更新日:2026年02月16日
「漢方薬ダイエットについて知りたい」「ダイエットをしたいけれど、化学的な薬を服用することには抵抗がある」といったお悩みはないでしょうか。漢方薬の中には便秘やむくみを改善するものや基礎代謝向上につながるものもあり、体質に合った種類を選べば、体重を落とせることがあります。
本記事では、漢方薬ダイエットに期待できる効果や、ダイエット目的で服用される漢方薬の種類について解説します。ぜひ参考にしてください。
漢方薬とは、化学的に合成した物質ではなく、植物や鉱物、動物などの「生薬(しょうやく)」を指します。特定の生薬のみを服用するケースもありますが、複数の生薬を組み合わせ、体質や症状などに合ったものを作り上げて服用することが一般的です。
漢方では体質タイプを重視します。そのため、同じ効果を求めるときでも、体質タイプごとに適した漢方薬が異なる点に注意が必要です。まずは体質タイプを見極め、適した生薬を服用することで初めて体質改善を期待できるでしょう。
また、漢方薬はドラッグストアでも入手できます。しかし、ドラッグストアで販売している漢方薬は一般用製剤であり、医師に処方してもらう医療用漢方製剤と比べて薬効成分が異なる点に注意しましょう。
「過食しているわけではないのに体重が増える」「水分をしっかり摂るのが大事というが、むくんで太ったように見える」といったお悩みはないでしょうか。体内にエネルギーや水分を溜め込みやすい体質の方は、食事を減らしたり運動量を増やしたりしても、期待するような効果が得られないことがあります。
ダイエットに適した体質に変えることで、食事や運動の効果を得やすい状態にしておきましょう。漢方薬で体質を改善すると、ダイエットに役立つ次のような効果が表れることがあります。
各効果について見ていきましょう。
糖質や脂質は主に小腸で吸収され、体内に取り込まれます。漢方薬は、腸内環境や代謝のバランスを整えることで、余分なエネルギーが体脂肪として蓄積されにくい状態へ導きます。体重が増えるだけでなく、胴回りが大きくなり、見た目にも影響するため、脂肪を燃焼することや便秘を解消することはダイエットにとって大切なポイントです。
皮下脂肪が蓄積しやすい体質なら、漢方薬で脂肪燃焼をサポートし、便秘しにくい体質に変えられるでしょう。
食欲が止まらずつい食べ過ぎてしまう方も、漢方薬で体質を改善することで食欲を抑えられるかもしれません。食べる量が減ると摂取カロリー量も減りやすく、体重を落としやすくなります。
また、食欲が旺盛な方は、脂っこいものや味の濃いもの、カロリーの高い食べ物を好む傾向があります。漢方薬で食欲を抑えられれば、食べ物の好みも変わり、脂肪や食塩の少ない食べ物を選ぶようになるかもしれません。摂取エネルギー量を減らせるだけでなく、健康的な食生活を実現しやすくなります。
基礎代謝とは、呼吸や体温維持などの生命維持に欠かせないエネルギーのことです。例えば、基礎代謝量が1日1,000kcalの方と1日1,500kcalの方では、同じ食事量・同じ運動量でも、1日1,500kcalの方のほうが毎日の消費エネルギー量が多く、太りにくく痩せやすいと考えられるでしょう。
つまり、基礎代謝が向上すると、特別な運動をしなくても消費エネルギー量が増えるため、痩せやすくなります。太りにくく痩せやすい身体を目指すなら、間接的に基礎代謝が向上するような体質改善できる漢方薬に注目してみましょう。
むくみとは、体内に余分な水分が多く蓄積している状態のことです。脛(すね)の骨の横を指で数秒押してみてください。手を放してもすぐに凹みが戻らないときは、むくみが疑われます。また、次の症状や習慣に当てはまる方も、むくんでいる可能性があります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
むくみを改善すると、体内の余分な水分が排出されるため、体重減を期待できるでしょう。ただし、あくまでも一時的な水分減少となるため、根本的に痩せているとはいえません。
ダイエットには、さまざまな方法があります。例えば、食事を制限する方法や運動量を増やす方法、クリニックで脂肪分解につながる医療機器などを利用する方法などもあります。
どの方法か迷ったときは、各手法のメリットや注意点を確認するとよいでしょう。漢方薬を用いたダイエットには、次のメリットがあります。
それぞれのメリットについて解説します。
漢方薬ダイエットは、太りにくく痩せやすい体質に改善するダイエットです。例えば、今までむくみやすい体質だった方なら、漢方薬で不要な水分が排出されやすい体質に変えていきます。体質そのものが変わるため、ダイエット中と同じような生活を続けても、リバウンドしにくくなるでしょう。
また、極端な食事制限や激しい運動を伴うダイエットは、ストレスが溜まりやすく、過食をしてしまう可能性があります。体重が一気に元に戻ったり、場合によってはダイエット前よりも増えたりしてしまうかもしれません。
漢方薬ダイエットなら、無理な食事制限や激しい運動を必要としないため、ストレスを感じにくいでしょう。
漢方薬ダイエットは無理に食事量を減らしたり運動量を増やしたりするわけではないため、継続しやすいのも特徴です。体重が落ちるペースが緩やかでも長期的に継続すれば、目標体重に近づきます。
また、時間をかけて体重を落とすことは、健康維持の観点からも重要です。短期間で急激に痩せると身体に負担がかかり、健康を損ねることもあります。健康的にスリムな身体を目指したい方も、漢方薬ダイエットに注目してみましょう。
複数の生薬を組み合わせた漢方薬は、厚生労働省の承認を受けたものだけでも200種類以上(2017年3月時点)あります。むくみ改善や便秘改善などのダイエットにつながる効果を期待できる漢方薬も多く、自分に合う薬が見つかる可能性が高いでしょう。
参考:厚生労働省「一般用漢方製剤製造販売承認基準について」
ほとんどの漢方薬には、複数の効果が期待できます。例えば、ダイエットに用いられることもある防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、便秘やむくみの改善効果を期待できる漢方薬ですが、その他にも肩こりの軽減や吹き出物(にきび)の改善などの効果もあります。
ダイエットをしつつ健康増進効果を期待できるのも、漢方薬ダイエットのメリットといえるでしょう。
漢方薬は体質タイプに合ったものを服用することで、効果を発揮しやすくなるとされています。漢方薬ダイエットを始める前に、まずは自分の体質タイプを確認しておきましょう。
一般的に体質タイプは、「気虚・気滞・血虚・瘀血・陰虚・水滞」の6つに分類されます。それぞれの特徴を紹介するので、どれに当てはまるかチェックしてみてください。なお、体質タイプの分け方は何通りもあるため、必ずしもこの6つとは限りません。
また、気虚・気滞・瘀血・水滞の体質タイプは、太りやすいとされています。いずれかの体質タイプに該当する場合は、普段から食べ過ぎや運動不足を避け、体重管理を心がけるほうが良いでしょう。
次の特徴に当てはまる方は、気虚(ききょ)タイプかもしれません。
気虚タイプは「気」が不足してエネルギーが足りていません。身体がだるく、冷えやすい傾向にあるだけでなく、胃腸が弱く、食欲不振に陥りがちです。普段から身体を温め、しっかりと噛むことで、不調を回避しやすくなります。
気滞(きたい)タイプには、次の特徴が見られることがあります。
気滞タイプは「気」の巡りが悪く、体内に停滞している状態です。気持ちが不安定になりやすく、イライラや不安を感じやすいのも特徴です。不調を回避するためにも、普段からリラックスを心がけ、起床時に深呼吸を数回してみてはいかがでしょうか。
血虚(けっきょ)タイプには、次の特徴が見られます。
血虚タイプは「血」が不足している状態です。全身に栄養が行き渡らず、貧血やめまいなどの症状が見られることもあります。また、肌のかさつきや白髪なども生じやすいとされています。ダイエットが本当に必要か見直し、しっかりと栄養を摂ることを心がけましょう。
次の特徴に当てはまることが多い場合は、瘀血(おけつ)タイプと判断できます。
瘀血タイプは「血」の巡りが悪く、栄養が行き渡らない状態です。血行不良による皮膚トラブルや肩こり、頭痛などが生じやすい傾向にあります。血行促進のためにも、普段からストレッチをしてみてください。また、香りが強い食べ物や香辛料を意識的に摂取することでも、血行が促進されやすくなります。
次の特徴に当てはまることが多い方は、陰虚(いんきょ)タイプかもしれません。
陰虚タイプは「水」が不足し、身体に潤いがない状態です。また、水が不足しているため、体内に熱を溜め込みやすく、のぼせや口の渇きを感じたり、便秘がちになったりすることもあります。ストレスも溜め込みやすいため、意識的に気分転換するようにしましょう。
次の特徴のうち、当てはまるものが多い方は、水滞(すいたい)タイプと考えられます。
水滞タイプは「水」が体内に滞っている状態です。むくみやすく便秘しやすいため、体重が増えやすい傾向にあります。また、冷えやすく、身体が重だるく感じる方もいます。夏も冷たい飲み物や食べ物は避け、適度に運動をして汗をかくようにすることで、不調を回避しやすくなるでしょう。
ダイエット効果を期待できる漢方薬の主な種類を紹介します。いずれもドラッグストアで処方箋なしに購入できますが、クリニックで診察を受けてから処方される漢方薬は「医療用漢方製剤」のため、薬効成分の量や用法・用量が異なります。
防風通聖散は、次の効果を期待できる漢方薬です。
比較的体力があり、お腹まわりに皮下脂肪がつきやすく、便秘の傾向がある方に用いられるケースが多い漢方薬です。また、防風通聖散を服用することで湿疹やにきびの改善も期待できます。皮膚症状に悩まされている方にも、処方されることがあります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)は、次の効果を期待できます。
体力は中程度以下で、普段からのぼせ感がある方に処方されることが一般的です。また、生理不順や更年期障害の各症状を軽減するために服用する方もいます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、次の効果を期待できる漢方薬です。
便秘の傾向のあるものの虚弱体質で貧血の傾向があり、疲れやすい方に処方されることが一般的です。生理痛や更年期障害の諸症状にも効果を期待できるため、婦人科で処方されることもあります。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、次の効果を期待できます。
体力が中程度以上で、のぼせやすく便秘がちな方に処方される漢方薬です。生理による心身の不調にも効果を期待できるため、婦人科で処方されることもあります。また、便秘の傾向のあるものの高血圧による頭痛や肩こり、めまいを軽減する効果も期待されます。
大柴胡湯(だいさいことう)は、次の効果を期待できる漢方薬です。
体力が十分にあり、体内に熱がこもる方に処方されることが一般的です。脇腹からみぞおちにかけて痛みや不快感があり、便秘がちな方も、大柴胡湯の服用を勧められるかもしれません。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)には、次の効果を期待できます。
体力は中程度以下で、疲れやすく汗をかきやすい方に処方されることがある漢方薬です。筋肉に締まりがなく、むくんだ感じの方も、防已黄耆湯の服用を勧められることがあります。
ダイエットに効果があるとされる漢方薬を飲むだけでは、劇的に体重が落ちていくわけではありません。そもそも漢方薬ダイエットは太りにくく痩せやすい体質に変えていくダイエット法のため、時間をかけてゆっくりと身体を整えていくことが必要です。
より早く理想の体重やプロポーションを実現したいときに、漢方薬の服用と合わせて実践したい事柄を紹介します。いずれも健康増進や維持にもつながるため、ぜひ実践してみてください。
ダイエットの基本は、摂取エネルギー量よりも消費エネルギー量を増やすことです。摂取エネルギー量が多ければ、漢方薬で代謝を改善しても体重を落とすのは難しくなります。
ただし、摂取エネルギー量を減らしたいからといって極端に食事を減らすのはおすすめできません。一時的に体重が減っても、健康を損なうリスクが高まるため意味がありません。短期間で痩せようとするのではなく、時間をかけて健康的に、理想の体重・プロポーションを目指してダイエットを続けていきましょう。
まずは普段の食生活を振り返り、摂取エネルギー量が過多になっていないかチェックしてみてください。脂肪分や糖質を摂り過ぎていないか、ビタミンやミネラルはしっかりと摂取できているか確認し、栄養バランスに注意しつつ摂取エネルギーを減らしていきましょう。
運動習慣のない方は、日々の生活に運動を取り入れていきましょう。運動をすると消費エネルギー量が増え、太りにくく痩せやすい身体に近づきます。
ただし、運動量が増えたからといって食事量も増やすのでは、ダイエット効果を得にくくなります。継続的な運動により消費エネルギー量を増やしつつ、食事を見直して摂取カロリー量を増やさないようにすることで体重や見た目を変えていきましょう。
定期的に運動する時間を確保できない方は、歩く時間を増やしてみてはいかがでしょうか。エレベーターを使わずに階段で移動する、一駅手前の駅で降りて歩くなど、毎日少しずつ運動量を増やすことで消費カロリー量を増やしていけます。
時間をかけて太りにくく痩せやすい体質に変えていく漢方薬ダイエットは、リバウンドしにくく健康的に続けられるダイエット法とされています。しかし、いくつか注意すべき点もあります。
それぞれの注意点について見ていきましょう。
漢方薬は化学的な医薬品と比べて、副作用は少ないとされています。しかし、体質や体調によっては副作用が生じることもあるため、注意が必要です。
| 漢方薬の種類 | 主な副作用 |
|---|---|
| 防風通聖散 | 吐き気、下痢、腹痛、めまい、かゆみなど |
| 加味逍遙散 | 吐き気、かゆみ、発疹、肝機能障害など |
| 当帰芍薬散 | かゆみ、発疹、食欲不振、胃部不快感など |
| 桃核承気湯 | かゆみ、発疹、食欲不振、胃部不快感など |
| 大柴胡湯 | 下痢、腹痛、息切れ、黄疸、かゆみなど |
| 防已黄耆湯 | かゆみ、発疹、食欲不振、胃部不快感など |
漢方薬は体質タイプに合わせて医師が処方するだけでなく、ドラッグストアで自分で購入する場合もあるため、必ずしも期待するような効果が得られるわけではありません。体質タイプに合っていない場合は、服用を継続しないほうが良い可能性もあるため、定期的に診察を受けて医師に確認してもらうようにしましょう。
漢方薬を服用した際、服用初期に一時的な体調の変化がみられることがあります。これらは体質や体調の変化に伴って起こる場合がありますが、副作用との区別が必要です。体調不良を感じた場合は自己判断で服用を続けたり中止したりせず、医師に相談することが大切です。
漢方薬をたくさん服用した分痩せるというわけではありません。返って体調を崩す恐れもあるため、必ず用法・用量を守るようにしてください。漢方薬の用法・用量は、年齢や体重、症状などによっても異なります。同じダイエット目的であっても、自分以外の人に処方された漢方薬を服用することは避けましょう。
また、万が一、飲み忘れたときは、気づいたタイミングによって服用するかどうかを判断します。次の服用タイミングが迫っているときは、服用しないほうが良いでしょう。ただし、漢方薬の種類や体質・体調によって適切な判断が異なるため、不安なときは処方時に尋ねておくようにしてください。
また、飲み忘れた場合でも、2回分をまとめて服用することは勧められません。誤って多く服用したときは、医師や薬剤師に相談してください。
ダイエット目的の漢方薬は、クリニックで処方してもらう場合でも、原則として保険適用外です。しかし、次のいずれかの条件に該当するときは保険が適用されることもあります。
上記に当てはまらないときは、美容目的と判断されるため、自費診療となることが一般的です。
一般的に漢方薬ダイエットはリバウンドしにくいとされていますが、ダイエットに成功した後に、つい食事量を増やしてしまったり運動量が減ってしまったりすると、リバウンドすることも当然あります。
また、「ダイエットをしている」と思うことがストレスになり、過食に走るケースもあります。ストレスを適度に解消しつつ、食生活や運動習慣にも注意をして、気長にダイエットを続けていくようにしましょう。リバウンドを避ける方法としては、次のものが挙げられます。
栄養バランスの取れた食事を適正量食べることや、普段から運動をすることは、いずれもダイエットだけでなく、健康に生きていくためにも必要なことです。リバウンドを回避する方法を実践し、ダイエットを生活の一部に組み込みましょう。
漢方薬は種類が多く、むくみや便秘の解消や代謝促進といったダイエットにつながる効果を期待できるものもあります。自分の体質タイプに合った漢方薬を選べば、ダイエット効果も得やすくなるでしょう。
また、漢方薬を服用するだけでなく、食事の量や質を見直し、運動習慣を身につけることでも、ダイエット効果を得やすくなります。食事と運動は健康維持・促進のためにも重要な要素のため、ダイエットが必要かどうかにかかわらず見直すことが大切です。
ダイエット効果を期待できる漢方薬はドラッグストアでも入手できますが、クリニックで処方してもらうことも可能です。ドラッグストアで販売されている漢方薬よりも薬効成分が多く含まれているため、より効果的にダイエットを進められるでしょう。