更新日:2026年03月03日
「亜鉛は薄毛対策に効果がある?」と気になっている方もいるかもしれません。亜鉛は髪の主成分であるケラチンの合成をサポートしたりヘアサイクルを整えたりする働きがあり、適切な量を摂取することで薄毛対策に役立つと考えられます。
本記事では、亜鉛の役割や適切な摂取方法、注意点について解説します。亜鉛摂取により薄毛が改善しない場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
亜鉛は必須ミネラルの一つで、人が健康を維持するために欠かせない栄養素です。
アミノ酸からタンパク質を再合成する過程に必要とされており、健康で丈夫な皮膚や筋肉、骨、髪を形成するために欠かせません。そのほか、細胞にダメージを与える「活性酸素」を除去する酵素や味蕾細胞(味覚を感じる細胞)、免疫細胞の働きにも関与します。
亜鉛は体内では作り出せないため、食事から摂取する必要があります。
亜鉛不足は主に偏った食事や過度な飲酒によって起こり、髪を含む多くの身体機能に影響を与えます。ここでは亜鉛が不足する原因や身体への影響について見ていきましょう。
亜鉛不足の主な原因は、食生活の乱れです。インスタント食品やジャンクフード、加工食品などは亜鉛の含有量が少ない傾向があり、これらがメインの食事を続けると亜鉛不足を招きます。また、ダイエットのために過度な食事制限を行うと亜鉛の摂取量が減り、亜鉛不足になるおそれがあります。
そのほか、亜鉛は肉や魚などの動物性食品に多く含まれますが、ベジタリアンやビーガンの方は動物性食品を避けるため、亜鉛不足になりやすいと考えられます。
過度な飲酒も亜鉛不足を招く要因です。アルコールは腸からの亜鉛吸収を妨げるだけでなく、尿中への亜鉛排出を増加させます。
亜鉛不足は薄毛や抜け毛を招くだけでなく、身体にさまざまな影響を及ぼします。たとえば味覚障害が起こることがあり、食べ物の味がわからなくなったり苦味を感じたりします。
亜鉛不足は皮膚にも影響を与え、肌の乾燥や湿疹、傷の治りが遅いといった症状が出ることがあります。
さらに、男性の亜鉛不足は精子の運動率や精子数といった生殖機能にも悪影響を及ぼすとされており、ときにはED(勃起障害)を引き起こす場合もあります。
亜鉛不足が薄毛の原因となり得る理由は、亜鉛が髪の主成分であるケラチンの合成をサポートしたりヘアサイクルを整えたりするためです。ここでは、亜鉛摂取がなぜ薄毛対策に役立つのか解説します。
亜鉛には、髪の毛の主成分であるケラチンの合成を促す役割があります。髪の毛は約90%がケラチンというタンパク質でできており、亜鉛はケラチンの合成に必須の栄養素です。亜鉛が不足するとケラチンの合成が滞り、結果として髪の成長や強度に悪影響を与えます。
亜鉛不足を回避することで、健康な髪が育ちやすくなり薄毛の改善に役立つでしょう。
「ケラチンとは?髪への影響と、不足する原因・補う方法について解説」ではケラチンの役割やケラチン不足を補う方法などについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
亜鉛には、ヘアサイクルを整える役割もあります。ヘアサイクルとは成長期・退行期・休止期という髪の生え変わりの周期のことで、ヘアサイクルが乱れて成長期が短くなると、髪が十分に成長しないまま抜け落ちて薄毛の原因となります。
亜鉛の適切な摂取により髪の成長を促す毛母細胞が活性化すると、ヘアサイクルが整いやすくなるとされています。ヘアサイクルが正常化することで、髪が成長しやすくなって薄毛の改善につながるでしょう。
ヘアサイクルについては「ヘアサイクル(髪の毛の周期)とは?オンライン診療でAGA対策を!」の記事でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
亜鉛の摂取により薄毛の予防・改善につなげるには、1日の推奨量を守って摂取したり亜鉛を豊富に含む食品を積極的に食べたりすることが大切です。ここでは、亜鉛を効率よく摂取するための方法を3つ紹介します。
亜鉛摂取による薄毛の予防・改善効果を最大限得るには、年齢や性別に応じた1日あたりの推奨量を摂取することが大切です。厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」によると、成人男性・女性の亜鉛の1日の摂取推奨量は下記のとおりです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | 9.0mg | 7.5mg |
| 30~49歳 | 9.5mg | 8.0mg |
| 50~64歳 | 9.5mg | 8.0mg |
| 65~74歳 | 9.0mg | 7.5mg |
| 75歳以上 | 9.0mg | 7.0mg |
※妊婦(中期・後期)の場合は+2.0mg、授乳婦の場合は+3mg付加する
なお、詳しくは後述しますが亜鉛の過剰摂取は体調不良を招くため、「摂取量が多ければ多いほど良い」というわけではありません。年齢や性別に応じた適切な量を摂取することが重要です。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
亜鉛の1日の推奨量を食事で摂れるよう、亜鉛を豊富に含む食品を積極的に食べましょう。亜鉛を多く含む食品の例は、下記のとおりです。
| 食品 | 100gあたりの亜鉛含有量 |
|---|---|
| 牡蠣(くん製油漬缶詰) | 25.0mg |
| かつお類(塩辛) | 12.0mg |
| ビーフジャーキー | 8.8mg |
| スモークレバー | 8.7mg |
| ごまさば(さば節) | 8.4mg |
| カタクチイワシ(田作り) | 7.9mg |
| 牛ひき肉(焼き) | 7.6mg |
| パルメザンチーズ | 7.3mg |
| 乾燥まいたけ | 6.9mg |
| 脂身つきリブロース(ゆで) | 6.5mg |
上記のほかにも、かぼちゃの種・アーモンドといったナッツ類や大豆製品などにも亜鉛が含まれています。これらの食品を日々の食事に取り入れることで、亜鉛の摂取量を増やせるでしょう。
亜鉛はクエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収率を高められます。クエン酸やビタミンC、動物性タンパク質を多く含む食材の例は下記のとおりです。
牡蠣を使った料理にレモン汁をかける、牛ひき肉とピーマンの炒め物を作るといった方法により、亜鉛を効率よく摂取でき薄毛対策につながるでしょう。
亜鉛摂取は薄毛対策に役立ちますが、摂り方を間違えるとかえって抜け毛を招いたり効率的に摂取できなかったりするおそれがあります。ここでは、亜鉛摂取による薄毛対策の注意点について解説します。
一般的な食事で亜鉛の過剰摂取は起こりにくいとされていますが、サプリで上限量を守らず過剰摂取すると、かえって抜け毛を招くおそれがあります。亜鉛の過剰摂取によりほかの栄養素の吸収が妨げられ、髪に十分な栄養が届かなくなって抜け毛の原因となるためです。
厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」によると、成人男性・女性の亜鉛の1日あたりの耐容上限量(健康障害のリスクがないとされる上限量)は下記のとおりです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | 40mg | 35mg |
| 30~49歳 | 45mg | 35mg |
| 50~64歳 | 45mg | 35mg |
| 65~74歳 | 45mg | 35mg |
| 75歳以上 | 40mg | 35mg |
サプリによる亜鉛の過剰摂取は、抜け毛以外にも頭痛や吐き気、貧血といった症状を引き起こす恐れがあります。サプリで亜鉛を摂取する場合は成分名や含有量を確認し、1日あたりの耐容上限量を超えることがないよう気を付けましょう。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
亜鉛を意識的に摂取しても、下記のような吸収を妨げる成分や食品を過剰に摂ると効果が減少します。
特にフィチン酸は、亜鉛と結合することで亜鉛の吸収を妨げるとされています。普段の食事で適量を摂る分には問題ありませんが、特定の食材に偏ったり加工食品だけの食事が続いたりしないよう注意が必要です。
亜鉛の1日の推奨量を継続的に摂取しても薄毛が改善しない場合、薄毛の原因がAGAであるかもしれないため医療機関の受診がおすすめです。ここでは亜鉛で薄毛が改善しない場合に考えられる原因や対処法について解説します。
AGAは男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が毛根に作用して引き起こされる進行性の脱毛症です。食事やサプリ摂取による、AGAの改善効果は限定的です。
特に30代以降の男性で前頭部や頭頂部が薄くなり始めた場合は、男性型脱毛症(AGA)の可能性があります。
亜鉛摂取によるセルフケアを3〜6ヶ月ほど続けても薄毛が改善しない場合や、急に髪が細くなったと感じる場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。AGAの症状が悪化する前に適切な治療を行うことで、進行を抑制したり発毛効果を得たりしやすくなるでしょう。
薄毛治療で皮膚科やAGA専門クリニックに行くことに抵抗がある場合、オンライン診療で相談するのがおすすめです。オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使って自宅や自分の好きな場所で医師に相談できます。
フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといったAGA治療薬は自宅やコンビニなどで受け取れるため、薬局に行く手間がないのもメリットです。自宅や職場の近くに皮膚科やAGA専門クリニックがない方も、通院の負担がないため治療を続けやすいでしょう。
診察料を無料としているクリニックもあるため、まずは気軽に相談してみてください。
亜鉛は薄毛対策において重要な栄養素です。髪の主成分であるケラチンの合成をサポートしたり、ヘアサイクルを整えたりする効果があります。
亜鉛を効果的に摂取するには、1日の摂取推奨量を守り、牡蠣や肉類、ナッツ類などの亜鉛を豊富に含む食品を積極的に食べることが大切です。また、タンパク質やビタミンCなど、亜鉛の吸収を高める栄養素と一緒に摂取するとより効果を得やすいでしょう。
亜鉛を適切に摂取しても薄毛が改善しない場合には、AGAなど他の原因が考えられますので、医師の診察を受けることをおすすめします。