更新日:2026年04月03日
「高校生で髪が薄くなってきた気がする。これって若ハゲ?」と不安を感じている方もいるかもしれません。高校生の薄毛は遺伝だけでなく、生活習慣や間違ったヘアケアが原因の可能性もあります。この記事では、チェックリストと併せて症状の改善につながる生活習慣の見直しについて解説します。また、若年性脱毛症の主な原因や、実践しやすい5つの対策も詳しく紹介するのでぜひご一読ください。
高校生の薄毛は、早めの気づきが改善の鍵です。まずは、髪の状態や生活習慣について、自分の今の状態を客観的にチェックしてみましょう。
1つでも当てはまるからといって、すぐにハゲと断定はできません。しかし、これらは頭皮環境が悪化しているサインです。放置すると進行する可能性があるため、今の生活習慣を見直すきっかけにしましょう。
「最近抜け毛が多い気がする…」と心配になることもあるかもしれません。しかし、実は正常な毛髪環境の場合も、1日に100本程度は自然に抜けます。これは髪の毛が生え変わる「ヘアサイクル」によるもので、抜け毛が全くないという状態の方が不自然です。
正確に本数を数えるのは難しいですが、洗髪時やブラッシング時に大量に抜けるなどでなければ、ほとんどの場合、正常範囲内である可能性が高いでしょう。朝起きたときに枕に5~10本程度の抜け毛があるのも心配いりません。
とはいえ、髪の悩みは早めの対処が効果につながることが多いです。明らかに以前より抜け毛が増えたと感じる場合や、特定の部分が薄くなってきたと感じる場合は、気のせいと楽観視せず、生活習慣の見直しや専門家への相談を検討してみましょう。
高校生など10代後半で薄毛になる症状を「若年性脱毛症」といい、一般的に成人男性に多いAGA(男性型脱毛症)と似たような症状が現れるのが特徴です。また、高校生でAGAが進行し始めるケースも珍しくありません。抜け毛が急激に増えれば自分でも気づきやすいですが、家族や友人からの指摘で初めて気づくケースもあるかもしれません。
年代別のAGA発症率は、以下のとおりです。
| 年代 | AGA発症率 |
|---|---|
| 20代 | 約10% |
| 30代 | 約20% |
| 40代 | 約30% |
| 50代以降 | 40%以上 |
AGA治療は早期の対応が効果的で、医療機関へかかることで薄毛の原因を診断してもらえます。ただし、AGA治療薬には男性ホルモンを抑制する作用があるため、成長期の高校生には原則として内服薬・外用薬ともに使用できません。そのため、まずは生活習慣の見直しや頭皮環境の改善対策が中心となります。
年齢が上がるほどAGAの発症率は高くなりますが、同時に20代でも10人に1人はAGAを発症しているという事実があります。つまり、高校生の段階からAGAが始まっている可能性も十分にあるのです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
高校生の薄毛の原因は、AGAだけとは限りません。
脂漏性脱毛症は、頭皮の過剰な皮脂分泌によって皮脂を好むマラセチア菌が異常繁殖し、
頭皮に炎症が起こり進行する脱毛症です。日々の適切なシャンプーと頭皮ケアで改善できるケースが多いのが特徴です。
円形脱毛症は、円形や楕円形に髪が抜けてしまう疾患です。徐々に進行するのではなく、ある日突然発症することが多いのが特徴です。主な原因は、免疫機能が誤って毛根を攻撃してしまう自己免疫疾患だと考えられています。ストレスなどをきっかけに発症することがあり、10代でも珍しくありません。比較的小さな範囲の脱毛であれば、時間の経過とともに自然回復することもありますが、広範囲に及ぶ場合は皮膚科での治療が必要になることがあります。
高校生や10代後半の人でよくみられるハゲの症状として、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
健康な状態でも、1日に100本程度の抜け毛があるのは自然なことです。しかし、それを大きく上回る抜け毛が続く場合は、何らかの脱毛症を発症している可能性が考えられます。
これらの状況で明らかに抜け毛が増加していると感じる場合は、生活習慣の見直しや専門家への相談を検討しても良いでしょう。
ただし、季節の変わり目、特に秋は一時的に抜け毛が増えることがあるため、1~2週間ほど様子を見てみましょう。それでも抜け毛が減らない場合は注意が必要です。
全体的な薄毛とは、頭部全体の髪のボリュームが広範囲にわたって減少する症状です。シャンプーのときに地肌が以前より見えやすくなったり、整髪料で髪の毛を立ち上げてもすぐに寝てしまったりするようなら、若年性脱毛症の可能性があります。
全体的な薄毛は、一般的に栄養不足やストレス、睡眠不足といった要因が関係していることが多く、生活習慣を改善すると状態が良くなるケースも多いようです。髪全体にハリやコシがなくなってきたと感じる場合は、食生活や睡眠の質を見直してみましょう。
おでこの両脇から髪の生え際が後退している状態をM字はげと呼びます。生え際の髪の毛が細くて弱々しくなるのが特徴で、AGAによく見られる症状の一つです。

生まれつきM字型の生え際の人もいるため、最近になって生え際が変化したかどうかが判断のポイントです。頭髪の状態を判断するときの目安として、眉毛を上げたときに一番上にできるシワと、生え際の距離が指2本分以上ある場合は、若年性脱毛症の症状の可能性があります。
つむじ周辺の薄毛は、頭頂部を中心に円を描くように薄毛が広がる症状で、O字はげとも呼ばれます。薄毛は頭頂部から徐々に広がり、進行すると側頭部のみの髪が残るのが特徴です。

つむじは自分では気づきにくい場所のため、鏡で見ても状況がわかりづらいことがありますが、地肌が以前よりも明らかに目立つようであれば、若年性脱毛症の可能性があります。スマートフォンのカメラで頭頂部を撮影して、定期的に確認してみるとわかりやすいでしょう。
高校生や10代後半の人などの若い年代がハゲになる原因として、主に以下の4つが考えられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
若年性脱毛症については、「休止期脱毛症とは?種類や発症の原因、治療方法を解説」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
高校生の生活は、勉強や友人関係、部活など、さまざまなストレスにさらされています。強いストレスを受け続けると、自律神経の一つである交感神経が優位になり、血行不良を引き起こします。血行不良になると、頭皮の血行も悪くなり、髪の成長に必要な栄養が毛根まで届きにくくなり、若年性脱毛症につながる可能性があります。
また、交感神経の緊張は、睡眠の質も低下させます。髪の成長に欠かせない成長ホルモンは、主に深い睡眠中に分泌されるため、質の良い睡眠が取れないと髪の毛の成長が妨げられてしまいます。テスト前の緊張や友人関係のトラブル、進路に関する不安といったストレスに長くさらされると、頭皮環境が悪化し、結果として抜け毛や薄毛のリスクが高まります。
頭皮の乾燥や毛穴の詰まりは毛根に悪影響を与え、若年性脱毛症の原因の一つになります。特に洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮のトラブルを起こしがちです。頭皮の皮脂が必要以上に失われると、乾燥を防ごうとして返って皮脂を過剰に分泌し、頭皮環境が悪化します。
また、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しは、頭皮の毛穴を詰まらせる原因となります。髪を洗わずに寝てしまうのも、すすぎ残しと同様、頭皮に残った皮脂や整髪料などが毛穴をふさぎ、髪の成長を妨げることがあります。
炎症が続くと毛根が弱まり、抜け毛や薄毛の原因になる可能性があるので注意しましょう。
勉強や部活、アルバイトなどで忙しいと、就寝時間が遅くなってしまうこともあるかもしれません。スマートフォンの使用やゲームなどで、さらに夜更かししてしまうこともあるでしょう。睡眠時間が不足すると、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌が減ることで髪を作るタンパク質の合成が滞り、若年性脱毛症につながることがあります。
また、食事の時間が不規則になったり、脂質が多いファストフードやスナック菓子などに手が伸びることもあるかもしれません。脂質の多い食事によって皮脂分泌が活性化され、頭皮の状態が悪化する要因になります。
成長期の高校生にとって、睡眠と食事は髪だけでなく体全体の健康に直結します。
AGAの主な原因には、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」が影響しています。DHTは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、頭皮にある酵素「5αリダクターゼ」と結びついて生成され、抜け毛を引き起こします。
テストステロンは中学生から高校生くらいの年齢で分泌量が増えるため、5αリダクターゼの活性度が高い方は、高校生でAGAを発症する可能性は十分にあります。AGAは遺伝的な要素も関わっており、父親や祖父、または母方の祖父が薄毛だった場合は、注意が必要です。
AGAの原因や治療方法については、「AGAの原因とは?ほかの脱毛症との見分け方や対策方法を解説」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
若年性脱毛症の予防や進行を遅らせるために、高校生ができる薄毛対策として以下の5つを紹介します。
日常生活で無理なく取り入れられるものから実践してみましょう。
運動は全身の血行を改善し、髪や頭皮に栄養が行き渡るのを助けます。また、ストレス発散にもつながるので、ストレスが原因の脱毛症を防ぐことも期待できます。
運動といっても、激しい運動をする必要はありません。ウォーキングやサイクリング、軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。部活動で十分な運動量を確保できている人も、部活がない日には軽いストレッチや散歩などを取り入れると良いでしょう。大切なのは「継続すること」なので、無理なく続けられる運動を選びましょう。
健康な髪を育てるために、まずは日々のヘアケア方法を見直しましょう。頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーなど、肌に合ったものを使うことをおすすめします。洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで取り除き、かえって頭皮トラブルの原因になりかねません。
また、ワックスなどの整髪料を使った日は、その日のうちにシャワーで洗い流し、すすぎ残しがないか確認しましょう。シャンプーの際は、爪を立てずに指の腹で優しく頭皮マッサージをすると、血行促進効果も期待できます。洗髪時のお湯の温度が高すぎると必要な皮脂まで洗い流してしまい乾燥を招くため、注意したいポイントです。38度前後のぬるま湯で流すようにしましょう。
髪の毛の成長に不可欠な「成長ホルモン」は、主にノンレム睡眠という深い眠りの時間帯に分泌されます。質の良い睡眠を十分に確保することが、健康な髪を育てるために大切です。睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌が滞り、髪に栄養が行き届かなくなってしまいます。
良質な睡眠をとるには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控えること、また寝室を暗く静かな環境に整えることが大切です。また、体温が下がるにつれて人は眠気を感じるため、寝る1時間半くらい前に入浴して体温を一時的に上げ、その後体温が下がるリズムを利用すると寝つきがスムーズになります。毎日同じ時間に寝起きする生活リズムを作ることも、睡眠の質向上につながります。
髪の毛は、日々の食事から摂取する栄養素でできています。健康な髪を育てるには、特に以下の栄養素や食材を意識して摂りましょう。
| 栄養素 | 含まれる食品 | 髪への効果 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 肉類・卵・魚・豆類(納豆・豆腐・味噌など) | 髪の主成分であるケラチンの原料となる |
| 亜鉛 | チーズ・レバー・牛乳・牡蠣・油揚げ・カシューナッツなど | タンパク質の合成を促進し、健康な髪の成長を助ける |
| ビタミンB群 | 豚肉・うなぎ・カツオ・バナナなど | 血行を促進し、栄養を毛根に届ける |
| ビタミンA | 人参・かぼちゃなど | 頭皮の健康を保ち、皮脂の分泌バランスを整える |
朝食をしっかり摂る、コンビニ弁当や学食メニューを選ぶときは野菜が入ったものを選ぶなど、できる範囲で栄養バランスを意識すると良いでしょう。
市販の育毛剤は、基本的に年齢制限の心配が少なく、ドラッグストアやオンラインショップなどで手軽に購入できます。血行促進や頭皮環境の改善に役立つ成分(例:センブリエキス、グリチルリチン酸など)が配合されたものを選ぶことで、育毛をサポートする可能性があります。
育毛剤は、頭皮環境を整えて髪の成長を助ける効果は期待できますが、医薬品のような「発毛効果」はないことを理解しておく必要があります。薄毛が気になる場合は、まずは育毛剤で対策を始め、成人した後に医療機関でのAGA治療への切り替えも視野に入れると良いでしょう。
高校生がAGA治療を受けられるかどうかは、クリニックの方針によって異なります。レバクリでは2026年2月現在、20歳以上を対象とし、未成年者への診察やAGA治療薬の処方は行っていません。
AGA治療の主な内服薬は、男性ホルモンを抑制し成長期の発育に悪影響を及ぼす可能性があるため、未成年者は原則服用できません。外用薬も未成年者への影響が十分に確認されていないため、使用が制限されることが多いでしょう。
| 治療法 | 高校生への適用 | 理由 |
|---|---|---|
| 内服薬(フィナステリド、デュタステリドなど) | × | 男性ホルモンを抑制するため、成長に悪影響を与える可能性がある |
| 外用薬(ミノキシジル外用薬など) | △(クリニックによる) | 未成年者への影響が十分に確認されていない |
| 生活習慣改善・頭皮ケア | ◯ | 副作用などの心配がない |
未成年の間は治療薬による治療ではなく、生活習慣の見直しや頭皮環境の改善を中心とした対策が基本となります。
高校生の薄毛は「若年性脱毛症」と呼ばれ、その主な原因は過度なストレス、誤ったヘアケア、生活習慣の乱れ、そしてAGA(男性型脱毛症)の発症の4つが考えられます。
高校生はAGA治療薬を使用できないため、生活習慣の改善と頭皮環境を整えることが主な対策です。具体的には、運動・ヘアケアの見直し・質の高い睡眠・バランスの取れた食事・市販の育毛剤の使用の5つが効果的です。薄毛の進行を遅らせるためには、正しい知識をもって早めに対策を始めることが大切です。
また、AGAとは別の、円形脱毛症などが原因の薄毛の可能性もあるため、家族に相談し、必要に応じて皮膚科を受診することをおすすめします。