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更新日:2024年03月01日

円形脱毛症は病院に行くべき?円形脱毛症の病院の選び方、治療法を解説!

この記事のまとめ
  • 円形脱毛症は皮膚科の病院・クリニックで受診し、早期診断・早期治療に努めることが大切
  • 円形脱毛症の診療実績が豊富な病院を選ぶと良い
  • 治療は半年から1年ほどかかる可能性があるため、通いやすい病院を選ぶのが大事
  • 円形脱毛症の治療法には、ステロイドの局所注射、局所免疫療法、ステロイドの外用などがある
  • 円形脱毛症のセルフケア方法は、ストレスの軽減、生活習慣の見直し、洗髪の見直しなど

円形脱毛症を患った場合、病院に行くべきかどうか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。円形脱毛症は病院で治療すべき疾患です。脱毛に気が付いた時は早めに病院で受診するようにしましょう。本記事では、円形脱毛症の方が行く病院の選び方、具体的な治療法、そしてセルフケア方法について解説します。

円形脱毛症は病院に行くべき?

円形脱毛症は病院で治療するべき病気です。ここでは、円形脱毛症で病院に行くべきタイミング、病院の選び方、そして円形脱毛症の治療期間の目安について解説します。

病院へ行くべきタイミング

円形脱毛症によって毛が抜けた、もしくは脱毛している箇所があることに気が付いたときには、できるだけ早く病院で受診しましょう。円形脱毛症は早期に診断し治療を開始することで重症化を防ぐことができる可能性があります。

また、脱毛の原因が円形脱毛症でない場合もあります。自己免疫疾患、感染症などが原因で脱毛症が生じることもあるので、診断のためにも病院に行くことが望ましいです。

病院の選び方

円形脱毛症で受診するべき病院は、皮膚科の病院・クリニックです。脱毛症は皮膚科の専門分野であり、円形脱毛症は皮膚科での専門的な治療が必要になります。皮膚科の中でも、脱毛症、特に円形脱毛症の診療実績が豊富な病院・クリニックを選ぶようにしましょう。

また、円形脱毛症の治療は通院期間が長くなる可能性があります。家や職場から近く、通いやすいことも大切です。仕事が忙しい方は、夜も診療しているクリニックを選ぶようにしましょう。

治療期間の目安

円形脱毛症の治療期間は重症度にもよりますが、半年〜年単位になることが多いです。

軽度の円形脱毛症であれば、半年程度の経過観察で軽快する場合もありますが、脱毛症が頭全体に広がっている場合や頭の複数箇所に脱毛が広がっている場合などは、年単位の治療期間が必要になることがあります。

病院で行われる9つの治療方法

円形脱毛症の治療は、日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインに沿って行われます。

ガイドラインでは、ある程度の治療効果が証明されている「行うよう勧める治療」と、はっきりとした治療効果は証明されていないが治療効果が期待される「行ってもよい治療」が記載されています。

まずは行うよう勧める治療をメインに行っていくことが、基本的な治療方法になることが多いでしょう。

ここではそれぞれの治療法について、解説します。

行うよう勧める治療

円形脱毛症に対し行うよう勧められる治療は、主にステロイドの局所注射、局所免疫療法、ステロイドの外用です。それぞれ解説します。

ステロイドの局所注射

ステロイドとは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つで、炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があります。ステロイドの局所注射は、このステロイドを脱毛している箇所へ注射する治療です。円形脱毛症が全体に広がっておらず、単発、もしくは複数の脱毛斑がある成人の方で主に行われます。

副作用として、注射する部位の痛み、萎縮、血管の拡張などがあります。

局所免疫療法

局所免疫療法は、脱毛している箇所へ薬剤を塗り発毛を促す治療で、頭部全体に脱毛が広がっている方に積極的に用いる治療の1つです。

局所免疫療法で使用する薬剤はSADBE(スクアリック酸)、DPCP(ジフェニルシクロプロペノン)などが代表的です。

副作用として、皮膚炎、頭痛、色素沈着などがあります。また、アトピー性皮膚炎などもともと皮膚が弱い方は注意が必要な治療です。

ステロイド外用

ステロイドの外用は、ステロイド軟膏やローションを脱毛している箇所に塗る治療です。ステロイドの外用は、円形脱毛症が全体に広がっておらず、単発、もしくは複数の脱毛斑がある方で主に行われる治療です。

副作用として、皮膚の炎症、皮膚の萎縮などがあります。

行ってもよい治療

円形脱毛症に対し、行っても良いとされる治療は、内服治療、ステロイドパルス、外用療法、冷却療法、紫外線療法、直線偏光近赤外線照射療法などがあります。

1つずつ解説します。

内服加療

内服治療は円形脱毛症の治療に効果が期待される薬剤を内服する治療です。

内服する薬剤は、ステロイド、抗ヒスタミン薬、セファランチン、グリチルリチン・グリシン・メチオニン配合錠などがあります。

内服治療は内服する薬剤によってそれぞれ副作用が異なります。例えば、ステロイドの内服治療は肥満、緑内障、糖尿病、骨粗しょう症などの副作用があり、内服期間が長くなる場合には特に注意が必要です。

内服薬の種類によっては専門的なフォローアップが必要になることがあります。内服加療については専門的な病院・クリニックで意見を聞くようにしましょう。

ステロイドパルス

ステロイドパルスは、静脈注射で比較的高用量のステロイドを数日、集中的に投与する治療です。円形脱毛症の発症後6か月以内に、比較的進行が早いことが認められた場合に用いる治療になります。

副作用として、肥満、緑内障、糖尿病、ざ瘡、骨粗しょう症などがあります。

ステロイドパルスは比較的強度の高い治療であり、円形脱毛症を専門に扱う病院・クリニックで行うことが大切です。

外用療法

外用療法はカルプロニウム塩化物、ミノキシジルなどの薬剤を患部に塗る治療です。副作用として、薬との相性によって肌の炎症などが生じる可能性があります。

外用療法は円形脱毛症に対して推奨されている治療と併用して行われることが多くあります。

冷却療法

冷却療法は、液体窒素などを用いて脱毛している箇所を冷却する治療です。副作用として皮膚の水泡形成や痛みなどがあります。

冷却療法は簡便で副作用も少ないことから今後の発展が期待されています。

紫外線療法

紫外線療法は、脱毛している箇所に専用の機器で紫外線を照射する治療です。PUVA療法やエキシマライトと呼ばれる紫外線療法を行うことがよくあります。

副作用として、照射した部位における皮膚の炎症などが生じる可能性があります。

直線偏光近赤外線照射療法

直線偏光近赤外線照射療法は、脱毛している箇所に専用の機器で赤外線を照射する治療です。 副作用として、やけどや皮膚の炎症を生じる可能性があります。

円形脱毛症の治療法については、「円形脱毛症の治療方法とは?原因やセルフケアについて解説」でも詳しく解説しています。

参考:公益社団法人 日本皮膚科学会「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版

円形脱毛症のセルフケア方法

上記の円形脱毛症の治療はいずれも病院・クリニックで行う専門的な治療です。しかし、円形脱毛症になった後、もしくは円形脱毛症になる前に自分で行うことができるケアもあります。

ここからは、円形脱毛症の4つのセルフケア方法について解説します。

1.ストレスを軽減する

ストレスと円形脱毛症の直接的な関係は完全には証明されていませんが、ストレスは脱毛の原因になる可能性があります。

ストレスによって自律神経やホルモンのバランスが崩れ、頭皮の血行不良を生じ、結果として円形脱毛症を引き起こす要因となる可能性があります。

肉体的・精神的なストレスを軽減することは円形脱毛症の大切なセルフケアの1つです。

2.生活習慣を見直す

喫煙、睡眠不足、食生活の乱れなどを改善させることも、円形脱毛症のセルフケアの1つの方法です。

喫煙は頭皮の血行不良、睡眠不足はホルモンバランスの乱れの原因となり、食生活の乱れは頭皮環境の悪化により脱毛を引き起こす可能性があります。

禁煙、規則正しい生活、バランスのとれた食生活を意識しましょう。

3.洗髪方法を見直す

洗髪方法を見直すことで、円形脱毛症の進行を抑えることができます。間違った洗髪をしたり、自分に合わないシャンプーを使ったりすると、頭皮環境の悪化を招き、脱毛の原因になる可能性があるからです。

頭皮を洗う時は爪を立てるのではなく、指の腹で頭皮全体を優しく洗うようにしましょう。

また、シャンプーは刺激の強いものは避けましょう。頭皮の荒れが気になる場合には他のシャンプーを試してみることも検討してください。

4.頭皮マッサージをする

頭皮マッサージをすることで頭皮の血流環境を改善し、発毛や育毛を促進することができます。頭皮マッサージをする際は、頭皮のタッピング(指でトントンと叩くこと)、こめかみあたりの揉み込み、生え際の揉み込みなどを行います。いずれも力を入れすぎずに行うことが大切です。

しかし、頭皮マッサージは脱毛している箇所に行うと脱毛を促進してしまう可能性もあるので注意が必要です。頭皮マッサージについては、行って良いかどうか、また行って良い場合のやり方を病院で一度聞いてから行う方が無難です。

まとめ

円形脱毛症は病院で治療すべき疾患です。脱毛症、特に円形脱毛症の診療実績が豊富な病院・クリニックが安心です。治療期間が長くなる可能性があるため、家や職場からの通いやすさ、駅からの距離や診療時間も確認が必要です。脱毛が気になる時や、脱毛斑に気が付いた時にはできるだけ早く皮膚科の病院・クリニックで受診しましょう。

年齢とともに前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなっている、細くなっているといった症状であれば、円形脱毛症ではなくAGAかもしれません。

レバクリでは、AGA治療のオンライン診療サービスを提供しています。診察は無料なので、ぜひお気軽にご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会