更新日:2026年02月10日
円形脱毛症の症状が現れて「病院に行くべき?」「何科に掛かれば良いの?」と悩んでいる方もいるかもしれません。円形脱毛症は自己免疫疾患の一種で、重症化を防ぐには早期に皮膚科に掛かり、治療を始めることが大切です。この記事では、円形脱毛症の症状や原因、病院選びのポイントを解説します。円形脱毛症の代表的な治療法についてもまとめたので、これから病院に掛かろうかとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
円形脱毛症によって毛が抜けた、もしくは脱毛している箇所があることに気が付いたときには、できるだけ早く病院で受診しましょう。円形脱毛症は早期に診断し治療を開始することで重症化を防げる可能性が高まるためです。
また、脱毛の原因が円形脱毛症でない場合もあります。別の自己免疫疾患や感染症などが原因で脱毛症が生じることもあるので、正しい診断のもと適切な治療を行うためにも病院に行くようにしましょう。
円形脱毛症の代表的な症状は、円形または楕円形の脱毛部分ができることです。症状は突然現れることもあれば、毛が抜ける前に予兆が見られる場合もあります。予兆としては、頭皮の赤みやかゆみ、湿疹、爪がでこぼこになるなどが挙げられます。
なお、円形脱毛症は症状の数や程度によって以下の5種類に分類されます。
症状が進行するほど治療に時間が掛かるため、気づいたらなるべく早く病院へ行きましょう。
円形脱毛症の多発型については「円形脱毛症の多発型は完治できる?原因と治療法を詳しく解説」でも詳しく解説しています。
円形脱毛症の症状が見られたら、まずは皮膚科に相談しましょう。脱毛症は皮膚科の専門分野であり、円形脱毛症は皮膚科での専門的な治療が必要になります。なお、円形脱毛症は治療法によっては保険診療の対象です。
皮膚科では、視診を中心とした診察で円形脱毛症かどうかを判断します。必要に応じて毛髪を顕微鏡で観察する毛髪診断や、ほかの原因や合併症がないかを調べるために血液検査などが行われることもあるでしょう。診断後は症状の重さや進行度合いなどに合わせた治療プランが提案されます。
円形脱毛症の病院を選ぶ際は皮膚科の中でも、脱毛症、特に円形脱毛症の診療実績が豊富な病院・クリニックを選ぶようにしましょう。
また、円形脱毛症の治療は通院期間が長くなる可能性があります。家や職場から近く、通いやすいことも大切です。仕事が忙しく、日中時間をとるのが難しい方は、夜も診療しているクリニックを選ぶと良いでしょう。
公式サイトでの症例紹介や治療実績などを参考に、豊富な経験を持つ医師がいるかを確認するのも1つの方法です。また、実際に行ってみたうえで、医師との相性をチェックすることも大切です。初診での対応や説明の丁寧さ、質問への回答の仕方などを観察し、長く付き合える医師かどうか判断すると良いでしょう。
円形脱毛症の治療を進めるにあたって、原因と治療時間の目安を知っておくことも大切です。ここではそれぞれについて解説するので、ぜひチェックしてみてください。
円形脱毛症は、主に自己免疫機能の異常によって引き起こされる疾患であると考えられています。通常であれば自分の体を守るはずのTリンパ球が、毛根を保護する毛包組織を異物として排除してしまい髪の毛が抜けてしまうのです。ただし、毛根自体は破壊されないため、適切な治療や自然経過によって発毛する可能性があります。
また、ほかに考えられる円形脱毛症の発症の要因は以下のとおりです。
なお、円形脱毛症は感染症ではなく、他人にうつるものではありません。発症の原因について詳しくは「」で解説しているので、興味のある方はこちらもあわせてチェックしてみてください。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
円形脱毛症の治療期間は重症度や個人の体質、選択する治療法によって異なります。軽度の円形脱毛症であれば、半年程度の経過観察で軽快する場合もありますが、脱毛症が頭全体に広がっている場合や頭の複数箇所に脱毛が広がっている場合などは、年単位の治療期間が必要になることもあるでしょう。
治り始めは細い産毛が生えてくることが多く、その後徐々に毛髪が太くなっていきます。ただし、治療への反応は個人差があるため、なかなか効果が出ない場合も焦らず医師と相談しながら治療を進めましょう。
円形脱毛症の治癒までの期間については「円形脱毛症を早く治す方法は?初期症状や病型から治療法やセルフケアを解説」の記事でも解説しています。
円形脱毛症で病院に掛かると、一般的に外用薬や内服薬の処方、ステロイド局所注射、局所免疫療法などが行われます。ここでは、それぞれの治療法について解説します。
円形脱毛症の治療として、外用薬(塗り薬)であるステロイド軟膏やローションを脱毛している箇所に塗る方法が挙げられます。ステロイドとは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つで、炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があります。
ステロイドの外用は、円形脱毛症が全体に広がっておらず、単発、もしくは複数の脱毛斑がある方に行われる治療です。
副作用として、皮膚の萎縮や血管拡張、皮膚の炎症などがあるため、医師の指示のもと使用期間や強さを調整しながら用いられます。
また、ミノキシジル外用薬も補助的に用いられることがあるため、選択肢の一つです。ミノキシジルは、毛細血管を拡張させ、毛乳頭への血流を増加させることで発毛を促すと考えられています。ミノキシジルについて詳しくは「ミノキシジルとは?主な効果や副作用、併用できるAGA治療薬を解説」の記事で解説しています。
内服治療は円形脱毛症の治療に効果が期待される薬剤を服用する治療法です。内服薬を服用することで体内での免疫反応を調整し、脱毛の進行を抑える効果が期待できます。
内服する薬剤は、ステロイドや抗ヒスタミン薬、セファランチン、グリチルリチン・グリシン・メチオニン配合錠などです。
内服治療は内服する薬剤によってそれぞれ副作用が異なります。たとえば、ステロイドの内服治療は、肥満や緑内障、糖尿病、骨粗しょう症などの副作用があり、内服期間が長くなる場合には注意が必要です。
また、服薬は医師の指示に従い、決められた用量と期間を守ることが大切です。自己判断での中止や用量変更は症状の悪化や副作用のリスクを高めるため避けましょう。
ステロイドの局所注射は、ステロイドを脱毛している箇所へ直接注射する治療方法です。円形脱毛症が全体に広がっておらず、単発、もしくは複数の脱毛斑がある成人の方で主に行われます。
円形脱毛症の原因となる、リンパ球に攻撃される毛の根元は皮膚の深い部分にあります。局所注射では、原因となる箇所へ直接薬剤を注入でき、高い効果が期待できるといえるでしょう。
ただし、注射時の痛みがあること、頭部への注射では痛みが特に強く感じられることが欠点として挙げられます。痛みを軽減するために局所麻酔クリームを塗布する病院もあるため、痛みに不安がある方は事前に確認しておくと良いでしょう。
従来の治療法で効果が得られない場合や、より広範囲の脱毛に対しては、紫外線療法や局所免疫療法などの専門的な治療が検討されます。
紫外線療法は、脱毛している箇所に専用の機器で紫外線を照射する治療です。PUVA療法やエキシマライトと呼ばれる紫外線療法を行うことがあります。副作用として、照射した部位における皮膚の炎症などが生じる可能性があります。
局所免疫療法は、脱毛している箇所へ薬剤を塗ることで意図的に頭皮に軽い炎症を起こし、免疫反応のバランスを整える治療法です。局所免疫療法で使用する薬剤はSADBE(スクアリック酸)、DPCP(ジフェニルシクロプロペノン)などが代表的です。
副作用として、皮膚炎や頭痛、色素沈着などがあります。また、アトピー性皮膚炎などもともと皮膚が弱い方は注意が必要な治療です。
円形脱毛症の治療方法については、「円形脱毛症の治療方法とは?原因やセルフケアについて解説」の記事でも解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
円形脱毛症を見つけた場合、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。円形脱毛症は早期治療が重症化防止につながるためです。
円形脱毛症は主に自己免疫機能の異常によって引き起こされ、症状の進行度によって単発型から汎発型まで5種類に分類されます。
円形脱毛症の病院選びでは、診療実績が豊富な皮膚科クリニックを選ぶことが大切です。また、長期治療になる可能性があるため、通院のしやすさや医師との相性も考慮すると良いでしょう。
円形脱毛症の治療には、症状に応じて外用薬や内服薬の処方、ステロイド局所注射、紫外線療法、局所免疫療法などが行われます。
円形脱毛症の治療期間は症状の重さや体質により異なりますが、軽度なら半年程度、重度の場合は年単位の治療が必要となることもあります。一人で悩まず、保険診療が可能な皮膚科を受診して専門医の診断を受けることが、円形脱毛症と向き合う第一歩です。