更新日:2026年03月18日
「頭をかくと白い粒状のものが取れるけど、これはフケなの?それとも別の何か?」と気になっている方もいるかもしれません。それは頭皮の「角栓」の可能性があります。角栓は皮脂と古くなった角質が毛穴で固まったもので、放置すると頭皮環境の悪化や抜け毛の原因になることも。
本記事では、頭皮の角栓とフケの違い、角栓ができる原因、放置するとどのような問題が起きるのか、そして実践できる対策方法までを詳しく解説します。
角栓とは、皮脂と古い角質(ケラチン)が毛穴内で混ざり合って形成されるもので、頭皮環境の乱れを示すサインといえます。頭皮から白い塊がポロポロと取れる場合、それは「角栓」である可能性が高いでしょう。
角栓は皮脂と古くなった角質が毛穴で固まることで形成されます。主に、毛の根元に白い塊となって付着するのが特徴です。
頭皮の角栓は放置すると、毛穴の詰まりを悪化させ、頭皮の炎症や抜け毛などの問題につながることもあります。
角栓とフケは混同されがちです。しかし、発生するメカニズムや外見に違いがあります。
以下の表は、角栓とフケの主な違いをまとめたものです。
| 項目 | 角栓 | フケ |
|---|---|---|
| 発生のメカニズム | 皮脂や汚れなどでの毛穴の詰まり | 角質のターンオーバー |
| 外見 | 毛穴部分に付着する白い粒状の小さな塊 | 乾燥性:白くてパラパラとした粉状 脂性:黄色いべたべたした質感 |
両者とも、角質が元になる点は同様です。角栓自体は生理的に生じることもありますが、過剰に形成されると頭皮トラブルの一因となることがあります。一方、フケは頭皮の角質がターンオーバーで自然に剥がれ落ちてくるもので、健康な頭皮でも起こる生理現象です。
外見からも角栓とフケを区別できます。角栓は毛穴付近に、白い粒状の小さな塊として付着するのに対し、フケは白くてパラパラとした粉状の乾燥性と、黄色いべたべたした質感の脂性の2種類があります。
頭皮に角栓ができる主な原因は、以下のとおりです。
ここでは、頭皮に角栓ができる3つの原因について、それぞれ詳しく解説します。これらの原因を理解した上で、頭皮環境を健全に保ち、角栓の形成を予防しましょう。
頭皮の角栓ができる原因のひとつは、皮脂の過剰分泌です。皮脂腺から分泌される油分が必要以上に多くなると、毛穴に詰まりやすくなります。
体質的に皮脂の分泌量が多い方は、頭皮に角栓ができやすい傾向があります。また、シャンプーなどで落としきれなかった余分な皮脂が毛穴に溜まることでも、角栓の形成が促進されるのです。
さらに、脂っぽい食事の摂りすぎが体内の脂質バランスを崩し、結果として頭皮の皮脂分泌を増加させることがあります。バランスの取れた食事を心がけることで、皮脂の過剰分泌を抑えることが期待できるでしょう。
日々のヘアケア習慣が不適切だと、頭皮に角栓ができやすくなります。洗髪の頻度や方法が、頭皮環境に重要な影響を与えているのです。
洗髪回数が少なすぎると、皮脂や汚れが頭皮に蓄積して角栓の原因になります。人によっては、2日に1回程度の洗髪では余分な皮脂が留まることがあるでしょう。また、毎日洗髪していたとしても、シャンプーやリンスなどの洗い残しがある場合、それが毛穴に残って角栓の原因となるため、十分にすすぐことも忘れてはいけません。
しかし、1日に2~3回など洗いすぎると、必要な皮脂も取り除いてしまい、それを補うために皮脂の分泌がかえって増えることもあります。
適切なヘアケアには、正しい頻度と方法での洗髪が大切です。高温のお湯で洗い流すよりも、38℃前後のぬるま湯の方が頭皮に優しく洗い流せます。
頭皮のターンオーバーが乱れると、角栓ができやすくなります。ターンオーバーとは、古い角質が剥がれ落ち、新しい細胞へと生まれ変わる仕組みのことです。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織という層からできています。表皮の内部では、常に新しい細胞が誕生し、これらが徐々に表面へと押し上げられ、最終的に垢やフケなどとして自然に剥がれ落ちる仕組みです。このサイクルが正常に働いていれば、古い角質は適切に排出されるため、角栓はできにくくなります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
しかし、ターンオーバーは、次の要因で乱れる場合があるのです。
つまり、頭皮の健康を保つには、規則正しい生活習慣を心がけ、ストレスを減らし、頭皮の血行を良くすることが大切です。
また、帽子や日傘などで紫外線から頭皮を守ることも、ターンオーバーの乱れを防ぐ方法のひとつです。
頭皮の角栓を放置すると、髪や頭皮のトラブルが引き起こされる可能性があります。たとえば、以下3つの悪影響が考えられます。
ここでは、上記3つの悪影響についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
角栓には、においがありません。しかし、皮脂が皮膚常在菌によって分解されて生じる脂肪酸などによって、頭皮から不快なにおいを放つことがあります。また、角栓に含まれる角質が酸化すると、腐ったようなにおいを放つこともあるでしょう。
さらに、角栓によって頭皮細胞の入れ替わりがうまくできなくなると、皮脂が髪に付着しベタつく原因にもなります。
頭皮のにおいについて、詳しくは「頭皮のにおいの原因は?対策するための生活習慣やシャンプー方法を紹介」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
頭皮の角栓を放置すると問題となるのが、頭皮の皮膚トラブルです。角栓が長時間にわたって毛穴に蓄積された状態が続くと、頭皮環境が悪化し炎症や感染症を起こしやすくなります。炎症が起きた頭皮は皮脂分泌や新陳代謝が乱れて、さらに角栓ができやすくなります。
角栓によって起きる皮膚トラブルの一例が、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)です。原因菌とされるマラセチア属真菌は皮脂を好むため、頭皮で繁殖しやすいという特徴があります。角栓が直接的な原因ではありませんが、頭皮に角栓ができた皮脂の多い環境では脂漏性皮膚炎を起こすリスクが高くなるでしょう。
脂漏性皮膚炎の主な症状は、頭皮の赤みや湿疹、ベタつきのあるフケの増加などです。脂漏性皮膚炎と気づいたときには、自然治癒を見込める状態ではないことが多いため、すみやかに皮膚科を受診しましょう。
頭皮の角栓をそのままにすると、抜け毛や薄毛の原因につながる可能性があります。角栓が毛穴を塞ぐことで、毛穴環境の悪化や慢性的な炎症を引き起こし、結果として毛髪の成長に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。
髪の成長期が短くなると、毛髪は細くて弱い状態になります。そのため、抜け毛になりやすい傾向があります。また、細い髪のせいで、髪全体の毛量が減り、薄毛になったと感じることもあるでしょう。
頭皮の角栓は適切なケアで改善できることもあります。正しいヘアケアの実践や健康的な生活習慣の維持、必要に応じた専門家への相談などが対策となります。
ここでは、頭皮の角栓の具体的な対策方法について詳しく説明しましょう。
頭皮の角栓対策の基本は、正しいヘアケアです。まず大切なのは、自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選ぶことです。脂性肌の方は適度な洗浄力のあるシャンプー、乾燥肌の方は保湿成分を含むシャンプーを選びましょう。アミノ酸系の洗浄成分は頭皮に優しく、脂性肌や乾燥肌など幅広い頭皮タイプに適しています。また、頭皮ケア専用のシャンプーには、角質ケア成分が配合されているものもあります。
毎日の正しいシャンプー方法も重要です。髪全体をぬるま湯で十分に濡らし、シャンプーを手のひらで泡立て、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗います。ポイントは、シャンプーの際に爪をたてず、頭皮を傷つけないよう注意することです。また、洗い残しは新たな角栓の原因となるため、ぬるま湯で3分程度を目安に丁寧にすすぎましょう。
揉みだし洗いは角栓対策に効果的な洗い方で、週に1〜2回の頻度で行うことがおすすめです。揉みだし洗いでは、通常のシャンプーより念入りに頭皮をケアできます。揉みだし洗いの手順は以下のとおりです。
特に、後頭部から首筋まではにおいが出やすいため、念入りに揉みだしましょう。この方法を実践することで、通常のシャンプーでは落としきれない毛穴の奥の汚れや角栓などを効果的に除去できるでしょう。
ただし、すべての方に有効ではありません。 頭皮に赤みや痛みがある場合、症状を悪化させる可能性があるため、揉みだし洗いは行わず、医師に相談しましょう。
頭皮のオイルクレンジングは、「脂を脂で落とす」原理を活用したケア方法です。シャンプーだけでは落としきれない毛穴の汚れや、過剰な皮脂などを溶かす効果が期待できます。週1回程度の頻度がおすすめですが、頭皮の状態によって様子を見て調整しましょう。
頭皮オイルクレンジングの手順は以下のとおりです。
オイルクレンジングは乾いた頭皮に行うことが大切です。また、シャンプーで洗い流す際はオイルが頭皮に残らないように、十分にすすぎましょう。オイルクレンジングが肌に合わない場合はすぐに使用を中止し、必要に応じて医師に相談しましょう。
頭皮の角栓対策には、外側からのケアだけでなく、内側からのケアも欠かせません。規則正しい生活習慣を心がけることで、頭皮環境を根本から改善できます。
栄養バランスの取れた食事は頭皮の健康維持に重要です。脂や糖分の摂りすぎなどは、皮脂の過剰分泌につながります。それらを控える代わりに、ビタミンやミネラルを多く含む野菜、良質なタンパク質、食物繊維を意識的に取り入れましょう。
良質で十分な睡眠も頭皮の角栓対策になります。睡眠中は体内で細胞の修復と成長が行われるため、安定した睡眠時間を取ることで、頭皮のターンオーバーが正常になることが期待できます。
また、角栓対策として身体の血行を促進する適度な運動もおすすめです。それは頭皮の血行不良が角栓の原因になり得るからです。日常的に体を動かす習慣が頭皮環境の改善につながるでしょう。
頭皮の角栓が原因で皮膚トラブルが続く場合や、正しいヘアケア、規則正しい生活習慣で症状が改善しない場合などには、早めに医師に相談することが大切です。単なる頭皮ケアの問題ではなく、脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れている場合もあります。これらの疾患は自己診断や市販品での対処が難しく、医師による適切な治療が必要です。
また、抜け毛が増えたり、薄毛が進行したりしている場合には、薄毛治療専門クリニックの受診がおすすめです。進行形の脱毛症であるAGA(男性型脱毛症)の場合、早めに対処しなければ薄毛が徐々に進行する可能性もあります。
頭皮の角栓とは、毛穴に溜まった皮脂や古い角質が固まった塊で、放置するとにおいやべたつき、頭皮トラブルなどを引き起こす可能性があります。原因は、皮脂の過剰分泌、間違ったヘアケア習慣、頭皮のターンオーバーの乱れが挙げられ、これらが複合的に作用することで角栓が形成されます。
角栓対策として、自分の頭皮タイプに合ったシャンプー選びと正しい洗髪方法が基本です。週に1〜2回の揉みだし洗いや、頭皮用オイルクレンジングを取り入れることで、通常のシャンプーでは落としきれない毛穴の奥の汚れも除去できます。ただし、頭皮に炎症やかゆみがある場合は悪化する可能性があるため、これらの対策は避け、医師に相談しましょう。
また、バランスの取れた食事や良質な睡眠、適度な運動といった生活習慣の改善も頭皮環境を整えるのに役立ちます。
適切なケアを続けても改善が見られない場合は、脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れている可能性もあるため、皮膚科や専門クリニックの受診がおすすめです。