更新日:2025年10月30日
「シャンプーが原因で禿げることはある?」と気になっている方もいるかもしれません。シャンプーに使用されている成分やシャンプーの仕方などによっては、頭皮や髪へのダメージを与え、禿げることにつながる可能性があります。
この記事では、シャンプーが原因で禿げるといわれる理由を解説するほか、抜け毛対策になるシャンプーの選び方や正しいシャンプー方法について解説します。あわせて、禿げることにつながる可能性があるシャンプーの仕方も紹介するので、参考にしてください。
まずは、抜け毛の原因や、自分の抜け毛が正常範囲内であるかを確認する方法について解説します。
男性の抜け毛の原因として多いのが、AGA(男性型脱毛症)と頭皮環境の悪化です。AGAは、男性ホルモンと頭皮にある酵素が結合することで起こります。AGAは治療により進行を遅らせることが可能なため、抜け毛・薄毛が気になりAGAの可能性があるときは、医療機関を受診しましょう。
頭皮環境の悪化とは、炎症やかゆみ、乾燥などの症状が見られる状態のことです。頭皮環境が悪くなると健康な髪が育ちづらくなり、抜け毛が起こりやすくなるおそれがあります。そのほか、次のことも抜け毛の要因となるため注意しましょう。
抜け毛にはさまざまな要因が関係しており、適宜ストレス解消を図ったり生活習慣を改善したりすることが大切です。
抜け毛があるからといって、必ずしも禿げるというわけではありません。抜け毛には正常な抜け毛と、そうでない抜け毛があります。
正常範囲内の抜け毛の本数は 、1日50~100本程度です。以下では、注意が必要な抜け毛の量や髪の特徴を紹介します。
上記に該当する場合は、正常でない抜け毛が起こっている可能性があります。生活習慣の改善やストレス管理などを行うとともに、使用しているシャンプーを変えたり、シャンプーの仕方を見直したりしてみましょう。
シャンプーが原因で禿げる理由について解説します。
1日に何度もシャンプーをして頭皮に必要な皮脂まで洗い流すと、禿げる可能性があります。
シャンプーの回数は1日1回が目安で、それ以上洗髪すると、頭皮に欠かせない皮脂を過剰に洗い流す恐れがあります。それにより、頭皮のバリア機能が弱まり、常在菌のバランスが乱れたり紫外線のダメージを受けやすくなったりして、抜け毛のリスクが高まる可能性があるでしょう。
シャンプーに含まれる成分の影響で、禿げる可能性があります。市販のシャンプーの中には、髪や頭皮にダメージを与える可能性がある成分を含むものもあるため、注意しましょう。
髪や頭皮にダメージを与える可能性のある成分の一つが、洗浄成分の合成界面活性剤です。合成界面活性剤は洗浄力が高い分、頭皮に必要な皮脂も洗い流す可能性があります。頭皮の皮脂を落とし過ぎると、頭皮の乾燥や炎症などを招いて抜け毛につながるおそれがあるでしょう。
ここでは、抜け毛対策になるシャンプーの選び方を紹介します。
「抜け毛対策目的でシャンプーを選びたい」「シャンプーが原因で禿げるのは避けたい」という場合には、アミノ酸系洗浄成分のシャンプーがおすすめです。洗浄力の強いシャンプーでは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流す恐れがあり、乾燥や炎症などを招いて抜け毛につながる可能性があります。
アミノ酸系洗浄成分のシャンプーであれば、頭皮に必要な皮脂は残しつつ、汚れや余分な皮脂を洗い落とすことが可能です。
なお、シャンプーに使用されている洗浄成分は大きく3種類に分けられます。それぞれの違いや特徴は、次の表の通りです。
| アミノ酸系 | 石鹸系 | 高級アルコール系 | |
|---|---|---|---|
| 洗浄力の強さ | 弱い | 強い | 普通 |
| メリット | ・必要な皮脂を残しつつ、余分な皮脂や汚れを落とせる ・泡立ちがよい ・刺激が弱い | ・洗い上がりがさっぱりしている ・洗浄力が高い | ・価格が安め ・泡立ちがよい |
| デメリット | ・整髪剤を使う人には向かない | ・洗ったあとに髪の毛のきしみやごわつきを感じることがある | ・過剰に皮脂を洗い落とす可能性がある |
「シャンプーで禿げるのを避けたい」という方は、保湿成分や、頭皮ケア成分配合のシャンプーを選びましょう。頭のかゆみやフケが気になる場合は殺菌・抗炎症成分、頭皮の乾燥が気になる場合は保湿成分や血行促進成分が含まれているものを選ぶようにしてください。
それぞれの成分の例は、次の表のとおりです。
| 期待できる効果 | 成分の例 |
|---|---|
| 保湿 | ・ヒアルロン酸 ・グリセリン ・ユーカリエキス ・ココナッツオイル ・ハトムギ種子エキス ・ホホバ種子油(ホホバオイル) ・馬油(バーユ) ・豆乳発酵液 |
| 殺菌・抗炎症 | ・サリチル酸 ・グリチルリチン酸ジカリウム ・ミコナゾール硝酸塩 ・ピロクトンオラミン |
| 血行促進 | ・ショウガエキス ・オタネニンジン根エキス |
シャンプーで抜け毛対策を行う場合、男性用と女性用のシャンプーはそれぞれ特徴が異なることを把握し、性別に適したものを選ぶことも大切です。
男性用と女性用とでは、それぞれ含まれている成分が異なり期待できる効果も違うため、注意しましょう。
シャンプーに含まれる添加物は、大別すると人工成分と天然成分の2種類があります。人工成分は頭皮に刺激を与える場合があるため、天然成分のシャンプーを選ぶとよいでしょう。
人工成分は、合成香料や合成着色料、防腐剤、シリコン、エタノールなどです。
「シャンプーで抜け毛対策をしたい」「シャンプーで禿げるのを避けたい」という方は、正しいシャンプーの仕方を理解しておくことが大切です。ここでは、抜け毛対策になる正しいシャンプーの仕方を紹介します。
なお、髪を洗うタイミングとしては夜がおすすめです。髪を洗わずに就寝して枕に汚れや雑菌が付着すると、頭皮の炎症につながるおそれがあります。
まずは、洗髪の前にブラッシングを行い、髪の毛のとおりをよくしたり髪に付いた汚れを落としたりしましょう。
髪をブラッシングすることによって、髪の絡まりがほどけるため、シャンプー時の指の引っかかりを防止できます。また、ブラッシングすることで、フケや皮脂などの汚れが落ちやすくなる点もメリットです。
ブラッシングをしたら、次は予洗いをします。最初にお湯で予洗いすると、髪についた汚れやほこりを落とすことができ、シャンプーの泡立ちがよくなって洗髪時の摩擦を最小限にできます。
予洗い後は、シャンプーで頭皮を洗います。シャンプーは、手で一度泡立ててから頭皮につけるようにしましょう。頭皮にそのままシャンプーをつけると、髪や頭皮にダメージを与えるおそれがあります。
シャンプーで頭皮を洗う際は、指の腹でやさしく揉み洗いするように洗いましょう。このとき、爪を立てて洗うと、頭皮がダメージを受けて頭皮環境の悪化につながりやすくなります。
頭皮を揉み洗いしたあとは、入念にシャンプーを洗い流しましょう。すすぎ残しがあると、フケやかゆみの原因になります。
すすぐ際のお湯の温度は、38度~40度程度に設定することがポイントです。熱いお湯の場合、皮脂を落とし過ぎてしまうため、注意しましょう。
しっかりとすすいだあとは、十分に髪を乾かしましょう。頭皮の蒸れは、雑菌が繁殖する原因となります。水分をタオルでしっかりふきとったあと、ドライヤーで乾かしましょう。
禿げる原因になりうるシャンプー方法を紹介します。
シャンプーで頭皮を洗う際、爪を立てるなどして頭皮に強い刺激を与えると、禿げる原因になります。頭皮に強い刺激を与えると、表面の角質が剥がれてしまい、頭皮のバリア機能が低下する恐れがあるでしょう。
髪を洗う際に、熱いお湯を使うことも禿げる原因になりうるシャンプー方法です。シャンプー時に熱いお湯を使うと、頭皮に必要な皮脂まで落としてしまいます。
髪を洗い流す際のお湯の温度は、38~40度が目安です。
洗髪後のすすぎが十分でないと、シャンプーやコンディショナーが髪や頭皮に残ってしまいます。頭皮に残ったシャンプーやコンディショナーは、フケやかゆみにつながって抜け毛を招き、禿げる原因になりうるでしょう。
シャンプー・コンディショナーの使用量やすすぎ時間の目安を説明書で確認して使うようにしましょう。
シャンプーだけでなく、間違ったドライヤーの使い方も、禿げる原因のひとつです。ここでは禿げる原因になりうるドライヤーの使い方を紹介します。
ドライヤーで髪を乾かす際は、必要以上に乾かさないようにしましょう。ドライヤーの送風元は100度近い高温になっているため、使用する時間が長く風が強いほど髪や頭皮に負担がかかります。
ドライヤーで髪を乾かす際は、はじめにタオルで水分を拭きとるなどして長時間の使用を控えましょう。
髪を早く乾かしたいからと、頭皮にドライヤーを近付けて乾かす行為も禿げる原因のひとつです。ドライヤーを近付け過ぎると、髪がダメージを受ける可能性があるほか、頭皮の乾燥にもつながります。
ドライヤーを使用する際は、頭皮から15~20cm程度離し、近付け過ぎないよう注意しましょう。
髪を半乾きの状態で放置することも禿げる原因につながるため、注意が必要です。髪を濡れたままにしていると雑菌が繁殖し、かゆみやニオイにつながります。
ドライヤーの長時間の使用や半乾きを防ぐためには、ざっと短時間で髪を乾かしたのち、髪がしっかり乾くまで冷風モードで乾かすのがおすすめです。
最後に、薄毛を予防する方法について解説します。
薄毛予防としては、洗髪習慣の見直しが効果的です。ここまで解説してきたシャンプーの選び方や正しいシャンプー方法を試して、洗い方を見直してみましょう。
シャンプー以外の方法で薄毛を予防する場合、育毛剤やサプリメントを活用するのも一つの方法です。ただし、育毛剤の目的は頭皮環境の改善、サプリメントの目的は栄養補給による健康のサポートで、発毛効果は期待できない点に注意しましょう。
「抜け毛が増えている」「薄毛が気になり、この先禿げるのではないかと不安になっている」といった場合は、早めに病院へ行きましょう。薄毛・抜け毛の症状が出ている場合、AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。AGAは進行性の脱毛症であり、治療を行わないと症状は悪化します。そのため、AGAの可能性があり不安を感じている場合は、早めに病院を受診して治療を始めましょう。
近年は、オンライン診療でAGAの治療を開始できる病院もあります。オンライン診療であれば、スマートフォンやパソコンを使って自宅で診察を受けられるため、人目を気にする必要がないほか、病院への通院時間も削減可能です。
抜け毛・薄毛が気になる方は、オンライン診療も検討してみましょう。
シャンプーが原因で禿げる理由としては、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうことやシャンプーの成分によるダメージなどが挙げられます。シャンプーが原因で禿げるのを防ぐためには、頭皮にやさしいシャンプーを選ぶことが大切です。
この記事で紹介したシャンプーの選び方・方法などを試して、抜け毛対策に取り組みましょう。それでも抜け毛が改善されず、「この先禿げるのではないか不安になっている」という場合は、早めに病院へ行くことをおすすめします。
最近は、オンライン診療によるAGAの治療も可能なため、自分のスケジュールにあわせて診察を受けたい方は利用を検討しましょう。
レバクリでは、AGAのオンライン診療を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)