更新日:2026年07月31日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「プロテインを飲めば髪の毛は増えるのか」「タンパク質を摂れば薄毛は防げるのか」と気になる方もいるかもしれません。結論として、タンパク質は髪を作るための土台となりますが、それだけで髪が増えたり薄毛が改善したりするわけではありません。
この記事では、髪とタンパク質の関係やプロテインの効果、はげる噂の真偽、摂取方法を紹介します。薄毛が気になる方は本記事を参考にしたうえで、医師への相談も検討してみてください。
髪の毛とタンパク質は切り離せない関係にあります。髪の毛そのものがタンパク質を主成分としてできているため、健康な髪を維持するためには、十分なタンパク質を摂取することが重要です。ここでは、髪がどのようなタンパク質でできているのか、そしてタンパク質が髪になるまでの流れを見ていきます。
髪の毛の主成分は、ケラチンと呼ばれるタンパク質です。ケラチンは髪の大部分を占める成分で、爪や皮膚などにも含まれています。タンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできており、ケラチンもさまざまなアミノ酸の組み合わせで構成されています。
そのため、特定のアミノ酸だけを摂れば健康な髪が育つわけではありません。必要なアミノ酸がバランスよくそろって、はじめて材料として機能します。髪のためには、偏りなくタンパク質を摂ることが土台になります。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
食事から摂ったタンパク質は、そのまま髪になるわけではありません。体内でいったんアミノ酸に分解され、そのあとで体に必要なタンパク質へ再合成されます。髪のケラチンも、この再合成を経て作られます。
ここで知っておきたいのは、再合成されたタンパク質が配分される優先順位です。生命維持に重要な組織への利用が優先されるため、栄養不足が続くと髪にも影響が及ぶ可能性があります。 日々の食事でタンパク質を切らさないことが、髪の土台づくりにつながるでしょう。
極端な食事制限などによりタンパク質の摂取量が慢性的に不足する状態が続くと、毛髪の成長に影響を与える可能性があります。髪を育てる材料や、体の機能を支えるタンパク質が足りないと、髪が健康に育つ環境が整いにくくなるためです。
タンパク質は髪の材料になるだけでなく、内臓や血液、筋肉といった生命維持に直結する重要な部位の材料にもなり、全身の機能を支えています。そのため、極端なダイエットや偏った食事による極端なタンパク質不足は毛髪の成長に影響する可能性があります。
ただし、抜け毛にはさまざまな要因が関わるため、タンパク質を補えば必ず改善するとは言い切れない点に注意が必要です。

タンパク質をしっかり摂っていても薄毛が進む方は少なくありません。その場合に見落とされがちなのが、AGA(男性型脱毛症)です。AGAは男性ホルモンが関わる進行性の脱毛で、栄養状態とは別のメカニズムで進みます。食事の見直しで改善しないと感じたら、栄養不足の問題と切り分けて、一度専門の医師に相談するのがおすすめです。
「プロテインを飲むと髪が増えた」という声を見かけることがありますが、プロテインを飲んだだけで髪が増えるという確かな根拠はありません。プロテインはあくまでタンパク質を補うためのものです。ここでは、プロテインが髪に対して果たす役割を解説します。
プロテインの役割は、食事で不足しがちなタンパク質を補い、髪が育つ土台を整えることです。食事だけで必要なタンパク質を摂りきれない場合、プロテインで補うのは選択肢の1つです。ただし、プロテインはあくまで栄養補助であり、不足を補う以上の働きを期待できるものではありません。まずは日々の食事を基本にし、足りない分を補う使い方が向いています。
健康な人で、プロテインの摂取によって発毛や毛量増加が認められているわけではありません。 タンパク質はあくまで髪の材料であり、髪を生やす・増やす薬のような作用を持つわけではないためです。
「プロテインで髪がつやつやになった」「髪質が変わった」と感じる場合、もともとタンパク質が不足していた人が、栄養状態を整えた結果として実感している可能性があるでしょう。
髪は伸びるスピードが決まっているため、変化を感じるには時間がかかります。短期間で目に見える効果を期待するのではなく、健康な髪を保つ土台として続けることが大切です。
AGAによる薄毛には、プロテインで対処できません。AGAは栄養不足ではなく、男性ホルモンが関わる仕組みで進行する脱毛だからです。
AGAは、テストステロンが頭皮の5αリダクターゼという酵素の作用でDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTがヘアサイクルの成長期を短縮させることで進行します。
タンパク質を補給しても、AGAの進行機序そのものには作用しません。AGAは進行性のため、気になる場合は早めに専門の医師へ相談することが大切です。
「プロテインを飲むとはげる」という噂を目にして、不安に感じる方もいるかもしれません。結論として、プロテインそのものが薄毛を進行させるという根拠はありません。ここでは、噂の真偽について解説します。
プロテイン自体に、髪を抜けさせたり薄毛を進行させたりする作用はありません。プロテインはタンパク質を補う食品であり、薄毛を引き起こす成分が含まれているわけではないためです。
むしろタンパク質は髪の材料となるため、不足を補うことは髪の健康にとってマイナスにはなりません。「プロテインではげる」という噂が独り歩きしていることがありますが、プロテインを適量摂ること自体を過度に心配する必要はありません。
「プロテインではげる」という噂の背景は、筋トレや男性ホルモンとの関連が結びついていると考えられます。「筋トレをすると男性ホルモンが増えてはげる」と「筋トレをする人の多くはプロテインを飲む」という2つのイメージが結びついて広まった可能性があります。
ただし、現時点でプロテイン摂取がAGAや脱毛を引き起こすことを示す十分な科学的根拠はありません。AGAの進行には体質や遺伝的な要因が関わるとされており、プロテインを飲むかどうかが決定的な要因になるわけではない点に留意しましょう。噂に振り回されず、薄毛が気になる場合は医師に相談して原因を確かめることが大切です。
髪の毛のためには、タンパク質を適量、バランスよく摂ることが基本です。不足を防ぎつつ摂り過ぎにも注意し、髪に役立つほかの栄養素と組み合わせることがポイントになります。ここでは、具体的な摂取量の目安やタンパク質を多く含む食品、選び方を紹介します。
1日に必要なタンパク質の量には目安があります。日本人の食事摂取基準によると、推奨量は18〜64歳の男性で1日65g、18歳以上の女性で1日50gとされています。
一方、摂り過ぎにも注意が必要です。プロテインなどで大幅にタンパク質を摂り過ぎると、腎機能に問題がある方では負担となる場合があります。自分の体格や活動量に合わせ、食事とプロテインを合わせて目安の範囲に収めることを意識しましょう。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
タンパク質は、肉類・魚介類・卵類・乳類などの動物性食品と、豆類・穀類などの植物性食品に多く含まれます。髪のためには、特定の食品に偏らず、さまざまな食品から摂ることが大切です。 タンパク質を多く含む主な食べ物は、次のとおりです。
これらを組み合わせると、必須アミノ酸をバランスよく摂りやすくなります。まずは毎食でタンパク質源を1品取り入れることを目安にしてみましょう。
健康な髪のためには、タンパク質だけでなく、ほかの栄養素も合わせて摂ることを意識しましょう。タンパク質を材料として活かすには、その働きを支える栄養素が必要だからです。
なかでも牡蠣や赤身肉、納豆などに多く含まれる亜鉛は、アミノ酸からタンパク質を再合成する反応に関わるミネラルです。日本人の食事摂取基準によると、18〜29歳における亜鉛の推定平均必要量は男性で約7.5mg、女性では約6mgとされています。
ただし、食事とサプリメントで過剰に摂取してしまうと健康被害につながる可能性があるため、食事からの摂取を基本にしましょう。タンパク質と合わせて、亜鉛などの栄養素も意識すると、髪の土台が整いやすくなります。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
プロテインには主に、ホエイプロテイン・カゼインプロテイン・ソイプロテインの3種類があります。それぞれ原料が異なり、ホエイとカゼインは牛乳由来、ソイは大豆由来です。
一般的なタンパク質補給という目的であれば、どの種類でも利用できます。動物性食品の摂り過ぎが気になる方や、植物性を取り入れたい方はソイプロテインという選択肢もあります。大切なのは種類選びよりも、食事で不足する分を無理なく続けて補えるかどうかです。自分の生活や好みに合うものを選び、過剰にならない範囲で取り入れましょう。
髪の毛とタンパク質について、よくある質問をまとめました。
プロテインを飲むと髪はつやつやになりますか?
プロテインを飲むだけで髪が劇的につやつやになるとは言い切れません。もともとタンパク質が不足していた場合は、栄養状態が整うことで髪のコンディションが上向く可能性はあります。
ただし、髪は伸びるスピードが決まっているため、変化を感じるには時間がかかります。
プロテインを飲み始めてどのくらいで変化を感じますか?
変化を感じるまでの期間には個人差があり、はっきりした目安はありません。髪は1ヶ月に伸びる長さが限られているため、短期間で大きな変化を期待するのは難しいといえます。栄養を補う土台づくりとして、続けることを前提に考えるのがよいでしょう。
タンパク質は動物性と植物性のどちらが髪にいいですか?
どちらか一方が髪によいわけではありません。一般的に動物性食品はアミノ酸のバランスが整った良質なタンパク質が多いとされますが、特定の食品に偏らず、動物性と植物性をバランスよく組み合わせて摂ることが大切です。
髪の毛にとってタンパク質は、ケラチンという主成分の材料となります。タンパク質が不足すると健康な髪の成長に影響を与える可能性があるため、食事やプロテインで適量を補うことには意味があります。
ただし、プロテインを飲めば髪が増える・髪質が劇的に変わる・はげるといった話には、確かな根拠はありません。プロテインはあくまで栄養を補う土台づくりが役割です。特にAGAによる薄毛は、男性ホルモンが関わる進行性の脱毛のため、食事やプロテインだけで進行を止めることはできません。
セルフケアを続けても薄毛が気になる場合は、AGAの可能性を考え、専門の医師に相談することをおすすめします。レバクリを通じたオンライン診療なら、自宅にいながらスマホで医師の診察を受けられ、治療薬は最短即日に発送手続きが行われます。薄毛が気になる方は、一度オンライン診療を検討してみてください。
厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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