レバクリ

更新日:2024年07月10日

高校生の若ハゲの原因とは?原因や薄毛対策について解説

この記事のまとめ
  • 若年性脱毛症とは、高校生や10代後半の人が発症する薄毛のこと
  • 若年性脱毛症の症状は抜け毛の増加や全体的な薄毛、生え際の後退、つむじ周辺の薄毛
  • 若年性脱毛症の原因は、長時間のスマートフォン使用や間違ったヘアケア、生活習慣の乱れなど
  • 高校生でもAGA治療を受けられるかは医療機関によって異なる

高校生や10代後半の若年層で「抜け毛や薄毛が気になる」「前髪の生え際が後退してきた気がする」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。この記事では、高校生にも起こりうる「若年性脱毛症」の症状や、薄毛になる原因、対策について解説します。ハゲ・薄毛が気になっているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

高校生のハゲ「若年性脱毛症」とは

高校生や10代後半の人が薄毛になることを「若年性脱毛症」といいます。AGA(男性型脱毛症)と同じような症状になることが特徴です。

AGAは、発症すると薄毛の症状が進行する脱毛症です。一般的に思春期以降の20代後半から40代にかけて発症しますが、10代や50代以降で発症する場合もあります。

日本皮膚科学会が作成したAGA診療のガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(p.3)」によると、20代の約10%がAGAを発症しています。本来であれば薄毛になることが少ない10代でも、高校生でAGAになる可能性は0%ではないでしょう。

抜け毛が大幅に増えた場合は自覚しやすいものの、本人だけでは気づきにくいこともあります。若年性脱毛症は進行が早いといわれているため、異変に気づいた段階で医療機関で受診しましょう。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

高校生でよくみられるハゲの症状

高校生や10代後半の人でよくみられるハゲの症状として、以下の4つが挙げられます。

  • 抜け毛の増加
  • 全体的な薄毛
  • 生え際の後退
  • つむじ周辺の薄毛

ここでは、それぞれの症状について解説します。

抜け毛の増加

抜け毛は、若年性脱毛症の代表的な症状です。日本毛髪科学協会によると、人の頭髪量は10万~12万本とされており、100本程度は1日で抜け落ちます。そのため、100本を大きく上回る抜け毛がある場合は、若年性脱毛症の可能性があります。

例えば、以下のときに大量の毛が抜けていると感じる場合は、注意が必要です。

  • 洗髪しているとき
  • 髪をといているとき
  • ドライヤーで髪を乾かしているとき

排水溝につまる髪の毛が増えたときや、朝起きた際に枕元に大量の抜け毛がある場合も、若年性脱毛症の可能性があります。

参考:日本毛髪科学協会「毛髪に関する数字

全体的な薄毛

「びまん性脱毛症」と呼ばれる全体的な薄毛も、若年性脱毛症の症状として挙げられます。広範囲にかけて髪のボリュームがなくなる脱毛症です。

シャンプーをした際に地肌が見えていたり、整髪料で髪の毛を立ち上げてもすぐに寝てしまったりする場合は、薄毛の可能性があるかもしれません。抜け毛が細いと感じる場合は、全体的に薄毛になっている恐れがあります。

生え際の後退

生え際の後退も、若年性脱毛症の症状です。生え際の髪の毛が細くて弱々しいケースのほか、おでこの両脇から後退が始まるケースもあります。おでこの両脇の生え際が後退する症状は、正面から見た場合の形になぞらえ「M字ハゲ」とも呼ばれます。

ただし、生まれつきM字ハゲのような生え方になっている人もいるため、M字ハゲのように見えるからといっても必ずしも若年性脱毛症とは限りません。眉を上げた際に1番上にできるシワと生え際の広さが、若年性脱毛症かどうかを見分ける基準です。もし、指2本分以上であれば、若年性脱毛症の可能性があります。

つむじ周辺の薄毛

つむじ周辺の薄毛も、若年性脱毛症の症状のひとつです。頭頂部を中心に円状に薄毛が広がることから「O字ハゲ」とも呼ばれます。O字ハゲは頭頂部から徐々に薄毛が広がっていき、進行すると後頭部と側頭部のみが残ります。

つむじ周辺は地肌が見えやすい箇所です。鏡で見たときに地肌が明らかに目立つのであれば、若年性脱毛症の可能性があります。しかし、生え際の後退は鏡で確認できますが、頭頂部の確認は困難です。そのため、他人から言われてはじめて気づくケースもあります。

高校生がハゲになる4つの原因

高校生や10代後半の人などの若い年代がハゲになる原因として挙げられるのは、以下の4つです。

  • 過度なストレス
  • 誤ったヘアケア
  • 生活習慣の乱れ
  • AGAの発症

ここでは、それぞれの原因について解説します。

1.過度なストレス

過度なストレスも、若年性脱毛症を引き起こす原因です。高校生は、勉強や友人関係、部活などのストレスを受ける環境にあります。人は強いストレスを受けると交感神経が緊張し、血行不良を引き起こします。血行不良になると、頭皮の血行も悪くなり、毛根まで十分な栄養が行きわたりません。その結果、若年性脱毛症になってしまいます。

交感神経の緊張は、睡眠の質にも悪影響を及ぼします。睡眠の質が下がり、成長ホルモンの分泌が滞った場合、髪の毛の成長にも悪影響を与える可能性があります。

2.誤ったヘアケア

誤ったヘアケアも、若年性脱毛症を引き起こす原因です。頭皮の乾燥やつまりは毛根に悪影響を及ぼします。洗浄力の強いシャンプーの中には、頭皮を乾燥させすぎてしまうものがあります。また、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しは、頭皮の毛穴がつまる原因になりかねません。整髪料のすすぎ残しも同様です。

また、ヘアカラー剤やパーマ液は、頭皮の炎症を引き起こすケースがあります。高頻度の使用を控えるとともに、痛みやかゆみなどの違和感がある場合はすぐに洗い流しましょう。

3.生活習慣の乱れ

睡眠不足や栄養不足などの生活習慣の乱れも、若年性脱毛症を引き起こす原因のひとつです。高校生は、勉強や部活、アルバイトなどにより、就寝時間が遅くなる場合があります。

睡眠時間が不足すると、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌が不足します。その結果、髪を作るタンパク質の合成が滞ってしまい、若年性脱毛症につながる恐れがあるでしょう。

また、揚げ物や味の濃い料理が好きな人もいるかもしれませんが、これらの料理は高脂質のため、皮脂分泌を活発化させます。皮脂分泌が活性化された結果、頭皮の状態が悪化し、若年性脱毛症につながる恐れがあります。

4.AGAの発症

AGAの発症により若年性脱毛症を引き起こすケースもあります。日本皮膚科学会が作成したAGA診療のガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(p.2)」によると、日本人男性のAGA発症頻度は約30%です。

AGAの主な原因は、男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成が影響しているといわれています。DHTは、男性ホルモン「テストステロン」が頭皮にある酵素「5αリダクターゼ」と結合して生成されます。

テストステロンは中学生~高校生年代に分泌量が増加するため、高校生でAGAを発症してもおかしくありません。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

高校生でもAGA治療は受けられる?

高校生に対するAGA治療の方針はクリニックによって異なります。(※2024年5月現在、レバクリでは高校生に対してAGA治療薬の処方は行っておりません)

AGAの主な治療方法は、以下のとおりです。

  • 内服薬の服用
  • 外用薬の使用

未成年の高校生がAGA治療を受ける場合、親権者の同意が必要です。

なお、AGA治療に使用する内服薬には、男性ホルモンを抑制する作用があります。成長期が終わっていない高校生が服用すると発育に悪影響を及ぼす恐れがあるため、原則として未成年者は服用できません。外用薬においても未成年者への影響が確認されていないため、使用できないとされています。

未成年の高校生は基本的に治療薬による治療は行わず、生活習慣の見直しや頭皮環境の改善といった対策をとることになるでしょう。

抜け毛が目立ってきた?高校生のハゲのセルフチェック

抜け毛が目立ってきたと感じた場合、不安に感じるかもしれません。その場合、髪の毛や頭皮に以下の症状がないかを確認してみましょう。

  • 髪のボリュームが少ない
  • 細くて短い抜け毛が目立つ
  • 髪のハリやコシがなくなってきた気がする
  • 髪の毛を毎回同じ箇所で分けている(結んでいる)
  • おでこが広くなってきたように感じる
  • 地肌が透けて見えているように感じる

また、以下の生活習慣がある人も、若年性脱毛症を引き起こす可能性があります。

  • ヘアカラーやパーマを頻繁に行っている
  • 毎日のように整髪料を使っている
  • 1日に何度もシャンプーすることがある
  • 整髪料をつけても、髪の毛を洗わず寝てしまうことがある
  • スマートフォンやテレビ、ゲームが好きで就寝時間が遅い
  • ストレスを感じやすい
  • 運動する習慣がない
  • インスタント食品やジャンクフードを食べることが多い

これらの項目に多く当てはまる場合、生活習慣を見直しましょう。

高校生の若ハゲ対策5選

若年性脱毛症になるのを回避するためには、薄毛予防の対策を講じる必要があります。高校生の若ハゲ対策として挙げられるのは、以下の5つです。

  • 運動で体を動かす
  • ヘアケアの方法を見直す
  • しっかり睡眠をとる
  • 栄養バランスのとれた食事を心がける
  • 市販の育毛剤を使用する

ここでは、それぞれの対策について解説します。

1.運動で体を動かす

運動する習慣がない場合は、体を動かす習慣をつけることも大切です。運動することにより血行が良くなり、髪の毛や頭皮に栄養が行きわたりやすくなります。運動は、ストレス発散にもつながるでしょう。

ただし、激しい運動をする必要はありません。ウォーキングやヨガ、サイクリングなどの有酸素運動であれば、取り組みやすいのではないでしょうか。辛さを感じることなく継続できる運動を選びましょう。

2.ヘアケアの方法を見直す

シャンプーや整髪料の使い方に問題がある場合、頭皮がもろくなり、薄毛につながる可能性があります。頭皮のトラブルを回避するためにも、ヘアケアの方法を見直すことが大切です。ヘアケアで見直したいポイントは以下のとおりです。

  • 洗浄力が強くないアミノ酸系シャンプーなど肌にあったシャンプーを使用する
  • 整髪料はその日のうちにシャワーで落とし、すすぎ残しがないか確認する
  • 優しく頭皮マッサージをする

髪の毛を洗い流すときにお湯の温度が高すぎると、必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。必要な皮脂がなくなると頭皮の乾燥を招き、頭皮環境が悪化する恐れがあるでしょう。そのため、髪の毛を洗うときは、指の腹で頭皮にやさしく触れて、ぬるま湯で洗い流しましょう。

3.しっかり睡眠をとる

質の良い睡眠は、髪の毛の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌を促します。睡眠の質が悪い場合、成長ホルモンが十分に分泌されず、髪の毛に栄養が行きわたりません。以下の症状がある場合、睡眠の質に問題がある可能性があります。

  • 夜中に目が覚めることがある
  • なかなか寝付けない
  • 朝の寝覚めが悪い
  • 朝起きるのが辛い
  • 日中に眠気を感じる

睡眠の質を上げるには、寝る前の行動が大切です。人は体温が下がるにつれて眠気を感じるため、寝る前に1度、体温を上げるとよいでしょう。眠る90分前にお風呂に入り、体温が徐々に下がるようにすれば、スムーズに眠りにつけます。

寝る直前にスマートフォンやタブレット端末などの電子機器を操作することも、睡眠の質が下がる要因です。電子機器の操作により脳が覚醒した状態では、スムーズに入眠できません。遅くとも寝る1時間前には電子機器を触らないようにすることが大切です。

睡眠の質を高めたうえで、8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。

4.栄養バランスのとれた食事を心がける

髪の毛の栄養には、食事から摂取した栄養素が影響します。髪の毛に必要な栄養素と、その食材は以下のとおりです。

  • 亜鉛:チーズ・レバー・牛乳・牡蠣・油揚げ・カシューナッツなど
  • たんぱく質:肉類・卵・魚・豆類(納豆・豆腐・味噌など)
  • ビタミンB群:豚肉・うなぎ・カツオ・バナナなど
  • ビタミンA:人参・かぼちゃなど

高校生の場合、友人とファストフードを食べに行ったり、家でスナック菓子を食べながらゲームをしたりすることもあるでしょう。しかし、これらの食品は、脂質が多く含まれており、髪の毛に良いものではありません。

できるだけファストフードやスナック菓子を避け、バランスの良い食事をとることが大切です。

5.市販の育毛剤を使用する

高校生の薄毛・ハゲ対策には、育毛剤を使用するのもひとつです。育毛剤は、基本的に副作用や年齢制限がなく、ドラッグストアやオンラインショップでも購入できるため、高校生も手に入れられます。血行促進効果や頭皮環境の改善効果をもつ成分が配合されているものを選べば、育毛を促進できるでしょう。

ただし、血行促進効果や頭皮環境改善の効果があっても、発毛効果はありません。あくまでも、頭皮環境を整える程度にとどまります。薄毛が気になる場合は、市販の育毛剤で対策したうえで、成人したタイミングで医療機関での治療に切り替えるとよいでしょう。

まとめ

高校生や10代後半の人が薄毛になることを「若年性脱毛症」といい、AGA(男性型脱毛症)と同じような症状になります。高校生や10代後半の人でよくみられるハゲの症状として挙げられるのは、以下の4つです。

  • 抜け毛の増加
  • 全体的な薄毛
  • 生え際の後退
  • つむじ周辺の薄毛

高校生や10代後半の人などの若い年代がハゲになる原因として挙げられるのは、長時間のスマートフォン使用や間違ったヘアケア、生活習慣の乱れなどです。AGAを発症しているケースもあります。

高校生でもクリニックによってはAGA治療を受けられるケースもあるものの、未成年は原則としてAGA治療薬を服用・使用できないため、基本的には生活習慣・頭皮環境の改善といった対策をとることになるでしょう。

そのため、抜け毛が目立ってきたと感じたときは、本記事で解説した対策を参考に、ヘアケアや食生活などを見直しましょう。どうしても抜け毛が気になる場合は、クリニックで受診するのも一つの方法です。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会