更新日:2025年10月30日
髪が細くて柔らかい「軟毛」の方のなかには「将来はげるのではないか」と不安に思っている方もいるかもしれません。生まれつき軟毛の場合は必ずしも将来はげるとは限りませんが、硬毛から軟毛に変化している場合ははげるリスクが高い可能性があります。
この記事では、軟毛の場合にはげる可能性について解説するほか、ハゲやすい髪質になる原因や改善方法を紹介します。
軟毛の髪の毛は細く柔らかいため、ボリュームが出にくく薄毛に見えやすい傾向があります。一方、髪質が硬く1本1本の毛髪が太くしっかりしている場合、はげるリスクはないように見えるかもしれません。
ここでは、軟毛・硬毛の場合のはげる可能性について解説します。
髪のボリュームが出にくくダメージを受けやすいといわれる軟毛ですが、必ずしもはげるわけではありません。軟毛とは、1本1本の毛髪が細く柔らかい髪質のことです。髪の毛の本数は多くてもボリュームが出にくく、頭皮が透けて見えやすいことが特徴です。
また、髪の外側を覆うキューティクルが薄いことや、髪色の決め手となるメラニン色素が少ないため、紫外線やドライヤーの熱などからダメージを受けやすいといわれています。
しかし、髪の毛が傷みやすくボリュームが出にくかったとしても、はげるリスクが高いとは言い切れないでしょう。
生まれ持った髪質が軟毛か硬毛かで、将来はげる可能性が高いかは判断できません。ただし、もともと硬毛の方が軟毛に変化してきた場合、将来的にはげるリスクが高いと考えられます。
太くて固い髪の毛はボリュームも出やすく、薄毛とは縁遠い髪質と思う人もいるかもしれません。しかし、加齢や不規則な生活、ストレスなどによってヘアサイクル(毛周期)が乱れると、髪の毛の成長が妨げられ、硬毛が軟毛に変化することもあります。
「以前は硬毛だったのに、最近軟毛になってきた」と感じる場合は、はげるリスクが高まっている可能性があるかもしれません。
太くしっかりとした髪質が軟毛へと変化する可能性のある要因として、以下の5つが考えられます。
睡眠や食生活、頭皮の状態など、ハゲやすい髪質になる原因について見ていきましょう。
生活習慣の乱れ、とくに睡眠不足は髪の毛の成長に支障をきたす可能性があります。毛髪の成長に欠かせない要素の一つである成長ホルモンは、十分な睡眠によって分泌が高まります。
また、運動不足も髪質の変化に影響を及ぼします。運動不足によって起こりやすいのが、血行不良です。血行不良により、頭皮に栄養が行き渡りにくくなります。結果的に、髪の成長が妨げられたりヘアサイクルが乱れたりして、硬毛から軟毛に変化することも考えられるでしょう。
食事の時間が定まっていなかったり、欠食したりといった不規則な食生活も、髪質の変化に影響を及ぼします。とくに夕食が就寝直前の場合、睡眠の質が低下するといわれています。十分な睡眠時間と質の高い睡眠は、成長ホルモンの分泌に不可欠です。
また、食事を抜くと体に必要な栄養素を十分に摂取できません。髪の毛の成長に必要な栄養素も不足するため、軟毛になりやすかったり抜け毛が増えたりする可能性が高まるでしょう。
もちろん、髪の毛を構成するたんぱく質をはじめとした各種栄養素を不足なく摂取できるよう、栄養バランスの整った食事をとることも髪の毛の健康維持に欠かせません。糖質や脂質が中心の食事、ビタミンやミネラルが不足した食事では、頭皮や髪の毛の健康維持に必要な栄養が不足し、はげるリスクが高まるためです。
頭皮にフケやかゆみといったトラブルがあると、髪質の変化や抜け毛の増加を引き起こしやすくなります。頭皮のトラブルの原因の例は、以下のとおりです。
上記のような状態を続けると、頭皮の乾燥による皮脂の過剰分泌や炎症につながります。結果として頭皮の環境が悪化し、髪の毛が細くなったり抜け毛が多くなったりするなど、薄毛につながる状態を招くでしょう。
ストレスも髪の毛の成長に支障をきたし、髪質を変化させる要因の一つです。過度なストレスは、自律神経のバランスを乱します。体が緊張した際に働く交感神経とリラックス時に働く副交感神経、2つの自律神経のバランスが取れなくなると、ホルモンバランスの乱れにつながることがあるため注意しなくてはなりません。
ホルモンバランスはヘアサイクルにも影響を与えるため、乱れると髪の毛の成長スピードや薄毛の進行に悪影響を及ぼす可能性があります。また、直接的な原因とはならないものの、長期的なストレスがAGA(男性型脱毛症)の症状を悪化させることもあります。
喫煙している方も、ハゲやすい傾向があるといわれています。たばこに含まれる有害物質のニコチンには、血管を収縮させる作用があるためです。喫煙を長く続けている場合、血管収縮作用により血流の低下が起こり、体内での酸素や栄養の供給が滞ります。
喫煙によって頭皮に多く存在する毛細血管の血流が悪くなると、髪の毛の成長に必要な栄養が十分に届きません。その結果、軟毛になったり抜け毛が増えたりし、はげるリスクを高める可能性があります。
髪質が軟毛になってきたと感じたら、早めに改善策を講じることが大切です。日常生活においては、以下のような点に着目してみましょう。
ここからは生活習慣や食事内容の改善に加え、適切なヘアケア剤の使用など、髪質の改善が期待できる6つの方法について紹介します。
まずは睡眠や運動など、生活習慣の改善を心がけましょう。十分な睡眠時間の確保はもちろん、寝室の環境を整えたり起床時間を決めたりして良質な睡眠をとることも重要です。睡眠に関しては、以下のような点を意識してみましょう。
また、起床時には日光を浴びることも有効です。人間の体内時計は、24時間よりも少し長い時間で刻まれており、日々リセットしないとズレが生じるといわれています。
このズレをリセットする方法が、起床時に日光を浴びることです。日光を浴びて誤差をリセットすると夜に入眠しやすくなり、より良質な睡眠を得られる可能性があります。
栄養バランスの整った食事を心がけることも有効です。バランスのよい食事を心がけつつ、とくに髪の成長、髪質改善のために意識して摂取したい栄養素と、その働きや期待できる効果は以下のとおりです。
ただし、これらの栄養素だけを摂取すればよいわけではありません。できる限り多くの種類の食品をとることを意識すれば、髪の毛によいとされる栄養素も補給できるでしょう。
毎日のヘアケアの方法を見直すことも、ハゲやすい髪質の改善が期待できる手段です。普段何気なく行っているシャンプーも、間違った方法で行うと頭皮や髪にダメージを与え、薄毛を進行させる原因になりかねません。
シャンプーは頭皮の汚れを落とすだけでなく、頭皮環境を整えるためにも大切です。洗浄力を重視することも大切ですが、その点ばかりに着目すると刺激が強すぎて頭皮に負担をかける可能性があります。
シャンプーする際は、指の腹を使ってマッサージするように優しく洗うと、頭皮の血行促進に効果的です。爪を立てたり強い力でゴシゴシと洗ったりすると、頭皮が傷ついて炎症や抜け毛の原因となってしまいます。
最後に、すすぎ残しがないようにシャンプーをしっかりと洗い流しましょう。トリートメントを活用する場合も、すすぎ残しに注意が必要です。
洗い終わったら、髪を包み込むように優しくタオルドライし、ドライヤーで乾かします。頭皮に近づけすぎないようにしつつ、全体をまんべんなく乾かしましょう。
ストレスを溜め込まないことも、健やかな髪質維持に効果的であると考えられます。ストレスをゼロにすることは難しいかもしれませんが、適宜解消することで自律神経のバランスを整えることに役立つでしょう。結果的に頭皮の血行がよくなり、髪質の改善につながる可能性があります。
自分なりのストレス解消方法を見つけ、定期的に実践する時間を設けましょう。ストレス解消方法の例は、以下のとおりです。
日頃からストレスを溜め込まないようにする意識を持ち、心身ともに健康な状態を保ちましょう。
適度な運動を習慣化することも大切です。運動して全身の血流が促されると、頭皮の血流改善にもつながります。また、運動は良質な睡眠のためにも欠かせない生活習慣の一つです。
ただし、体に負担のかかる強度の高い運動は必要ありません。ウォーキングやサイクリングなど、比較的体への負担が軽い有酸素運動がおすすめです。
「買い物しながら」「通勤しながら」など、何かのついでに行う「ながら運動」や、隙間時間でできるストレッチなどを含め、無理なくできる運動を習慣にしてみましょう。
髪質の改善に向けて特別なケアをしたいと考える場合は、育毛剤や発毛剤の使用も検討してみましょう。
育毛剤は頭皮環境を改善し、健康な髪の毛を育てたり薄毛を防いだりすることを主な目的としており、その多くが医薬部外品です。価格は比較的リーズナブルで、ドラッグストアやネット通販などで手軽に入手できるうえ、種類も豊富なため自身の頭皮の状態や好みに合わせて選択できます。
一方、発毛剤は発毛を促す効果のある成分「ミノキシジル」が配合されています。ドラッグストアでも販売されていますが、副作用が出る可能性もあり、購入するには薬剤師から説明を受けなければなりません。
どちらを選択するかは、薄毛の状態や費用などを考慮して判断しましょう。
なお、薄毛に悩んでいる場合は、自己判断せずにクリニックに相談することがおすすめです。医師に相談することで、自分に合った適切な治療法で薄毛の改善を図れるでしょう。
薄毛に悩み「なんとかしたい…」と感じたら、医師への相談を検討しましょう。髪質が硬毛から軟毛に変わってきてはげるのではないかといった不安がある場合、まずは生活習慣を改善したり、育毛剤や発毛剤を試したりするといった行動に移す方が多いかもしれません。しかし、その薄毛が進行性のAGAであった場合、より早めの治療が大切です。
オンライン診療であれば、自宅にいながら医師の診察を受けられ、治療薬は自宅などに届きます。多忙で受診する時間がない方や治療していることを周りに知られたくない方、近くにAGA専門のクリニックがない方も気軽に利用しやすいでしょう。
軟毛だからといって、必ずしもはげるわけではありません。ただし、もともと硬毛だった方の髪質が変化し軟毛になった場合は、はげるリスクが高い可能性があります。
ハゲやすい髪質になる原因は多岐にわたり、その多くが生活習慣やストレスによるものです。食生活の改善や運動に加え、適切なヘアケア方法や自分に合ったストレス解消法を実践し、健やかな頭皮と髪の毛を維持しましょう。
薄毛の進行が気になる場合は、クリニックへの相談も検討してみてください。自己判断で対策を行うよりも、医師の診断に基づいた適切な治療を受けることで、効果的に薄毛の改善を図れます。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)