更新日:2026年03月06日
「寝癖ははげの原因になる?」と不安に思っている方もいるかもしれません。寝癖自体が直接はげの原因になることはありません。しかし、寝癖がつきやすい状態を放置すると頭皮環境が悪化し、結果として薄毛リスクが高まる可能性があります。
本記事では、寝癖の原因や薄毛と見分ける方法、髪と頭皮をいたわりながら行える寝癖の正しい直し方を解説します。薄毛を防ぐための寝癖の予防法についても解説しているので、ぜひご一読ください。
寝癖がつくこと自体が、直接的に薄毛の原因になることはありません。
寝癖は、髪の内部にある「水素結合」が水分によって切れ、乾く瞬間に再結合することで髪の形が固定されるために起こります。そのため、寝癖がつきやすい状態を放置していると、過剰な水分や皮脂によって頭皮環境が乱れ、結果として薄毛のリスクが高まる可能性があるのです。
それに加えて、加齢やストレスによって皮脂の分泌が増えると、頭皮環境が悪化しやすくなります。
薄毛を予防したい場合は、寝癖が起こる原因となる生活習慣や髪へのダメージ、環境などを見直すことが大切です。
それでは、寝癖が起こる原因はどのようなものなのでしょうか。寝癖で髪が割れる場合に考えられる原因は、以下の5つです。
ここでは、寝癖で髪が割れる上記5つの原因について、それぞれ解説していきます。
髪の毛が濡れたまま寝てしまった場合、髪表面のキューティクルが開いた状態になり、枕との摩擦でダメージを受けやすくなります。キューティクルとは、髪の外側にあるウロコ状の層のことで、内部の水分や栄養分を守っています。キューティクルが開いた状態では、髪内部の水分や栄養分が流出しやすくなり、ダメージになってしまうのです。
さらに、水分を含んで柔らかくなった髪は、水素結合によってわずかな圧力でも曲がったまま固定されやすく、寝癖の原因になります。
寝汗によって頭皮が蒸れていることでも、寝癖がつきやすくなります。就寝中に汗をかくことで、枕に接する頭皮が蒸れてしまい、皮脂と混ざり合ってベタつきが発生します。このベタつきによって髪の毛同士が束になって固まると、つむじ周りの地肌が透けて見えやすくなり、薄毛が進行したように見えてしまうのです。
また、湿度の高い頭皮環境が続くと、細菌が繁殖して炎症などの頭皮トラブルを起こしやすくなり、薄毛のリスクを高めてしまう可能性もあります。
髪のダメージが蓄積している場合も、寝癖が起こりやすくなります。カラーリングや熱によるダメージが蓄積した髪は、内部のタンパク質が流出してハリやコシを失ってしまいます。弾力のない細い髪は、朝のスタイリング時に無理に引っ張るとダメージを受けやすく、悪循環に陥る傾向があります。
つむじ付近のボリューム不足が気になる場合は、正しいヘアケアやスタイリングで頭皮や毛根への負担を減らす必要があるでしょう。
寝返りなどで髪に圧力がかかっていることも、寝癖で髪が割れる原因の一つです。枕との摩擦や頭の重みで物理的な圧力がかかると、髪の毛の根元が強制的に折れ曲がってしまいます。これは一時的な髪の向きの乱れであるため、AGAによる薄毛とは本質的に。
朝につむじが割れて地肌が見えるのは、多くは髪が抜けたのではなく、圧迫によって髪が倒されているだけの場合がほとんどです。ただし、継続的に強い圧力がかかると切れ毛などのリスクも高まるため、注意が必要です。
使用している枕が自分に合っていないことも、寝癖の原因として考えられます。枕の高さや素材が自分の頭に合っていないと、寝返りが増えたり、髪に圧力がかかったりして寝癖がつきやすくなり、結果として頭皮や髪にダメージを与える可能性があります。
特に後頭部からつむじにかけては、髪が強く押し付けられる状態が続くと根元から潰れ、地肌が目立って見える原因になることもあります。
つむじ周りの地肌が透けて見えるとき、それが寝癖なのかAGAによる薄毛(つむじはげ)なのかを正しく見分ける必要があります。以下の3つの方法でセルフチェックしてみましょう。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
寝癖の場合、水分を与えることで髪の水素結合が一度切れてリセットされるため、髪の根元から十分に濡らして乾かしてみると地肌の透け感は解消されるでしょう。一方、濡らして乾かしてもつむじの広がりが変わらない場合は、毛量そのものが減少している可能性が高いと考えられます。
まずは頭皮まで水分を届かせるように濡らしてみて、髪を立ち上げた際の見え方の変化を観察してみましょう。
寝癖による「つむじ割れ」は、つむじを中心として縦・横など直線的に地肌が見えることが多いのが特徴です。一方、AGAなどの薄毛は頭頂部のつむじを中心として、円形状に地肌が透けやすい傾向にあります。
合わせ鏡やスマートフォンのカメラを使用して、地肌が見えている範囲が以前より広がっていないかを比較して確認しましょう。定期的に写真を撮って記録しておくと、一時的な寝癖によるものか、継続して変化しているのかを客観的に判断しやすくなります。
つむじ周辺の髪の毛を観察し、ほかの部位に比べて明らかに細く柔らかい毛や短い毛がある場合は、AGAの症状が現れている可能性があります。寝癖であれば髪の毛一本一本に太さとコシがありますが、AGAにより薄毛が進行している場合、毛周期が乱れることで髪が十分に成長しなくなります。
髪の毛に細くて短い毛が混じっていないかを直接確認することで、AGAを早期に発見しやすくなります。
つむじはげの見分け方や原因については、「つむじハゲとは?主な原因や5つの対策を解説」で詳しく解説しています。

寝癖とつむじはげを見分けるには、まず髪を濡らしてみましょう。寝癖によるものなら髪を濡らして乾かすと根元が立ち上がり、地肌の透けは解消されます。濡らして乾かしても地肌が広範囲に見える場合は、毛量が減少している、あるいは髪が細くなっている「つむじはげ」の可能性があります。セルフチェックで判断に迷う場合は、専門医の診断を受けるのがおすすめです。
朝の限られた時間で寝癖を直す際は、頭皮や髪に負担をかけない方法を選ぶことが大切です。間違ったケアは抜け毛を増やし、薄毛を加速させる恐れがあります。
髪と頭皮を守るための寝癖の正しい直し方は、以下の流れです。
ここでは、寝癖の正しい直し方をそれぞれ見ていきましょう。
寝癖を直すには、髪の根元から霧吹きなどで十分に湿らせることが大切です。寝癖は、髪内部の水素結合が水分で切れ、乾くときにその形のまま再結合して固定されてしまうために起こります。
表面を軽く濡らすだけでは髪内部の結合が十分にリセットされず、寝癖が残ってしまいます。根元までしっかり湿らせることで、髪に負担をかけずにスタイリングしやすくなるでしょう。
また、手ではなく霧吹きを使うと、直したい部分を狙いやすいためおすすめです。
髪を濡らしたあとは、指の腹で髪の根元から方向を整えるようにドライヤーの風を当てて乾かしていきます。つむじの割れと逆方向に髪を流すように乾かすと、髪の根元が立ち上がり地肌の透けを自然にカバーしやすくなります。
また、熱のダメージをできるだけ抑えるために髪から20cmほど離し、ドライヤーを小刻みに動かしながら乾かすのが良いでしょう。風量が強過ぎたり、乾かし過ぎたりすることも頭皮への負担となるため、短時間で仕上げるのがポイントです。
仕上げに、髪に冷風を当ててヘアスタイルを固定します。髪の毛は熱が冷める瞬間に形が固定される性質を持っているため、温風で根元から乾かしたあとに冷風を当てるのがポイントです。また、冷風を当てることで開いたキューティクルが引き締まるため、髪のダメージを防げるだけではなく、形もキープできます。
この方法を使えば、髪や頭皮への負担を最小限に抑えながら寝癖を直せるでしょう。
寝癖を防ぐことは、朝の準備時間を短縮できるだけではなく、髪と頭皮を守ることにもつながります。今日から取り入れられる予防法を実践し、薄毛のリスクを最小限に抑えましょう。
薄毛を防ぐための寝癖の予防法は、以下のとおりです。
ここでは、上記5つの寝癖の予防法について、それぞれ解説します。
寝癖を予防する方法の一つとして、入浴後は髪の根元から完全に乾かすことが挙げられます。入浴後の髪はデリケートな状態にあるため、軽くタオルドライをしたあとはすぐにドライヤーで頭皮の根元から乾かしましょう。
髪が乾いていない状態で寝てしまうと、寝癖の原因となるだけではなく、湿った頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、炎症や抜け毛などのトラブルを招く恐れがあります。そのため、完全に髪を乾かしきることが大切です。
通気性の良い寝具を使って寝汗の発生を抑えることも大切です。寝ている間の頭皮の蒸れは地肌をベタつかせる原因になるため、寝汗をかきにくい快適な環境を整えることで、清潔な頭皮を保ちやすくなります。
また、寝汗による不快感が減ることで、十分な睡眠を取れるようになり、髪の修復や成長にもつながります。寝ている間に成長ホルモンが分泌されると、髪をつくる毛母細胞が活性化し、髪の修復と成長を促すからです。
厚生労働省の「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」によると、成人に必要な睡眠時間は、1日少なくとも6時間であるとされています。
通気性の良い寝具で寝汗を抑えることで、十分な睡眠を確保し、薄毛を防ぎましょう。
参考:厚生労働省「睡眠」
髪と頭皮を守りながら寝癖を予防するには、定期的なトリートメントで髪のダメージを補修することも大切です。ダメージを受けて細くなった髪は、コシがなく寝癖がつきやすいため、トリートメントで内部の栄養を補いながら保護しましょう。
髪への丁寧なダメージケアでハリとコシが戻ると、寝ている間に圧力がかかっても寝癖がつきにくくなり、つむじ周りのボリュームダウンを予防できます。
寝癖を予防するためには、枕選びも大切です。枕の高さや形、大きさが合っていないと、寝返りが多くなり、髪の摩擦が増えてしまいます。
自分に合った枕を選ぶポイントは、以下の4つです。
高過ぎる枕は後頭部を圧迫して血行を悪くし、低過ぎると寝返り時に頭皮へ余計な負担をかけてしまいます。体格や好み、仰向けや横向きなど寝方によっても最適な枕は異なるため、自分がリラックスできる高さかどうかを確認し、髪と頭皮に優しい睡眠環境を整えましょう。
寝癖を防ぎながら髪や頭皮をいたわるには、ナイトキャップを使って髪の摩擦を減らすのも一つの方法です。ナイトキャップとは就寝時に被る帽子のことで、ヘアケアグッズの一つです。
特にシルク素材でできているものは髪との摩擦が起きにくく、保湿性が高いとされています。頭皮や髪の乾燥を防いで翌朝の髪がまとまりやすくなるため、スタイリングの時短にもなるでしょう。
ナイトキャップを使った薄毛対策については、「ナイトキャップではげる?薄毛への効果・逆効果になる被り方も解説」で詳しく解説しています。
寝癖対策をしても地肌の透けが改善しない場合には、AGA(男性型脱毛症)が進行している可能性があります。AGAは放置すると徐々に髪の毛が細く短くなっていく進行性の脱毛症です。早期に治療を始めることで、薄毛の進行スピードを抑えながら、人に気づかれずに対策ができる点にメリットがあります。
寝癖が取れにくくなったり、髪の毛の状態に少しでも不安を感じたら、早めに医師に相談しましょう。
最後に、はげと寝癖に関するよくある質問をまとめました。ぜひ、自分の状態と照らし合わせて確認してみてください。
健康な人の場合も1日100本程度の髪の毛は自然に抜けるため、起床して数本の抜け毛が枕についていても異常な状態ではありません。しかし、「抜け毛の量が明らかに増えた」「細く短い毛が目立つ」という場合は、頭皮環境の悪化や薄毛が進行している可能性が考えられます。
自然な抜け毛の範囲を超えた状態が数週間続いたり、「つむじの地肌が目立ってきた」と感じている場合は、一度クリニックで医師の診断を受けることをおすすめします。
「以前は寝癖がついていたのに、つかなくなった」といった場合、髪の毛が細くなりハリ・コシが失われている、いわゆる「軟毛化」のサインが現れている可能性があります。
髪が健康な状態であれば、弾力があるため寝癖がつきやすい状態です。しかし、薄毛が始まると軟毛化して髪に力がなくなり、癖がつかなくなります。軟毛化はAGAの初期症状の可能性があるため、髪の状態を日常的に確認し、必要であれば早めに医師に相談しましょう。
寝癖は直接はげの原因になりませんが、寝癖がつく環境を放置すると、頭皮環境が悪化して薄毛リスクが高まる可能性があります。特に髪が濡れたまま寝ることや、寝汗による頭皮の蒸れ、髪のダメージ蓄積などは、寝癖の原因となると同時に頭皮トラブルにもつながります。
寝癖と薄毛(つむじはげ)の見分け方としては、髪を濡らしてみて状態が改善するかどうかや、地肌が透けて見える範囲の形状、髪の太さや長さを確認するなどの方法があります。朝の寝癖は、根元から霧吹きで十分に湿らせ、ドライヤーで根元から乾かし、冷風で固定するという方法で直しましょう。
薄毛予防のためには、入浴後は髪を完全に乾かすことや、通気性の良い寝具の使用、定期的なトリートメント、自分に合った枕を選ぶことなどの対策を取ることが大切です。セルフケアで改善が見られない場合は、AGAの可能性も考慮し、早めに医師に相談しましょう。