更新日:2026年02月04日
「頭皮にかさぶたができて、これは単なる乾燥?それとも何かの病気?」「このまま放置すると薄毛になる?」と不安を感じている方もいるかもしれません。頭皮のかさぶたは単なる乾燥でなく、接触皮膚炎や毛嚢炎、不適切なヘアケアなどさまざまな原因で発生することがあります。
本記事では、頭皮にかさぶたができる主な原因やかさぶたを悪化させない対処法を解説します。「無理にかさぶたを剥がさない」・「正しい洗髪方法を心掛ける」・「バランスの取れた食事を摂る」など、自宅でできるセルフケアも紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
頭皮にかさぶたができて気になっている方もいるかもしれません。かさぶたは頭皮の健康状態を示す重要なサインです。ここでは頭皮にできるかさぶたについて詳しく解説します。
頭皮にできるかさぶたは頭皮が傷ついた際に身体が自然と作り出す、「痂疲(かひ)」と呼ばれる防御反応です。かさぶたは傷口を外部の細菌から保護し、皮膚の修復を助ける重要な役割を担っています。
かさぶたができる過程では傷ついた部分から血液が出て、その中に含まれる血小板が集まって固まります。この現象は傷の治癒において自然な流れであり、頭皮を守るためのバリアとなるのです。傷の修復が完了すると、かさぶたは自然と剥がれ落ちます。
頭皮のかさぶたを長期間放置すると、毛髪の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。かさぶたが頭皮に長くとどまると、毛穴が塞がれて毛髪の成長を妨げることがあるためです。
かさぶたの下で炎症が続くと毛母細胞にダメージを与え、髪の成長サイクルが乱れることがあります。この状態が継続すると、次第に毛髪が細くなったり成長が遅くなったりして、結果的に薄毛の原因となる可能性もあります。
薄毛の原因について詳しく知りたい場合は、「はげたくない人は知っておくべき!薄毛の原因と自分できる対策について解説」の記事も合わせてチェックしてみてください。
「なぜ頭皮にかさぶたができるの?」と気になる方もいるかもしれません。頭皮にかさぶたができる主な原因は以下のとおりです。
ここでは、上記6つの頭皮にかさぶたができる原因についてそれぞれ詳しく解説します。
頭皮にかさぶたができる原因の一つに、接触皮膚炎が挙げられます。これは、シャンプーやヘアカラー、整髪料などの化学物質が頭皮に刺激を与えることで発生するものです。
アレルギー性の接触皮膚炎では特定の成分に対する過敏反応により頭皮に炎症が起き、かゆみや赤み、かさぶたができる場合があります。アレルギー性の接触皮膚炎の場合はシャンプーやヘアカラーなどの使用を中止しても、かゆみやかさぶたといった症状が続くことがあるため注意が必要です。
一方、刺激性の接触皮膚炎は強い化学物質が直接頭皮を刺激することで起こり、使用をやめると症状が改善する傾向があります。
特に注意すべき成分としては香料や防腐剤、合成界面活性剤などがあります。これらの成分を含む製品を使用したあとに頭皮のかゆみや赤みを感じた場合は、使用を控えるのがおすすめです。
アトピー性皮膚炎や乾癬といった皮膚疾患も、頭皮のかさぶたの原因になります。
アトピー性皮膚炎はアレルギー体質の人に多く見られ、強いかゆみや炎症を伴うのが特徴です。一方、乾癬は皮膚の細胞が通常より速く増殖し、赤い斑点や銀白色のうろこ状のかさぶたを形成する自己免疫疾患です。
アトピー性皮膚炎や乾癬などの疾患は、遺伝的要因や環境要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。自己判断での対処は難しく、皮膚科医による適切な診断と治療が必要になるため、症状が続く場合は専門医への受診をおすすめします。
毛嚢炎は毛穴の根元部分(毛包)が細菌感染を起こして炎症を生じる状態で、頭皮のかさぶたの原因となります。
毛嚢炎は主に黄色ブドウ球菌などの細菌感染によって引き起こされ、赤いぶつぶつとした発疹や膿を含んだ小さなできものとして現れることが多いです。これが治る過程でかさぶたになります。
毛嚢炎は、皮膚表面にできた小さな傷口から菌が入り込むことや不衛生な頭皮環境が原因となるケースが多いため、頭皮を清潔に保つことが予防につながります。
日常のヘアケアの方法が不適切だと、頭皮環境が悪化してかさぶたができることがあります。
特に以下の3つには注意が必要です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
また、髪を洗う際に爪を立てて頭皮をこすると、傷がついてかさぶたの原因になることがあるため、指の腹でマッサージするように洗うのがおすすめです。頭皮に優しいヘアケア習慣を意識することで、かさぶたの予防と健康な頭皮環境の維持が可能になります。
「頭皮が乾燥するとどうなる?原因とおすすめのケア方法を解説」の記事では、頭皮が乾燥している場合にどうなるのかを詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
ストレスを感じると体内で炎症を促進するホルモンが分泌され、頭皮の炎症を引き起こすことがあります。この炎症が原因でかさぶたができることもあるのです。
また、ホルモンバランスの乱れも頭皮のかさぶたに関係します。特に思春期や更年期、妊娠中などホルモン変化が激しい時期は皮脂の分泌量が変化し、頭皮環境が不安定になりやすいです。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、炎症やかさぶたの原因となり得ます。
そのため、適度な運動やリラクゼーション、十分な休息を心掛けてストレスを軽減し、ホルモンバランスを整えるよう意識してみましょう。
頭皮のかさぶたの原因にはアタマジラミやとびひなどの感染症が挙げられます。アタマジラミは頭皮に寄生する虫で、アタマジラミの唾液が皮膚のアレルギー反応を引き起こし、かゆみやかさぶたの原因となるのです。
アタマジラミの症状としては激しいかゆみがあり、掻いてしまうと皮膚が傷つきかさぶたができることが挙げられます。アタマジラミは接触により簡単に広がるため、タオルや枕などの共用は避けるのがおすすめです
一方、とびひ(伝染性膿痂疹)は黄色ブドウ球菌などの細菌による感染症で、水疱やかさぶたを伴います。特に子どもによく見られるものの、大人も感染する場合があります。アタマジラミやとびひが疑われる場合は早めに医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
頭皮にかさぶたができた場合は無理に剥がさないことやかきむしらないことなどが大切です。ここでは、頭皮にかさぶたができた場合の対処法について詳しく紹介します。
「頭皮にかさぶたができると剥がしたくなる」という方もいるかもしれません。しかし、無理にかさぶたを剥がすのは避けるべきです。かさぶたは傷口を保護し、自然な治癒を促す役割を担っているからです。
無理にかさぶたを剥がすと傷口が再び開いて出血したり、治癒過程が中断されたりします。また、かさぶたを剥がす際に周囲の健康な皮膚まで傷つけてしまうこともあるのです。かさぶたを無理に剥ぐことで新たな炎症が起きたり、治りが遅くなったりする可能性があります。
治癒を促進させるために、かさぶたが自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。かさぶたの下で新しい皮膚が形成されると自然とかさぶたは剥がれます。そのため、焦らず自然の治癒力を信じて待つことが、結果的に早くきれいに治す近道につながるのです。
頭皮のかさぶた部分はしばしばかゆみを伴いますが、かゆみに負けて強くかきむしると状態が悪化する場合があります。かさぶたをかきむしることで頭皮に新たな傷がつき、感染のリスクも高まるからです。
かさぶたをかきたい衝動を抑える方法としては、「冷たいタオルで頭皮を冷やす」「医師に相談して適切な外用薬を使用する」「爪を短く切っておく」などが挙げられます。特に就寝中は無意識にかいてしまう場合があるため、綿の手袋を着用するという対策も方法の一つです。
頭皮のかさぶたがある場合は優しく適切な洗髪法を実践することが回復につながります。まず、熱過ぎないぬるま湯(38度前後)を使い、熱による頭皮への余分な刺激を避けましょう。
シャンプーは自分の肌に合った頭皮に優しい低刺激タイプを選び、指の腹を使って優しくマッサージするように洗います。爪を立てたり強くこすったりすると、頭皮を傷つけて症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。シャンプー後は十分にすすぎ、洗剤成分が残らないようにすることも重要です。シャンプーを洗い流したあとは、頭皮の乾燥を防ぐためにローションやオイルなどで保湿しましょう。
洗髪後のタオルドライではタオルで強くこするのではなく、髪を優しく押さえるようにして水分を吸収させます。そして、ドライヤーは頭皮から適度な距離を保ち、熱風を髪に直接長時間当てないように心掛けることで頭皮への負担を減らすことができます。
頭皮の健康を保つためには内側からのケアも重要です。バランスの取れた食事は頭皮の回復力を高め、かさぶたの治癒を促進します。特にビタミンやミネラル、良質なタンパク質は皮膚の修復に不可欠な栄養素です。
緑黄色野菜や柑橘類、ナッツ類などから摂取できるビタミンは、炎症を抑制し皮膚の再生を助けます。また、亜鉛は皮膚の修復に関わる重要なミネラルで、牡蠣や牛肉、豆類に豊富に含まれています。
オメガ3脂肪酸も炎症を抑制する効果があり、青魚などから摂取可能です。水分摂取も忘れずに行い、体内から頭皮の潤いを保つよう心掛けましょう。
質の高い睡眠は頭皮の健康回復に欠かせない要素です。睡眠不足が続くと免疫力が低下し、かさぶたの回復が遅れる原因となります。
厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」によると、理想的な睡眠のためには規則正しい就寝・起床時間を設け、睡眠環境を整えることが大切です。寝室はなるべく暗く心地よい温度に保ち、ストレスを寝室に持ち込まないようにしましょう。また、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は、ブルーライトの影響で睡眠の質を下げる可能性があります。
枕も頭皮の状態に影響します。かさぶたがある部分が枕に当たって刺激にならないよう、適度な硬さの枕を選ぶと良いでしょう。綿や麻などの通気性の良い素材のピローケースを使用し、こまめに洗濯することで清潔を保つことも効果的です。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
頭皮のかさぶたがなかなか改善しない場合や症状が悪化している場合は、医師に相談しましょう。特に「頭皮のかさぶたが広がる」「痛みが強い」「発熱を伴う」などの症状がある場合は、早めの受診が必要です。
医師は頭皮の状態を診断したうえで原因に応じた適切な治療法を提案してくれます。場合によっては抗菌薬や抗真菌薬、ステロイド外用薬などが処方されることも考えられます。セルフケアでは改善が難しいかさぶたには医学的なアプローチが効果的です。
頭皮のかさぶたについて医師に相談する際は、「いつから症状が始まったか」「どのような対処をしてきたか」「使用している頭皮ケア製品は何か」など、詳しい情報を伝えることが重要です。正確な情報があれば医師はより適切な診断と治療が可能になります。
頭皮のかさぶたは接触皮膚炎やホルモンバランスの乱れ、アタマジラミなどの複数の原因から生じる症状です。頭皮のかさぶたを放置すると、毛穴が塞がれて毛母細胞にダメージが加わり、薄毛の原因になる可能性があるため、適切な対処が必要となります。
頭皮にかさぶたができた場合は無理に剥がさず、かきむしらないことが大切です。また、頭皮に優しい洗髪法を実践し、バランスの良い食事と質の高い睡眠を心掛けましょう。かさぶたの症状が広がったり発熱を伴ったりする場合は、自己判断せず医師に相談したうえで原因に応じた適切な処置を受けることが重要です。