更新日:2026年08月10日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「髪を結ぶとはげる?」と心配している方もいるかもしれません。実際に、同じ位置で髪を強く結び続けると、牽引性脱毛症という症状によって部分的にはげる場合があります。ただし、早めに結ぶ習慣を見直せば改善が期待でき、予防も可能です。
本記事では、髪を結ぶとはげやすい部位や原因、改善法、AGAなど他の脱毛症との見分け方を紹介します。薄毛が気になる方は参考にしたうえで、医師への相談も検討してみてください。
髪を長時間結ぶと、髪が引っ張られ続けて部分的にはげる牽引性脱毛症が起こることがあります。同じ位置で強く結び続ける習慣は、毛根に負担をかけ、抜け毛の原因になります。
ここでは、髪を結ぶことではげる主な原因を見ていきましょう。
髪を結ぶとはげるのは、牽引性脱毛症が起こりやすくなるためです。牽引性脱毛症とは、髪を強く引っ張るヘアスタイルを長時間続けることで毛根に負担がかかり、抜け毛や薄毛につながる脱毛症のことを指します。
髪を結んだ状態が続くと継続的な牽引によって物理的に毛包や周囲の組織が損傷され、それに引き続く炎症反応が起こります。
特に、毎日同じ位置できつく結んでいると、同じ毛根に繰り返し負担が集中し、牽引性脱毛症のリスクが高まります。日によって結ぶ位置を変えるなど、負担を分散する工夫が大切です。
髪を結ぶとはげやすい部位は、主に以下の3点です。
それぞれについて見ていきましょう。
髪を結ぶとはげることがあるのは、主に前髪の横や生え際です。これらの部位は髪を結ぶ際に引っ張る力が強くかかるため毛根に負担が集中しやすく、脱毛が起こりやすくなります。
引っ張られる力が継続的に加わると、毛包や周囲の組織が損傷され結果として毛根が弱り、heaサイクルが乱れることで抜け毛や薄毛の原因につながるでしょう。
特に、毎日同じ位置で髪を結んでいる場合、同じ毛根に繰り返し負担がかかるため、牽引性脱毛症を引き起こすリスクが高まります。
もみあげも、髪を結ぶことで牽引性脱毛症が起こりやすい部位のひとつです。もみあげの髪は比較的細く繊細なため、本来の生える方向とは逆に強く引き上げられると、毛根に過剰な負担がかかりやすくなります。
この状態が毎日続くと、もみあげ部分の毛根に継続的な刺激や圧力が加わり、毛包や周囲の組織が損傷する可能性があります。 髪を結ぶ際は、もみあげ周辺の髪をほぐすなど、負担軽減の工夫を取り入れましょう。
髪を結んだ状態では髪が常に引っ張られ、分け目付近の毛根に継続的な負荷がかかりやすくなります。このような状態が長期間続くと、分け目付近の髪の毛は細く弱くなり、抜けやすくなるだけでなく頭頂部のボリュームも減少します。定期的に分け目の位置を変えたり頭皮ケアを取り入れたりして、ダメージを軽減しましょう。
牽引性脱毛症は、早めに対処すれば改善が期待できる脱毛症です。引っ張る力という原因がはっきりしているため、結ぶ習慣を見直して毛根の負担を取り除けば、髪が回復に向かう可能性があります。
ただし、長期間放置すると回復が難しくなることもあるため、早めの対策が大切です。
牽引性脱毛症は毛根がダメージを受けていても、初期段階なら毛包そのものは残っていることが多いためです。引っ張る力を減らして炎症反応が回復すれば、ヘアサイクルが整って再び髪が育つ可能性はあります。
一方で、強い負担を何年も与え続けると毛包がダメージを受けて機能が失われると、髪が生えにくくなる場合もあります。「最近生え際が後退してきた」と感じたら、髪の結び方や結ぶ習慣を少なくするなど、ヘアスタイルを見直すことが重要です。
牽引性脱毛症は、力がかかる特定の部位から進むのが特徴です。次のような変化がないか、日頃からチェックしてみましょう。
これらに当てはまる場合は、牽引性脱毛症が進んでいるサインかもしれません。早めにヘアスタイルを見直し、症状が気になる場合は医療機関への相談を検討しましょう。

牽引性脱毛症は、気づいた時点で結ぶ習慣を見直すだけでも頭皮の状態が変わっていきます。ただし、自己流のケアを続けても抜け毛が止まらない場合は、ほかの要因が併発している可能性もあります。自己判断で様子を見すぎず、気になる段階で一度医師に相談しましょう。
髪をいつも同じ位置で結んでいると牽引性脱毛症になりやすいため、予防・改善するための工夫が必要です。
具体的にどのような対処法があるのか、順に紹介します。
髪を結ぶ際はできるだけ低い位置で結んだり、きつく締めすぎずゆるめに結んだりすることが大切です。こうした工夫によって髪や頭皮への負担を軽減し、毛根にかかる力を抑えられます。
特に、長時間髪を結ぶ場合や毎日同じ髪型にする場合は、毛根や頭皮にかかるストレスが蓄積されやすいため注意が必要です。日によって結ぶ位置を変えることも、牽引性脱毛症の予防につながります。
髪に優しいヘアゴムを使うことも、髪への負担を減らすために大切なポイントです。髪への負担が少ないヘアゴムの例は以下のとおりです。
一般的な細いゴムや金属製のヘアクリップ、締め付けが強いゴムなどは、きつく留めて髪や頭皮の負担となるだけではなく、外す際に髪を引き抜いてしまうおそれがあります。髪への負担を最小限にするために、柔らかい素材でできたものや、伸縮性が高く髪を締め付けすぎないものを選びましょう。
髪を結ぶ時間を減らすことも、牽引性脱毛症の防止になります。長時間同じ位置で髪を結んでいると頭皮への負担が大きくなるため、できるだけ髪を結ばない時間を作ることが大切です。
外出時や必要なとき以外は髪を下ろすなどして、頭皮を休ませる時間を意識的に作りましょう。自宅にいるときや就寝時には、頭皮を休ませる時間を確保してみてください。こうした日々の心掛けが健康な髪を保つことにつながります。
髪を結ぶスタイルにこだわりがない場合は、髪を短くカットして結ばずに済むスタイルに変えてみるのも一つの方法です。
髪を短くすることで、髪そのものの重さによる頭皮への負担が軽減されるほか、日々の手入れも楽になり、頭皮や毛根を健康に保ちやすくなります。頭皮の負担を減らしつつ、見た目もリフレッシュしたい方におすすめです。
セルフケアを続けても抜け毛が改善しない場合は、早めにクリニックを受診しましょう。医療機関では頭皮や毛髪の状態を確認したうえで、症状に応じた対応を受けられます。
牽引性脱毛症だと思っていても、実際は次章で解説するAGAなど別の脱毛症が進んでいることもあります。
「通院する時間がない」「人目が気になる」という方は、オンライン診療も選択肢のひとつです。オンライン診療なら、スマートフォンやPCのビデオ通話で医師の診察を受けられ、処方された薬は自宅などで受け取れます。
髪を結ぶ人がはげる場合、必ずしも結んでいることだけが原因とは限りません。円形脱毛症やAGAなど、別の脱毛症が関係していることもあります。

円形脱毛症とは、毛髪が円形または楕円形に突然抜け落ちる脱毛症の一種です。原因は完全には解明されていませんが、自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎、ストレスなどが関与していると考えられています。
円形脱毛症にはいくつかのタイプがあり、症状の現れ方によって以下のように分類されます。
ただし、これは便宜的な分類であり、症状は連続して変化することがあります。脱毛の程度や範囲によって対処法も異なるため、早期の診断と治療が大切です。
AGAは、成人男性に見られる進行性の脱毛症です。「Androgenetic Alopecia」の略で、生え際や頭頂部の髪が薄くなっていくのが特徴です。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが頭皮の5αリダクターゼという酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTがヘアサイクルの成長期を短くすることで進行します。遺伝的な要因も関係するとされています。

AGAは進行性のため、放置すると薄毛の範囲が広がっていきます。治療では、DHTの生成を抑えるフィナステリドやデュタステリドや、発毛を促すミノキシジルといった治療薬が使用されます。
「抜け毛が増えた」「髪が細くなってきた」と感じたら、できるだけ早く医療機関で相談しましょう。クリニックを受診することで、薄毛の原因が牽引性脱毛症によるものなのか、円形脱毛症やAGAなど他の疾患によるものか診断してもらえます。原因に応じた治療やアドバイスを受けられます。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠 添付文書」
髪を結ぶことや抜け毛についての疑問にまとめて回答します。
男性でも髪を結ぶとはげますか?
男性でも、髪を長時間強く結べば牽引性脱毛症になることがあります。性別に関わらず、同じ位置で毛根に負担をかけ続けると抜け毛の原因になりかねません。結ぶ位置を変えるなど、頭皮への負担を減らす工夫が大切です。
どのくらいの期間結び続けると牽引性脱毛症になりますか?
明確な期間は決まっておらず、結び方の強さや頻度、頭皮の状態などによって個人差があります。毎日きつく結ぶ習慣が続くほど、発症のリスクは高まるでしょう。期間に関わらず、頭皮に違和感や抜け毛を感じたら結び方を見直してください。
長時間髪を結ぶと、毛包や周囲の組織が損傷し、部分的にはげる牽引性脱毛症が起こることがあります。同じ位置で強く結び続けると、毛包に炎症反応が出る場合があります。特に、前髪の横や生え際、もみあげ、分け目などは薄毛になりやすいのが特徴です。
牽引性脱毛症は早めに対処すれば改善が期待できます。髪を結ぶ際は低い位置でゆるめに結ぶなど頭皮に負担をかけない工夫を行いましょう。
ただし、髪を結ぶことによる薄毛は牽引性脱毛症以外にも、円形脱毛症やAGA(男性型脱毛症)など別の原因が関係している場合もあります。セルフケアで改善しない場合や薄毛が改善しない場合は、早めに医療機関で原因を特定し、適切な治療を受けるようにしましょう。
レバクリを通じた診療では、AGA治療を行っています。薄毛が気になる方は気軽にご相談ください。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 プロペシア錠」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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