更新日:2026年02月06日
「薄毛に悩んでおりHARG療法に興味がある」という方もいるかもしれません。HARG療法は、ヒト由来の成長因子を直接頭皮に注入することで、自身の髪の毛の成長力を高める治療法です。この記事では、HARG療法の仕組みやメリット、費用、AGAメソセラピーとの違いなど、治療を検討する際に知っておきたい情報を詳しく解説します。高額な費用や通院が難しい方向けの代替案も紹介しているので、参考にしてみてください。
HARG療法とは、毛髪再生治療とされるAGA治療法のことです。HARG療法は、毛髪の成長を促進させる特殊な成長因子を直接頭皮に注入することで、自分自身の髪の毛の再生を目指します。
従来のAGA治療薬とは異なるアプローチのため、薬の副作用に不安を感じている方や薬の効果に満足できなかった方にとって、新たな選択肢となっています。
HARG療法は、AAPEと呼ばれるヒト脂肪幹細胞培養上清液の成長因子という生体(ヒト由来)タンパク質をメインにした、HARGカクテルと呼ばれる薬剤を直接頭皮に注入する治療法です。
HARG療法に含まれる細胞成長因子としては、次のようなものが挙げられます。
これらの作用により、治療を一定期間受けることで健康な毛髪の成長サイクルを取り戻し、髪の毛の成長を促すとされています。
HARG+(ハーグプラス)療法とは、ヒト脂肪幹細胞培養上清液をさらにろ過して、不純物を徹底的に取り除いた「エクソソーム」を直接頭皮に注入する治療法です。
エクソソームに含まれるmiRNAや成長因子、タンパク質などがさまざまな薄毛要因をブロックして薄毛の進行を抑制し、発毛を促進・持続させます。HARG+療法では従来のHARG療法よりも毛髪再生速度が速まるため、治療に対する満足度がより向上することが期待できるでしょう。
なお、HARG+療法は日本医療毛髪再生研究会に所属する医療機関のみ行えます。HARG+療法を受けられる医療機関は日本医療毛髪再生研究会のWebサイト「会員一覧」で確認できるので、気になる方は見てみてください。
参考:日本医療毛髪再生研究会「【研究会監修】HARG(ハーグ)療法の特徴解説-薄毛/AGAの専門治療」
HARG療法には、従来の薄毛治療とは異なる複数のメリットがあります。特にAGA治療薬に満足できなかった方や、副作用に不安を感じている方にとって、HARG療法は魅力的な選択肢となる可能性があるでしょう。
人工的な増毛や植毛とは異なり、自分自身の髪の毛の成長力を高められる点が、HARG療法のメリットの1つです。AAPEに含まれる150種類以上の成長因子が毛母細胞に直接働き掛けることで、自然な髪の成長を促します。
AAPE含有の薬剤は、毛髪の成長に必要な複数の成長因子を含んでいるため、単一の効果だけでなく、複合的に毛髪の成長を促します。自分の髪の毛が自然に生えてくるため、人工的な増毛のような不自然さがなく、満足のいく仕上がりになることが期待できるでしょう。
HARG療法は男性型脱毛症(AGA)だけでなく、女性特有の薄毛であるびまん性脱毛症にも効果が期待できます。女性の薄毛は、男性とは異なるメカニズムで進行することがあり、短い髪が増えたりボリュームが減って地肌が透けて見えたりする特徴があります。
女性の薄毛の原因は、以下のとおりです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
HARG療法で直接毛母細胞に働き掛けることで、女性の薄毛に対しても効果を発揮します。薄毛に悩んでいるものの内服薬や外用薬での治療を避けたい女性にとって、HARG療法は効果を期待できる治療法といえるでしょう。
HARG療法では、化学薬品ではなくヒト共通のタンパク製剤を使用するため、重大な全身性副作用の報告は少ないとされていますが、十分な長期安全性データは確立されていません。一方、従来のAGA治療薬には、性機能の低下やめまい、肝機能障害などの副作用のリスクがあります。
HARG療法の副作用リスクが低い理由は以下のとおりです。
ただし、頭皮に直接注射器や専門の注入機器で薬剤を注入するため、頭皮に赤みや鈍い痛みが生じる可能性があることを理解しておきましょう。
AGA治療薬の副作用に不安を感じる方にとって、HARG療法は全身性副作が少ないと考えられているため、比較的安心して受けられる治療法であるといえるでしょう。ただし、長期的な安全性に関する大規模データが十分ではないことには注意が必要です。なお、副作用に関しては個人差があるので、事前にクリニックで相談することをおすすめします。
HARG療法のメリットとして、一定期間治療したあとは年1~2回のメンテナンスで毛髪を維持できる点が挙げられます。薬物療法の場合は、効果を継続するには毎日の薬の服薬や塗布が必要です。一方、HARG療法は一時的に毛髪を再生させる治療ではなく、髪本来の能力を取り戻す治療であるため、年1~2回のメンテナンスで毛髪を維持することが可能です。
ただし、AGAやびまん性脱毛症は、遺伝やホルモンなどが原因のため、治療によって治るものではありません。定期的なメンテナンスが効果維持には必要となります。しかし、毎日の服薬や塗布といった煩わしさから解放される点は、大きなメリットとなるでしょう。
HARG療法には、治療を始める前に知っておくべき注意点もいくつかあります。HARG療法の注意点をあらかじめ理解しておくことで、適切な治療計画を立てられるでしょう。
HARG療法は保険適用外の自由診療で、治療費用が比較的高額です。各病院やクリニックによって独自の料金体系を取っているため一概にいくらとはいえませんが、1回あたり10万円程度が必要となることもあるようです。
1回あたり約10万円とした場合、6回1クールなど複数回数行う必要のあるHARG療法では、60万円程度が必要になることは覚悟しておきましょう。
ただし、薄毛治療は、基本的に長期間続ける治療です。投薬治療では毎月の治療費が少額で済みますが、継続的に受ける必要があります。
一方、HARG療法は発毛するまでに約1年間の初期費用はかかりますが、発毛後は生えた毛髪を維持する治療(10万円前後)を年に一度受けるだけです。
そのため、症状や治療反応によっては、結果的に費用負担が抑えられるケースもあります。自身の症状と治療法を照らし合わせて、適したほうを選びましょう。
HARG療法は頭皮に直接薬剤を注入する治療法であるため、注入方法によっては、かなりの痛みを感じることがあります。
注入法は各クリニックによって異なります。一般的な方法は、注射器を使用するパピュール法です。パピュール法では、表皮とその下にある真皮との間にHARGカクテルを注入します。頭部に1~2cm間隔で膨隆(ぼうりゅう)を作るように注射するのが特徴です。
ただし、クリニックによっては痛みを軽減するための工夫として、ブロック麻酔や笑気麻酔、麻酔クリームをなどを使用しています。
痛みについて不安がある場合は、施術前にクリニックに相談し、どのような痛み対策があるかを確認すると良いでしょう。
施術後の注意点として、施術の前後1週間はパーマやブリーチ、カラーリングなどを行えません。頭皮に針を刺して薬液を注入するHARG療法では、通常若干の出血があるためです。また、染料によって毛穴が塞がったり、毛根が傷められたりすると、想定する効果が得られない恐れがあります。
また、施術直後の洗髪や長時間の入浴、激しい運動、喫煙などを控えるように指示されるクリニックもあります。制限は医療機関によって異なるため、施術を受ける際は事前に確認しましょう。
HARG療法は比較的新しい治療法で、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインにおける推奨度は現時点では低く設定されています。標準治療ではなく、補助的・選択的治療として位置づけられているのが現状です。
。推奨度が低いのは治療の効果や安全性がないからというわけではなく、科学的にまだ十分に検証されていないためです。
したがって、HARG療法の調査や研究が今後十分に行われれば、将来正式に推奨される可能性を秘めた治療法といえるでしょう。
HARG療法とAGAメソセラピーは、頭皮に成分を注入するという共通点がありつつも、使用する薬剤の成分や1回あたりの費用相場などに違いがあります。
| HARG療法 | AGAメソセラピー | |
|---|---|---|
| 使用する薬剤の成分の違い | 成長因子という生体(ヒト由来)タンパク質がメイン | 主成分はAGA治療薬であるミノキシジルやフィナステリドなど ケラチノサイト成長因子やインスリン様成長因子、血管内皮細胞成長因子など |
| 1回あたりの料金相場 | 8〜20万円 | 2〜5万円 |
| 推奨施術回数 | 6回 | 6〜12回 |
| 施術間隔 | 3~4週間に1回 | 2~4週間に1回 |
HARG療法は、どのクリニックでも一律同じ製剤を使用するのに対し、AGAメソセラピーはクリニックによって製剤の成分が異なります。
また、HARG療法はAGAメソセラピーに比べて1回あたりの費用が高い傾向にあります。ただし、施術回数や頻度が異なるため、総額での比較が必要です。また、効果の持続性もHARG療法のほうが長い傾向があるため、長期的なコスト比較も重要です。
治療法の選択にあたっては、症状の進行度や予算、期待する効果などを考慮し、医師と相談の上決めることをおすすめします。
薄毛の治療計画を立てるにあたって、HARG療法を受ける際の全体的な流れや効果が出るまでの期間について理解しておくことが大切です。以下で解説しているので、確認しておきましょう。
HARG療法を受ける一般的な流れは以下のとおりです。
| 流れ | 内容 |
|---|---|
| 1. 初回カウンセリング・診察 | 生活環境や治療歴、遺伝など、治療に必要な情報の確認 頭髪状態や原因を診察し、適した治療方法の提案 治療計画・治療費用の見積もり |
| 2. 施術前の準備 | 頭皮の洗浄・消毒 必要に応じて麻酔 |
| 3. HARG療法の施術 | AAPE成分を頭皮に注入 注入範囲は薄毛の症状に合わせて決定 施術時間は30分〜1時間程度 |
| 4. 施術後のケア | 乾燥・消毒 マッサージ 整髪 |
| 5. 経過観察・追加施術 | 毛髪や頭皮状態の定期チェック |
なお、先述のとおりHARG療法は一度の施術で完結するものではありません。複数回の定期的な施術と経過観察が必要です。クリニックによって流れが異なる場合もあるので、詳細については各医療機関に確認すると良いでしょう。
HARG療法は、1回の施術で効果を得られる治療法ではありません。治療の効果の出方は人によって異なりますが、治療開始後3~6か月後(3~4回)ほどで治療効果が実感できるとされています。一般的に3~4週間に1回来院し、6回の治療が必要です。
すぐに効果が表れないからといって諦めず、クリニックの指定する回数の治療を続けるようにしましょう。
HARG療法は効果が期待できる治療法ですが、高額な費用や定期的な通院が難しいという方もいるかもしれません。通院や費用がネックに感じる方には、オンライン診療によるAGA治療も一つの選択肢となります。
オンライン診療でのAGA治療には、以下のようなメリットがあります。
AGA治療薬とHARG療法を併用することで、より効果的な治療が期待できる場合もあるかもしれません。薄毛の進行具合や費用面など自身の状況に合わせて、続けやすく効果の見込める治療方法を選択することが大切です。
自分に合った治療法を見つけるために、まずは医師に相談することから始めましょう。
HARG療法は、従来のAGA治療薬とは異なる毛髪再生治療です。AAPE(ヒト脂肪幹細胞培養上清液)に含まれる成長因子が直接毛母細胞に作用し、自然な髪の毛の成長を促進しますAGA治療薬で満足できなかった方や副作用に不安を感じている方、また女性のびまん性脱毛症に悩む方にとって、一つの選択肢となるでしょう。
ただし、HARG療法を検討する際には、治療費用が比較的高額であることや、施術時の痛み、施術後の生活制限、AGAガイドラインでの推奨度がまだ低いといった注意点も理解しておく必要があります。効果の実感までには3〜6か月程度かかることも念頭に置きましょう。
自分に最適な薄毛治療を行うためには、HARG療法だけでなくAGA治療薬やメソセラピーなどほかの選択肢も視野に入れ、医師と相談の上自身の症状や予算、ライフスタイルに合わせて選択することが大切です。薄毛の進行に気づいたら、早めに行動を起こすことが良い結果につながります。