更新日:2026年01月16日
「食べていないのに全然痩せない」「痩せるために食事を抜くダイエットをしているけど、イライラして辛い」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。実は食べないダイエットは、基礎代謝の低下や筋肉量の減少を招き、かえって痩せにくい体質になってしまう可能性があります。本記事では、食べないダイエットで痩せない理由や健康的に痩せるための方法を紹介しているので、理想の体型を目指したい方はぜひ参考にしてみてください。
食べないダイエットを試しているものの、なかなか痩せないと悩む方もいらっしゃるかもしれません。食べないダイエットで成果が得られないのは、以下の理由が挙げられます。
食べないダイエットで痩せづらくなるメカニズムを理解し、健康的に体重を減らす方法を見つけましょう。
ダイエットで食事を極端に制限すると、体はエネルギー不足を感じて生命維持に必要な「基礎代謝」を下げてしまいます。基礎代謝とは、私たちが生きているだけで自然に消費するカロリーのことです。厚生労働省の「身体活動とエネルギー代謝」によると、人間の基礎代謝量は、総エネルギー消費量の約60%を占めるとされています。この基礎代謝が低下すると、今までなら消費されていたはずのカロリーは体内に残ってしまいます。その結果、余ったエネルギーは代謝されずに脂肪として蓄えられる可能性があります。ダイエットで健康的に痩せるには、食べないやり方ではなく、代謝を落とさないバランスの取れた食事を摂取することです。
参考:厚生労働省「身体活動・運動」
食事を抜くダイエットで食べない生活を続けていると、体はエネルギー源として脂肪だけでなく、筋肉も分解して使い始めます。食べないダイエットを継続して筋肉量が減ると、体脂肪を燃焼する力も同時に低下するため、痩せにくい体質に変化してしまうのです。
特に体の構成に必要な栄養素のタンパク質が不足すると、筋肉の維持が難しくなります。カロリーを消費してくれる筋肉の減少により、脂肪を燃やす力も弱まってしまいます。そのため、一時的に体重が減ってもそれは水分や筋肉が落ちただけで、体脂肪率は変わっていない、または増えているというケースも少なくありません。
痩せるために食事を減らすのではなく、適度にタンパク質を摂取して筋肉を維持・向上させることが、結果的に痩せやすい体への近道といえます。
ダイエットで食べないことを試している方の中には、痩せないことに加えて便秘や肌荒れが気になっている方もいるかもしれません。食事を抜くことはビタミンやミネラル、食物繊維といった美容と健康に欠かせない栄養素の不足に直結します。
健康的に痩せるためには、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することが重要です。体重を減らすために食事を抜くのではなく、栄養バランスを意識した食事を続けて、健康的な体づくりを目指しましょう。
食べないダイエットには、「免疫力の低下により体調を崩しやすくなる」「ホルモンバランスの乱れから月経不順になる」「肌が荒れたり髪がパサついたりする」といった心身トラブルが生じる可能性があります。
ここでは、食べないダイエットが招く心身トラブルについて解説するので、どのようなリスクがあるのか確認してみてください。
ダイエットのために食事を極端に制限すると、栄養素の不足から免疫力が低下し、ウイルスや細菌による感染症にかかりやすくなります。
私たちの免疫システムを支えるために必要な栄養素には、タンパク質やビタミン、ミネラルなどがあります。食べないダイエットによってこの栄養素が不足すると、体内の免疫細胞の数や働きが低下し、病原体から身を守る力が弱まってしまうのです。
免疫力が低下した場合、「風邪を引きやすくなった」「体調不良が長引くようになった」といった変化を感じることがあります。体調を崩してしまうと目標達成が遠のくため、免疫力を維持・向上させるバランスの取れた食事を意識して、健康的にダイエットを続けましょう。
食べないダイエットによってホルモンバランスが乱れると、月経不順や無月経を招くリスクがあります。
女性の体は、適切な脂肪量を保つことで正常なホルモンバランスを維持しています。しかし、食事を抜くことによって体脂肪率が低下すると、エストロゲンの分泌が減少し、月経周期が乱れたり、月経自体が止まったりすることがあるのです。月経不順や無月経を放置すると、骨密度の低下や不妊リスクの上昇など、長期的な健康問題につながる可能性があります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
女性ホルモンのバランスを保つためには、食べないダイエットによる体重減少を避け、健康的な食事を続けることがポイントです。
食べないダイエットは「きれいになりたい」という願いとは裏腹に、肌荒れや髪のパサつきなど、見た目の美しさを損なう原因になります。
肌の健康を保つためには、コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCや体を構成する成分のタンパク質、保湿に必要な必須脂肪酸などが必要です。ダイエットのために食事を抜くと、栄養素が不足して肌のターンオーバーが乱れ、肌荒れやくすみなどにつながります。毛髪に関しても同様です。タンパク質やビタミン、鉄分などが不足すると、髪がパサついたり、ハリやコシが不足したりします。
食べないダイエットで一時的に体重が減っても、肌や髪などの美容面に影響が出ると、健康的で魅力的な「きれい」からは遠ざかってしまうでしょう。美しさを保ちながら健康的に痩せるためにも、必要な栄養素を摂取することが大切です。
食べないダイエットは身体面だけでなく、精神面にも深刻な影響を与えます。栄養不足によるセロトニン不足やストレスの蓄積が、イライラや不安感、気分の落ち込みなどを引き起こし、最悪の場合は摂食障害につながる可能性があります。
摂食障害とは、食事の取り方や食行動に異常が生じる精神疾患です。摂食障害の種類には、「太りたくない」という強い思いから食事を極端に制限する拒食症や、過食をして体重を防ぐために排出行為を行う過食症があります。摂食障害の危険性については、厚生労働省の「若い女性の『やせ』と健康・栄養問題」でも紹介されています。
食べないダイエットによる摂食障害のリスクを避けるためにも、心と体のバランスを大切にしながら健康的にダイエットをしましょう。
参考:厚生労働省「栄養・食生活」
食べないダイエットの危険性として見逃せないのが、骨密度の低下です。食事を抜いて十分な栄養を摂らないことで若いうちから骨がもろくなり、現時点では自覚症状がなくても、将来的な骨粗しょう症のリスクを高めることにつながります。
骨粗しょう症になると、ちょっとした転倒や衝撃で骨折しやすくなります。特に背骨や太ももの付け根などが骨折した場合、痛みや体の変形から寝たきりにつながるリスクもあるでしょう。
目先の体重減少だけでなく、将来の健康を見据え、骨を強く保つための栄養摂取も意識したダイエット方法を選択しましょう。
食べないダイエットは一時的に体重が減っても、リバウンドしやすく健康にも影響を与えてしまうリスクがあります。健康的に痩せるためには、以下の食事法を意識しましょう。
食事は就寝の3時間前までに済ませる適切な食事方法を知り、健康的に痩せるための参考にしてみてください。
食べないダイエットではなく、健康的に痩せるためにアンダーカロリーを意識しましょう。アンダーカロリーとは、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態のことです。
アンダーカロリーになると、体は不足分のエネルギーを体脂肪から補うため、自然と体重が減少して痩せていきます。アンダーカロリーを目指す際は、極端に食事を減らす必要はありません。まず、自分が1日に消費しているカロリーを把握し、それよりも少しだけ摂取量を減らしましょう。たとえば、普段の食事から菓子パンやジュースなど、栄養価が低く高カロリーな食べ物を控えることから始めるのがおすすめです。無理をせず「少しだけ減らす」意識が、リバウンドを防ぎ、継続的なダイエットにつながります。
健康的にダイエットをするためには、カロリー制限だけでなく、PFCバランスの整った食事も意識しましょう。PFCとは、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のことです。厚生労働省の「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」をもとに、18~49歳の男女の理想的なPFCのバランスを以下の表にまとめました。
| 栄養素 | 割合 |
|---|---|
| タンパク質 | 13~20% |
| 脂質 | 20~30%(飽和脂肪酸の上限は7%) |
| 炭水化物 | 50~65% |
タンパク質は筋肉の維持に重要で、不足すると脂肪を燃焼しにくい体になってしまいます。脂質はホルモンの材料として、炭水化物は脳や体のエネルギー源として適量の摂取が必要です。バランスの取れた食事を意識することで、体に必要な栄養素が過不足なく供給され、健康的に理想の体型へと近づけます。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
食べないダイエットは体の冷えを招き、代謝をさらに低下させてしまうことにつながります。代謝を上げて健康的に減量するためには、体を温める食材を積極的に取り入れましょう。
体を温める食材には、ショウガやニンニクなどの香味野菜、根菜類、発酵食品などが挙げられます。このような食材を摂取して体を温めることで血行が良くなり、冷えの改善や代謝アップに役立ちます。代謝が活発になれば自然とカロリー消費が増え、痩せやすい体質に変わるでしょう。
また、温かいスープや蒸し料理などは満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。冷えは美容の敵でもあるため、温かい食事を意識して、体の内側から健康をサポートしましょう。
ダイエットで健康的な減量をするために、食べる順番を工夫しましょう。まずは、食事の最初に食物繊維が豊富な野菜や温かい汁物から食べ始めることがポイントです。
野菜から食べると中に含まれる食物繊維が胃の中で膨らみ、満腹中枢を刺激するため、全体の食事量が自然と減ります。また、食物繊維は糖質の吸収を緩やかにするため、血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑制する効果があるのです。
野菜や汁物の次はメインのおかず、最後にごはんやパンなどの炭水化物を食べるようにします。外食時は、先にサラダを注文して、最初に食べるようにすると良いでしょう。
この食べ方を習慣にすると、無理な食事制限をしなくても自然と適量の食事になります。「食べない」のではなく「食べ方を工夫する」ことで、健康的にダイエットしましょう。
健康的にダイエットをするために、食事は一口30回を目安によく噛んで食べましょう。全国健康保険協会の「3月 よく噛んで、ずっと元気に!」でも、食欲を抑えるため食事中は一口30回噛むようにと推奨しています。
よく噛んで食べることは、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐ簡単で効果的な方法の一つです。よく噛む動作は消化酵素の分泌を促し、胃腸への負担を減らす効果もあります。また、フェイスラインの引き締めや、脳の活性化といった美容・健康面でのメリットも期待できます。早食いを避け、一口一口を味わうことを意識して、よく噛みながら食事をしてみてください。
参考:全国健康保険協会「平成30年度」
「間食は太る原因」と思われがちですが、実は上手に取り入れることで、ダイエットの強い味方になります。適切なタイミングと内容の間食は、空腹感による食べ過ぎを防ぎ、血糖値を安定させる効果があるのです。
食べないダイエットで空腹状態が続くと、次の食事で食べ過ぎてしまったり、体が省エネモードになって基礎代謝が低下したりします。そこで、次の食事までの空腹を和らげる目的として、健康的な間食を上手に取り入れましょう。
間食でおすすめの食べ物は、タンパク質や食物繊維が豊富なナッツ類、ヨーグルト、ゆで卵などです。間食を上手に活用することで、極端な食事制限による栄養不足や代謝低下を防ぎながら、トータルのカロリー摂取量をコントロールしましょう。
夜遅くに食事を摂る習慣は、太りやすくなる原因の一つです。夜間の活動量が少ない時間帯に食事をすると、消費されなかったエネルギーが体脂肪として蓄積されやすくなります。健康的に痩せるためには、食事を就寝時間の約3時間前までに済ませることを意識しましょう。
また、体内時計の調節を担う「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質には、脂肪を溜め込む働きがあり、午後10時から午前2時ころの夜間に分泌量のピークを迎えます。BMAL1の分泌が増える夜遅い時間の食事を避けることで、効率的な体重コントロールにつながります。
なお、仕事や予定などでどうしても遅くなるときは、カロリーを控えめにした食事を意識して、消化によい食べ物を取り入れるようにしましょう。
「短期間で痩せたい」と思って食事を抜くダイエットを始めたものの、思うような効果が出なかったり、体調を崩したりした経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、食べないダイエットをやめて理想の体型を目指す方法を紹介します。
ダイエットを成功させるためには、まず具体的な目標設定が欠かせません。「痩せたい」という漠然とした目標ではなく、数値化できる具体的な目標と、それを達成する期間を明確にしましょう。
たとえば、「スリムになって、スキニーパンツを格好良く着こなせるようになりたい」という目標があったとします。その目標を叶えるために、いつまでに・何キロ痩せたいのかを考えてみましょう。「3ヶ月以内に今の体重から5キロ減量する」のように、期限や減らしたい体重の目安を数値化させて、目標を立ててみてください。
具体的な目標を立てられると、モチベーションを維持しやすくなり、日々の食事や運動にも前向きな気持ちで取り組めます。そして何より、目標達成のためには「食べない」のではなく「適切に食べる」ことが必要だという理解が深まるでしょう。
食べないダイエットを卒業し、健康的な食生活で痩せるために、食事記録を始めて自分の食生活を把握しましょう。食事記録をつけることで、知らず知らずのうちに摂り過ぎている食品や、栄養バランスの偏りに気づけます。食事記録をつける際のポイントは以下のとおりです。
食事記録をつけることにより、「ストレスを感じると甘いものを食べてしまう」「昼食を抜くと夕食で食べ過ぎる」などの傾向が分かり、自分の食生活のパターンが見えてきます。ノートやスマートフォンアプリの活用など、自分の取り組みやすい方法で食事記録を始めてみましょう。
置き換えダイエットとは、1日3食のうち1〜2食を、プロテインやスムージーなどの栄養バランスが考慮された低カロリーの食品に置き換える方法です。食べないダイエットと異なり、必要な栄養素を摂取しながらカロリーを減らせるため、健康的に痩せることを目指せます。
置き換えダイエットのメリットは、極端な食事制限による代謝低下やリバウンドのリスクを避けられることです。また、空腹感を覚えにくいため、食事を抜くストレスから解放され、続けやすいという特徴があります。
置き換えダイエットを始める際は、いきなり1日2食の置き換えから始めるのではなく、まずは1日1食から始めて徐々に慣らしていくことをおすすめします。健康を損なうことなく、理想の体型に近づくためのステップとして活用してみましょう。
「食べないダイエットがうまくいかなかった」「ほかの方法を試してみても効果が出なかった」と悩んでいる方は、医療の力を借りる「メディカルダイエット」という選択肢を検討してみるのも一つの手段です。
メディカルダイエットでは、医師の指導のもと科学的根拠に基づいた内服薬や注射などを用いて、痩せホルモンである「GLP-1」を調整して食欲を抑え、自然に痩せやすい身体を作ります。これにより、辛い空腹感と戦ったり、効果が出ないことに悩んだりすることなく、ダイエットすることが可能です。
自力での食事管理に限界を感じている方や、ダイエットをしたくても忙しくて計画通りに取り組めない方にとって、医師のサポートを受けられることは安心感につながります。オンライン診療サービスもあるので、気になる方は検討してみてください。
ここでは、食べないダイエットに関してよくある質問に対し、Q&A形式で回答していきます。ダイエットを検討している方や、食べないダイエットに悩みを抱えている方は、参考としてご覧ください。
断食は体重減少に即効性がありますが、長期的には健康を損ない、リバウンドのリスクを高めるため、ダイエット目的で行うのはおすすめできません。
断食を行うと確かに短期間で体重は減少します。しかし、この減量は脂肪ではなく水分や筋肉の減少によるものです。断食をすると、体は生命維持のためにエネルギー消費を最小限に抑えようとします。その結果、基礎代謝が低下し、脂肪を燃焼しにくい体になってしまうのです。
また、栄養不足によるホルモンバランスの乱れや、精神的な不安定さにつながるリスクも高まります。ダイエットのために断食を検討しているなら、まずは、無理のないアンダーカロリーやよく噛んで食べることなど、健康的に痩せるための食事法から始めることをおすすめします。
ダイエット中に食べてはいけない食品はありませんが、摂取を控えめにした方が良い食品はあります。たとえば、砂糖が多く含まれる菓子類や清涼飲料水、トランス脂肪酸を含むファストフードなどが挙げられます。このような食品は血糖値を急激に上げやすく、脂肪として蓄積されやすいため、ダイエット中は注意が必要です。
ただし、ダイエットによる無理な食事制限は精神的なストレスとなり、かえって過食を招く可能性があります。健康的に痩せるために全体的な食事バランスを考えつつ、たまには好きなスイーツを少量楽しむことも、ストレスなくダイエットを続けるコツです。
カロリー計算だけでなく、栄養バランスや食事のタイミング、食べる速さなどを工夫して、無理のない範囲で健康的にダイエットを行いましょう。
食べないダイエットを続けると、基礎代謝が低下してカロリーを消費しにくくなり、脂肪を溜め込みやすくなることから痩せにくい体質になってしまいます。
また、栄養不足による免疫力低下や肌荒れ、ホルモンバランスの乱れによる月経不順のように、心身に影響を及ぼすリスクもあります。健康的に痩せるためには、アンダーカロリーを心掛けながらバランスの良い食事を摂ること、食べる順番や噛む回数を意識することなどが大切です。
置き換えダイエットやメディカルダイエットなど、「食べない」ではなく「適切に食べる」方法に切り替えることで、リバウンドしにくく健康的な減量を目指せます。短期的な結果にとらわれず、長期的な健康と理想の体型を両立させるダイエット方法を選びましょう。