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更新日:2024/04/18

髪が抜ける病気とは?症状や原因をわかりやすく解説

この記事のまとめ
  • 正常な人の1日あたりの抜け毛の本数は、50~100本程度
  • 髪が抜ける病気には、AGAや円形脱毛症、脂漏性脱毛症などがある
  • 髪が抜けるおそれのある病気には、膠原病や梅毒などがある
  • 抜け毛の増加に対処するには、生活習慣の改善やヘアケアの見直しが有効
  • セルフケアで抜け毛の症状が改善しない場合は、医療機関を受診するのがおすすめ

急に抜け毛が増えたと感じると、なんらかの病気を発症しているのではないかと不安になってしまいますよね。髪が抜ける要因は、睡眠不足や食生活の乱れなどさまざまですが、AGAや円形脱毛症などの髪が抜ける病気を発症している可能性もあります。

本記事では、髪が抜ける病気の特徴と原因について解説します。髪が抜けるおそれのある病気や、抜け毛が増えた時の対処法なども紹介するので、抜け毛が急に気になり始めた方はぜひ参考にしてみてください。

正常な抜け毛の本数とは

抜け毛が増えたかを判断するには、まず正常な抜け毛の本数を知ることが大切です。

正常な人の1日あたりの抜け毛は50〜100本程度とされています。人間の髪の毛は、一定の段階まで成長すると成長が止まり、下から生えてくる新しい毛に押し出されるようにして、自然に抜け落ちていきます。この一連の流れをヘアサイクルと言い、「成長期、退行期、休止期」の3つのフェーズを1つのサイクルとして繰り返しているのです。

抜け毛が1日に100本以上ある場合は、生活習慣の乱れや過度なストレスにより、ヘアサイクルに乱れが生じている可能性があります。また、これから紹介するような病気による可能性もありますので注意しましょう。

髪が抜ける病気

髪が抜ける病気には下記があります。

  • AGA(男性型脱毛症)
  • 円形脱毛症
  • 脂漏性脱毛症
  • 粃糠(ひこう)性脱毛症
  • びまん性脱毛症
  • 牽引性脱毛症
  • 薬剤性脱毛症

それぞれの病気の特徴と原因を説明します。

AGA(男性型脱毛症)

髪が抜ける病気の一つとして、AGAが挙げられます。AGAはAndeogenetic Alopeciaの略称で、日本では男性型脱毛症とも呼ばれます。生え際や頭頂部から薄毛が広がっていくのが特徴です。

AGAの診療ガイドラインによると、日本人男性のAGA発症頻度は、全年齢平均で約30%で、年齢が上がるにつれて発症頻度は高くなるとされています。

AGAを発症する主な原因は、男性ホルモンの作用であると考えられています。

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5aリダクターゼという還元酵素によって、ジヒドロテストステロンというホルモンに変換されます。このジヒドロテストステロンが、頭皮にある男性ホルモンレセプターと結びつくことで、脱毛因子が増加し、薄毛が起こるのです。

参考:公益社団法人日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

円形脱毛症

髪が抜ける病気には、円形脱毛症も挙げられます。円形脱毛症は、円形または楕円形の脱毛斑が一つ、あるいは複数できる病気です。円形脱毛症にはいくつかの種類があり、脱毛の広がり方によって下記に分類されています。

  • 単発型:脱毛斑が1ヶ所のみにできる
  • 多発型:脱毛斑が複数できる
  • 蛇行型:後頭部から側頭部の生え際に沿って脱毛する
  • 全頭型:頭部全体が脱毛する
  • 汎発型:頭部だけでなく全身が脱毛する

円形脱毛症の種類.png

コイン程度の脱毛斑であれば、数ヶ月で自然に治るケースもありますが、脱毛が広範囲に広がっている場合は回復に時間がかかることがあります。さらに、症状が進行すればするほど、再発のリスクが上がってしまうので注意が必要です。

円形脱毛症は、かつてはストレスによって引き起こされると考えられていましたが、現在は自己免疫疾患が主な原因とされています。

参考:日本皮膚科学会「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版

脂漏性脱毛症

髪が抜ける病気として、脂漏性脱毛症も挙げられます。脂漏性不脱毛症は、頭皮の赤みやかゆみ、フケなどを伴う脱毛症です。

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌により、頭皮が炎症を起こすことで引き起こされます。この炎症は脂漏性皮膚炎といい、発症する主な原因は常在菌の一種であるマラセチア菌とされています。このマラセチア菌は皮脂をエサとしているため、皮脂の分泌量が多いと発症しやすくなってしまうのです。

粃糠(ひこう)性脱毛症

髪が抜ける病気には、粃糠性脱毛症もあります。粃糠性脱毛症も脂漏性脱毛症と同様に、発症すると脱毛のほかに頭皮の赤みやフケを伴います。そのため、この2つの脱毛症は混合されやすいですが、脂漏性脱毛症に伴うフケは脂っぽいベタベタしたフケであるのに対し、粃糠性脱毛症に伴うフケは乾燥してカサカサしているのが特徴です。

粃糠性脱毛症は、過度に発生したフケが毛穴に詰まって炎症を起こし、頭皮環境を悪化させることによって引き起こされます。フケが発生する原因には、肌質に合わないヘアケア商品や慢性的なストレス、ヘアカラーやパーマによる頭皮へのダメージなどが挙げられます。

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症も、髪が抜ける病気の一つとして挙げられます。発症すると髪の毛全体のボリュームが減るのが特徴で、特に頭頂部の脱毛症状が顕著になります。びまん性脱毛症は女性が発症することの多い脱毛症ですが、男性も発症する可能性があるため注意しましょう。

びまん性脱毛症の原因は、加齢やホルモンバランスの変化などさまざまです。

牽引性脱毛症

髪が抜ける病気には、牽引性脱毛症もあります。牽引性脱毛症は、力が加わる部分のみが薄毛になる脱毛症です。

牽引性脱毛症は、物理的に髪が強く引っ張られることによって頭皮がダメージを受けて引き起こされます。髪を結ぶことが多い女性に多い病気ですが、男性でも帽子やヘルメットによって引き起こされることがあります。

薬剤性脱毛症

髪が抜けるおそれのある病気には、薬剤性脱毛症も挙げられます。薬剤性脱毛症は、薬の服用に伴って引き起こされる脱毛症です。髪の毛だけでなく、まつ毛や眉毛なども抜け落ちてしまうことがあります。

薬剤性脱毛症の原因となる薬剤として、よく知られているものには抗がん剤があります。抗がん剤にはがん細胞だけでなく、がん細胞以外の細胞分裂も抑える作用があるため、髪の毛の成長を促す毛母細胞の分裂を抑えてしまうのです。抗がん剤の他に薬剤性脱毛症の原因になる可能性のある治療薬としては、ホルモン剤や生活習慣病の治療薬、甲状腺の治療薬などが挙げられます。

髪が抜けるおそれのある病気

ここでは、髪が抜けることが主な症状ではないものの、髪が抜けるおそれがある病気を紹介します。

  • 膠原(こうげん)病
  • 梅毒
  • 鉄欠乏性貧血
  • 甲状腺の疾患

それぞれについて詳しく説明します。

膠原(こうげん)病

髪が抜けるおそれのある病気の一つには、膠原病が挙げられます。膠原病とは、特定の病気を意味するものではなく、皮膚や内臓、血管などに炎症が起きる病気の総称を指します。たとえば、全身性エリテマトーデスや全身性強皮症などがあります。これらの膠原病は、免疫機能の異常を伴うため、自分の免疫が細胞を攻撃してしまうことで脱毛症状が引き起こされてしまう可能性があるのです。

髪の抜け方は人によってさまざまで、部分的に脱毛が生じる方もいれば、髪の毛全体が薄くなる方もいます。

梅毒

髪が抜けるおそれのある病気には、梅毒があります。梅毒は性感染症の一種であり、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで引き起こされます。梅毒に感染すると、初期には腫れやしこりができるのが特徴です。感染から2~3ヶ月が経過し症状が進行すると、発疹や脱毛症状が生じることがあります。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血も、髪が抜けるおそれのある病気として挙げられます。鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足することで、酸素を運搬する役割を果たすヘモグロビンの生産量が減少し、十分な酸素が身体に行き渡らなくなることによって生じる貧血です。

髪の毛の成長には栄養や酸素が必要なため、ヘモグロビンが不足してしまうと、髪の毛の成長の妨げとなり抜け毛が増加してしまうおそれがあるのです。

甲状腺の疾患

甲状腺の疾患も、髪が抜けるおそれのある病気の一つです。甲状腺疾患は、甲状腺ホルモンの分泌に異常をきたす病気で、バセドウ病や橋本病が挙げられます。

甲状腺ホルモンには毛母細胞の分裂を活性化させる働きがあるため、甲状腺の疾患によって甲状腺の機能に異常が起こると、毛母細胞が正常に働かなくなり抜け毛を引き起こすことがあります。

抜け毛が増えた時の対処法

ここからは、抜け毛が増えて不安に感じている方に向けて、抜け毛が増えた時の対処法を紹介します。

生活習慣を見直す

抜け毛がひどいと感じる場合には、食生活や睡眠などの生活習慣を見直してみましょう。

食生活が乱れていると、髪の毛が成長するための栄養素が不足してしまうため、薄毛になってしまいます。睡眠不足の場合も同様に、髪の毛が成長するために必要な成長ホルモンの分泌を阻害してしまうため、薄毛の原因となります。

また、生活習慣を改善するためには、下記を行うことも有効です。

  • 過度の飲酒や喫煙を控える
  • こまめにストレスを発散する
  • 適度な運動を行う

ヘアケアを見直す

抜け毛の増加に対処するには、ヘアケアを見直すことも有効です。

頭皮が敏感になっている方や乾燥肌の方は、普段使っているシャンプーを洗浄力がマイルドなシャンプーに変更してみるのがおすすめです。洗浄力の強すぎるシャンプーを使っていると、頭皮の必要な皮脂まで洗い落としてしまい、かえって頭皮環境を悪化させ、抜け毛を増加させてしまうおそれがあります。

また、頭皮を洗うときには、シャワーの温度を38度程度に設定するようにしましょう。頭皮の皮脂は温度が高いほど落ちやすくなるため、温度が高すぎると、皮脂を過剰に落としてしまう可能性があるからです。

医療機関を受診する

セルフケアをしていても「抜け毛の量がなかなか減らない…」と感じる方は、なんらかの病気を発症している可能性があるため、医療機関を受診するのがおすすめです。どの診療科を受診していいかわからない方は、まず皮膚科か内科を受診するとよいでしょう。

髪の毛や頭皮は医学的に皮膚として扱われるため、薄毛の原因によっては、皮膚科で治療を行うことができます。内科では、遺伝やさまざまな病気に関する検査が行えるため、自分の薄毛の原因を調べることができます。

自分の薄毛の症状がAGAかもしれないと思う方は、AGA専門クリニックを受診するのがおすすめです。AGA専門クリニックでは、AGAの専門知識を持った医師が、一人ひとりに合った治療薬を処方してくれます。

また、AGA専門クリニックには、オンライン診療サービスを行っているところもあります。忙しくて通院する時間がない方や、通院していることを周囲に知られたくない方は、オンラインでの受診を検討してみるのもよいでしょう。

まとめ

髪が抜ける病気には、AGAや円形脱毛症などさまざまな病気があります。1日に抜け毛が100本以上生じている方は、なんらかの病気を発症している可能性がありますので注意しましょう。

また、髪が抜けるのが主症状ではないものの、髪が抜けるおそれのある病気もあります。膠原病や梅毒を発症している方は、抜け毛が増えることがあるため注意が必要です。

抜け毛の原因が生活習慣の乱れや誤ったヘアケアなどであれば、セルフケアで改善する可能性もあります。しかし、抜け毛の原因がAGAである場合は、セルフケアのみで症状を根本的に改善することは難しいため、AGA専門クリニックを受診するのがおすすめです。

レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを行っています。診察料は無料ですので、自分の症状がAGAかもしれないと思う方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会