更新日:2025年09月03日
薄毛が気になり頭皮マッサージを始めたものの、「頭皮マッサージはしないほうがいい」という情報を目にし、不安になっている方もいるかもしれません。誤った方法や不適切な頻度の頭皮マッサージは逆効果になり、しないほうがいいといえます。正しい方法と頻度で行えば、薄毛や抜け毛の改善に一定の効果が期待できるでしょう。
この記事では、頭皮マッサージをしないほうがいいケースや頭皮マッサージをしすぎることによるリスク、正しい方法、注意点などを解説します。
「頭皮マッサージはしないほうがいい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。頭皮マッサージをしないほうがいいのは、誤った方法で行っている場合です。頭皮マッサージには血行を促進する効果があり、正しい方法で行えば薄毛や抜け毛の改善効果が期待できます。
ただし、強い力でゴシゴシこすったり頻繁にマッサージしたりすると、頭皮にダメージを与え、かえって薄毛が進む要因になりかねません。また、頭皮が炎症を起こしている場合、頭皮マッサージはしないほうがいいでしょう。
大切なのは、適切な頻度で正しい頭皮マッサージを行うことです。正しいマッサージ方法を把握し、頭皮環境の改善を図って健康な髪を育てましょう。
頭皮マッサージを続けることで期待できる主な効果は、以下の3点です。
それぞれの内容を解説します。
頭皮マッサージを行うことで血行が促進され、髪が育ちやすくなります。
頭皮を圧迫刺激すると、血液の流入量が増加します。髪の毛の成長には、血液から栄養を受け取ることが欠かせません。頭皮を刺激するマッサージは血行促進につながり、血液から栄養を受け取れるため髪の毛が育ちやすくなります。
ただし、1回の頭皮マッサージの効果は限定的です。継続して行うことではじめて頭皮環境が整い、髪が育ちやすい状態を保てます。毎日数分、正しい方法でマッサージを続けることが、健康な髪を育てるポイントです。
頭皮マッサージには、毛乳頭細胞を活性化させ発毛を促す効果も期待できます。毛乳頭細胞は、発毛の指令を出す重要な役割を担っています。 しかし、加齢やストレス、血行不良によってその働きが弱まると、髪が細くなったり抜け毛が増えたりするでしょう。
頭皮マッサージで毛乳頭細胞に適度な刺激を与えることで、発毛を促進する遺伝子の働きをサポートする効果が期待されています。
頭皮マッサージによって頭皮が柔らかくなると、髪の毛が自然に立ちやすくなるでしょう。 頭皮が硬くなると、髪の根元に負担がかかり毛幹(皮膚の外に出ている髪の毛)が寝てしまうため、ボリュームを出しづらくなります。
しかし、頭皮マッサージを続けることで血流が促進されると、髪の根元の負担が軽減されて毛幹が立ちやすくなり、全体のボリューム感が増します。結果的に、薄毛が目立ちにくくなる効果が期待できるでしょう。
誤った方法や高頻度の頭皮マッサージは、しないほうがいいとされています。頭皮マッサージによって効果的に頭皮環境の改善を図るために、正しい頭皮マッサージの方法と適切な頻度を確認しておきましょう。
頭皮マッサージの流れは、下記のとおりです。
効果的な頭皮マッサージのポイントとしては、爪を立てずに指の腹や手のひらを使うことです。強い圧をかけると、かえって頭皮の筋肉が緊張して逆効果になることもあるため、リラックスできる程度の力を意識しましょう。
また、頭皮の表面のみをこするのではなく、地肌や筋肉などを一緒に動かすことを意識すると効果的です。1回のマッサージを長時間行うのではなく、短時間でも毎日続けるようにしましょう。
頭皮マッサージは1日に1~2回、3~4分程度行うだけで、十分な効果が得られます。効果を出したいからと、1日に何度も頭皮マッサージをすると、頭皮や毛髪にダメージを与えて逆効果になりかねません。長時間マッサージをしたり、1日に何度も行ったりすることは避けましょう。
頭皮マッサージをしすぎることのリスクは、以下のとおりです。
それぞれの内容を解説します。
頭皮マッサージをやりすぎると、頭皮が傷つき炎症を引き起こしやすくなります。特に、強い力で押したり、爪を立てたりすると頭皮が傷つき、その傷が炎症やニキビの原因となってしまいます。炎症やニキビが薄毛の直接的な原因になる可能性は低いものの、頭皮環境は悪化しやすくなります。その結果、育毛が阻害されるリスクがあることに注意が必要です。
頭皮マッサージは、清潔な手でリラックスできる程度の力加減で行いましょう。
頭皮マッサージを誤った方法で行うと、毛根を傷つけてしまい、髪の成長を阻害する要因となります。
毛根には髪を成長させる毛乳頭細胞や毛母細胞があり、これらがダメージを負うと細く短い毛や抜け毛が増えるリスクがあります。また、頭皮マッサージの力が強いと、その摩擦で髪が抜けてしまうこともあるでしょう。
頭皮マッサージは毛根にダメージを与えない程度の力で、1日1~2回ほどを目安に行いましょう。
頭皮マッサージのやり方次第では、髪の毛のキューティクルを破壊し、髪質を悪化させる要因にもなりかねません。キューティクルは髪の最外層を守る役割を担っており、強い衝撃や過剰な摩擦で損傷した場合、髪の毛の内部がダメージを受けてしまいます。
頭皮マッサージをしすぎると、髪の毛の内部にもダメージを与えるおそれがあることを押さえておきましょう。
頭皮マッサージをする際は、以下の3点に注意しましょう。
それぞれの内容を解説します。
頭皮マッサージは1日1回程度に留め、何回も行わないことが大切です。頭皮マッサージをすればするほど効果が出ると期待して過度に行うと、頭皮や毛根にダメージを与え、発毛や育毛を阻害するおそれがあります。
頭皮はデリケートな箇所であるため、爪を立てて頭皮マッサージをすると傷つき、炎症を引き起こすリスクがあります。爪を立てるのではなく、指の腹で優しくもみほぐすことを意識しましょう。正しい方法で頭皮マッサージを行えば、血行促進やリラックス効果が期待できます。
力を入れすぎないようにすることも、頭皮マッサージを行う際の大切なポイントです。頭皮マッサージの効果は、刺激の強さに比例するわけではありません。
力を入れすぎると頭皮を傷つけ、炎症を引き起こす可能性があります。また、強い摩擦によってキューティクルがはがれると、髪の内部が傷みやすくなり、枝毛や切れ毛の原因にもなるでしょう。
頭皮マッサージは肩や腰のマッサージのように強い力で押すのではなく、指の腹で頭皮全体を動かすイメージで行いましょう。
頭皮マッサージは、頭皮マッサージャーや非接触振動圧刺激装置などを使っても行えます。それぞれのツールの特徴をご紹介します。
頭皮マッサージャーは、頭皮マッサージに特化したマッサージツールです。手動タイプや電動タイプ、ハンズフリータイプなどさまざまな種類があります。
気軽に使えるマッサージャーを探している方には手動タイプ、ヘッドスパのような感覚を得たい方には電動タイプがおすすめです。ヘルメットのような形状で、手を使わずにマッサージができるハンズフリータイプは、休息をとりながら頭皮マッサージをしたい方に向いています。
また、防水機能を備えたタイプであれば、入浴時に使うことも可能です。
頭皮マッサージャーを選ぶ際は、マッサージの強さや期待できる効果、金額などを考慮するとよいでしょう。
非接触振動圧刺激装置とは、超音波によって非接触で頭皮を刺激する製品です。人の手によるマッサージとは異なり、ソフトな刺激を与えられます。非接触振動圧刺激装置はクリニックでの薄毛治療に用いられており、家庭用に小型化されたものも販売されています。
発毛治療に用いられる塗り薬のミノキシジルと組み合わせることで、より高い発毛効果が期待できるとされています。
頭皮マッサージは単独で行うよりも、食生活やシャンプーの見直し、薬による治療などとあわせて行ったほうが効果的です。ここからは、頭皮マッサージとあわせて行いたいことについて解説します。
頭皮環境を整え、薄毛を改善するなら、頭皮マッサージとあわせて食生活を見直すことをおすすめします。栄養バランスが偏った食事を続けていると、髪の成長に必要な栄養が不足し、細く弱い髪になったり抜け毛が増えたりするおそれがあるためです。
栄養バランスのとれた食事を意識しつつ、「髪の三大栄養素」と呼ばれる以下の栄養素を意識的に摂取しましょう。
たんぱく質には動物性と植物性の2種類があり、動物性たんぱく質は肉や魚、卵に、植物性たんぱく質は豆腐や納豆などの大豆製品に多く含まれています。
亜鉛は、髪の主成分となるケラチンの合成に必要な栄養素です。亜鉛を多く含む食べ物としては、レバーや牡蠣、牛肉、アーモンド、チーズなどが挙げられます。
また、ビタミンには頭皮環境を整える働きがあり、なかでもビタミンB2・ビタミンB6は代謝を活性化する作用がある栄養素です。ビタミンB2はレバーやうなぎ、卵に、ビタミンB6は肉類やサケ、マグロなどに多く含まれています。
食事の栄養バランスを見直すとともに、髪の成長に役立つ食材を積極的に取り入れることで、頭皮マッサージの効果をより高められると考えられます。
頭皮マッサージの効果を高めるために、スカルプシャンプーを取り入れることもおすすめです。
頭皮環境が悪い状態のまま頭皮マッサージをすると、期待するような効果が得られないだけでなく、頭皮のトラブルを引き起こし、状態が悪化するリスクがあります。とくに、以下のような場合は、頭皮マッサージを始める前にまずは頭皮環境の改善を図りましょう。
一般的なシャンプーが髪の毛の洗浄を目的としているのに対して、スカルプシャンプーは頭皮環境のケアを目的として作られています。毛髪や頭皮の状態を改善したい場合は、スカルプシャンプーが適しているでしょう。
頭皮の皮脂バランスを整え、清潔な状態を保つことで、健康な髪が育ちやすい土台作りをサポートできます。
薄毛や抜け毛が気になり、AGA(男性型脱毛症)の可能性がある場合は、外用薬や内服薬による治療を検討しましょう。AGAは、思春期以降の男性に起こる脱毛症です。髪が細くなったり抜け毛が増えたりし、前頭部や頭頂部の髪が薄くなります。
AGA治療の外用薬は、ミノキシジルです。また、AGA治療の主な内服薬はフィナステリドやデュタステリドで、内服薬はAGAの進行を防ぐ効果が期待できます。
フィナステリドやデュタステリドのいずれも、5αリダクターゼⅡ型という酵素を阻害する作用があります。5αリダクターゼⅡ型とは、男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換し、AGAの発症に深く関与している酵素のことです。
DHTにはヘアサイクルの成長期を短くする作用があり、太く長い髪の毛が育ちづらくなって薄毛・抜け毛の症状を引き起こします。
頭皮マッサージとあわせて適切な治療薬を使用することで、薄毛対策の効果はより向上します。薄毛・抜け毛が気になる方は早めにクリニックを受診し、症状に合った治療法で改善を図りましょう。
薄毛や抜け毛が気になり始めたら、頭皮マッサージを行いつつ、早めにクリニックに相談することをおすすめします。薄毛や抜け毛の原因がAGAの場合、頭皮マッサージのみを続けても、AGAの進行を完全に止めることは困難です。適切な治療を受けることで、薄毛・抜け毛の改善を図れます。
AGAは進行性のため、放置すると症状が悪化します。 とくに、生え際や頭頂部の髪が細くなってきたり、抜け毛の量が多かったりする場合は、早めに受診しましょう。
忙しくてクリニックに通う時間がない方や、対面での診察に抵抗がある方は、オンライン診療の活用も1つの選択肢です。スマートフォンやパソコンを使って自宅で診察を受けられ、薬を配送してもらえるため、負担を減らして薄毛対策を行えます。
頭皮マッサージは、指の腹や手のひらを使い、リラックスできる程度の力で行うことがポイントです。1日に1回、3~4分程度行うだけでも、十分な効果が得られます。
「頭皮マッサージはしないほうがいい」といわれることがありますが、それは誤った方法や不適切な頻度で行った場合のことです。爪を立てたり、力を入れすぎたりすると、頭皮の炎症を引き起こすおそれがあります。
また、効果を出したいと焦り、1日に何度も頭皮マッサージをすることも、頭皮を過剰に刺激する要因となり逆効果になるリスクがあるため注意しましょう。
薄毛や抜け毛の根本的な改善を希望するなら、頭皮マッサージとあわせて、クリニックで適切な治療を受けることがおすすめです。
オンライン診療のプラットフォームサービス「レバクリ」では、AGA治療薬のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれず、ビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅での受け取りが可能です。
レバクリでは治療開始直後、副作用の発症により継続服用不可と診断された患者様に対して、全額返金保証制度を設けているため、はじめてAGA治療を受ける方も安心して受診できます。
内服薬・外用薬による治療により薄毛や抜け毛を効果的に改善したい方は、ぜひ利用を検討してみてください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)