更新日:2025年10月30日
「朝シャンは髪に悪いの?」「朝シャンプーしたら夜はしないほうがいい?」と、気になっている方もいるでしょう。朝シャンの方法によっては、髪の成長に悪影響を与える可能性があります。また、シャンプーは1日1回に留めたほうがよいでしょう。朝シャンによる髪への影響が気になる方は、注意点や適切なシャンプー方法を押さえておくことが大切です。
この記事では、朝シャンのメリット・デメリットや適切なシャンプー方法、注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。
朝シャンとは、朝にシャンプーすることです。「仕事から帰宅した後の入浴が面倒で、朝シャンにしている」という方もいるかもしれません。しかし、一般的に健康的な髪を保つためには夜にシャンプーするほうがよいとされており、朝シャンは薄毛の原因になるという見解もあります。
朝シャンによる髪への影響が気になる方は、この後に紹介する朝シャンのデメリットや適切なシャンプー方法、注意点を押さえておくとよいでしょう。
朝シャンには、以下のようなデメリットがあります。
朝にシャンプーするそれぞれのデメリットについて解説します。
朝シャンには、頭皮トラブルにつながりやすいというデメリットがあります。夜に洗髪することなく朝にシャンプーする場合、1日の活動で生じた汗や皮脂がたまった頭皮を長時間放置することになり、不衛生になりやすいためです。
具体的には、皮脂が酸化して「過酸化脂質」が発生したり、皮脂をエサにするマラセチア菌が増殖したりする恐れがあります。フケやかゆみといった頭皮トラブルが起こりやすくなるだけでなく、頭皮の炎症を引き起こすケースもあるでしょう。頭皮環境の乱れは薄毛のリスク増加につながるため、注意が必要です。
健康な髪の育成に影響を及ぼす可能性があることも、朝にシャンプーするデメリットの1つです。
就寝中には、成長ホルモンが多く分泌されます。成長ホルモンが多く分泌される就寝中に皮脂やスタイリング剤などの汚れで頭皮の毛穴が詰まっていると、髪の成長を妨げる恐れがあります。
薄毛対策など髪のアンチエイジングを意識する方にとって、朝シャンはデメリットになりやすいでしょう。
朝シャンによって、頭皮のバリア機能が低下する恐れもあります。
頭皮の皮脂には、水分を保持して乾燥を防ぐ役割があります。朝のシャンプーで皮脂を洗い流しすぎると、頭皮の乾燥によって外部刺激からのバリア機能が低下しやすくなるため注意が必要です。夏場の紫外線や冬場の乾燥には、特に気をつけましょう。
皮脂の過剰分泌を招くことがある点も、朝シャンのデメリットです。
たとえば朝シャンだけでなく夜にも髪を洗う場合、頭皮の皮脂が過剰に取り除かれる可能性があります。また、夜にシャンプーすることなく朝を迎えると髪のベタつきが気になり、過度に洗ってしまうケースもあるでしょう。
その結果、乾燥した頭皮を守るためにかえって皮脂が過剰分泌され、髪のベタつきや頭皮トラブルにつながることがあります。
外出準備などで忙しい朝は、ヘアケアが不十分になりやすいでしょう。
たとえば時間に追われながらシャンプーをすると、すすぎ時間が短くなり、すすぎ残しが生じやすくなります。シャンプーに含まれる界面活性剤が頭皮に残ると、乾燥やかゆみ、炎症といったトラブルにつながる恐れがあるため、すすぎ残しには注意が必要です。
また、ヘアスタイルは髪が乾いたときに固定されます。そのため、朝シャン後に髪を乾かす時間を十分に確保できず半乾きで放置すると、水分の重みで髪の毛のボリュームが失われた状態でヘアスタイルが固定されやすくなるでしょう。
洗い方や乾かし方が不十分だとムレやニオイも生じやすくなるため、ヘアケアの時間をしっかり確保できない場合の朝シャンはおすすめできません。
朝シャンにはデメリットがある一方、以下のようなメリットもあります。
朝にシャンプーするメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
朝シャンのメリットの1つめは、頭皮のニオイ防止に役立つことです。
朝にシャンプーすることで、寝ている間にかいた汗と皮脂が混じり合って発生する頭皮のニオイやベタつきを抑えられます。皮脂の分泌が多い方や汗をかきやすい方は、朝シャンが効果的なエチケット対策になり得るでしょう。
朝シャンには、朝のスタイリングがしやすくなるというメリットもあります。
皮脂が多く髪のベタつきが気になる方や寝ぐせがつきやすい方は、髪を濡らす程度ではヘアセットが決まらないこともあるでしょう。
朝にシャンプーすることで、皮脂や寝ぐせをリセットできるため、スムーズにスタイリングできます。朝シャンで頭皮からしっかり髪を濡らした後で乾かせば、根元からふんわりと立ち上がったボリュームのあるスタイリングもしやすいでしょう。
朝シャンには、目覚めのスイッチとしての役割も期待できます。
眠っている間は血圧が下がるため、朝起きてから血圧が上がるまでの間に眠気や体のだるさを感じることがあります。朝のシャンプーとともにシャワーを浴びて血圧を上げることで、目覚めのスイッチが入り、気分がスッキリしやすくなるでしょう。
髪の健康や薄毛対策に気をつけたい方は、朝シャンの際、以下の7つのポイントに注意しましょう。
朝にシャンプーする際のそれぞれのポイントについて解説します。
朝にシャンプーする際の1つめのポイントは、必要なときだけに限定することです。
朝と夜、1日2回のシャンプーや過度な朝シャンは、頭皮の乾燥による皮膚トラブルなどにつながる恐れがあります。一方、朝シャンには、頭皮のニオイ防止に役立つなどのメリットもあります。
朝シャンを毎日の習慣にしたり、徹底的に避けたりするのではなく「髪のベタつきやニオイが気になる日だけ朝シャンする」「寝汗がひどい夏場だけ朝シャンする」など、必要に応じて取り入れるとよいでしょう。
朝シャンで髪を濡らす前に、ブラッシングする習慣をつけましょう。事前に髪をブラッシングしておくことで、シャンプーの際に頭皮の皮脂や不要な角質、ホコリなどの汚れを落としやすくなります。ブラッシングによって髪の絡まりを解消できるため、シャンプーしやすくなるメリットもあります。
ブラシに汚れが残った状態で放置すると不衛生なため、こまめに手入れして清潔な状態を保ちましょう。
濡れた髪はキューティクルが柔らかくダメージを受けやすいため、乾いた髪をブラッシングすることがポイントです。髪の根元から優しくブラッシングして、汚れを浮かせることを意識しましょう。
朝にシャンプーする際は、36~38度程度のぬるま湯を使いましょう。熱いお湯で流すと、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があるためです。
頭皮や髪の汚れを落としやすくするため、シャンプー液を使う前に予洗いを丁寧に行うこともポイントです。スタイリング剤以外のほとんどの汚れは予洗いで落とせるため、シャンプーによる洗浄効果がアップします。
丁寧な予洗いによって、シャンプーの泡立ちも汚れの落ちやすさもアップするため、結果的に時短につながります。
シャンプー液は、しっかり泡立ててから使いましょう。シャンプー液をそのまま髪につけると頭皮への刺激になりやすく、皮脂の取りすぎにもつながるためです。手のひらで作ったくぼみにシャンプー液を取り、ぬるま湯を少しずつ混ぜることで、しっかりと泡立てられます。
泡立てたシャンプー液で髪を洗う際は、育毛対策として「爪ではなく指の腹を使って優しく洗う」「マッサージするように洗って頭皮の血行を促す」ことを意識するとよいでしょう。
シャンプーをした後は、しっかりとすすぎを行いましょう。朝シャン後にすすぎが不十分だと、1日中シャンプーが頭皮に残ったままの状態で過ごすことになり、毛穴の詰まりや頭皮の炎症を招いてかゆみや抜け毛につながるおそれがあるためです。
十分な水量と水圧のぬるま湯で、1分程度はすすぐようにしてください。前髪の生え際や耳の後ろ、襟足などはすすぎ残しが生じやすいため、念入りに洗い流しましょう。
朝のシャンプーを終えたら、髪をしっかり乾かすことが大切です。濡れた髪は、ダメージを受けやすいためです。また、頭皮が湿った状態では常在菌が繁殖し、ニオイが生じやすくなります。
ドライヤーで髪を乾かす際は、熱によるダメージを避けるため、ドライヤーを頭皮から15cm程度離して使用しましょう。頭皮トラブルを避けるため、頭皮ではなく、髪に温風を当てることを意識してください。ドライヤーのヘッドをこまめに動かし、同じ場所に温風が集中しないようにすることも大切です。
また、薄毛対策のために、ドライヤーの温度を低めに設定しましょう。低い温度でドライヤーを使用することでオーバードライを防ぎ、頭皮の乾燥やキューティクルへのダメージを抑えることが可能です。
朝シャンする場合、夜のシャンプーはできる限り控えたほうがよいでしょう。1日2回以上のシャンプーは皮脂の取りすぎになりやすく、継続すると頭皮の乾燥を招く恐れがあるためです。
寝汗やニオイが気になり1日に2回シャワーを浴びる場合、朝シャンではシャンプー液を使わず、ぬるま湯で洗い流す程度に留めておくとよいでしょう。
洗いすぎによる頭皮の乾燥が気になる場合、「湯シャン」を試してみることをおすすめします。
ここでは、湯シャンの方法やメリットを解説します。
湯シャンとは、シャンプーを使わずにお湯だけで髪を洗うことです。皮脂の取りすぎやすすぎ残しといった、朝シャンのデメリット解消に役立ちます。乾燥肌または敏感肌の方は、湯シャンの効果を特に感じやすいでしょう。
ただし、ヘアワックスなどの整髪料を使用している場合、お湯のみでは落としきれません。また、脂性肌の方は湯シャンが向かない可能性があります。湯シャンに固執せず、頭皮の乾燥具合や状況に応じて取り入れるとよいでしょう。
また、いきなりシャンプーなしの湯シャンに切り替えると、皮脂や汚れが頭皮に残り、頭皮トラブルにつながるケースもあります。「最初は週に1回」「慣れてきたら週に2〜3回」など、様子を見ながら段階的に湯シャンに切り替えることをおすすめします。
湯シャンの手順は、以下のとおりです。
基本的な流れは、朝シャンと変わりません。シャンプー液を使わない湯シャンでは、髪が摩擦によるダメージを受けやすいため、毛髪同士をこすり合わせるような洗い方をしないよう気をつけましょう。
「朝シャンによる毛髪への影響が心配」という方もいるかもしれません。薄毛が気になる場合、AGA(男性型脱毛症)の可能性も考えられます。AGAは進行性の脱毛症で治療を行わないと症状が悪化するため、適切な治療をできるだけ早く行うことが重要です。髪の悩みを抱えている方は、皮膚科のクリニックやAGA専門のクリニックに相談してみましょう。
とはいえ、以下のような理由から、病院へ行くことをためらう方もいるかもしれません。
このようなときにおすすめなのが、スマートフォンやパソコンのビデオ通話で医師の診察を受けられるオンライン診療です。オンライン診療であれば、自宅にいながら診察や薬の処方を受けられます。「もしかしたらAGAかも?」と不安を感じたときは、一人で悩みを抱え込まず、まずは気軽に相談してみましょう。
朝シャンは頭皮のニオイ対策などに役立つ一方、頭皮トラブルを引き起こしたり、髪の成長に影響を及ぼしたりする可能性があります。「必要なときだけ朝シャンする」「朝シャンしたら夜のシャンプーは控える」など、工夫して取り入れるとよいでしょう。
薄毛・抜け毛が気になっている場合、AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。「髪の毛が細くなった」「抜け毛が増えた」と感じるときは、皮膚科やAGA専門のクリニックに相談してみることをおすすめします。
レバクリでは、AGA(男性型脱毛症)のオンライン診療を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)