更新日:2025年05月26日
「20代なのに薄毛が気になり始めた」「20代の薄毛対策を知りたい」とお悩みの方もいるでしょう。20代で薄毛の症状が見られる場合、AGAの可能性もあるため、注意が必要です。早期に治療を始めることで、さまざまなメリットを期待できます。
この記事では、20代の薄毛の原因や対策、治療方法、早期治療のメリット・デメリットなどを解説します。薄毛にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
20代であっても、薄毛の症状があらわれることがあります。20代の薄毛の原因は、主に以下の3つが考えられます。
それぞれ見ていきましょう。
不規則な生活習慣が、薄毛を引き起こすことがあります。栄養バランスの悪い食生活や慢性的な寝不足が、髪の成長を妨げてしまうためです。
髪の毛は、食事で摂取する栄養素によって作られます。とくに、タンパク質・ビタミン・ミネラルは、毛髪の成長に欠かせません。栄養バランスの偏った食生活が続けば、髪の成長を促す大切な栄養素が、頭皮や毛髪に届かなくなってしまうでしょう。
また、慢性的な睡眠不足の状態では、髪の成長に必要な成長ホルモンが正常に分泌されなくなり、薄毛を引き起こす原因につながります。
過度なストレスも、薄毛の原因のひとつです。
長期的なストレスにさらされると、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」の血中濃度が上がりやすくなります。
コルチゾールの過剰分泌は、免疫力の低下や血糖値・血圧の上昇、糖尿病・心筋梗塞のリスク上昇など、健康状態の悪化を招きます。毛髪の健やかな育成には、良好な健康状態が欠かせません。過度なストレスは、薄毛のリスクを高めてしまう原因です。
また、ストレスにより自律神経が乱れれば、血行不良にもつながります。血行が悪くなれば、髪に必要な栄養が十分に行きわたりません。
20代の薄毛の原因は、AGA(男性型脱毛症)の可能性も考えられます。AGAとは、男性ホルモンや遺伝が関連した脱毛症のことです。壮年期の男性に多い症状であるものの、20代も発症するケースがあるため、注意しましょう。
男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」の働きが強い状態では、毛髪の生成が阻害され、薄毛や抜け毛につながります。
ジヒドロテストステロンと結合することでAGAを引き起こすのが、AR受容体とも呼ばれる男性ホルモン受容体です。男性ホルモン受容体の数は、遺伝子によって決まります。そのため、AGAの発症には遺伝的な要素も関係すると考えられています。
「もしかして、自分はAGAなのでは?」と気になることもあるかもしれません。20代のAGAの主な症状には、以下の例が挙げられます。当てはまる症状がないか、チェックしてみましょう。
それぞれ解説します。
抜け毛の増加による毛量の変化は、AGAの初期症状のひとつといえます。AGAには、以下に挙げる「毛周期」のサイクルが短くなり、通常に比べて抜け毛の量が多くなる特徴があるためです。
個人差があるものの、日本人の場合、1日のうちに自然に抜ける髪の本数は約50~100本と考えられています。「100本を大幅に超える抜け毛がある」「以前より明らかに抜け毛の量が多い」というケースでは、AGAを発症している可能性があります。
「額が広がる」という状態も、AGAの初期症状として挙げられます。AGAでは、額などの生え際の髪が薄くなる傾向が見られるためです。
「額の生え際から約5mm〜1cm離れたところに、数本ずつまばらに髪の毛が生えている」という状態の場合、生え際が徐々に後退している可能性があります。
つむじの薄毛も、AGAの初期症状のひとつです。
つむじに生えている髪が以下の状態の場合、AGAの可能性が考えられるでしょう。
つむじは自分では確認しづらい箇所のため、薄毛が進行してから気づく場合もあります。
20代の薄毛にはさまざまな原因が考えられ、原因に合わせて対策することが大切です。
ここでは、20代からできる薄毛対策を紹介します。
できることから実践していきましょう。
「栄養バランスの整った食事をとる」「十分な睡眠時間を確保する」など、生活習慣の見直しを図りましょう。
栄養バランスのよい食事は、頭皮の状態を整え、髪の成長をサポートします。脂っぽい食事の摂りすぎは、皮脂の過剰分泌で頭皮環境を悪化させてしまう恐れがあるため、控えましょう。
成長ホルモンの分泌に影響を与えないよう、睡眠をしっかりとることも大切です。「忙しくてなかなか睡眠時間を確保できない」という場合は、良質な睡眠がとれるよう、就寝前は以下のポイントを心がけましょう。
実践しやすいことから取り組み、生活習慣を改善しましょう。
自分なりのストレス解消方法を見つけ、適宜リフレッシュすることも大切です。「疲れたらしっかり休む」「好きな音楽を聴く」など、ストレスをため込まないよう工夫してみてください。
ウォーキングやジョギングなどの適度な運動は、ストレス解消や血流改善に効果的といわれています。リラックス・リフレッシュ効果が期待できる、アロマテラピーやマッサージなどを取り入れてもよいでしょう。
「ヘアケアを意識してこなかった」という人はとくに、正しいヘアケアができているかどうか見直しましょう。以下に挙げるような誤ったヘアケアは、頭皮を傷つけて髪の毛の成長を妨げてしまう恐れがあるためです。
健やかな頭皮環境を保てるよう、以下のポイントを意識しましょう。
頭皮へのダメージが少ないシャンプーを選ぶのもよいでしょう。ヘアケア用品が皮脂と一緒に頭皮に詰まり、髪の毛の成長を妨げてしまうことがあるため、洗髪後はすすぎ残しのないよう、しっかり洗い流しましょう。
頭皮マッサージは、頭皮の血行を改善し、発毛を促す効果を期待できます。
乾燥や血行不良によって頭皮が硬くなっていると、髪の毛の正常な発育を妨げてしまうため、マッサージなどで適度にほぐすことが大切です。
後頭部からはじめて側頭部、頭頂部、前頭部という順番でマッサージすることで、血流の増加を促します。爪を立てず、指の腹を頭皮につけた状態で、小さく弧を描くようにゆっくり圧をかけることがポイントです。頭皮のダメージにつながるため、大きな弧を描かないよう注意しましょう。
プロの手によるヘッドスパに通い、マッサージ効果とともにリラックス効果を得ることもおすすめです。
20代の薄毛対策には、発毛剤や育毛剤を使用する方法もあります。
発毛剤とは、ヘアサイクルを正常に戻し、毛髪の成長を促す医薬品です。発毛剤に配合されているミノキシジルは、発毛作用がある成分として厚生労働省から認可を受けています。医師の処方によって入手できるほか、ドラッグストアなどで薬剤師と対面し購入することも可能です。
育毛剤は、フケを予防し頭皮環境を整えるアイテムです。育毛をサポートする効果を期待できます。育毛剤の多くが医薬部外品であり、発毛剤に比べてリーズナブルな価格であることが特徴です。ただし、発毛剤と比べると作用が穏やかなケースが多いでしょう。
さまざまな種類の発毛剤・育毛剤があり、成分も多岐にわたるため、自分の症状や目的に合わせて選びましょう。
薄毛専門クリニックに相談することも、有効な手段です。AGA治療には、口から摂取する「内服薬」と、外からアプローチする「外用薬」が用いられています。
それぞれの特徴は、次のとおりです。
AGA治療で処方される主な内服薬には、「プロペシア錠」や「ザガーロ錠」があります。
プロペシア錠は、「フィナステリド」を主成分とした治療薬です。フィナステリドとは、AGAの主な原因となる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」を抑制し、薄毛の進行を防ぐ効果がある有効成分です。
フィナステリドを主成分とする治療薬には、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の「フィナステリド錠」もあります。
ザガーロ錠は、「デュタステリド」という成分を含むAGA治療薬です。ジヒドロテストステロンを生み出す還元酵素の5αリダクターゼII型を阻害するフィナステリドとは異なり、5αリダクターゼI型と5αリダクターゼII型の両方の阻害効果を期待できます。
いずれの内服薬にも、副作用や服用における注意点があります。持病がある方や薬を服用中の方は、医師に申告しましょう。
AGAの主な外用薬としては、「ミノキシジル」が挙げられます。ミノキシジルは、薄毛・脱毛症の治療に用いられる液状の塗り薬です。頭皮の細胞を活性化し、発毛を助ける効果を期待できます。
ミノキシジル外用薬は、プロペシア錠やザガーロ錠などの処方箋が必要な内服薬とは異なり、市販で手に入れることも可能です。
20代からAGA治療を始めることで、次のようなメリットを期待できます。
それぞれのメリットについて、解説します。
AGAの進行を抑制できる点は、20代から治療を始めるメリットといえます。早期治療によって、AGAの進行を遅くできるためです。早期に治療を始めることで毛髪の成長サイクルが正常化し、脱毛を抑制できる可能性が高まります。
薄毛の症状が軽い段階から治療薬を活用することで、より効果的な治療が期待できます。20代のAGAは、毛周期の乱れも比較的軽度である可能性が高いでしょう。薄毛が進行してしまう前に、治療のスタートを検討してみてください。
20代からAGA治療を始めることで、治療の選択肢が広がるメリットもあります。薄毛が進行する前であれば、より多くの治療方法から自分に合うものを検討できるでしょう。
AGA治療には、以下のような選択肢があります。
早めの対策で、自分にあった治療法や効率のよい治療法を見つけましょう。
治療費を安く抑えやすい点も、20代でAGA治療を始めるメリットのひとつです。
AGA治療では、「進行を遅らせる」「発毛を促す」など、治療目的ごとに費用がかかることが一般的です。20代で症状が軽度であれば、「進行を遅らせる治療のみ」「外用薬のみ」などで症状が改善する可能性があります。
また、症状が進んでから治療した場合、以下のような理由から費用がかさむリスクが高まります。
早い段階で治療を始めることで、結果的に治療費の削減につながるでしょう。
20代でAGA治療を始めることで、以下のようなデメリットが生じることがあります。
それぞれのデメリットについて解説します。
AGA治療を受けることで、以下のような副作用が生じる可能性があります。
このような副作用が起こる確率は、決して高くはありません。使用する治療薬の種類や、使用する方の年齢・体質などによってもリスクは異なります。ただし、20代から治療を始める場合は、メリットだけでなく、これらの副作用のリスクについてもきちんと理解しておくことが大切です。
治療を始める際は医師としっかり話し合い、治療薬の用法・用量を守りましょう。副作用が起きた場合は治療薬の使用を中止して、医師に相談してください。
長期的な治療のストレスを感じやすい点も、デメリットといえるでしょう。
AGAは、治療を開始してすぐに効果を実感できるわけではありません。個人差はあるものの、一般的には3~6ヶ月程度かかるとされています。効果が出る前に治療を中断すると、症状が元に戻るだけでなく、薄毛が進行してしまうリスクがあります。
20代の場合、「クリニックへの通院は抵抗がある」「忙しくて通院が難しい」というケースが多く、ストレスにつながることもあるでしょう。
ストレスを避けて長期的な治療に取り組むためには、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療であれば、自宅にいながら診療を受けられ、薬も自宅で受け取れます。通院に負担を感じる20代の方は、気軽に利用可能なオンライン診療を検討してみてください。
20代の薄毛の主な原因には、不規則な生活習慣や過度なストレス、AGAが挙げられます。
「抜け毛が増えた」「額が広くなった」「つむじが薄くなった」という症状がある場合、AGAの可能性があります。気になる症状がある方は、クリニックなどで相談してみましょう。
20代で治療を始めることで、AGA進行の抑制を期待できます。早期に薄毛治療を開始することで治療法の選択肢が多く、治療コストを抑えやすいこともメリットです。
定期的な通院が難しい20代の方には、オンライン診療がおすすめです。
レバクリでは、AGAのオンライン診療を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)