更新日:2026年06月16日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「髪を結ぶとはげる?」と不安に感じる方もいるかもしれません。髪を強く引っ張って長時間結び続けることで「牽引性脱毛症」を引き起こす可能性があります。
本記事では、髪を結ぶとはげる可能性やはげやすい部位、牽引性脱毛症を防ぐ方法について解説します。さらに、円形脱毛症やAGA(男性型脱毛症)など、牽引性脱毛症以外ではげるケースや受診を検討すべき症状についても触れていますので、ぜひご一読ください。
髪を結ぶ習慣が長くあると、前頭部などの髪が薄くなったとふと感じることがあるかもしれません。ここでは、髪を結ぶことがはげる一因になる可能性について解説していきます。
髪を日常的に強く結ぶと「牽引性(けんいんせい)脱毛症」を引き起こす可能性があります。牽引性脱毛症は、髪を強く引っ張るヘアスタイルを長時間続けることで頭皮に負担がかかり、脱毛が生じる症状です。
特に生え際や分け目など、引っ張る力が集中しやすい部分では、毛根に慢性的な負担がかかることで、ヘアサイクルが乱れる可能性があります。特定の部位の毛根がダメージを受けた結果、髪の毛が細くなったり抜け落ちたりして、頭皮の見える範囲が広がってしまう可能性もあります。牽引性脱毛症は、性別や年齢に関わらず起こりうるため、注意が必要です。
髪を強くまとめたり、編み込むヘアスタイルを毎日行っている場合には、髪や頭皮に強い牽引力が加わりやすいため注意が必要です。たとえば、タイトポニーやオールバック、編み込みが特徴のコーンロウなどは、頭皮や髪に負担をかける傾向があります。
髪を引っ張る要因は、ヘアスタイル以外にも複数あります。ヘアエクステンション(エクステ)を装着すると、重みによる負荷が自毛にかかり続けるため、牽引性脱毛症のリスクが高まるでしょう。また、強く引っ張りながら熱を加える習慣は、牽引に加えて熱によるダメージも与える可能性があります。習慣が積み重なることで脱毛につながるため、注意しましょう。
髪を強く結ぶ習慣がある場合、負担がかかりやすい特定の部位から薄毛が目立ち始めることがあります。ここでは、髪を結ぶとはげやすい部位について詳しくみていきましょう。
髪を結ぶとはげやすい部位の一つが、前髪の生え際です。前髪を強く結ぶ際に引っ張る力が加わることで、結んでいる部分の頭皮や毛根に負担がかかり、脱毛が起こりやすくなります。また、長期にわたって負担がかかることで毛根周囲の血流低下につながる可能性があり、髪に酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。
この状態が習慣化すると、生え際のラインが後ろに下がる「後退」が起こる可能性があります。以前に比べて額が広くなったり、生え際の産毛が減って薄くなったりする場合、一つの原因として牽引性脱毛症が考えられるでしょう。
もみあげも髪を結んだ際に負担がかかり、薄毛が起こりやすい部位です。ポニーテールやお団子ヘアなど、サイドの髪を後ろへ強く引き寄せてまとめるヘアスタイルは、もみあげ付近の毛根に強い負荷がかかります。もみあげ付近の髪の毛は比較的細いため、ダメージを受けやすいといえるでしょう。
髪を結ぶ際にいつも同じ位置で分け目を作っていると、分け目の頭皮が透けて見えるようになる場合があります。同じ位置で髪を分けて結ぶことによって同じ方向に引っ張られる力が加わり続けるため、分け目部分の髪が細くなり地肌が目立つようになるのです。
さらに、髪を分けて特定の部位に紫外線が当たり続けることでも、髪や頭皮に負担がかかりやすくなります。「以前よりも分け目の範囲が広くなった」「頭皮が目立つようになった」と感じる場合は注意が必要です。
牽引性脱毛症を防ぐには、頭皮の同じ場所に負担を集中させない工夫が必要です。髪を結ぶことではげるのを防ぐ方法は、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
髪を結ぶことではげるのを予防する方法の一つとして、毎日同じ位置で結ばないことが挙げられます。同じヘアスタイルを毎日続けることは避け、結ぶ高さや分け目の位置を変えることで、特定部分の髪や頭皮にかかる負担を分散させられます。
また、髪や頭皮の負担を抑えるために、結び方を見直すのも重要なポイントです。頭皮が引っ張られて痛みを感じるほどきつく結ぶのではなく、指が一本入るくらいの余裕を持って、なるべくゆるく結ぶように心掛けましょう。
牽引性脱毛症を防ぐために、髪を結んでいる時間を減らすことも重要です。長い時間、同じ位置で髪を結んでいると頭皮への負担になるため、できるだけ髪を結ばない時間を作ることが大切です。
外出時や必要なとき以外は髪を下ろすなどして、髪や頭皮に負担をかけない時間を意識的に作るようにします。特に髪を結んだまま就寝すると、引っ張りによる負担だけではなく、摩擦による切れ毛や枝毛の原因となるため避けましょう。日々の心掛けが、健康な髪を保つことにつながります。
髪への負担が少ないヘアゴムを使用することも、髪への負担を抑える一つの方法です。髪への負担が少ないヘアゴムの例は以下のとおりです。
一般的な細いゴムや金属製のヘアクリップ、締め付けが強いゴムなどは、きつく留めて髪や頭皮の負担となるだけではなく、外す際に髪を引き抜いてしまうおそれがあります。髪への負担を最小限にするために、柔らかい素材でできたものや、伸縮性が高く髪を締め付けすぎないものを選びましょう。
髪を結ぶことが原因の牽引性脱毛症以外にも、薄毛を引き起こすケースがあります。ここでは、円形脱毛症とAGA(男性型脱毛症)について詳しくみていきましょう。

円形脱毛症とは、自身の免疫システムが毛根に反応することで発生する脱毛症です。原因は完全には解明されていませんが、自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎、ストレスなどが関与していると考えられています。
円形脱毛症には複数のタイプがあり、症状の現れ方によって以下のように分類されます。
ただし、これは便宜的な分類であり、症状は連続して変化することがあります。脱毛の程度や範囲によって対処法も異なるため、早期診断と適切な治療が大切です。
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略で、男性型脱毛症のことです。成人男性特有の進行性の脱毛症で、思春期以降に始まり、徐々に生え際や頭頂部の毛髪が薄くなるのが主な特徴です。薄毛がゆっくりと進行するため、放置すると薄毛の範囲が広がっていることもあります。
AGAの主な原因として、男性ホルモンや遺伝的要因があると考えられています。
「抜け毛が増えた」「髪が細くなってきた」といった変化に不安を感じたら、できるだけ早く医療機関で相談しましょう。治療により、症状の進行を抑えることが可能です。
自身の抜け毛がAGAによるものかどうかを判断する目安として、以下のチェックリストを参考にしてみてください。

ただし、これらはあくまで自己診断の目安です。確定診断には専門医による診察が必要になるため、医療機関を受診しましょう。

AGAは治療を行わないと進行するため、薄毛が気になる場合は早めに受診しましょう。AGAによる薄毛の場合、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬、ミノキシジル外用薬などの使用によって症状の改善が期待できます。
髪の結び方を変えたり、結ぶ頻度を減らしたりしても状況が改善しない場合は、薄毛の原因が牽引性脱毛症ではない可能性があります。その場合には、医療機関を受診して相談するのがおすすめです。特に、以下のような症状がある場合には、医師への相談を検討しましょう。
抜け毛とともに、頭皮の赤みやかゆみなどの炎症が起こっている場合や薄毛が急に進行している場合は、早めの相談が望ましいでしょう。
クリニックを受診すれば、薄毛の原因が牽引性脱毛症によるものなのか、または円形脱毛症やAGAなど他の疾患によるものなのかを鑑別できます。原因に応じた適切な治療やアドバイスを受けられるため、薄毛の適切な治療につながる可能性があります。
ここでは、髪の結び方や薄毛・抜け毛に関するよくある質問をまとめました。髪を結ぶ習慣がある方が抱きやすい具体的な疑問について解説します。
男性向けの髪に負担をかけない結び方は?
男性が髪を結ぶ場合も、基本的には女性と同様の注意が必要です。髪は主に下に向かって生えているため、高い位置で強く結ぶと、頭皮への牽引力が強くなります。髪を耳より低い位置で結ぶ「ローポニーテール」は、高い位置で結ぶよりも頭皮への負担を抑えられるため、おすすめです。
また、結ぶ際には髪を無理に引っ張り上げず、手ぐしでふんわりとまとめるように意識しましょう。強く締め付けすぎないようにすることが大切です。
男性が髪を結ぶと前髪の横側がはげる?
髪を後ろに引っ張って結ぶ習慣がある人は、前髪の横側(こめかみや耳の上部)に負担がかかりやすく、脱毛が起こる可能性があります。これは牽引性脱毛症の主な症状の一つです。この部分の薄毛を防ぐには、髪を結ばない日を定期的に作ったり、サイドの髪を垂らすようなヘアスタイルに変更したりして、頭皮を休ませることが大切です。
結び方やヘアスタイルを工夫しても薄毛が改善しない場合には、円形脱毛症やAGAなどほかの原因が考えられます。早めに専門のクリニックを受診して医師に相談してみましょう。
ポニーテールをする場合の生え際の隠し方は?
気になる生え際をカバーしながらポニーテールをするには、前髪の作り方を工夫するのがおすすめです。前髪を下ろして流すことで、生え際を隠すことができます。また、前髪の分量が少ない場合は、前髪を厚めに作る「フルバング」にすると、生え際をカバーしやすくなるでしょう。
また、ポニーテールはきつく結ぶことで髪や頭皮に負担がかかりやすいヘアスタイルです。ゆるく結ぶことによって生え際の露出を抑え、薄毛を目立たなくさせられます。髪に負担をかけないヘアゴムを使ったり、結ぶ時間をなるべく短くしたりするなど、髪や頭皮へのダメージを少なくするように心掛けましょう。
「髪を結ぶとはげる?」と不安な方は、日常的に髪を引っ張り続けることで牽引性脱毛症が影響しているケースが考えられます。ポニーテールやお団子などのヘアスタイルは、特定部位の毛根に負担をかけ、前髪の横側や生え際、分け目の薄毛を招く一因となります。まずは結ぶ位置を日によって変えたり、髪に負担をかけないヘアゴムを使用したりして、頭皮を休ませる習慣を取り入れましょう。
また、薄毛の原因は牽引性脱毛症のみとは限りません。円形脱毛症やAGA(男性型脱毛症)など、ほかの疾患が隠れているケースもあります。これらの疾患は医療機関の受診と適切な治療が必要であり、ヘアスタイルの工夫だけでは改善が難しいのが特徴です。
もし、髪の結び方やヘアスタイルを工夫しても抜け毛が改善しない場合や、薄毛の範囲が広がっていると感じる場合には、専門のクリニックを受診しましょう。医師に相談すると、原因に合わせた適切な治療やアドバイスを受けられます。早めに相談して治療を受けることで、薄毛の進行を抑えることにつながります。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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