更新日:2026年08月04日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
髪がスカスカになってきて、髪を増やす方法を探している方もいるかもしれません。結論として、食生活の改善やヘアケアなどは髪の健康を維持するために役立ちますが、AGAが原因の場合はセルフケアだけで毛量を増やすのは難しいでしょう。AGAで髪を増やすには、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルといったAGA治療薬の服用・使用が有効です。まずは薄毛の原因を知るためにクリニックで医師に相談しましょう。
髪がスカスカになる背景には、生活習慣やヘアケア、AGAなどさまざまな原因が関わっています。原因によってとるべき対策は変わるため、まずは自分に当てはまるものがないか確認しましょう。
食事や睡眠などの生活習慣の乱れは、健康な毛髪の維持に影響を及ぼす可能性があります。髪は主にタンパク質でできており、その合成には亜鉛などの栄養が関わるため、偏った食事が続くと健康な髪を維持しづらくなります。また、睡眠不足は成長ホルモンの分泌や全身の回復に影響を及ぼし、健康な毛髪の維持にも影響する可能性があるでしょう。
過度なストレスは、抜け毛や薄毛の一因となる可能性があります。強いストレスは睡眠の質低下や自律神経の乱れにつながるためです。
間違ったヘアケアは、頭皮環境を悪化させる原因になります。肌質に合わないシャンプーを使い続けたり、1日に何度も洗髪し頭皮に必要な皮脂まで落としたりすると、頭皮トラブルにつながることがあるでしょう。炎症が長引いたりかゆみで頭皮を掻き壊したりすると、健やかな髪の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
成人男性で「髪のスカスカが進んでいる」と感じる場合、AGA(男性型脱毛症)が原因の可能性があります。AGAは、男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根に作用してヘアサイクル(毛周期)を乱す進行性の脱毛症です。本来なら数年かけて太く長く育つはずの髪が十分に育つ前に抜け、しだいに細く短い毛が増えて地肌が目立つようになります。
薄毛の原因は、AGAだけではありません。下記のような脱毛症により、髪が抜けたり薄く見えたりすることがあります。
脂漏性皮膚炎に伴う脱毛
円形脱毛症
休止期脱毛症
これらはAGAとは原因や対策が異なり自身で判別するのは難しいため、薄毛が気になる場合はクリニックで原因を確かめることが大切です。原因に合った対策をとることは、健やかな髪を維持するための第一歩となります。
「髪を増やしたい」と考えた際にはじめに知っておきたいのは、生活習慣の改善がAGAのような脱毛症を直接的に改善・阻止するわけではないという点です。セルフケアはあくまで間接的なサポートである点に留意しましょう。そのうえで、ここでは髪の健康を維持する5つの方法を紹介します。
髪の健康を維持するために、栄養バランスのよい食事を摂ることが大切です。食事の際は主食・主菜・副菜を意識し、下記の栄養素をまんべんなく摂ることを心掛けましょう。

なお、栄養摂取のためにサプリメントの活用を検討する方もいるかもしれませんが、食事の代わりにはならない点に留意しましょう。また、サプリメントを過剰摂取すると健康を害するリスクがあり、まずは食事で栄養を摂ることが大切です。
参考:厚生労働省「食事バランスガイド」
厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
質の良い睡眠をとることも、健康な髪の成長をサポートします。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪を含む全身の再生・修復に関わるためです。

厚生労働省は、成人の適正な睡眠時間をおおよそ6〜8時間としています。寝る直前の食事を控える、体に合った寝具を使うなど、深く眠るための工夫を取り入れましょう。
参考:厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
適度な運動は全身の健康維持やストレス対策に役立ち、結果として髪の成長環境を整える助けになります。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を無理のない範囲で習慣化しましょう。
運動のためのまとまった時間がとれないときは、通勤で歩く距離を増やす、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で体を動かすことから始めるとよいでしょう。
喫煙や過度な飲酒を控えることも、髪の健康を維持するために大切です。ニコチンには血管を収縮させる働きがあり、髪の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ニコチンには覚醒作用もあり、寝つきの悪化や深い睡眠の減少など、睡眠の質を低下させるリスクもあります。
過度な飲酒は栄養状態の悪化などを通じて、髪の健康に影響を及ぼす可能性があります。厚生労働省は、節度ある飲酒の目安を1日あたり純アルコール約20g(ビールの場合は中瓶1本程度)としており、飲酒する場合は適量を心掛けることが大切です。
喫煙や飲酒を急にやめるとストレスになることもあるため、タバコの本数や飲酒量を少しずつ減らすのがおすすめです。
参考:厚生労働省「アルコール」
正しいヘアケアは、髪を健やかに保つために役立ちます。シャンプーは1日1回程度を目安にし、指の腹で優しく洗うことを心掛けましょう。

ドライヤーで髪を乾かす際は、熱による髪へのダメージを避けるため15~20cm程度離しましょう。
参考:公益社団法人日本毛髪科学協会「失敗しない 頭髪の日髪のお手入れ」


AGAの場合はセルフケアだけで髪を増やすのは難しく、根本的に対策するには薬による治療が選択肢になります。ここでは、AGA治療で使われるフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルについて解説します。
抜け毛を防ぐAGA治療薬は、フィナステリドとデュタステリドです。

どちらも5αリダクターゼの働きを抑え、AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑制する薬です。5αリダクターゼにはI型とII型があり、それぞれ分布する範囲が異なります。フィナステリドは5αリダクターゼII型、デュタステリドは5αリダクターゼI型・II型の両方を阻害し、デュタステリドのほうがより広範囲に作用します。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ザガーロカプセル 添付文書」
発毛を促すAGA治療薬は、ミノキシジルです。

ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていないものの、血管拡張作用や毛包への作用が関与して発毛が促進されると考えられています。
ミノキシジルには外用薬(塗り薬)と内服薬があり、外用薬はクリニックのほかドラッグストアでも購入できます。

一方、ミノキシジル内服薬は2026年6月時点で国内未承認です。あくまで専門医の管理のもと服用する点に留意しましょう。
髪を増やす方法について、よくある質問に回答します。
髪を増やす方法に即効性はありますか?
髪はヘアサイクルに沿って成長するため、数日程度で増やせる方法はありません。
AGA治療薬の効果を実感するまでの期間には個人差がありますが、フィナステリド・デュタステリドは少なくとも6ヶ月ほど、ミノキシジルは少なくとも4ヶ月程度の継続使用が必要である点に留意しましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ザガーロカプセル 添付文書」
大正製薬「リアップX5チャージ説明書」
市販の育毛剤で髪の毛を生やすことはできますか?
一般的な育毛剤(医薬部外品)には発毛効果やDHT産生を抑制する作用はありません。育毛剤は、フケやかゆみなどを予防して頭皮環境を整えるためのものです。AGAで髪を増やしたい場合は、主にミノキシジルによる治療が選択肢になります。
AGAで髪を増やす治療は何歳からでも始められますか?
AGAの治療は何歳からでも始められるわけではありません。20歳未満の場合、AGA治療薬の安全性・有効性は国内で確立されておらず使用できない点に留意しましょう。また、65歳以上の高齢者も副作用に注意が必要なため、まずは医師に相談することが大切です。
髪がスカスカになる原因は生活習慣の乱れやストレス、AGAなど多岐にわたります。食事や睡眠習慣の改善、正しいヘアケアといったセルフケアは健康な髪を育む土台となりますが、AGAの治療効果はありません。
AGAの場合に髪を増やす方法として、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといったAGA治療薬の服用・使用が挙げられます。まずはクリニックを受診し、自身の薄毛の原因を診断してもらいましょう。
厚生労働省「食事バランスガイド」
厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
厚生労働省「アルコール」
公益社団法人日本毛髪科学協会「失敗しない 頭髪の日髪のお手入れ」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ザガーロカプセル 添付文書」
大正製薬「リアップX5チャージ説明書」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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セルフケアは髪の健康を支えるために大切ですが、食事管理やヘアケアだけでAGAの進行を止めることはできません。髪のスカスカが以前より進んでいると感じるなら、セルフケアだけで様子を見続けるより、早めにクリニックで原因を確かめることをおすすめします。AGAは早期に適切な治療を開始することで、薄毛の進行を抑えたり現状の毛髪を維持できたりする可能性があります。