更新日:2026年08月07日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
頭皮のかさぶたが気になり、剥がして良いのか、何が原因なのかと悩む方もいるかもしれません。頭皮のかさぶたは傷を治すための防御反応で、原因によって自然に治るものと治療が必要なものがあります。主な原因は、接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎、毛嚢炎などです。かさぶたは無理に剥がさず、掻きむしらないことが大切です。治りが悪い場合は、皮膚疾患の可能性があるため、医師へ相談してください。
頭皮のかさぶたは、皮膚が傷ついたときに体が作り出す防御反応です。気になって剥がしたくなることもありますが、無理に剥がすと悪化する場合があります。原因に合った方法での対処が必要です。まずは、かさぶたの正体と放置するリスクを知っておきましょう。
頭皮のかさぶたは、傷口を保護して治すためにできるものです。医学的には、「痂皮(かひ)」と呼ばれています。
皮膚が傷つくと、血液や浸出液が固まってかさぶたとなり、傷口を覆って細菌の侵入を防ぎ、自然な治癒を助けます。つまり、かさぶたは治癒の途中にできるものです。無理に剥がすと治りが遅れたり跡が残ったりするため、自然に剥がれるのを待つことが大切です。
一般的な頭皮のかさぶたであれば、薄毛につながりにくいと考えられます。ただし、炎症を伴う頭皮疾患が慢性化・重症化した場合、毛包周囲の炎症が毛包幹細胞に影響を及ぼし、脱毛につながる可能性があります。これは特定の疾患に関連した病態であり、一般的なかさぶたの放置が直接的に薄毛を引き起こすという医学的知見は現時点では確立されていません。 かさぶたは頭皮トラブルのサインでもあるため、原因を見極めて早めに対処しましょう。
頭皮のかさぶたには、色や状態などの特徴があり、そこから原因を考えられます。下の表を参考に、自分のかさぶたがどのタイプに近いか確認してみましょう。
| かさぶたの色・状態 | 考えられる原因 | 概要 |
|---|---|---|
| 黄色くベタベタ・脂っぽい | 皮脂の過剰分泌・脂漏性皮膚炎 | 赤みやかゆみを伴うことがある |
| 白く乾燥・カサカサ | 乾燥・接触皮膚炎 | フケのように剥がれやすい |
| 赤いぶつぶつ・膿を伴う | 毛嚢炎・毛穴の炎症 | 細菌感染が背景のことが多い |
| 出血・ジュクジュク(浸出液) | 掻き壊し・とびひ・重度の炎症 | 早めの受診がおすすめ |
| 銀白色の厚いかさぶた・鱗屑 | 乾癬 | 免疫機能の異常が関与する。乾癬でみられるかさぶたのようなものは鱗屑と呼ばれ、痂皮とは異なる |
| 強いかゆみ・範囲が広い | アトピー性皮膚炎など | 慢性化しやすい |
上記の特徴はあくまで参考程度に留めてください。自己判断して原因を特定するのは難しく、誤ったセルフケアで悪化する可能性もあります。かさぶたが広範囲に広がる場合やかゆみなどの症状が酷い場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
頭皮にかさぶたができる主な原因は、接触皮膚炎や毛嚢炎(もうのうえん)などです。考えられる原因を5つ解説します。
頭皮にかさぶたができる原因の一つが、接触皮膚炎です。シャンプーやヘアカラー、整髪料などの成分が頭皮を刺激し、かゆみや赤み、かさぶたが生じます。 アレルギー性の接触皮膚炎は、特定の成分への過敏反応で起こり、使用を中止しても症状が続くことがあります。
一方、刺激性の接触皮膚炎は使用をやめると、改善することが多いのが特徴です。香料や防腐剤、合成界面活性剤を含む製品の使用後に症状が出た場合は、使用を控えましょう。
アトピー性皮膚炎や乾癬などの慢性的な皮膚疾患も、頭皮のかさぶたの原因になります。アトピー性皮膚炎はアレルギー体質の人に多く、強いかゆみや炎症を伴います。乾癬は皮膚の細胞が通常より速く増殖し、赤い斑点や銀白色のうろこ状のかさぶたを形成する自己免疫疾患です。
これらは自己判断での対処が難しいため、症状が続く場合は皮膚科を受診しましょう。
なお、厳密にいうとアトピー性皮膚炎や乾癬でできる「かさぶた」は鱗屑(りんせつ)で、前述の痂皮とは別物です。前者は角質が剥がれ落ちかけているもの、後者はフィブリンや壊死した白血球などが主体です。
毛嚢炎は、毛穴の根元(毛包)が細菌感染を起こして炎症が生じる皮膚疾患です。主に黄色ブドウ球菌などの感染で、赤いぶつぶつや膿を含んだ小さなできものとして現れ、治る過程でかさぶたになることがあります。
小さな傷口からの菌の侵入や、不衛生な頭皮環境が原因となるため、頭皮を清潔に保つことが予防につながります。
日常のヘアケアが不適切だと、頭皮環境が悪化してかさぶたができることがあります。シャンプーのし過ぎや脂質の過剰摂取、頭皮の乾燥、すすぎ残しは、いずれも頭皮への刺激や炎症の原因になります。
また、爪を立てて頭皮をこすると傷がついてかさぶたの原因になるため、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。
アタマジラミやとびひ(伝染性膿痂疹)などの感染症も、頭皮のかさぶたの原因になります。アタマジラミは頭皮に寄生する虫です。アタマジラミの唾液でアレルギー反応を起こし、かゆみや掻き壊しでかさぶたにつながりやすくなります。アタマジラミは接触で感染するため、ほかの人とのタオルや枕の共用は避けましょう。
また、とびひは黄色ブドウ球菌などの細菌感染により生じます。水疱やかさぶたを伴うのが特徴です。これらの感染症が疑われる場合は、早めに医師に相談しましょう。
頭皮のかさぶたは、原因によって自然に治る場合と、治療が必要な場合があります。掻き壊しや軽い乾燥によるかさぶたは、頭皮環境を整えれば、新しい皮膚ができて自然に剥がれ落ちるのが一般的です。浅い傷のかさぶたは、1〜2週間ほどで自然に治ることが多いとされます。ただし、自分で剥がさないことが前提です。
一方、乾癬や毛嚢炎、感染症などが背景にある場合は、自然治癒が難しく、皮膚科での治療が必要です。かさぶたが広がる、繰り返す、出血や膿、発熱を伴うなどの場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
頭皮にかさぶたができた場合は、無理に剥がさず、掻きむしらないことが大切です。ここでは、頭皮のかさぶたができたときの対処法を紹介します。
かさぶたは気になっても、無理に剥がさないことが大切です。かさぶたには傷口を保護し、自然な治癒を促す役割があります。無理に剥がすと傷口が再び開いて出血したり、周囲の健康な皮膚を傷つけたりすることがあります。
かさぶたの下で新しい皮膚ができると自然に剥がれ落ちるため、焦らずに待ちましょう。それが、かさぶたをできるだけきれいに治す近道です。
かさぶた部分は治るにつれてかゆみを伴うことがありますが、強く掻きむしらないよう注意しましょう。新たな傷がつき、感染のリスクも高まります。
かゆいときの対処法として、以下が挙げられます。
就寝中に無意識に掻いてしまう場合は、綿の手袋を着用して頭皮を傷つけるのを防ぐことも一つの方法です。
頭皮を傷つけない正しい洗髪が回復につながります。38℃前後のぬるま湯を使い、低刺激のシャンプーを指の腹で優しくなじませて洗います。爪を立てたり強くこすったりせず、すすぎ残しがないように洗い流しましょう。
洗髪後に頭皮が乾燥しやすい方は保湿剤を使用しても良いでしょう。タオルドライの際は押さえるように水分を取り、頭皮への負担軽減のためにドライヤーを頭皮から離して使います。
頭皮の回復には、内側からのケアも大切です。ビタミンやミネラル、良質なタンパク質は皮膚の修復に欠かせません。緑黄色野菜や柑橘類、ナッツ類などから摂取できるビタミンは、炎症を抑制し皮膚の再生を助けます。
また、牡蠣や赤身肉・豆類に含まれる亜鉛などのミネラルも、皮膚の修復に関わる重要な栄養素です。さらに、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸も炎症を抑える働きが期待できます。水分補給を心掛けながら、バランス良く栄養素を摂取しましょう。
質の高い睡眠も頭皮の回復に欠かせません。睡眠不足が続くと免疫力が低下し、かさぶたの回復が遅れることがあります。規則正しい就寝・起床を心掛け、寝室を暗く快適な温度に保ちましょう。就寝前のスマートフォンの使用を控えるなどもおすすめです。
また、かさぶた部分が当たって刺激にならないよう枕を選び、通気性の良いピローケースをこまめに洗濯して清潔に保つことも大切です。
参考:厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
頭皮のかさぶたがなかなか改善しない、悪化する場合は、医師に相談しましょう。特に、「かさぶたが広がる」「痛みが強い」「発熱を伴う」などの場合は、早めの受診が大切です。
医師は頭皮の状態を診断し、原因に応じて抗菌薬や抗真菌薬、ステロイド外用薬などを処方します。受診の際は「いつから症状が始まったか」「どのような対処をしてきたか」「使用しているヘアケア製品」などを伝えると、より適切な診断につながります。
頭皮のかさぶたについて、よくある質問と回答をまとめました。気になる点の解消に役立ててください。
頭皮湿疹からかさぶたができるのはなぜですか?
頭皮湿疹でかゆみが出て掻いてしまうと、傷ができてかさぶたになります。また、頭皮の炎症が進むと、フケやかさぶたが出ることもあります。掻かずに、原因に合ったケアと受診を心掛けましょう。
頭皮のかさぶたは何科を受診すれば良いですか?
頭皮のかさぶたが気になる方は、皮膚科を受診しましょう。接触皮膚炎や毛嚢炎、とびひなどは皮膚科で診断・治療を受けられます。かさぶたとともに抜け毛が気になる場合は、AGAクリニックへの相談も可能です。
頭皮のかさぶたを繰り返すのはなぜですか?
かさぶたを繰り返すのは、掻き癖やアトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚疾患が背景にあることが考えられます。根本的な原因を見極めるため、皮膚科で相談しましょう。
頭皮のかさぶたは、傷を治すためにできる防御反応です。医学的には、痂皮(かひ)と呼ばれます。主な原因は、接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎、毛嚢炎などです。
軽いかさぶたであれば、頭皮環境を整えると自然に治ることが多いです。
対処法としては、無理に剥がさず、掻きむしらず、正しい洗髪とバランスの良い食事・睡眠を心掛けましょう。かさぶたが広がったり、出血や膿を伴ったり、再発を繰り返したりする場合は、自己判断せず早めに皮膚科を受診してください。
出典 厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
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