更新日:2026年04月06日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
急に抜け毛が増加し、休止期脱毛症なのではないかと気になっている方もいるかもしれません。休止期脱毛症には、急性休止期脱毛症と慢性休止期脱毛症があり、それぞれ原因や特徴が異なります。
本記事では、休止期脱毛症の特徴と原因やAGAとの違いを解説します。休止期脱毛症を改善するための方法も紹介するので、ご一読ください。
休止期脱毛症とは、何らかの原因で成長期の毛髪が休止期へと移行し、抜け毛が増える状態のことです。休止期脱毛症には急性休止期脱毛症と慢性休止期脱毛症の2つのタイプがあります。ここでは、それぞれの特徴と原因を見ていきましょう。
急性休止期脱毛症は、特定の出来事をきっかけに成長期の髪の毛が休止期へと移行し、短期間で急激に抜け落ちてしまう状態を指します。通常、髪は成長期・退行期・休止期というヘアサイクルを繰り返しており、数年かけて生え変わります。しかし、急性休止期脱毛症は成長途中だった髪が活動を停止し、本来の寿命よりも早くまとまった量が抜けていくのが特徴です。急性休止期脱毛症は、ヘアサイクルが一時的に乱れることで発生します。2〜3ヶ月後に抜け毛が増えて気づかれることが多く、多くは6ヶ月未満で自然に軽快します。
急性休止期脱毛症の発症には、心身に加わる負荷が関係していると考えられています。具体的には、高熱を伴う病気や外科手術、怪我による大量出血などが挙げられます。女性の場合は出産に伴うホルモンバランスの変動も、急性休止期脱毛症を招くきっかけの一つです。
日常生活における環境の変化や習慣も急性休止期脱毛症の発症に影響を及ぼすと考えられています。精神的なショックや短期間での過度なダイエットによる深刻な栄養不足も、発症の原因となり得ます。
慢性休止期脱毛症は、6ヶ月以上かけて頭部全体の毛髪のボリュームが少しずつ減少していく症状です。慢性休止期脱毛症では、鉄欠乏や甲状腺疾患、薬剤など原因が見つかる場合と、明確な原因が特定できない特発性慢性休止期脱毛症があります。
慢性的な休止期脱毛症では、鉄欠乏・甲状腺疾患・膠原病・薬剤・無理なダイエットなどが原因となって起こると考えられています。 明確な要因が特定できないまま長期間にわたって抜け毛が持続することもあり、個々の状況に応じた慎重な対応が求められるでしょう。
髪の成長が止まっている期間は休止期と呼ばれます。休止期は次の新しい髪を作るための準備期間で、2~3ヶ月ほど続きます。正常なヘアサイクルの場合、頭髪全体のうち10~20%ほどが休止期の状態です。
髪が太く長く育つ時期は成長期です。成長期は毛根にある細胞が活発に分裂を繰り返しており、頭髪全体の約85~90%が成長期の状態とされています。成長期の期間は、2~6年ほどです。
髪を作る細胞の活動には限界があり、一定期間が過ぎると成長を止める退行期へと移行します。退行期は頭髪全体の約1%で、期間は2~3週間程度です。退行期で毛根が徐々に小さくなり、そのあとに休止期が訪れます。
休止期脱毛症とAGA(男性型脱毛症)は、発症の原因や治療法が異なります。それぞれの特徴について理解することは、正しいケアへの第一歩です。ここでは、原因や脱毛の広がり方、治療方法の違いについて解説します。
AGAの主な原因は、遺伝や男性ホルモンのジヒドロテストステロンだと考えられています。体内のテストステロンというホルモンが、5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)へと変換され、ヘアサイクルを短縮させることで薄毛が進行します。

休止期脱毛症は、心身の強いストレスや疾患、深刻な栄養不足など人によって原因が異なります。
AGAと休止期脱毛症では、脱毛範囲にも違いがあります。AGAは、主に前頭部や頭頂部から薄くなっていくのが特徴です。DHTの影響を受けにくい後頭部や側頭部の髪の毛は残る傾向があります。休止期脱毛症は特定の部位に限定されることなく、頭部全体の広い範囲にわたって抜け毛が起こります。
鏡を見た際に「生え際や頭頂部だけが気になる」か、「全体的にボリュームが減って地肌が透けてきた」かという脱毛範囲の違いは、AGAと休止期脱毛症を見分けるための目安となります。
AGAと休止期脱毛症では、治療方法にも違いがあります。AGAについては、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」にもとづいて治療が行われます。主にフィナステリドやデュタステリドといった内服薬やミノキシジル外用薬でAGA治療をするのが一般的です。
一方で、休止期脱毛症に関しては現時点で統一された治療ガイドラインが存在しません。休止期脱毛症の場合は、後述するように原因によって治療の内容が異なります。
新型コロナウイルス感染症の後遺症として現れる脱毛は、休止期脱毛症の可能性があると考えられています。厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」によると、新型コロナウイルスの回復者457名を対象に調査したところ、全体の22.7%の方が脱毛を経験していることが明らかになりました。感染から4週間が経過した時点では16%の人に症状が見られ、12週間が経過した段階でも6.3%の人に脱毛の持続が確認されています。
新型コロナウイルス感染症の後遺症として休止期脱毛症が起こる背景には、感染に伴う高熱やストレス、過剰な炎症反応などが関係していると考えられています。新型コロナウイルス感染後に薄毛になったと感じ不安なときは、休止期脱毛症の可能性も考え、医療機関で診察を受けましょう。
参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」
休止期脱毛症を治療する際は、何が引き金となっているのか原因を検討します。そのうえで、原因に応じて下記のような対応を行います。
なお、高熱や外傷、手術などの約2〜3ヶ月後に生じる急性休止期脱毛症については、原因が取り除かれると数か月で脱毛が落ち着くことが多く、そのあと少しずつ回復していきます。
休止期脱毛症の場合は原因に応じた対応を行うとともに、日常生活でのセルフケアを並行して行い、髪の健やかな成長をサポートすることが大切です。ここでは、髪の成長をサポートするセルフケア方法を紹介します。
生活習慣を整えることは、髪の成長をサポートすることに役立ちます。生活習慣の改善で意識したいのは睡眠です。髪の成長に大切な成長ホルモンは、睡眠前半のノンレム睡眠が起こるときに分泌が増えるといわれています。就寝直前の食事やスマートフォンの使用などを避けるとともに、寝る前はリラックスして過ごすことを心掛けて眠りの質を高めましょう。
また、適度な運動を習慣化することも大切です。適度な運動は、ストレス軽減や睡眠の質の改善、全身状態の維持に役立ち、結果として毛髪の健康を支える生活習慣の一つになります。
過度な抜け毛を防ぐには、要因となりうるストレスを溜め込まず、上手に付き合っていくストレスマネジメントが大切です。日々の生活の中で自分なりのストレス発散方法を見つけ、こまめにリセットしましょう。
ストレスの解消法は人によって異なり、正解はありません。趣味に没頭したり、自然の中でリラックスしたりと、自分が心地よいと感じる方法を実践しましょう。もし具体的な発散方法が見つからない場合は、今抱えている不安や悩みを信頼できる人に言葉にして伝えるだけでも、心の負担を軽くすることが期待できます。
髪や頭皮への悪影響を防ぐためには、毎日の食事から適切に栄養を摂取することが大切です。
ダイエットをしている場合も食事を抜くなどの無理な制限は避け、多種多様な食材を組み合わせ、毛根に十分な栄養を届ける食習慣を維持しましょう。具体的な食事の構成としては厚生労働省の「日本人の長寿を支える『健康な食事』」にあるとおり、主食・主菜・副菜を基本に組み合わせることが理想的です。ごはんやパンなどの主食でエネルギーを蓄え、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜から良質なタンパク質を摂取します。野菜やきのこ、海藻類などの副菜でビタミンやミネラルを補いましょう。
参考:厚生労働省「日本人の長寿を支える『健康な食事』」
休止期脱毛症は身体的・精神的ストレスや疾患などが原因でヘアサイクルが乱れ、通常より多くの多数の毛包が成長期から休止期へと移行することで起こる脱毛症状です。急性休止期脱毛症は高熱や手術、出産などがきっかけで短期間に大量の抜け毛が生じるのに対し、慢性休止期脱毛症は6ヶ月以上にわたって徐々に髪のボリュームが減少していきます。
休止期脱毛症に対する標準的な治療法は確立されていませんが、原因に応じて疾患の治療やストレスの軽減などを行います。十分な睡眠の確保や適度な運動、バランスのとれた食事を心掛けることも髪や頭皮の健康を守るために大切です。
急に抜け毛が増えた場合は自身の生活習慣や最近の出来事を振り返り、休止期脱毛症の可能性を考慮しましょう。症状が長引く場合、医師に相談するのがおすすめです。
髪が抜けるのは病気のサイン?考えられる原因と受診の目安を解説
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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