更新日:2026年07月24日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
後頭部がはげてきたときに「AGAかな?」と不安に思う方がいるかもしれません。しかし、AGAは前頭部や頭頂部から薄くなる症状が一般的であり、後頭部のみはげている場合は別の原因が考えられます。後頭部はげには円形脱毛症や脂漏性皮膚炎による脱毛症といった複数のパターンがあり、原因は皮膚疾患や栄養不足、帽子の被り過ぎなどさまざまです。まずは原因を特定したうえで必要な対策を見極めましょう。薄毛が全体的に進行していればAGAの可能性があるため、改善するためには専門治療が必要です。
後頭部だけがはげている場合、AGA(男性型脱毛症)の可能性は低いといえます。AGAは男性ホルモンの影響で前頭部や頭頂部から進行する脱毛症で、後頭部はその影響を受けにくい部位だからです。そのため、後頭部のみの薄毛は、AGAとは別の原因を考える必要があります。
AGAは前頭部や頭頂部に症状が現れやすい一方、後頭部ははげにくいのが特徴です。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが頭皮にある酵素の「5αリダクターゼ」と結びつき、薄毛の原因物質である「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換され毛周期が乱れることで進行します。
DHTを生成するために必要な5αリダクターゼの働きが前頭部や頭頂部で強いとされているため、AGAはこれらの部位から進行するのが一般的です。後頭部だけが薄い場合は、AGA以外の原因が考えられます。
後頭部に加えて頭頂部や生え際も薄い場合は、AGAを併発している可能性があります。AGAが進行すると、頭頂部や前頭部から薄毛が広がり、後頭部の状態と重なって見えることがあります。
AGAは進行性であり、放置すると薄毛が広がるため注意が必要です。後頭部のほかにも薄毛が気になる場合は、早めに医師の診察を受けることで、原因を見極めたり適切な対処を検討したりできます。
後頭部はげの主な原因は次の8つです。
症状がそれぞれ異なるため、自分がどのタイプに当てはまるかを知ることが対策の第一歩です。まずは、自分の薄毛や頭皮がどの状態に近いかを見ていきましょう。
円形脱毛症は、自己免疫疾患によって引き起こされる脱毛症です。体内で誤って自分の毛根を攻撃してしまうことで、コイン状の脱毛部分が突然現れます。
再発しやすいのが特徴で、一度治ったように見えても別の場所に再び現れることがあります。治療を続けていても、再発を繰り返すうちに多発型や蛇行型など、治りにくいタイプへと進行する可能性もあります。
特に、ストレスの多い環境下では症状が悪化しやすい傾向があるため、生活習慣の見直しと並行して、早めに専門医を受診することが重要です。

皮脂の過剰分泌によって引き起こされる「脂漏性皮膚炎」が原因で後頭部が薄毛になることもあります。脂漏性皮膚炎は皮膚の常在菌であるマラセチアというカビ(真菌)の一種が関わっていると考えられています。
マラセチアは、皮脂に含まれる中性脂肪を遊離脂肪酸へと分解します。この遊離脂肪酸が脂漏性皮膚炎を引き起こし、頭皮環境を悪化させる原因の一つです。また、脂漏性皮膚炎が悪化すると、頭皮の慢性炎症による休止期脱毛を併発する可能性があります。これは、頭皮に生じたフケが毛穴を塞いで炎症を引き起こし、髪の成長を妨げることで生じる脱毛症です。
圧迫性脱毛症は、帽子やヘルメットの長時間着用など、外部からの物理的な圧力が原因で引き起こされる脱毛症です。毛根に圧力がかかり続けることで、毛髪の成長が阻害されてしまいます。
遺伝や生活習慣とは関係なく発症するのが特徴です。原因となる圧迫を取り除けば、時間とともに回復することもあります。しかし、長期間にわたり圧迫を続けると、永久的な脱毛につながるリスクもあるため注意しましょう。
仕事でヘルメットの着用が必要な方や、頻繁に帽子を被る方は、こまめに取り外して頭皮を休ませるなどの対策を取ることが大切です。
瘢痕性(はんこんせい)脱毛症は、毛包が破壊されて傷跡(瘢痕)となり、髪が生えてこなくなる永久的な脱毛症です。原因は、皮膚疾患や細菌・真菌の感染、やけど、ケガなど多岐にわたります。髪を作る毛包が完全に失われているため、適切な治療を行わなければ、髪が再生することはほとんど期待できません。
放っておくと患部が広がる可能性があるため、早めに皮膚科への受診を検討しましょう。進行を止めるための治療や、状況によっては植毛などの対応が検討されるでしょう。
髪は、根元の毛乳頭が毛細血管から栄養を受け取り、毛母細胞に細胞分裂のシグナルを送ることで正常に成長します。しかし、食生活の乱れや過剰なダイエットなどで栄養不足に陥ると、毛乳頭が髪に送るべき栄養を十分に受け取れなくなるため、薄毛や脱毛につながりやすくなります。
特に髪の主成分であるタンパク質や、その生成を助けるビタミン、ミネラルなどを、普段の食事でバランス良く摂ることが大切です。
牽引性(けんいんせい)脱毛症は、ポニーテールや三つ編みなど、髪型によって頭皮が一定方向に引っ張られ続けることにより特定の部位に負荷がかかって発症する脱毛症です。女性に多い傾向がある脱毛症ですが、男性もまとめ髪にする習慣がある場合など、髪型によっては起こる可能性があります。
長期間にわたり同じ場所に強い力がかかり続けると、毛包の損傷が進み、永久的な脱毛につながる場合もあるため注意が必要です。牽引による脱毛は、髪型を変えることで自然に回復することがあります。たとえば、まとめ髪にせず髪を下ろす日をつくれば、頭皮を休ませられます。日頃から頭皮に負担の少ない髪型を選ぶなどの対策を心掛けましょう。
皮膚疾患が原因で後頭部のはげが生じることもあります。皮膚炎やアトピー性皮膚炎などで頭皮に炎症が起きると、健康な髪の成長が妨げられます。
また、頭皮のケガややけど、日焼けなどの物理的なダメージも髪の成長を妨げる要因の一つです。特に後頭部は自分からは見えにくく、日焼けなどのダメージに気づきにくい場合があります。かゆみや赤み、フケが増えるなどの異変に気づいたら、早めに皮膚科を受診しましょう。
免疫系の異常による自己免疫疾患や、甲状腺の病気も、後頭部の薄毛やはげを引き起こす原因です。自己免疫疾患とは、体が自分の正常な細胞や組織を敵とみなして攻撃する疾患で、円形脱毛症はその一例です。
また、甲状腺ホルモンには毛母細胞の細胞分裂を活性化し、成長を促す働きがあります。甲状腺に異常が生じてホルモンが過剰になったり不足したりすると、抜け毛や薄毛につながる場合があります。
後頭部はげが治るかどうかは、原因によって異なります。たとえば、円形脱毛症や栄養障害による脱毛、生活習慣が関わる薄毛などは、原因を取り除くことで自然に改善する場合があります。
一方、瘢痕性脱毛症のように毛根がダメージを受けた場合やAGAを併発している場合は、自然に治ることは難しく、医療機関での治療が必要です。自分の後頭部はげがどのタイプかを見極めるのは難しいため、まずは医師の診察を受けて原因を特定することが、改善への近道になります。
後頭部はげの治療では、脱毛症の種類を正しく見極めることが大切です。種類によって治療法が変わるため、自己判断せず医師に相談しましょう。原因に応じた主な治療法は、以下のとおりです。
| はげの種類 | 主な治療法 |
|---|---|
| 円形脱毛症 | ステロイド外用薬、ステロイド局所注射、内服薬、JAK阻害薬、局所免疫療法など |
| 脂漏性皮膚炎による脱毛症 | 抗真菌シャンプー、抗真菌外用薬、生活習慣の改善 |
| 圧迫性脱毛症 | 圧迫要因(帽子やヘルメット)の除去、頭皮環境の改善 |
| 瘢痕性脱毛症 | 進行抑制の早期治療、場合によっては植毛など |
| 栄養障害による脱毛 | 食生活の改善、不足した栄養素の補給 |
| 牽引性脱毛症 | 牽引要因(ポニーテールなどのまとめ髪)の除去、頭皮環境の改善 |
| 皮膚炎やアトピーなどによる頭皮のダメージ | ステロイド外用薬、保湿剤、低刺激シャンプーへの変更 |
| 免疫・甲状腺の病気 | 各疾患に適した治療(ホルモン補充療法・抗甲状腺薬など) |
後頭部の薄毛に加えて頭頂部や生え際も薄い場合は、AGAを併発している可能性があります。AGAの治療では、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えるフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬と、発毛を促すミノキシジル外用薬が用いられます。AGAは進行性のため、早めの発見と治療が大切です。

後頭部だけの薄毛はAGA以外の原因が多く、生活習慣から疾患の有無まで確認する必要があります。まずは原因を特定し、改善のために必要な対策を見極めることが大切です。もし頭頂部や生え際の薄毛も併発している場合はAGAの疑いがあるため、早めに医師への相談を検討しましょう。
後頭部はげのセルフケアとして、頭皮環境を整える習慣や生活習慣の見直しが挙げられます。ただし、AGAや皮膚疾患が原因の場合は、セルフケアだけで改善するのは難しいため、医師の診察と並行して取り組むことが大切です。
頭皮マッサージは、頭皮環境を整える補完的なケアの一つです。直接的な発毛効果を示すものではありませんが、頭皮の血行を促す習慣として取り入れられます。指の腹で優しく円を描くように、力を入れ過ぎず心地良い程度に行いましょう。入浴時や就寝前など、リラックスできるときに無理のない範囲で続けるのがおすすめです。
バランスの良い食事は、健やかな髪を育てる土台づくりをサポートします。髪の材料となるタンパク質や、その代謝を助けるビタミン、合成をサポートする亜鉛を意識して摂りましょう。肉や魚、卵、豆類、緑黄色野菜、牡蠣やナッツ類などをバランス良く取り入れるのがポイントです。ただし、食事だけで薄毛が改善するわけではないため、あくまで自分でできる工夫の一つとして考えましょう。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
十分な睡眠は、髪の成長を支える生活習慣の一つです。深い睡眠中には、髪の主成分であるケラチンの合成に関わる成長ホルモンが分泌されます。個人差はありますが、6〜8時間程度の睡眠を確保すると良いでしょう。就寝前はスマートフォンの使用や夜食を控えることが良質な睡眠の助けになります。規則正しい生活リズムを心掛け、健やかな頭皮環境づくりをサポートしましょう。
健やかな頭皮環境を保つには、適切な頭皮ケアが大切です。頭皮の皮脂が残ると毛穴詰まりの原因となり、髪の成長を妨げる可能性があります。皮脂が多い状態が続くと、マラセチア菌などの常在菌が増えやすくなり、脂漏性皮膚炎などのトラブルや、炎症・かゆみによる抜け毛につながることもあります。
頭皮や髪に負担をかけにくいシャンプーを選び、シャンプー後はしっかりすすいで十分に乾かしましょう。
ストレスとの付き合い方を見つけることも、後頭部の薄毛対策として大切です。趣味を楽しむ、適度に運動する、十分に睡眠をとるなど、日頃から意識的にストレスケアを行いましょう。就寝前はスマートフォンやパソコンから離れ、脳を休ませる時間をつくるのもおすすめです。
マインドフルネスやヨガなどを取り入れると、自律神経のバランスが整い、血行を促す助けになることもあります。
後頭部はげは、髪型を工夫することで目立ちにくくできます。ショートカットやおしゃれ坊主は、薄い部分が目立ちにくくなり、清潔感のある印象になります。
パーマで見た目のボリューム感をアップする方法もありますが、パーマ液は頭皮や毛根の負担になる場合があるため、美容師に相談しながら検討しましょう。ただし、髪型でのカバーはあくまで一時的な対処です。根本的な改善には、医師の診察を受けて原因に合った対策をとることが大切です。
後頭部がはげてきたと感じたときに、通院や治療についての不明点が多く不安に思う方がいるかもしれません。後頭部はげについて、読者から寄せられやすい疑問をまとめました。
後頭部はげはAGA治療薬で治りますか?
後頭部だけがはげている場合はAGA以外の原因が考えられ、AGA治療薬では改善しない場合があります。ただし、頭頂部や生え際も薄くなっている場合はAGAの疑いがあり、治療薬で進行を抑えられる可能性があります。まずは原因の特定が大切です。
後頭部はげが自然に治ることはありますか?
後頭部はげの多くは円形脱毛症や栄養障害、生活習慣が関わっており、原因の解消が必要です。原因となっている疾患や生活習慣を改善すれば薄毛が治る可能性があります。一方、瘢痕性脱毛症やAGAの場合は医療機関での治療が必要です。
後頭部だけのはげであれば、AGAではない可能性が高いといえます。AGAは前頭部や頭頂部から薄毛になっていくケースが一般的であり、後頭部のみがはげることはありません。後頭部がはげる原因には、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎による脱毛症など複数の種類があるほか、帽子の着用やまとめ髪による頭皮への負担も考えられます。
さらに、食生活の乱れなどによる健康状態の悪化で髪が育ちにくい状態になっていると、後頭部の薄毛を招く可能性もあるでしょう。髪の成長を助けるため、頭皮マッサージやバランスの良い食事、質の高い睡眠といったセルフケアも大切です。
また、皮膚や自己免疫、甲状腺の疾患がある場合は部分的な脱毛症につながることもあり、医療機関での受診が必要です。ほかにも、後頭部だけでなく前頭部や頭頂部が薄くなっている場合はAGAを併発している疑いがあるため、医師に相談しましょう。通院の手間やプライバシーの確保に懸念がある方は、オンライン診療も一つの選択肢です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
オンライン診療サービス「レバクリ」なら、医師の診察からお薬の処方まで、すべてスマホひとつで完結できます。
AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
「レバクリ」は、AGA治療の「始めやすさ」と「続けやすさ」を重視し、オンライン診療のメリットを最大限に活かしたサービスを提供しています。