レバクリ

更新日:2024年07月19日

猫っ毛ははげになりやすい?髪質の特徴やハゲとの関係、改善方法を解説

この記事のまとめ
  • 猫っ毛と呼ばれる髪の毛は、0.08ミリメートル以下の太さであることが多い
  • 先天的な猫っ毛とはげとの因果関係は低い
  • 後天的な猫っ毛はAGAを発症し始めているサインの可能性がある
  • 後天的な猫っ毛からはげへの進行を防ぐには、生活習慣や洗髪法の見直しが効果的
  • 猫っ毛からはげへの進行を防ぎたいなら、専門の医療機関を受診するのも選択肢の1つ

「猫っ毛が原因ではげているように見える気がする」「このまま薄毛が進行し、はげてしまうのではないか」など、猫っ毛が原因で頭髪全体が薄くなってきていると感じ、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。先天的な猫っ毛なのか、後天的に猫っ毛になってきたのかによって、はげとの因果関係は異なります。この記事では、猫っ毛とはげとの関係性、猫っ毛からはげてしまうことを防ぐ方法などを解説します。

猫っ毛の人ははげやすい?

「猫っ毛だからはげやすい」というわけではありません。猫っ毛が先天的か、あるいは後天的かによってはげやすさとの因果関係は変わると考えられます。先天的な猫っ毛と後天的な猫っ毛の違いについて知り、はげとの関係性を確認しましょう。

先天的な猫っ毛とはげは因果関係が低い

先天的な猫っ毛とはげとの因果関係は、低いとされます。生まれつきの猫っ毛はあくまでも遺伝によるものであり、はげの予兆ではありません。

ただし、猫っ毛は太くコシがある髪質に比べてボリュームが少なく、薄毛になったときに目立ちやすくなります。遺伝による髪質であるため猫っ毛を改善することは難しいものの、シャンプーやトリートメントを変えたり、ブローの方法を見直したりすることで、髪のボリュームを出すことは可能です。

後天的な猫っ毛ははげの予兆の可能性がある

ここ数年、あるいは数ヵ月のあいだに髪質が変わり、もとの髪よりも細くなりコシが失われてきたという場合は、はげの予兆である可能性があります。後天的な猫っ毛への変化は、AGA(男性型脱毛症)を発症し始めているサインです。頭皮の奥で髪の毛を作る毛包が収縮していたり、髪の毛の成長サイクルが短くなっていたりすることも考えられます。

AGAは成人男性特有の進行性の脱毛症で、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなることが特徴です。AGA発症の主な原因は、遺伝と男性ホルモンといわれています。しかし睡眠不足や栄養バランスの乱れ、運動不足などの生活習慣の乱れが加わることで、はげや薄毛が進行しやすくなるでしょう。

そもそも猫っ毛とは

「猫っ毛」という言葉を使いながらも、実は猫っ毛の定義がよくわかっていないという方もいるでしょう。猫っ毛の特徴や、猫っ毛の人ははげやすいといわれる理由を解説します。

猫っ毛の特徴

猫っ毛は医療用語ではないため、明確な定義はありません。しかし、猫っ毛と呼ばれる髪の毛は太さが0.08ミリメートル以下であるとされます。0.08ミリメートルは、日本人の平均的な髪の太さです。

このように、日本人の平均値を下回る場合は細い髪の毛(=猫っ毛)に分類され、ほとんどの場合、ボリュームも出にくいと考えられます。

猫っ毛の人ははげやすいといわれる理由

猫っ毛の場合、髪の毛が細いために全体的に髪の毛がペタッとなりやすいようです。ボリュームが少なく見えたり、地肌が目立ちやすい状態になったりすることも少なくありません。そのため、「はげやすい」と誤解される可能性があります。

自分の髪が猫っ毛かどうかを見分ける方法

自分の髪の毛が猫っ毛かどうかは、自分の毛をつまんだ後の状態で判断できます。

髪の毛の太さをメジャーで測定し、0.08ミリメートル以下であるかを調べれば、すぐに猫っ毛かどうかがわかります。しかし、数字が細かすぎるため、測定するのは現実的ではありません。以下のような方法を試してみることをおすすめします。

  1. 長さが10~15センチ程度の髪の毛を1本抜く
  2. 髪の毛が床と平行になるように、両手で髪の毛の両端をつまむ
  3. 片方の手を離す

片方の手で髪の毛を持ったときに毛先がしなって下に垂れたら、猫っ毛といえます。一方、毛先が床と平行の状態を保つ場合や、天井のほうを向くようであれば猫っ毛ではありません。

はげにつながる?後天的に猫っ毛になる原因

後天的に猫っ毛になった場合は、その後さらに薄毛が進み、はげになってしまう可能性があります。後天的に猫っ毛になる原因について見ていきましょう。

加齢による髪のハリ・コシの低下

加齢による髪のハリ・コシの低下によって、猫っ毛になる場合があります。年齢を重ねることで体型や肌に変化が起きるのと同様に、髪の毛も変化するためです。加齢によって血流が悪くなると、髪の毛まで十分な栄養素を届けられなくなることによります。その結果、髪の毛が猫っ毛のように細く柔らかくなりがちです。

加齢による血流の悪化は、頭皮のたるみも引き起こします。それにより毛穴の形が変形し、髪の毛の生え方や形状も変化してしまうことも、後天的な猫っ毛やくせ毛を引き起こす原因です。

また、髪の毛が必要とする栄養を自ら作り出す機能は20代がピークで、それ以降は徐々に栄養が作られにくくなります。加齢とともに、髪の毛の内部の密度が失われることにも注意が必要です。髪の毛の内部がスカスカになっていくため、ハリやコシが失われていきます。

髪の毛の変化に気づき始めるのは、男性では20歳くらい、女性では35歳程度だといわれています。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、後天的に猫っ毛になる原因の1つに挙げられるでしょう。生活習慣の乱れとは、具体的には以下のとおりです。

  • 栄養の偏った食事
  • 慢性的な睡眠不足
  • 運動不足

AGAの主な原因は遺伝と男性ホルモンといわれていますが、睡眠不足や栄養バランスの乱れ、運動不足などの生活習慣の乱れが加わることで、はげが進行します。それぞれの内容について確認しましょう。

栄養の偏った食事

栄養の偏った食事は、後天的な猫っ毛の原因となります。これは、髪の毛に必要な栄養素が不足するためです。

髪の毛は、ほとんどがケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。そのため、健康な髪の毛を作るには、ケラチンを合成するためにタンパク質・亜鉛・ビタミンの摂取が必要です。

しかし、そもそも食事からきちんと栄養がとれていないと髪の毛に届きませんし、不規則な食事はホルモンバランスを乱し、髪の成長を止めてしまう原因の1つになるでしょう。

慢性的な睡眠不足

慢性的な睡眠不足は、後天的に猫っ毛になるなどの髪質トラブルの原因となり得ます。

髪の毛の生成に影響するのは、副交感神経の働きにより分泌される成長ホルモンです。副交感神経は、22時から2時にかけての時間帯に活発になるとされています。過度な夜更かしを続けていると、髪の成長が妨げられてしまう可能性が高いです。

運動不足

運動不足も、後天的な猫っ毛を引き起こす要因に挙げられます。髪の毛に十分な栄養を届けて成長を促すためには、まず身体全身に栄養を行き渡らせなければなりません。そのためには、血の巡りを良くする必要があります。

運動不足の方の場合、全身の血行が悪くなってしまい、髪の毛にも栄養が届きにくくなってしまうでしょう。

ストレスの蓄積

ストレスを抱え込んでいると、髪の毛の成長が阻害されてしまい、後天的な猫っ毛などの髪トラブルを引き起こすことがあります。

強いストレスを感じ続けると自律神経のバランスが乱れます。その結果、交感神経が優位に働き、血管が収縮して血流が滞り、頭皮への血流の流れに影響を与える可能性があるためです。

頭皮の血流が悪くなってしまうと、髪の毛の成長に欠かせない毛母細胞への栄養が行き渡らなくなり、猫っ毛や抜け毛、薄毛が促進します。

間違った方法での洗髪・ヘアケア

間違った方法での洗髪やヘアケアが、猫っ毛や薄毛などの髪質トラブルの要因になってしまうことも珍しくありません。ここからは、猫っ毛の原因となり得る、間違った洗髪やヘアケアの方法を解説します。具体的には、以下のような方法が該当します。

  • 過度な洗髪
  • 爪を立てるなど頭皮を傷つける洗髪
  • 洗い残しや不十分なすすぎ
  • 合わないシャンプーの使用
  • ドライヤーの当てすぎ

順番に内容を見ていきましょう。

過度な洗髪

過度な洗髪は髪の毛にダメージを与え、後天的な猫っ毛の原因になる可能性があります。

頭皮には、適度な量の皮脂が必要です。しかし、シャンプーをしすぎると必要な頭皮の油分まで奪ってしまいかねません。乾燥肌になってしまい、不足した分の皮脂が分泌されるため、結果的に髪の毛がベタつき、不衛生な状態になりやすくなります。

爪を立てるなど頭皮を傷つける洗髪

爪を立てて髪の毛を洗うなど、頭皮を傷つける洗髪も猫っ毛や薄毛を引き起こします。頭皮にできた傷から細菌感染を起こし、頭皮環境が悪化する場合があるため、爪を立てずに優しく洗髪しましょう。

洗い残しや不十分なすすぎ

猫っ毛などの髪質トラブルは、洗髪時の洗い残しやすすぎ不足が原因となって起きることもあります。髪についたシャンプーなどをしっかりと洗い流せていないと、毛穴詰まりを起こしてしまい、頭皮トラブルを引き起こしかねません。

また、シャンプーが頭皮に残ったままドライヤーの熱や日光があたってしまうと、化学変化を起こし、大きなダメージを受けてしまう可能性があります。

合わないシャンプーの使用

シャンプーやトリートメント剤が自分に合わず、後天的な猫っ毛や薄毛を引き起こしていることも考えられます。洗浄力に高いシャンプーを継続的に使い、頭皮の皮脂を取りすぎてしまうと、足りなくなった皮脂を補おうと返って皮脂を分泌させることになります。結果的に頭皮がベタつき、トラブルの要因になりかねません。

ドライヤーの当てすぎ

ドライヤーを当てすぎると、髪の毛がダメージを受けてしまいます。髪の毛のコシやハリが失われ、猫っ毛のようになってしまうこともあるようです。熱によるダメージが髪の毛の内部構造を変化させ、結果的に髪の毛が細くなってしまいます。

しかし、ドライヤーで髪の毛を乾かさずに自然乾燥させることも、髪の毛にダメージを与え猫っ毛になる原因の1つです。

病気や薬の副作用

一部の病気や薬の副作用が、髪の毛に影響を及ぼす可能性があります。特に、甲状腺機能亢進症や膠原病、栄養・代謝障害などの疾患や抗がん剤の使用は、猫っ毛のように髪が細くなったり、髪の毛が抜けたりする要因です。

猫っ毛を治してはげを予防する方法

後天的な猫っ毛を治し、はげの進行を予防するために効果的と考えられるのは、以下の7つの方法です。

  • 睡眠の質を高める
  • 食生活を改善する
  • 過度な飲酒をしない
  • ストレスを発散する
  • シャンプー・ヘアケアの方法を見直す
  • 髪に優しいシャンプーを使う
  • 紫外線を避ける
  • AGA治療を受ける

各予防法を解説します。

睡眠の質を高める

猫っ毛のように髪の毛が細くなることを防ぐには、睡眠の質を高めることが重要です。睡眠によって成長ホルモンが分泌され、成長ホルモンが髪に届くことで発毛の元となる細胞が活性化して、猫っ毛や薄毛が改善されるためです。

髪を作るのに必要な成長ホルモンは、眠りについてから2〜3時間後に訪れるノンレム睡眠時に多く分泌されます。眠りが浅かったり睡眠時間が短かったりすると、分泌される成長ホルモンの量が減少します。

睡眠の質を高めるために、以下の点を心がけましょう。

  • 寝る直前の1時間はスマホやパソコンを見ないようにする
  • 寝る直前に食事をしない
  • 就寝する90分前に入浴する
  • 寝る前にストレッチをして身体をほぐす

上記の点を意識すると、入眠しやすくなります。後天的な猫っ毛を防ぐために、ぜひ取り入れてみてください。

食生活を改善する

猫っ毛のような細い髪質を改善するためには、バランスの良い食事を心がけることも大切です。髪の毛を主に構成するケラチンを作るには、タンパク質・亜鉛・ビタミンが欠かせません。

さらに、これらの栄養素に加えて、髪の毛を構成するアミノ酸であるシスチンやメチオニンも摂取することをおすすめします。

過度な飲酒をしない

ハリやコシのある髪の毛を目指すなら、過度な飲酒は避けましょう。お酒の飲み過ぎは、頭皮や髪の毛に悪影響を及ぼすためです。

摂取したアルコールを分解するために、体内ではビタミンB1を大量に消費します。それによってビタミンB1が不足し、代謝低下や血行不良のリスクが高まります。頭皮が血行不良の状態になると、髪の成長を阻害してしまうでしょう。

過剰な飲酒を控えることで、これまでアルコールの分解のために消費されていた栄養素が髪に届くようになります。

ストレスを発散する

ストレスを発散することも、後天的な猫っ毛や薄毛を防ぐために効果的です。強いストレスはホルモンバランスや自律神経の乱れを招くだけでなく、頭皮の血流にも悪影響を及ぼします。ストレスを完全に排除することは難しいですが、できる限りストレスを溜め込まないようこまめに発散しましょう。

好きな映画や音楽を楽しんだり、適度な運動をしたり、親しい友人と話をしたりするなど、自分に合ったストレス発散方法を探しましょう。

シャンプー・ヘアケアの方法を見直す

誤った方法での洗髪やヘアケアは、髪の毛にダメージを与えてしまいます。そのため、シャンプー・ヘアケアの方法を見直すことも重要です。

ダメージを受けた髪の毛はキューティクルが開いてしまい、絡みやすくなります。傷んだ状態のまま放っておくと、ますます抜けやすくなってしまうでしょう。

たとえば、洗髪する前に髪をとかして髪に絡まったホコリやチリを落としたり、お湯で汚れを洗い流したりするなどするだけで、髪や頭皮へのダメージを抑えられます。

また、「髪の毛は爪を立てずに指の腹を使ってマッサージするように洗う」「トリートメントやコンディショナーは頭皮に直接つけない」「洗髪後はなるべく早くとかす」などが髪にダメージを与えないためのポイントです。

紫外線を避ける

猫っ毛のように髪の毛が細くなることを防ぐために、紫外線を長期的に浴びないようにしましょう。大量の紫外線を長期的に浴びると、細胞が老化する要因となるほか、頭皮環境が悪化したり、髪の毛がダメージを受けたりします。

既に髪の毛が細くなってきている場合は、髪の毛の内部の水分を保持する役割を担うコルテックスという組織や、髪の毛をダメージから守るキューティクルの枚数が少ない傾向です。太くコシがある髪の毛に比べて、より紫外線のダメージを受けやすいことを念頭に置いてください。

紫外線が強くなる夏はもちろん、それ以外の季節であっても、長時間紫外線を浴びてしまう際は帽子を被るなどの紫外線対策が重要です。

AGA治療を受ける

後天的に猫っ毛や薄毛になった場合、健康な髪に戻す方法の1つとしてAGA治療を受けることをおすすめします。

生活習慣を改善することなどにより、髪の毛を生成する毛母細胞の活動を促すことは可能です。ただし、AGAの原因の1つである「ジヒドロテストステロン(DHT)」が影響している場合は、AGA治療を受けることが効果的といえるでしょう。

ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの1つであるテストステロンが強力化したもので、髪の毛の元になる毛母細胞の働きを低下させる作用を持つホルモンです。

ジヒドロテストステロンが活性化すると、本来は2~6年程度あるはずの成長期が、著しく短縮してしまいます。髪の毛が作られたり、伸びたりするのは成長期に限られるため、成長期が短い髪の毛は細く色も薄くなってしまい、猫っ毛や薄毛を引き起こします。

AGA治療は、AGAの進行を抑え、健康的な太い髪の毛の発毛を促す治療です。猫っ毛や薄毛でお悩みの方は、専門の医療機関の受診を検討してみましょう。

まとめ

後天的な猫っ毛は、AGAを発症し始めているサインである可能性が高く、はげの予兆であることが考えられます。はげへの進行を防ぐには、生活習慣やシャンプー・ヘアケアの方法の見直しが効果的です。

ただし、猫っ毛にAGAの原因の1つであるジヒドロテストステロンが影響している場合は、専門の医療機関でAGA治療を受けることをおすすめします。

専門の医療機関を受診することに抵抗がある場合は、オンライン診療を利用してみるのも選択肢の1つです。レバクリでは、AGA専門のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会