更新日:2026年03月06日
「頭皮の日焼けに困っている」という方もいるかもしれません。頭皮の日焼けはよく冷やして、保湿することが大切です。また、日焼け止めスプレーや帽子で事前に予防できます。
本記事では、頭皮の日焼けによって起こる3つのトラブルや、正しい応急処置を解説します。頭皮の日焼けを予防する方法や、病院に行くべきサインも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
頭皮が日焼けすると、痛みが発生したり、薄毛につながったりする場合があります。ここでは、頭皮の日焼けが引き起こす主な3つのトラブルを見ていきましょう。
頭皮の日焼けによって生じる赤みや痛みは、紫外線のダメージで皮膚の細胞が破壊されて起こる炎症反応です。軽度の場合は数日で治まるのが一般的ですが、重症化すると患部に水ぶくれや化膿を引き起こす場合もあります。傷口に細菌が入り込むと、化膿して激しい痛みや腫れを引き起こすこともあるでしょう。
症状が重い場合や、広い範囲に水ぶくれが見られるときは、自己判断でのケアを避けて皮膚科を受診することをおすすめします。
日焼けによる頭皮のフケやかゆみは、紫外線がバリア機能を低下させ、地肌が乾燥状態に陥ることで発生します。紫外線を浴びた頭皮はダメージを修復しようとして、皮膚が新しく生まれ変わる炎症反応の影響で、ターンオーバーのサイクルが一時的に乱れ、通常よりも早まることがあります。その結果、未熟な角質が剥がれ落ち、皮がむけてフケが発生します。
頭皮のかゆみやフケは、日焼けによる肌の炎症に伴う一時的な反応であることがほとんどです。かゆみがある場合も無理に頭皮を掻きむしらず、頭皮を安静に保つよう心掛けましょう。
フケの原因を詳しく知りたい方は、「フケの原因は頭皮の乾燥?フケの原因と対策について解説」をご覧ください。
長期的に頭皮が日焼けすると、紫外線ダメージが蓄積し、薄毛や白髪といった髪のトラブルにつながる可能性があります。頭皮は顔よりも高い位置にあり、直射日光を遮るものが少ないため、紫外線を受けやすいのです。慢性的に紫外線を浴びることで、頭皮のバリア機能や血流環境が徐々に低下し、健やかな髪の成長を妨げる要因となります。
紫外線によって発生する活性酸素は、毛母細胞や毛包内の色素幹細胞の機能を低下させ、薄毛や白髪を引き起こす要因となり得ます。ただし、紫外線による薄毛や白髪は長いスパンでの蓄積によって現れるものであり、一度の日焼けですぐに発生するわけではありません。
頭皮の日焼けに気づいたら、速やかに適切な応急処置を施すことが大切です。ここでは、頭皮の炎症や痛みを和らげ、回復を助けるための対処法を紹介します。
日焼けした頭皮は、速やかに冷却して炎症を鎮めることが重要です。軽度の熱傷(やけど)と同様の状態で、皮膚内部に炎症と熱がこもっています。物理的に頭皮の熱を取り除けば、回復を早められるでしょう。
頭皮を冷却する方法としては、冷たい水で濡らした清潔なタオルを当てるのが効果的です。より冷やしたい場合は、保冷剤を使用しましょう。ただし、保冷剤はタオルやガーゼなどで包んで使用し、一箇所に長時間固定せず、様子を見ながら冷やすようにしてください。
頭皮の日焼け後は、入浴時のケアにも注意が必要です。熱いお湯を浴びると炎症が悪化し、痛みやかゆみが強くなる場合があるので、ぬるま湯のシャワーで優しく流す程度に留めましょう。洗髪後のドライヤーについても、炎症が落ち着くまでは温風を避け、冷風モードを活用するのがポイントです。
日焼けした頭皮には、失われた水分を補うための保湿ケアが必要です。紫外線のダメージを受けた地肌は、角質層のバリア機能が低下し、水分が蒸散しやすい状態にあります。頭皮の乾燥を放置すると皮膚の回復が遅れ、フケやかゆみを引き起こす原因となるので、念入りな保湿で地肌を保護しましょう。
日焼け後の肌は炎症により知覚過敏の状態になっており、保湿剤に含まれる成分がしみる場合があります。保湿剤は刺激の少ないアルコールフリーや無香料のもの、敏感肌向けと表記された製品などを選びましょう。
ただし、頭皮に水ぶくれができている場合は注意が必要です。水ぶくれに保湿剤を塗ると成分が刺激となって症状を悪化させたり、細菌感染を招いたりする恐れがあります。症状が重い場合はセルフケアに頼らず、病院を受診して治療を受けましょう。
日焼けした頭皮はバリア機能が低下してデリケートな状態なので、洗浄力の強いシャンプーは避けましょう。洗浄力の強いシャンプーは、炎症を起こした地肌に必要な皮脂まで奪い、乾燥を悪化させて回復を遅らせるおそれがあります。日焼けした頭皮には、刺激が少ないアミノ酸系のシャンプーを使用するのがおすすめです。
洗髪の際は爪を立ててこすらず、シャンプーをよく泡立てて指の腹で優しく洗います。洗髪後はデリケートな頭皮を摩擦から守るため、吸水性の良いタオルで軽く押さえるように水分を吸い取りましょう。
日焼けした頭皮の回復を内側からサポートするためには、栄養バランスの取れた食事と質の良い睡眠が必要です。ダメージを受けた皮膚の修復には、抗酸化作用や新陳代謝をサポートするビタミンA・C・Eが有効です。皮膚を作るタンパク質やターンオーバーをサポートする亜鉛も摂取することで、紫外線で傷ついた細胞の再生がスムーズになり、頭皮の回復を早められます。
頭皮を回復させるには、十分な睡眠を確保することも大切です。体は睡眠中に成長ホルモンを分泌し、日中に受けた細胞のダメージを修復する仕組みがあります。厚生労働省の「」によると、成人の適正な睡眠時間は6~8時間です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
参考:厚生労働省「第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会」
頭皮の日焼けによる赤みや痛みが残っている間は、パーマやカラーを控えましょう。日焼け直後の頭皮は、紫外線によってバリア機能が低下しており、通常よりも外部刺激に対して敏感な状態にあります。日焼けによる痛みがあるときに施術を行うと、薬剤に含まれる化学成分が刺激となり、炎症が悪化するリスクがあるのです。
施術を再開する目安は、赤みや痛みが消失し、頭皮の状態が正常に戻ってからです。地肌に違和感がないことを確認し、心配な場合は美容師に日焼けをした旨を事前に伝えて相談しましょう。
頭皮の日焼けを予防するには頭皮用の日焼け止めスプレーを活用したり、外出時に帽子をかぶったりするのがおすすめです。ここでは、日常生活の中で取り入れやすい日焼けの予防策を3つ紹介します。
頭皮と髪を紫外線から守るためには、日焼け止めスプレーの活用が効果的です。外出前の習慣として、日焼け止めスプレーでで紫外線を防ぐことが推奨されます。
日焼け止めスプレーを使用する際は、頭皮や髪にムラなく行きわたるように噴射するのがポイントです。髪から少し離して吹きかけ、分け目やつむじなどの露出している部分に重点的に噴霧しましょう。
日焼け止めの効果は、時間の経過や汗によって徐々に薄れます。屋外に長時間滞在する場合は、定期的に日焼け止めを塗り直しましょう。
外出時に紫外線から頭皮を守るためには、帽子や日傘を活用するのもおすすめです。帽子や日傘は物理的に紫外線をブロックできるので、皮膚への化学的な刺激もなく、ダメージを軽減できます。
紫外線を防ぐ効果が高い帽子を選ぶなら、UVカット率が99%以上の表記があるものが安心です。ツバが大きなタイプであれば、頭皮だけでなく顔や首筋まで同時に守れます。帽子内部に熱がこもると頭皮環境を悪化させる可能性があるので、通気性の良いものを選び、蒸れを防ぎましょう。
広い範囲の紫外線をカットしたい場合は、日傘がおすすめです。自分のライフスタイルや外出時間の長さに合わせ、帽子や日傘を活用して、紫外線によるダメージの蓄積を防ぎましょう。
頭皮への紫外線ダメージを分散させるためには、髪の分け目を定期的に変えることが有効です。分け目やつむじは地肌が露出しているため、常に同じ場所で分けていると、特定の部位だけに集中的にダメージが蓄積されます。日によって髪を分ける位置を少しずらすだけでも、紫外線の負担が特定の部位に集中するのを減らすことが可能です。
定期的に分け目を変えることは、薄毛予防の観点からもメリットがあります。頭皮の同じ場所ばかりに紫外線を浴び続けると、その部分の皮膚が紫外線による光老化を起こして硬くなり、健やかな髪を育む機能が低下しやすくなるためです。分け目を変えることで特定の毛包への負担が軽減され、地肌全体の健康を維持しやすくなります。
分け目の薄毛が気になる方は、「分け目はげの判断基準とは?分け目はげを改善する対策まで解説」をご確認ください。
頭皮を日焼け後、水ぶくれができたり、強い痛みが続いたりする場合は、病院での処置が必要かもしれません。ここでは、病院に行くべき3つのサインを解説します。
頭皮が日焼けして水ぶくれができた場合は、医療機関を受診しましょう。水ぶくれが生じている状態は、表皮から真皮にかけてダメージが及んでいる二度熱傷に該当し、家庭での冷却や保湿だけでは対応が不十分な場合があります。
医療機関では、炎症を抑える薬の処方や、患部を清潔に保つための処置を受けられるでしょう。頭皮の水ぶくれを放置すると炎症が悪化したり、破れた傷口から細菌が入り込んで感染を引き起こしたりする可能性があります。
数日が経過しても日焼けした頭皮の痛みが弱まらなかったり、赤みが広がったりしている場合は、皮膚の深部にまで炎症が及んでいる可能性があります。強い炎症が長引いている状態を放置するのは危険です。
ダメージが深刻だと回復が遅れ、地肌のバリア機能が低下した状態が続き、毛包への悪影響や慢性的な頭皮トラブルに発展する場合があります。「たかが日焼け」と自己判断せず、痛みが数日続くなら医師に相談しましょう。
日焼けによる皮むけは数日から1週間程度で治まり、新しい皮膚へと生まれ変わるのが一般的です。2週間を過ぎても症状が改善しない場合は、紫外線のダメージが引き金となり、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎が悪化している可能性が考えられます。
脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎をセルフケアだけでの改善が難しく、放置すると慢性的なかゆみや炎症、抜け毛の原因にもなりかねません。病院を受診し、フケが日焼けによる一時的なものか、別の皮膚疾患によるものなのかを判断してもらい、適切な治療を受けましょう。
頭皮の日焼けは赤みや痛み、フケ、かゆみといった不快な症状を引き起こす場合があります。長期的な頭皮の日焼けは、薄毛や白髪などの問題につながる可能性もあるのです。
日焼けした頭皮は、冷却して炎症を抑え、低刺激の保湿製品でケアします。洗髪は刺激の少ないシャンプーで優しく洗うのがポイントです。また、頭皮を回復させるためには、栄養バランスの良い食事と質の良い睡眠で内側からサポートし、症状が落ち着くまでパーマやカラーリングは控えましょう。頭皮の日焼け予防としては、頭皮用の日焼け止めの活用や帽子・日傘の使用が効果的です。
頭皮に水ぶくれができたり、強い痛みが数日以上続いたりする場合は、自己判断せず医療機関を受診することをおすすめします。