもカロリーが多く消費されるようになり、皮下脂肪を落としやすい体質になるといえるでしょう。
初心者におすすめのトレーニングとして、スクワットやプランク、腕立て伏せなどが挙げられます。これらは特別な器具を必要とせず、自宅で簡単に始められやすいでしょう。各種目10〜15回を2〜3セット、週に2〜3回行うのが目安です。まずは短期間で無理なトレーニングを行うよりも、習慣化させて長く継続していくことを目標に始めてみるのが良いでしょう。
日常生活の中での活動量を増やせれば、皮下脂肪を落とすことにつながります。これは「非運動性活動熱産生(NEAT)」と呼ばれ、意識的に取り入れることで1日のカロリー消費を増やせるでしょう。具体的な方法としては、以下が挙げられます。
小さな変化は単体では効果が小さいように感じられますが、日々積み重ねることで総消費カロリーを確実に増やせるでしょう。また、床掃除や窓拭き、庭仕事などの家事も、筋肉を使いながらカロリーを消費する良い活動です。日常の中でこれらの活動を意識的に増やすことで、運動する時間がとれない日でも活動量を確保できます。
皮下脂肪を減らすための取り組みを始める前に、理解しておくべき重要なポイントがあります。正しい知識を持つことで、効率的に皮下脂肪を減らし、リバウンドを防げるでしょう。
「お腹だけ」「太ももだけ」といった特定の部位だけの脂肪を選択的に減らすことは難しいです。脂肪の減少は全身的に起こり、どの部位から減るかは個人の遺伝や体質によって異なります。一般的には、皮下脂肪の場合は手足の末端や顔などから落ちやすいといわれています。
皮下脂肪を落としたい部位があるときは、全身的な脂肪減少を目指しながら、気になる部位の筋肉を鍛えることが大切です。脂肪が減って筋肉がついてくれば、その部位の見た目は徐々に引き締まってくるでしょう。
短期間で結果を出そうして極端な食事制限を行うと、リバウンドを招く可能性があります。必要なエネルギーが得られないと筋肉が落ちて代謝が低下し、体が少ないエネルギーで効率的に機能するよう適応してしまうからです。その結果、制限を緩めた際に脂肪が蓄積されやすくなってしまいます。こうしたリバウンドにより、元の体重よりも増えてしまう可能性があります。
また、極端な制限は栄養不足を引き起こす恐れがあります。急激に変えるのではなく、少しずつ健康的な食習慣に移行することで、体への負担が少なく、長く続けられる変化を作れます。
先述のとおり、皮下脂肪の蓄積は、食事や運動だけでなく、睡眠や生活リズム、ストレスなど多くの要因が関わっています。これらの生活習慣を総合的に見直すことが、持続可能な皮下脂肪減少につながります。
過度な運動や食事制限をするダイエットよりも、今後継続していけるような健康的なライフスタイルへの転換を目指すことが大切です。無理して行うダイエットは長続きせず、止めるとともに再び脂肪が徐々に蓄積されてしまうと考えられるためです。結果的に理想の体型に近づくには、生活習慣そのものを変えることを意識しましょう。
食事や運動だけでは思うような結果が得られない場合、医師の指導のもと行うメディカルダイエットも一つの選択肢です。メディカルダイエットでは食欲減退と関連するGLP-1受容体作動薬を投与し、消化管ホルモンの作用を調整します。食欲を抑えることで摂取カロリーを減らせるため、痩せやすい身体を作っていけるでしょう。メディカルダイエットは、次のような方におすすめです。
なお、根本的な生活習慣の改善が必要であることは考慮しておきましょう。
皮下脂肪を落とすのは一朝一夕にはいきませんが、正しい知識と方法で取り組めば、改善は可能です。自分のライフスタイルに合った方法を見つけ、無理なく続けていくことが成功の鍵となるでしょう。
皮下脂肪を効果的に落とすには、食事と運動をバランス良く組み合わせることが重要です。
食事面では、摂取エネルギーを消費エネルギー以下に抑えることを意識しましょう。タンパク質を摂取して筋肉量を維持しながら、糖質と脂質の量・質を見直し、食物繊維を増やして腸内環境を整えることがポイントです。また、食事の順番(野菜→タンパク質→炭水化物)を意識し、よく噛んでゆっくり食べる習慣も身につけましょう。
運動については、脂肪を直接燃焼させる有酸素運動と、基礎代謝を高める筋力トレーニングを組み合わせると効果的です。さらに、日常生活での活動量を意識的に増やすことも継続的な皮下脂肪減少につながります。
皮下脂肪を落とす際は、極端な食事制限を避け、生活習慣全体を見直すことが大切です。食事や運動だけで効果が出にくい場合は、GLP-1などを活用したメディカルダイエットも選択肢の一つとして検討してみると良いでしょう。