更新日:2026年03月24日
「内臓脂肪を減らすにはどうしたら良いの?」とお悩みの方もいるかもしれません。内臓脂肪を減らすには、カロリーの摂取量を管理しつつバランスの良い食事を3食摂取し、運動を行うことが大切です。
この記事では、内臓脂肪を減らす食事方法や運動方法について詳しく解説します。内臓脂肪の蓄積は見た目の問題だけでなく生活習慣病のリスクを高めるため、ぜひこの記事を読んで今日から対策を実践してみてください。
内臓脂肪は、胃や腸といった内臓を覆う薄い半透明の膜の表面に蓄積される脂肪のことです。内臓脂肪は、消費されなかったエネルギーとして貯蓄されます。内臓の保護や体温維持などの役割はあるものの、内臓脂肪が過剰につくことは生活習慣病の発症に深く関わるとされています。
これは、肥大化した脂肪細胞によって、脂肪組織の代謝に関わる生理活性物質の分泌異常が引き起こされるためです。
内臓脂肪は内臓の周りにつく脂肪であり、皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪です。それぞれその性質と健康への影響は異なります。
内臓脂肪と皮下脂肪の違いを以下の表にまとめました。
| 特徴 | 内臓脂肪 | 皮下脂肪 |
|---|---|---|
| 位置 | 内臓のまわり | 皮膚の下 |
| 代謝 | 活発 | 内臓脂肪に比べると活性が低い |
| 減らしやすさ | 皮下脂肪に比べると容易 | 時間がかかる |
| 健康リスク | 過剰につくと生活習慣病の原因となるリスクがある | 睡眠時無呼吸症候群や関節痛、月経異常などの原因となるリスクがある |
内臓脂肪は代謝が活発で蓄積も分解も早いという特徴があります。この特性から、生活習慣の改善によって比較的短期間で減らすことが可能です。一方、皮下脂肪は内臓脂肪に比べると細胞自体の活性が低く、減らすには長期間の取り組みが必要になるでしょう。
内臓脂肪が蓄積する原因は、食生活の乱れや運動不足、ストレス、睡眠不足などさまざまです。摂取したエネルギーが消費エネルギー量を上回って体内に余ると、中性脂肪が合成されて脂肪細胞に蓄えられます。
ストレスや睡眠不足も内臓脂肪を増やす原因の1つです。ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌され、血糖値を上げます。しかし、運動量が変わらず血液中の糖を使わないと、脂肪として体内に蓄積されてしまうのです。
食生活の乱れや運動不足による内臓脂肪の蓄積に関しては、以降で改善ポイントを解説しているので、ぜひ続けてチェックしてみてください。
内臓脂肪が過剰に蓄積されると、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を招く物質の分泌が増加します。そのため、内臓脂肪の減少は単なる見た目の改善だけではなく、健康維持のために大切です。
たとえば、アディポサイトカインという物質のうち血管に炎症を起こすものが増加すると動脈硬化の原因となります。ほかにも、アンジオテンシノーゲンは、血圧の上昇を引き起こし高血圧の原因になるなどさまざまな生活習慣病のリスクがあります。
さらに、内臓脂肪の蓄積により生活習慣病が進行すると、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患のリスクも高めます。こうした疾患は突然発症する可能性があり、生命に関わる問題です。
健康診断で内臓脂肪の蓄積を指摘されたら、以下で紹介する方法を参考に、早めの対策を講じましょう。
内臓脂肪を効果的に減らすためには、日々の食事の見直しが欠かせません。適切な食事管理は、薬に頼らず自然に内臓脂肪を減らす基本となります。ここでは、すぐに実践できる5つの食事改善ポイントを紹介します。
内臓脂肪を減らすには、摂取カロリーを消費カロリー以下に抑えることが基本です。これにより、体は蓄積された脂肪をエネルギー源として使用するようになります。
具体的には、1日の適切なカロリー摂取量を把握し、それに基づいて食事計画を立てましょう。適切なカロリー摂取量は運動量や性別、年齢によって異なり、一般的に活動量の少ない成人女性の場合は、1400~2000kcal、活動量の少ない成人男性は2000~2400kcal程度が目安です。カロリーの摂取量を管理して運動によるエネルギー消費とのバランスを考えることで、健康的に内臓脂肪を減らすことにつながるでしょう。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
一方で、急激なカロリー制限はリバウンドの原因になります。無理なく継続できる程度の調整から始めることをおすすめします。
たんぱく質は筋肉の材料となるだけでなく、腹持ちが良いとされているため、食べ過ぎを防ぎやすくなります。たんぱく質の積極的な摂取により間食が減ってカロリー摂取を抑えられれば、内臓脂肪を減らすことにつながるでしょう。
良質なたんぱく質源としては、鶏むね肉や豆腐、魚、卵などがあります。これらは脂質が少なく、効率良くたんぱく質を摂取できる食品です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版年版)(p.126)」によると18~64歳の場合、男性は1日あたり60~65g、女性は50gほどのたんぱく質の摂取が推奨されています。
たんぱく質は摂取するタイミングも大切です。朝食に卵や豆腐、昼食に鶏むね肉、夕食に魚と分散して摂ることで、一日を通じて筋肉合成が促進されます。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、内臓脂肪を減らしやすくなります。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
食物繊維の積極的な摂取により便秘を防ぐことで、代謝機能を維持して内臓脂肪を減らしやすくなるでしょう。便秘で胃腸の働きが悪いと基礎代謝も低下するといわれていますが、食物繊維には便の水分保持や排便を促すといった腸内環境を整える働きがあるためです。
また、食物繊維には糖や脂肪の吸収を穏やかにしたり血糖値の上昇を抑えたりする働きがあるほか、摂取により満腹感を得やすいメリットもあります。
食物繊維は野菜や果物、全粒穀物、豆類などに多く含まれています。特に、緑黄色野菜や海藻類は低カロリーで栄養価が高く、内臓脂肪を減らすことに役立つでしょう。厚生労働省の「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書(p.144)」によると、食物繊維の一日の摂取目安量は年齢によって異なり、18~64歳の男性で1日20~22g以上、女性は1日17~18g以上となっています。
通常の食生活では食物繊維を摂り過ぎる心配はありませんが、サプリメントなどで摂取し過ぎるとミネラルの吸収の妨げになる恐れがあるので注意しましょう。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
アルコール摂取を減らすと肝臓の負担が減り、内臓脂肪を減らすことにつながります。
お酒は栄養素がほとんど含まれないにもかかわらずカロリーが高い飲み物です。たとえば、ビール中ジョッキ1杯(約500ml)には約200kcalと、茶碗1杯分のご飯とほぼ同等のカロリーがあります。加えてつまみも食べることで、カロリーオーバーとなりがちです。
さらに、アルコール自体が脂肪の燃焼を妨げる作用があります。これは、摂取したアルコールが優先的に処理され、その間食事から摂取したカロリーが使用されないためです。
アルコールを完全に断つ必要はありませんが、週に2日は休肝日を設けるなど、摂取量をコントロールすることが大切です。
内臓脂肪を減らすためには、規則正しい食生活を心掛けましょう。特に朝食をしっかり摂ることで、1日の代謝が活発になります。忙しい朝も朝食をとれるよう、前夜の残り物を活用したりそのまま食べられる果物を用意したりしておくと良いでしょう。
朝食を抜くと、体はエネルギーを脂肪として蓄積しようとします。1食抜いて空腹状態が続くと、次の食事で過食してしまう可能性も高まるため注意が必要です。
なお、夕食は寝る3時間前までに済ませるようにすれば、体内で脂肪として蓄積されにくくなるでしょう。
食事の時間帯を規則的にすることで、体内時計が整い、代謝機能も向上します。
食事管理と合わせて意識的に身体活動を行うことで、内臓脂肪を減らす効果はさらに高まります。厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」によると、身体活動は下記のように「運動」と「生活活動」の2種類に分類されています。
ここでは上記の考え方をもとに、日常生活に取り入れたい有酸素運動とレジスタンス運動、生活活動について解説します。
有酸素運動は、体内の脂肪をエネルギー源として使用するため、内臓脂肪を減らすのに効果的です。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」によると、生活習慣病発症予防を目的として、強度が3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(注1,2)行うことを推奨しています。
ここでは国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「改訂第 2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」をもとに、有酸素運動の例とメッツをもとにした運動時間の目安を紹介します。
| 有酸素運動の例 | メッツ | 週4メッツ・時以上行う場合の目安 |
|---|---|---|
| ヨガ:ホット | 3 | 週に約80分以上 |
| 散歩 | 3.5 | 週に約70分以上 |
| 水泳:平泳ぎ、レクリエーション | 5.3 | 週に約45分以上 |
| アクアビクス:水中での健康体操、水中運動 | 5.3 | 週に約45分以上 |
| 自転車をこぐ:自転車エルゴメータ、全般 | 6.8 | 週に約35分以上 |
参考:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「改訂第 2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」を加工して作成
なお、有酸素運動で有意に内臓脂肪を減らすには、少なくとも週10メッツ・時以上必要であるとする報告があります。ただし、これまで運動習慣がなかった方は身体への負担を考慮して強度や時間を調整し、まずは少しでも多く身体を動かすことから始めましょう。
注1)メッツ:身体活動(生活活動または運動)の強度のこと。安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するかを示す。
注2)メッツ・時:身体活動の強度(メッツ)に身体活動の実施時間をかけたもの。
レジスタンス運動は筋力トレーニングの一種で、標的とする筋肉に負荷(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動です。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、安静時でもより多くのカロリーを消費するようになります。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」によると、筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨しており、先述した週4メッツ・時の運動に含めてもよいとしています。
ここでは国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「改訂第 2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」をもとに、レジスタンス運動の例と週2メッツ・時以上行う場合の運動時間の目安を紹介します。
| レジスタンス運動の例 | メッツ | 週2メッツ・時以上行う場合の目安 |
|---|---|---|
| 自重トレーニング:スクワット、ランジ、腕立て伏せ、クランチなど | 3 | 週に約40分以上 |
| レジスタンス(ウェイト)トレーニング:複合的エクササイズ、様々な種類のレジスタンストレーニングを8-15回繰り返す | 3.5 | 週に約35分以上 |
| レジスタンス(ウェイト)トレーニング:スクワット、ゆっくりあるいは瞬発的な努力で | 5 | 週に約25分以上 |
| 自重トレーニング:スクワット、ランジ、腕立て伏せ、クランチなど、高強度 | 6.5 | 週に約18分以上 |
参考:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「改訂第 2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」を加工して作成
初心者におすすめのメニューは、スクワットや腕立て伏せといった特別な器具がなくても自宅でできるものです。
以下に簡単な筋トレプログラムをまとめました。いずれも2〜3セットほど行うと良いでしょう。
| 種目 | 回数 | 鍛えられる箇所 | ポイント |
|---|---|---|---|
| スクワット | 10〜15回 | 下半身の筋肉 | 膝が爪先より前に出ないようにする |
| バイシクルクランチ | 10〜15回 | 腰周りの筋肉 | 呼吸を止めないようにする |
| 腕立て伏せ | 5〜10回 | 腕の筋肉 | 膝をついても可 |
| プランク | 20〜30秒 | 体幹 | 腰を落とさないようにする |
上記のような運動を行った後、筋肉痛がある場合は無理をせず回復を待ちましょう。徐々に負荷を増やしていくことで、怪我を防ぎながら着実に筋力アップを図れます。
特別な時間を取って運動することが難しい場合でも、日常生活の中で意識的に体を動かすことで、消費カロリーを増やせます。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」によると、強度が3メッツ以上の身体活動(運動+生活活動)を週23メッツ・時以上行うことを推奨しています。週23メッツ・時以上を目標とする際は、下記を意識するとよいでしょう。
下記の表の場合は5種類ほど実践することで、生活活動によって週20メッツ・時以上行えます。
| 生活活動の例 | メッツ | 週4メッツ・時以上行う場合の目安 |
|---|---|---|
| 掃除機掛け:全般、ほどほどの労力 | 3 | 週に約80分以上 |
| 食料品の買い物(カート使用の有無を問わない):4.5kg程度のバッグを運ぶ、立位や歩行を伴う | 3.3 | 週に約70分以上 |
| 床磨き:手や膝をついて、浴室や浴槽磨き、ほどほどの労力 | 3.5 | 週に約70分以上 |
| 調理や食事の準備:ほどほどの労力 | 3.5 | 週に約70分以上 |
| 子どもの世話:立位、着替えさせる、風呂に入れる、ブラシをかける、食事を食べさせる、たまに子どもを抱え | 3.5 | 週に約70分以上 |
| 歩行:通勤や通学 | 4 | 週に約70分以上 |
| 庭仕事:全般、ほどほどの労力 | 4 | 週に約60分以上 |
| 草や落ち葉を袋に集める | 4 | 週に約60分以上 |
| 部屋の片づけ | 4.8 | 週に約50分以上 |
| 歩いたり、走ったりして子どもと遊ぶ:きつい労力、活動時に限る | 5.8 | 週に約40分以上 |
参考:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「改訂第 2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」を加工して作成
なお、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「改訂第 2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」において、「客室係」や「大工仕事」といった職業・仕事中の活動のメッツも紹介されています。仕事における活動も生活活動に含められる点を念頭に置き、自身の生活状況に合わせた目標を設定しましょう。
エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使う、電車やバスでは座らずに立っている、デスクワーク中30分に一度は立ち上がって軽くストレッチする、など、日常の小さな積み重ねが重要です。
参考: 厚生労働省「身体活動・運動の推進」 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「栄養代謝研究室」 National Library of Medicine「A dose-response relation between aerobic exercise and visceral fat reduction: systematic review of clinical trials」
内臓脂肪を減らすためには、明確な目標設定と進捗管理が重要です。まずは現在の体重から3%減を短期目標として設定し、毎日の体重記録を残しましょう。
ただし、体重は水分摂取量や筋肉量の変化でも変動するため、一喜一憂せず、1週間単位での変化を見ることが大切です。体重だけでなく、ウエスト周囲径の測定も併せて行うと、より正確に内臓脂肪の減少を把握できるでしょう。また、体組成計などで内臓脂肪の計測をすることも可能です。
また、質の高い睡眠を確保することで、睡眠中に分泌される成長ホルモンの分泌が高まり、体内に蓄積された脂肪が分解されやすくなります。厚生労働省の「良い目覚めは良い眠りから知っているようで知らない睡眠のこと」をもとに、以下に質の高い睡眠に必要なことをまとめました。
また、厚生労働省の「良い睡眠の概要(案)」によると、理想的な睡眠時間には個人差がありますが、基本的に6〜8時間が適切とされています。
参考:厚生労働省「第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会」 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム 睡眠」
生活習慣の改善だけでは内臓脂肪をうまく減らせない場合もあります。そのようなときは、医療機関の力を借りることも選択肢の一つです。特に最近は、オンライン診療が普及し、忙しい方もメディカルダイエットを受けやすくなっています。
オンライン診療のメリットは、通院の手間が省けることと、ほかの患者と顔を合わせることなく自宅や好きな場所から受診できることです。
メディカルダイエットは、「運動を続けられない」「食事制限がつらい」「自己流のダイエットで効果が出なかった」といった方におすすめです。メディカルダイエットでは、医師の指導のもと食欲減退と関連するGLP-1受容体作動薬を投与することで消化管ホルモンの作用を調整します。食欲を抑える作用により摂取カロリーを減らすことで、痩せやすい身体を作っていけるでしょう。
内臓脂肪を減らすには、バランスの取れた食事を摂り、運動をすることが効果的です。食事面では、たんぱく質と食物繊維の摂取、摂取カロリーの管理、アルコールを控えることが大切です。運動面では有酸素運動やレジスタンス運動を行うとともに、、日常生活で意識的に体を動かすことが内臓脂肪を減らすことにつながります。
内臓脂肪を減らす際は、目標設定では現在の体重から3%減を目指し、毎日の記録をつけることでモチベーションを維持しましょう。
これらの方法で効果が見られない場合は、オンライン診療によるメディカルダイエットを検討してみてください。