更新日:2026年01月16日
ミノキシジルは、頭皮の血行改善と毛母細胞活性化で発毛を促進するAGA治療薬である
ミノキシジル外用薬は頭皮に直接塗布するため、内服薬に比べると副作用リスクが低い
ミノキシジル内服薬は腸管から吸収されるため、外用薬より強い効果が期待できる
ミノキシジルはプロペシアやザガーロとの併用で相乗効果を発揮し、治療効果が高まる
「AGA治療として名前は聞くけれど、ミノキシジルは具体的にどんな薬?」と疑問をお持ちの方も少なくありません。ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発され、その後AGA治療薬として使われるようになりました。本記事では、ミノキシジルの主な効果や副作用、外用薬と内服薬の違いを解説します。ミノキシジル外用薬の使用方法や、併用できるAGA治療薬も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ミノキシジルは、AGA治療に使用される医薬品です。ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されました。しかし、服用していた患者に多毛症という副作用が確認されたため、その後はAGA治療用に再開発されて広く使われています。
ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、それぞれ効果の強さや副作用のリスクが異なります。AGAの進行度合いや体質によって適切な濃度や形状が異なるので、十分な発毛効果を得るためには、医師に相談して自分に合った治療薬を見つけることが重要です。
ミノキシジルは頭皮の血行促進や毛母細胞の活性化によって、発毛を促進します。ここでは、ミノキシジルの主な効果を見ていきましょう。
ミノキシジルは、頭皮の血行を促進する作用があります。ミノキシジルは血管を拡張する作用があり、頭皮の毛細血管に働きかけて血流量を増加させるのです。血流が増えると、毛髪の成長に必要な酸素や栄養素が毛根まで十分に届くようになります。
血液によって運ばれる栄養素が健康な髪の毛を作る土台になるので、タンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取しましょう。ミノキシジルによる治療と並行して、栄養バランスの取れた食生活を意識すれば、発毛効果を高められます。
ミノキシジルは毛母細胞を活性化する働きがあります。髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長するため、毛母細胞の働きが弱まると髪の成長が止まり、薄毛が進行するのです。
ミノキシジルは毛母細胞の活動を促進し、休止期にある毛包を成長期へと移行させる効果があります。また、一度縮小した毛包を再び活性化する作用も認められているため、細く短くなった髪が太く長く成長できるのです。
さらに、ミノキシジルは毛母細胞のアポトーシス(古くなったり損傷したりした細胞を定期的に入れ替えるために自ら細胞が死滅すること)を抑制し、毛髪の成長が止まるのを防ぐ働きもあります。毛髪の成長が止まるのを防ぐことで、ヘアサイクルの成長期が延長され、結果として抜け毛が減少して髪の密度が改善されるのです。
ミノキシジル外用薬を効果的に使用するためには、正しい使用方法を守ることが大切です。ここでは、ミノキシジルの具体的な使い方を解説します。
ミノキシジルの浸透を高めて効果を最大限に引き出すためには、塗布する前に頭皮を清潔な状態にすることが大切です。頭皮に余分な皮脂やスタイリング剤が残っていると、ミノキシジル外用薬の有効成分が毛穴から浸透するのを妨げてしまいます。
まずは弱酸性シャンプーで頭皮の皮脂や汚れを洗い流し、よくすすぎましょう。洗髪後は柔らかいタオルで優しく水分を拭き取り、ドライヤーで乾かします。
ミノキシジルの塗布方法については、添付されている説明書や使用上の注意を熟読し、用法・用量を守りましょう。ミノキシジル外用薬を使用する際は、1回あたり1mlを1日2回、薄毛が気になる頭皮に点状に塗布することが一般的です。塗布する際は、患部に直接薬液が届くように、髪の毛ではなく頭皮全体に丁寧に塗り広げるのがポイントです。
ミノキシジルが頭皮以外に付くとかぶれる可能性があるので、ノズルやスポイトを使って髪先や首などに液だれしないよう、少量ずつ指の腹で優しく馴染ませましょう。塗布後は手に付いた薬液を洗い流します。
ミノキシジルを塗布したあとは、指の腹を使って頭皮全体を軽く1~2分マッサージすると、薬剤が頭皮に均等に行きわたります。マッサージ後は、少なくとも4時間程度は頭皮を清潔な状態に保ち、薬剤が十分に浸透するのを待ちましょう。ただし、添付の説明書にミノキシジル塗布後のマッサージを禁止している場合は、避けるのが無難です。
ミノキシジルを塗布するタイミングは、洗髪後や就寝前など、そのあとの4時間は頭皮が濡れない時間帯を選びましょう。適切な塗布手順と生活習慣の工夫によって、ミノキシジルの発毛効果を引き出しやすくなります。
ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、ミノキシジルの外用薬と内服薬の違いを見ていきましょう。
ミノキシジルの外用薬は、頭皮に直接塗布して使用します。外用薬は、副作用のリスクが比較的低いのがメリットです。薬剤が頭皮から吸収されるので、全身への影響が限定的になります。また、薄毛が気になる部分に集中的に使用することも可能です。
日本ジェネリック株式会社の『』によると、ミノキシジルの効果を実感するには、少なくとも4ヶ月毎日使用する必要があります。ミノキシジル外用薬の市販品では1%や5%の濃度が一般的ですが、医療機関ではより高濃度の製剤を処方される場合もあります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
参考:日本ジェネリック株式会社『ミノキシジルローション5%「JG」』
ミノキシジルの内服薬は、外用薬よりも強い発毛効果が期待できます。ミノキシジル内服薬は腸管から吸収されて全身に薬剤が行きわたるので、頭皮全体に均一に作用するのです。
また、ミノキシジル内服薬は使用の手軽さも魅力です。外用薬のように塗る手間がかからず、1日1〜2回の服用で済むため忙しい方も継続しやすい治療法といえます。
ただし、ミノキシジルの内服薬は、日本国内においてAGA治療薬として国の承認を得ていません。ミノキシジル内服薬は全身に作用するので、外用薬に比べて副作用のリスクが高まります。そのため、ミノキシジルの内服薬は、医師の処方と管理のもとで使用する必要があり、メリットとリスクを慎重に検討しなければなりません。
ミノキシジルは剤形によって、生じる副作用が異なります。ここでは、ミノキシジルの外用薬と内服薬それぞれの副作用をまとめました。
ミノキシジル外用薬の主な副作用は、頭皮の炎症反応です。具体的には、頭皮のかゆみや赤み、フケの増加などが挙げられます。
厚生労働省の「再審査報告書」によると、ミノキシジル外用薬の副作用発現率は8.82%です。頭皮の乾燥が原因のかゆみやフケの場合は、頭皮に優しいシャンプーに変えたり、保湿したりするのが有効な対策です。ミノキシジル外用薬の副作用は、使用を中止すれば落ち着く傾向にありますが、症状が強い場合は医師に相談しましょう。
参考:厚生労働省「薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 資料」
ミノキシジルの内服薬は、もともと高血圧治療薬として開発された薬剤であるため、血圧が低下して眩暈が生じる場合があります。動悸が出ることもあるので、心臓疾患のある方は注意が必要です。
また、内服薬が全身に作用することで、本来の目的ではない多毛症という副作用が現れる場合もあります。多毛症は頭髪だけでなく、顔や腕、背中などの体毛が濃くなる現象です。こうした全身性の副作用は、外用薬と比較して内服薬の方が出やすい傾向があるため、使用する際は医師と相談し、メリットとリスクを十分に理解することが重要です。
ミノキシジルは単剤使用の場合も育毛効果がありますが、ほかのAGA治療薬と併用すれば、より高い効果が期待できます。ここでは、ミノキシジルと相性の良いAGA治療薬を見ていきましょう。
プロペシアは、AGA治療の内服薬です。プロペシアはミノキシジルとは異なるメカニズムで薄毛に働き掛けるので、併用するとそれぞれの効果を補完し合えます。
プロペシアの主な作用は、5α-リダクターゼという酵素を阻害することです。5α-リダクターゼはテストステロンをDHTに変換する働きがあり、DHTは毛根を萎縮させる原因となります。プロペシアがDHTへの変換を抑えることで、DHTの生成量が減り、脱毛の進行を抑制できるのです。
ミノキシジルは前述のように、血流改善と毛母細胞の活性化に作用します。そのため、プロペシアで脱毛の原因を抑えながら、ミノキシジルで新しい髪の成長を促せる組み合わせの治療方法といえます。
ザガーロもプロペシアと同様に、AGAの進行を抑制する内服薬です。ザガーロの作用メカニズムにはプロペシアとの違いがあり、ミノキシジルとの併用でより強力な効果が期待できます。
ザガーロは、5α-リダクターゼのI型とII型の両方を阻害するのが特徴です。プロペシアがII型のみを阻害するのに対し、ザガーロは両方のタイプに作用するので、DHTの生成をより効果的に抑制できます。ザガーロでDHTによる脱毛を強力に抑制し、ミノキシジルで新しい髪の成長を促進するという相乗効果が期待できるでしょう。
ミノキシジルは医師に処方してもらうのがおすすめです。ミノキシジル外用薬は、ドラッグストアや薬局でも第一類医薬品として購入できますが、市販されているミノキシジルの濃度は5%以下に限定されています。
病院やクリニックでは、AGAの進行度合いや患者の健康状態に応じて、医師がより高濃度の製剤を処方することが可能です。医師はミノキシジルの効果を最大限に引き出すために、プロペシアやザガーロといった脱毛抑制作用のある内服薬を併用する治療計画も提案できます。
また、病院でミノキシジルを処方してもらえば、使用中に副作用やアレルギー反応が発生した場合にすぐに適切な対処法を受けられたり、代替治療について相談できたりする安心感もあるでしょう。
ここでは、ミノキシジルに関してよくある質問をまとめました。以下で、質問に詳しくお答えします。
ミノキシジルの内服薬は、日本ではAGA治療薬として承認されておらず、使用には注意が必要です。ミノキシジルは血圧低下や動悸、むくみといった副作用が起こる可能性があります。そのため、循環器系に既往歴がある方は、ミノキシジル内服薬の服用を避けるのがおすすめです。
効果や価格の安さからミノキシジルの内服薬を個人輸入で入手し、自己判断で服用するのは危険なため、避けましょう。ミノキシジル内服薬を服用する場合は、医師の管理のもと、正しく服用する必要があります。
ミノキシジルは継続使用が基本の治療法であり、一般にミノキシジルを中止すると、得られた増加分は数か月(概ね3〜4か月を目安)で徐々に失われ、半年くらいで治療前の状況に戻ることが多いです(個人差あり)。そのため『継続が必要』である点を理解してください。AGAが再発する理由は、ミノキシジルがAGAの根本原因を治すわけではなく、症状を一時的に改善させているためです。
ただし、プロペシアやザガーロなどの内服薬を併用している場合は、それらを継続すればミノキシジル中止後の脱毛をある程度抑えられる可能性があります。
ミノキシジルを中止する場合は、医師に相談して代替治療を行ったり、段階的に減薬したりするのがおすすめです。AGA治療は短期間で完了するものではなく、長期的な視点で取り組むことが重要になります。ミノキシジルに限らず、継続的なケアと医師によるサポートを受けながら、自分に合った治療法を見つけましょう。
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ミノキシジルは、もともと高血圧治療薬として開発され、その後に発毛効果が確認されたことでAGA治療薬として使われるようになりました。ミノキシジルは血行促進と毛母細胞活性化の効果があり、発毛を促進するのが特徴です。
ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、それぞれ特性が異なります。外用薬は比較的副作用が少なく、初めての方にも使いやすいのが魅力です。内服薬はより強力な効果が期待できますが、副作用リスクも高まります。AGAの治療効果を高めたい場合は、ミノキシジルとプロペシアやザガーロなど、作用メカニズムの異なる治療薬を併用するのも選択肢の一つです。
ミノキシジル外用薬はドラッグストアや薬局で入手可能ですが、市販薬の場合は濃度に限度があるため、自分の症状や体質に合った治療を受けたい場合は医師に相談して処方してもらいましょう。