更新日:2026年02月06日
「AGA治療にはフィナステリドとデュタステリド、どちらが適しているのだろう?」と悩んでいる人も少なくありません。どちらの薬を使用するか決めるときは、AGAの進行度や費用などを総合的に考慮し、医師に相談することが重要です。
本記事では、フィナステリドとデュタステリドの作用機序の違いや期待できる効果、副作用を比較します。それぞれの薬剤が向いている人の特徴や注意点も解説するので、ぜひご一読ください。
フィナステリドとは、AGAの進行を抑制する目的で用いられる治療薬です。主に前頭部および頭頂部のAGAに対して有効とされています。フィナステリドはAGAの原因となる5α-リダクターゼII型を阻害し、テストステロンからDHT(ジヒドロテストステロン)への変換を抑制します。
DHTは毛髪の成長サイクルを短くするため、成長する前の細く短い段階で髪の毛が抜け落ちてしまうのです。そのため、テストステロンからDHTへの変換を防ぐことでAGAの進行を食い止められる可能性があります。
フィナステリドは日本では「プロペシア」という商品名で知られており、ジェネリック医薬品も販売されています。1日1回の服用が標準となっており、継続して服用することにより効果が期待できるでしょう。
デュタステリドとは、フィナステリドと同じくAGA治療に使用される内服薬です。デュタステリドは5α-リダクターゼのI型とII型の両方を阻害するので、フィナステリドよりもDHT抑制率が高くなります。
デュタステリドは、日本では「ザガーロ」という商品名で知られています。デュタステリドも1日1回の服用が基本で、効果を感じるまでには服用開始から3~4ヶ月程度必要です。
フィナステリドとデュタステリドには、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、フィナステリドとデュタステリドの3つの違いを解説します。
フィナステリドとデュタステリドでは、期待できる発毛効果に違いがあります。デュタステリドは5α-リダクターゼのI型とII型の両方を阻害するのに対し、フィナステリドは主にII型のみを阻害するのが特徴です。
デュタステリドによる5α-リダクターゼII型の阻害作用は、フィナステリドより強力であるとされています。フィナステリドが生え際と頭頂部の脱毛に効果を示すのに対し、デュタステリドは、前頭部・頭頂部に加えて、より広い部位のAGAにも効果が期待されています。ただし、AGA治療薬の効果には個人差があるので、フィナステリドで十分な効果を得られる方もいます。
フィナステリドとデュタステリドは同じく5α-リダクターゼ阻害薬であるため、発生する可能性がある副作用の傾向は類似しているのです。オルガノン株式会社の「プロペシア 添付文書」とグラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」によると、副作用としてリビドー減退(性欲減退)や勃起機能不全、射精障がいなどが挙げられています。
また、乳房肥大や乳房圧痛といった乳房への影響が出る可能性もあるのです。ほかにも、肝機能障がいや抑うつ症状、発疹、じん麻疹などが報告されています。
デュタステリドはフィナステリドよりもDHT抑制率が高いので、男性機能低下の副作用の発現率が高い傾向にあります。フィナステリドやデュタステリドの副作用は、服用を中止すれば回復する傾向にありますが、異常を感じた場合は速やかに医師に相談しましょう。
参考:オルガノン株式会社「プロペシア 添付文書」 グラクソ・スミスクライン株式会社の「ザガーロ 添付文書」
フィナステリドとデュタステリドでは、1ヶ月あたりの治療費に差があります。一般的に、フィナステリドよりもデュタステリドの方が費用相場は高くなる傾向があります。以下にフィナステリドとデュタステリドの費用相場をまとめました。
| 治療薬 | 1ヶ月当たりの費用相場 |
|---|---|
| フィナステリド | 4,000~7,000円程度 |

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| デュタステリド | 6,000~7,000円程度 |
AGA治療は保険適用外の自由診療であるため、クリニックによって価格設定が異なります。AGA治療の費用を抑えたい方は、ジェネリック医薬品を選択することで、費用の負担を軽減できるかもしれません。
フィナステリドとデュタステリドの併用は推奨されていません。両薬剤は同様の作用機序を持つので、併用しても相加・相乗効果はあまり期待できず、副作用のリスクが高まる可能性があります。
デュタステリドは5α-リダクターゼのI型・II型の両方を阻害するため、フィナステリドを追加しても有効性の上乗せは乏しく、副作用リスクだけが増加する可能性があります。同じ経路を阻害する薬を二重に使用すれば、性機能障害や肝機能への負担といった副作用が増強される恐れもあるでしょう。AGA治療としての効果が不十分なときは、フィナステリドやデュタステリドと作用機序が異なるミノキシジルを組み合わせて使用する場合があります。
AGA初期段階の方は、フィナステリドがおすすめです。比較的マイルドな薬剤なので、治療の第一選択肢として適しています。副作用に対する懸念が強い方にも、フィナステリドが適しています。デュタステリドと比較すると副作用の発現率が低いため、安全性を重視する方に向いているのです。
前頭部や頭頂部の薄毛を主訴とする方や、費用を抑えたい方にもフィナステリドが向いているでしょう。AGA治療で薬を選ぶときは、病院で診断を受け、医師と相談することが大切です。AGA治療は長期間継続することが前提となるので、ライフスタイルや費用面も含めて総合的に判断してみてください。
フィナステリドで十分な効果が得られなかった場合の選択肢として適しています。フィナステリドを半年以上使用しても改善が見られない場合、デュタステリドへの切り替えで効果を実感できるかもしれません。
また、AGAが中等度から重度に進行している方は、デュタステリドが適しています。デュタステリドはフィナステリドよりも強力なDHT抑制効果を持つので、進行したAGAに対してより効果的に作用する可能性があるのです。
デュタステリドを選択する場合は、副作用のリスクや費用面も考慮する必要があります。個人の状態や優先事項、医師の専門的見解を含めたうえで最適な治療法を選びましょう。
フィナステリドからデュタステリドに切り替えたあとの変化には個人差があるものの、薄毛の進行がより効果的に抑制される傾向があります。新しい髪の毛の生育が促進され、毛髪の太さや密度の改善が見られる場合もあるのです。
フィナステリドからデュタステリドへ切り替えた場合、効果の実感には半年~1年程度かかることがあります。切り替え直後に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こる可能性もあります。
フィナステリドからデュナステリドへの切り替えを検討する際は、現在の治療効果や副作用の有無、経済的負担などを総合的に考慮し、医師と相談したうえで判断しましょう。医師の管理のもとで切り替えを行えば、より安全かつ効果的な治療が可能になります。
「フィナステリドやデュタステリドを服用する際は、どのようなことに注意しなければならないの?」と気になる方もいるかもしれません。ここでは、フィナステリドやデュタステリドを服用する際の注意点を解説します。
フィナステリドとデュタステリドは、女性と子どもには使用が厳禁です。特に妊娠中の女性がフィナステリドやデュタステリドを服用すると成分が胎児に移行し、男子胎児の外生殖器発達に影響を及ぼす可能性があります。皮膚からも成分が吸収され得るため、妊娠中または妊娠の可能性がある女性は、割れたり砕けたりした錠剤に触れないよう注意が必要です。
また、子どもに対しては有効性や安全性が確認できていないので、フィナステリドやデュタステリドを服用できません。家庭で保管する際は、女性や子どもが誤飲・接触しない場所を必ず選びましょう。
フィナステリドやデュタステリドを服用している期間中、そして服用終了後も一定期間は献血ができません。献血ができない理由は、血液を介してフィナステリドやデュタステリドの成分が女性や子どもに移行するリスクを防ぐためです。
フィナステリド服用者は最終服用から1ヶ月間、デュタステリド服用者は最終服用から6ヶ月間の献血制限が設けられています。献血の際には問診で使用している薬について、正直に申告することが必要です。献血を定期的に行いたい方は、治療薬の選択について医師に相談してみましょう。
フィナステリドとデュタステリドはAGAに特化した治療薬であり、他の原因による脱毛症には効果を示しません。フィナステリドやデュタステリドは男性ホルモン(DHT)の産生を抑制してAGAの進行を食い止めるため、円形脱毛症や抜毛症など、ほかの原因による脱毛症には効果がないのです。
また、甲状腺機能異常や鉄欠乏性貧血による薄毛はAGA治療薬では改善しません。そのため、薄毛治療を始める際は医師の正確な診断を受け、薄毛の原因を把握することが重要です。
フィナステリドやデュタステリドを安全に入手するためには、医療機関を受診しましょう。医療機関に行き医師の診察を受ければ、自分の症状や体質に合った薬剤を処方してもらえます。
フィナステリドやデュタステリドは個人輸入で入手することも可能ですが、品質や安全性が保証されていません。そのため、安全で効果的な治療を受けるためには医療機関を通じて処方された薬を使用するのがおすすめです。
近年では、オンライン診療サービスも普及しています。オンライン診療であれば、スマートフォンやPCを使って医師の診察を受け、薬を自分の好きな場所に配送してもらうことが可能です。オンライン診療は、忙しい方や通院が難しい地域に住んでいる方も気軽に受診できるのがメリットです。
ここでは、フィナステリドやデュタステリドに関してよくある質問をまとめました。以下で質問に詳しくお答えします。
フィナステリドやデュタステリドとミノキシジルの併用は可能です。作用機序が異なる薬剤を組み合わせると相乗効果が得られ、より高い効果が期待できます。
フィナステリドやデュタステリドは体内でのDHT産生を抑制することで、薄毛の進行を防ぎます。一方、ミノキシジルは血管を拡張させて血流を改善し、発毛を促すのが特徴です。
フィナステリドやデュタステリドの効果を実感できるまでの期間には、個人差があります。早い方では服用開始後3ヶ月で抜け毛の減少を感じ始めることがあります。服用後6ヶ月から1年程度で、髪のハリやコシの改善を実感する方もいます。
フィナステリドやデュタステリドの治療の効果に不安を感じても、まずは6ヶ月継続することが推奨されます。6ヶ月経過しても効果が感じられない場合は、医師に相談して治療法の見直しを検討するのも1つの選択肢です。
フィナステリドとデュタステリドは、どちらもAGA治療に効果的な内服薬ですが、効果や費用に違いがあります。フィナステリドは5α-リダクターゼII型のみを阻害し、DHT生成を抑制するので、AGA初期の方や経済的な負担を抑えたい方に適しています。デュタステリドは5α-リダクターゼのI型・II型両方を阻害し、DHT抑制率が高いので、より強力な効果を求める方やフィナステリドで効果が不十分だった方に向いているでしょう。
フィナステリドとデュタステリドの効果を実感するには、少なくとも6ヶ月の継続が必要です。フィナステリドやデュタステリドを使用する際は、AGAの進行度や期待する効果、費用面などを考慮したうえでどちらを服用するか医師と相談して決めることが重要です。