更新日:2026年03月18日
「冬になると抜け毛が増えた気がする」と悩んでいる方も少なくありません。実際は、冬の抜け毛には個人差があります。また、冬はほかの季節より抜け毛が少ない傾向にあるといわれています。しかし、冬の乾燥や血行不良が頭皮に影響し、抜け毛が増える可能性もあるのです。
本記事では、冬の抜け毛の実態と原因を解説します。さらに、冬の抜け毛対策や季節性の抜け毛と脱毛症の見分け方なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
冬の抜け毛には個人差があり、一概に増えるとはいえません。実際のところ、冬の抜け毛はほかの季節と比べて少ない傾向にあります。National Library of Medicineの「Seasonal changes in human hair growth」によると、8月から9月頃の抜け毛量は冬の約2倍になったと報告されました。完全に一致するものではありませんが、動物の換毛期と同様に人の毛周期にも季節性の変動がある可能性が示唆されています。
しかし、冬特有の環境要因が抜け毛に影響することも否定できません。乾燥した空気や寒さによる血行不良などが頭皮環境に負担をかけ、結果として「冬に抜け毛が増えた」と感じる方も少なくないでしょう。ご自身の体質や生活環境によって、季節に影響されるかが異なるのです。
抜け毛が増える季節について、詳しくは「抜け毛が増える時期はいつ?対策方法やAGAとの見極め方を紹介」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
参考:National Library of Medicine「Seasonal changes in human hair growth」
冬に抜け毛が増えたと感じる場合、以下のような環境要因が、頭皮環境を悪化させ、結果として抜け毛が起こりやすくなる可能性があります。
ここでは、冬に抜け毛が増える原因について、それぞれを詳しく見ていきましょう。原因を理解することで、効果的な対策が講じられます。
冬は室内外ともに湿度が低下し、特に暖房の使用によって空気が著しく乾燥します。この乾燥した環境が頭皮にも影響を与えるのです。
頭皮が乾燥すると、皮膚のバリア機能が低下し、フケの増加や炎症反応が起こりやすくなります。悪化した場合、皮脂欠乏性皮膚炎(ひしけつぼうせいひふえん)などを起こしやすくなることがあります。。炎症によるかゆみで無意識のうちに頭を掻いてしまうと、物理的な刺激が加わり、髪の毛が抜けやすくなることもあるでしょう。
冬の乾燥は頭皮環境を悪化させ、結果として抜け毛を誘発する一因となり得ます。
寒い冬の季節には、体が体温を維持するため、末端の血管を収縮させます。この仕組みによって、頭皮の血行不良を引き起こすことがあるのです。
血流低下は頭皮への酸素や栄養素の供給不足を招き、健やかな毛髪の成長を阻害する要因になると考えられています。栄養不足は髪が細くなったり、抜けやすくなったりする原因にもなります。特に冬の間は、血行不良が慢性化しやすく、徐々に髪の成長環境が悪化していく可能性もあるでしょう。
冬は体調不良や感染症による全身ストレスが増えやすい季節です。免疫力の低下は、頭皮の健康状態にも影響を与えます。
免疫機能が低下すると、頭皮に常在する細菌のバランスが乱れ、一部の菌が繁殖することがあります。これにより、頭皮に炎症が起きたり、かゆみやフケが増えたりする可能性があるのです。頭皮環境の悪化は毛根の健康を害し、健康な髪の成長を妨げます。その結果、抜け毛が増加する悪循環に陥る可能性も考えられます。

高熱やインフルエンザなどのストレスで、髪が一気に抜けてしまうケースもあります。免疫力と頭皮環境は深く関係しているので、日頃から免疫力アップを心がけましょう。感染症にかからないための予防も大切です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
AGAなどほかの要因を除いた、冬特有の抜け毛に悩んでいる方は、適切な対策を取ることで症状の改善が期待できます。日常生活での工夫により、頭皮環境を整え、抜け毛を減らしていきましょう。
冬の頭皮ケアで最も大切なのは、適切な洗髪です。乾燥から頭皮を守るために、必要な皮脂を適量残すことがポイントです。
40℃以上の熱いお湯でシャンプーすると、必要な皮脂も共に洗い流されてしまい、頭皮の乾燥を招きます。38℃前後のぬるま湯での洗髪なら、汚れを落としつつ、必要な皮脂を維持できるでしょう。また、自分の頭皮タイプに合わせたシャンプー選びも重要です。脂性の方は適度な洗浄力があるもの、乾燥しやすい方は保湿成分を含むマイルドなシャンプーがおすすめです。
洗髪後のドライヤーの使い方も見直してみましょう。タオルで優しく水分を拭き取った後は、ドライヤーと頭皮の間に適切な距離(15〜20cm程度)を取って頭皮に熱風を当て続けないよう注意しながら、短時間で乾かすことが大切です。長時間、低温で乾かし続けると、かえって頭皮に負担をかけるため、要注意です。
冬の乾燥から頭皮を守るには、積極的な保湿ケアが効果的です。湿度が低い冬は、頭皮も顔の皮膚と同様に乾燥しやすいため、適切な保湿が必要となります。
まず、室内環境を整えることから始めましょう。加湿器を使用して室内湿度を50〜60%程度に保つことで、頭皮の乾燥を防ぐ効果が期待できます。特に、就寝時は長時間同じ環境にさらされるため、寝室の加湿調整は大切です。
また、頭皮用の保湿ローションの使用も検討してみましょう。たとえば、ヘアトニックや頭皮用美容液など、頭皮専用に開発された製品がおすすめです。入浴後すぐに保湿することで、水分の蒸発を防ぎ、頭皮の健康維持につながります。
冬に頭皮の血行不良を改善するには、頭皮の血流を促進することが大切です。簡単にできる方法として、頭皮マッサージがあります。
頭皮マッサージの手順は、以下のとおりです。
朝の身支度時やシャンプー後に行うと、習慣になりやすくおすすめです。頭皮マッサージを行う際は、気持ち良い強さで無理なく行いましょう。
また、湯舟に浸かって体を温めることも血行促進に効果的です。38〜40℃のお湯に15分ほど浸かると、全身の血流が良くなり、頭皮の血行も促進されるでしょう。さらに、皮膚が薄く、太い血管が走っている首・手首・足首を冷やさないように心がけることも大切です。
免疫力が低下しやすい冬は、頭皮環境の健康維持に規則正しい生活習慣が欠かせません。
食生活では、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特に、髪の健康に役立つタンパク質や亜鉛、ビタミンEなどを含む食品は積極的に摂取すると良いでしょう。たとえば、鶏むね肉やほうれん草、アーモンドなどのナッツ類です。加えて、十分な水分補給も大切です。
髪に良いビタミンについて、詳しくは「ビタミンの髪の毛への効果は?薄毛対策で摂取するべき栄養素について解説」でも解説していますので、気になる方はご覧ください。
また、良質な睡眠も髪の健康に重要な役割を果たします。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、髪の修復や成長が促進されます。7時間前後の睡眠時間を確保し、同じ時間に就寝・起床することで体内リズムを整えていきましょう。
さらに、適度な運動も血行促進や免疫力向上に効果的です。ウォーキングやストレッチなど、無理なく継続できる運動を取り入れることがおすすめです。体を動かすことで、血行促進にもつながります。
季節による一時的な抜け毛であれば、冬が終わって環境が改善されるにつれて自然と軽減するはずです。しかし、春になっても抜け毛の量が減らない場合は、男性型脱毛症(AGA)の可能性があります。
AGAは、ホルモンバランスや遺伝によって引き起こされる男性の脱毛症です。以下のようなサインがある際は、注意が必要でしょう。
これらの症状に心当たりがある場合、AGAの可能性が考えられます。
AGA治療には、内服薬や外用薬、植毛など、症状に応じた治療法があります。AGAは進行性という特徴があるため、早めに薄毛治療専門のクリニックへ相談することがおすすめです。自己判断で悩みを抱え込まず、まずは相談から始めてみましょう。

抜け毛には人それぞれの原因があります。AGAが原因の抜け毛の場合は進行性のため、早めの行動がおすすめです。抜け毛が気になったら、まずはお気軽にご相談ください。
冬の抜け毛には個人差があり、実際はほかの季節より少ない傾向にあります。しかし、乾燥した空気や寒さによる血行不良、免疫力低下などの要因によって「冬に抜け毛が増えた」と感じる人もいるかもしれません。冬の抜け毛対策として、以下が考えられます。
ただし、春になっても抜け毛が改善されない場合は、AGAなどの可能性も考えられます。気になる方は、薄毛治療専門のクリニックへ相談することがおすすめです。