更新日:2023年12月22日
わかめを食べると髪の毛が増える?髪の毛に必要な栄養素について紹介
- わかめを食べると髪の毛が増えるという噂に医学的根拠はない
- 頭髪の成長にはタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルがバランスよく必要
- わかめにはミネラルが豊富に含まれている
- 頭髪の成長を助けるわかめ以外の食材は、タンパク質やビタミンを多く含むもの
- 薄毛の根本的改善ならAGA専門機関への受診がおすすめ
わかめを食べると髪の毛が増えるという噂を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。髪の健全な成長のためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなど十分な栄養素をバランスよく摂取することが重要になってきます。
そこで、今回はわかめの栄養素は髪の成長の助けになるのかについて解説します。また、わかめ以外に髪の毛の成長を促す食材についても紹介するので、参考にしてください。
わかめを食べると髪の毛が増える?
「わかめを食べると髪の毛が増える」という噂には、医学的根拠はありません。
頭髪は毛乳頭細胞の死んだ細胞がもととなっており、毛乳頭細胞が増殖することで髪の毛の根元から押し出される形で伸びていきます。そのため、頭髪が成長するには毛乳頭細胞の増殖を促すタンパク質、ビタミン、ミネラルが必要です。
わかめにはミネラルが豊富に含まれていますが、タンパク質やビタミンなどはそれほど含まれていないので、わかめを摂取するだけでは髪の毛が増えません。 頭髪の健全な成長のためにわかめを摂取する場合は、わかめ単体を摂取するのではなく、他の食材と組み合わせてバランスよく栄養を摂取する必要があります。
髪の毛の成長を促すわかめの栄養素
ここでは、わかめに含まれている栄養素と、その栄養素がどのように髪に影響を与えるか解説します。
わかめに含まれている栄養素
市販されているわかめには、カットわかめ(乾燥)と生わかめの2種類があります。文部科学省の食品成分データベースによると、それら2種類の100gあたりに含まれている栄養素は以下のとおりです。
カットわかめ | 生わかめ | |
タンパク質 | 17.9g | 0.9g |
脂質 | 4.0g | 0.6g |
炭水化物 | 42.1g | 3.4g |
鉄 | 6.5mg | 0.3mg |
亜鉛 | 2.8mg | 0.2mg |
銅 | 0.13mg | 0.02mg |
ビタミンB1 | 0.07mg | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0.08mg | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.01mg | 0.01mg |
どちらとも髪の成長に必要なミネラルがバランスよく含まれていますが、それ以外の栄養素は他の食品と比べて少ない傾向があります。そのため、髪を成長させるにはわかめだけを摂取するのでなく、ほかの食品と一緒にバランスよく摂取することがおすすめです。
参照元:文部科学省 食品成分データベース「藻類/わかめ/カットわかめ/乾」「藻類/わかめ/めかぶわかめ/生」
わかめの栄養素が髪に与える影響
海藻類であるわかめにはミネラルが豊富に含まれています。ミネラルの中でも亜鉛、鉄、銅は髪の毛の大本である毛乳頭細胞の増殖に必要な栄養素であり、毛乳頭細胞の増殖を促進する効果があります。
亜鉛はケラチンというタンパク質を生成する際に使用されます。髪の毛の主成分はケラチンであるため、亜鉛を摂取することが髪の成長につながります。
鉄分は血液の成分である赤血球の材料の1つです。鉄分が不足すると身体の細胞に酸素が届きにくくなり細胞の活性が低下しやすくなります。そのため、髪の毛を成長させるためには鉄分が不足しないよう摂取する必要があります。
銅は髪の黒色色素であるメラニンを生成する際に必要な栄養素です。メラニン色素はチロシンというアミノ酸を材料にチロシナーゼという酵素によって生成されます。そして、チロシナーゼの活性化に銅が必要であるため、白髪の抑制のためにも十分な銅の摂取が必要です。
わかめを手軽に食べる方法
わかめを手軽に食べる方法として、乾燥わかめを常備し、サラダや味噌汁、スープなどに追加すると良いでしょう。乾燥わかめはみそ汁やスープなどにそのまま入れて調理することが可能な商品が多く、普段の食生活に取り入れやすいです。また、水で戻して食べやすいサイズにカットして生野菜のサラダに混ぜたり、ポン酢やお酢と合わせて酢の物にしたりするのもおすすめです。
髪の毛の成長に良いわかめ以外の食べ物
牛肉や魚、大豆、卵などたんぱく質を多く含む食品や、緑黄色野菜やナッツ類、バナナなどの果物にはビタミンが多く含まれています。わかめとともにそれらの食材をバランスよく普段の食生活に摂り入れることで、髪の成長を促すことができるでしょう。
肉・魚・大豆・卵
肉や魚、大豆、卵はタンパク質が多い食品で、ビタミン類もバランスよく含まれています。タンパク質と脂質は頭髪の材料となり、ビタミン類は毛乳頭細胞の増殖や活性化を行う際に必要な栄養素です。
特に卵は栄養素のバランスが良く、食材としても使いやすいため日々の食事に積極的に摂り入れるのがおすすめです。文部科学省の食品成分データベースによると、卵100g中に含まれている栄養素は下記のとおりです。
- タンパク質:12g
- 脂質:13g
- 炭水化物:0.4g
- 鉄:2.2mg
- 亜鉛:1.6mg
- 銅:0.08mg
- ビタミンB1:0.1mg
- ビタミンB2:0.32mg
- ビタミンB6:0.1mg
また、肉類は卵と同様にタンパク質が多く含まれていますが、肉類は部位や種類によっては脂質が多い傾向にあるため、鶏むね肉やささみなどなるべく低脂質で高タンパク質な肉類を食事に使用すると良いでしょう。脂質を過剰摂取すると頭皮の皮脂分泌量が多くなり、頭皮環境の悪化を招いてしまいます。
参照元:文部科学省 食品成分データベース「卵類/うこっけい卵/全卵/生」
緑黄色野菜・ナッツ類・果物
緑黄色野菜やナッツ類、果物にはどれもビタミン類とミネラルが豊富に含まれています。特に、ニンジンやホウレン草など緑黄色野菜と呼ばれる色の濃い野菜には、ビタミンA(βカロテン)が豊富に含まれており、頭皮の保湿やターンオーバーの正常化といった効果があります。
また、ナッツ類には皮脂の分泌に必要な脂質や、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの脂溶性ビタミンが多く含まれています。果物類にはビタミンとミネラルがバランスよく含まれています。
ナッツ類以外はカロリーが少ない傾向にあるので、メインの食材と組み合わせたり副菜などとして摂取したりするとよりバランスの取れた食生活になるでしょう。 ただ、ナッツ類は脂質が多く、脂質を過剰に摂取してしまう可能性があるため、少量を定期的に摂取するのがおすすめです。
髪の毛を早く伸ばす食べ物については、「髪を早く伸ばす方法は?髪を早く伸ばす食べ物やシャンプーなどについて解説」を参照してください。
薄毛改善なら専門機関への受診がおすすめ
ここまで頭髪に必要な栄養素を摂取するためにどういった食事内容が良いか紹介してきましたが、それらはあくまで治療の補助であり根本的な薄毛改善にはなりません。
薄毛を根本的に治療・改善するためには、AGA専門クリニックへの受診がおすすめです。薄毛の中でも特にAGA(男性型脱毛症)は、一度脱毛が起きてしまうと抜けた毛を復活させることは難しく、早期診断と早期治療が非常に重要です。
専門機関を受診した際には、医師による問診や視診、触診などによるAGAかどうかの診断が行われ、AGAと診断された場合は治療薬が処方されます。治療薬としては、AGAの原因となるジヒドロテストステロンの産生を阻害する5αリダクターゼ阻害薬や、頭皮の血行促進効果などによって毛乳頭細胞の増殖を促進するミノキシジル外用剤などが使用されます。
AGAは遺伝的要因による影響が大きい疾患で、家族にAGAの既往歴がある人はAGAを発症しやすい傾向にあるため、AGAの家族歴があって薄毛が気になっている人はAGA専門機関への受診がおすすめです。 対面のクリニックの他に、最近ではオンラインでビデオ通話や電話等を通して診察を行うサービスも増えてきています。忙しくてクリニックを受診する時間がない方や、通院していること周囲に知られたくないと考えている方は、是非利用を検討してみてください。
AGA治療については、「AGA治療で後悔する原因5つと対策」でも詳しく解説しています。
まとめ
わかめを食べると髪の毛が増えるかどうかついて解説しました。わかめにはミネラルが豊富に含まれていますが、それ以外の栄養素が少ない傾向にあります。そのため、わかめだけを摂取するのではなく、乾燥わかめなどをスープやサラダなどに混ぜて、日々の食事に少しずつ摂り入れるとより髪の成長の助けになるでしょう。
また、薄毛の症状が出ている場合はAGAを発症していることが多いため、できるだけ早期にAGAクリニックを受診し、治療を開始することが重要です。少しでも薄毛が気になった人は、専門機関で受診することを検討してみると良いでしょう。