更新日:2025年10月30日
生え際の産毛が急に増えたと感じ、短いままなかなか伸びないことに悩んでいる方もいるかもしれません。おでこの産毛が伸びない原因は、AGAによるヘアサイクルの乱れのほか、生まれつきの体質であるケースも考えられます。
この記事では、生え際の産毛が伸びない理由について解説するほか、薄毛の兆候として代表的な症状を紹介します。生え際の産毛を成長させるための方法や、AGAによる薄毛の治療法も紹介しているため、ぜひチェックしてください。
生え際の産毛が伸びない主な理由としては、以下の3つが考えられます。
なぜ生え際の産毛が伸びないのか、項目別に見ていきましょう。
AGA(男性型脱毛症)によるヘアサイクルの乱れによって、生え際の産毛が目立ちやすくなる場合があります。AGAは、主に男性ホルモンの影響が原因で、生え際や頭頂部から薄毛が広がっていく進行性の脱毛症です。
髪の毛の正常なサイクルでは、成長期・退行期・休止期という3つの段階を経て髪が生え変わります。成長期の期間が長いほど、髪は長く太く成長するのが特徴です。
しかし、AGAでは男性ホルモンの影響で成長期が短くなり、髪が十分に成長しないまま抜け落ちます。その結果、細くやわらかい産毛が残り、症状が進むことで生え際が徐々に後退します。
遺伝などによる生まれつきの体質で、生え際の産毛が伸びないケースもあります。正常な産毛は「成長して長く太くなる」タイプと「細く短いまま」の2つのタイプに分かれ、産毛が多い場合でもAGAとは限りません。
生まれつき生え際の産毛が多く見られる場合は、ヘアサイクルの乱れとは関係ないケースが多く、薄毛に直結することは少ないと考えられます。ただし、急に産毛が増えてきて気になったら、医療機関に相談してみるとよいでしょう。
AGAの治療で薬を使い始めたときに、副作用として脱毛の症状が起こり、一時的に生え際の産毛が多くなることがあります。
これは「初期脱毛」と呼ばれるもので、治療によって髪が生まれ変わるサイクルが正常に近づいているサインです。AGA治療薬の使用による初期脱毛は、以下の流れで進行します。
初期脱毛で産毛が一時的に多くなったとしても、そこから健康な髪として成長するため問題はないでしょう。初期脱毛の症状は、数週間から数か月経つと治まることが一般的です。
生え際の産毛以外に以下のような前兆が見られる場合、AGAによる薄毛に該当する可能性があります。
もしかしたらAGAかもしれないと感じている方は、これらの症状があるかチェックしてみましょう。
抜け毛の本数が極端に増えている場合、薄毛の前兆かもしれません。髪は健康な状態でも1日50〜100本は抜けますが、ヘアサイクルの異常で成長期が短くなると、それ以上に多く抜けてしまいます。
シャンプーのときに髪の毛が抜けて手に多く付いたり、寝起きの枕に抜け毛が多く散らばったりしているのは、薄毛が進行しているサインの可能性があります。
いつも通りヘアセットしたのに今ひとつきまらないことも、薄毛を自覚しやすいシーンです。薄毛によって髪が細くなると、全体的にボリュームが減り整髪料を使っても髪が立ち上がりません。
ヘアセットしても、整髪料の重みでペタッとつぶれることが多くなりやすいでしょう。スタイリングがうまくいかないと感じたら、髪が前よりも痩せて細くなっていないか確認してみましょう。
生え際が徐々に後退していくのは、AGAによる薄毛の特徴的な症状です。頭頂部の髪も薄くなりやすく、生え際と頭頂部が同時に薄くなっていくと、U字ハゲと呼ばれる状態になることがあります。
生え際が後退しているか調べたいときは、鏡を見ながらおでこの広さをチェックしましょう。中指・薬指・小指の3本を揃えておでこに当て、小指が眉の上にくるようにしてください。
中指と生え際の間に隙間ができている場合は、生え際が後退している可能性があります。ただし、おでこの広さには個人差があるため、ひとつの目安と考えましょう。
AGAによって、つむじ周辺の薄毛が目立つようになるケースも見られます。頭頂部を自分で確認する機会は少ないため、「いつの間にかつむじ部分が薄毛になっていた」と感じる場合もあるでしょう。
つむじハゲの特徴のひとつは、毛の流れがはっきりと分からなくなることです。正常な毛は1本1本しっかり太さや長さがあるため、つむじの毛の流れがはっきりしています。一方、つむじ周辺の毛が成長せず短い毛や細い毛が増えると、つむじの渦の方向が不明瞭になってきます。
また、つむじ部分の毛が抜けて、まばらに生えた毛の隙間から頭皮が見えるようになるのも、つむじハゲの特徴です。
頭皮が硬い状態は、薄毛につながりやすいとされています。頭皮が固くなる主な原因は、血行不良です。血行が良好であれば、血液の循環によって毛の成長に必要な栄養や酸素などが運搬されます。
しかし、血行が悪くなると頭皮に十分な栄養や酸素が届かず、毛の成長が停滞することがあります。そのため、血行不良で硬くなった頭皮では、薄毛の症状が起こりやすいでしょう。
頭皮の血行不良は、体の冷えが原因になっている場合があります。また、運動不足やストレス、食生活の乱れ、睡眠不足などが血行不良を引き起こすこともあり、これらの生活習慣によって頭皮が硬くなるケースも見られます。
頭皮環境が前より悪化したと感じたら、薄毛の兆候の可能性があります。以下に挙げるようなトラブルがある頭皮は、抜け毛が増えて薄毛になりやすいためです。
頭皮の赤みやかゆみは、合わないヘアケアアイテムを使っていることや、乾燥、紫外線などが主な原因です。フケが多く出るのは、乾燥または皮脂の過剰分泌によって、頭皮の皮脂バランスが乱れていることが原因かもしれません。
頭皮トラブルを放置すると抜け毛が増えやすいため、原因を考えて早めに対処することが大切です。
生え際の産毛を伸ばすのに有効な方法は、以下の5つです。
普段の生活を少し変えるだけで、ヘアサイクルの乱れを改善できる可能性があります。これからご紹介する方法を取り入れて、健康な髪を育てましょう。
頭皮環境を改善することで、生え際の産毛を健康な髪にできる場合があります。以下のポイントを押さえて、頭皮の状態を整えましょう。
シャンプー前に頭皮クレンジングを行い、溜まった皮脂や汚れを取り除きます。週1〜2回程度が目安です。
洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に刺激を与えて頭皮環境を悪化させる場合があります。アミノ酸系のシャンプーなど洗浄力がやさしいものを選び、頭皮をいたわりましょう。
頭皮を揉みほぐして血行を促進し、毛根に栄養や酸素を届きやすくするのも効果的です。すべりが悪いと頭皮を傷つけてしまうため、シャンプー時などに行うのがおすすめです。爪を立てないようにして、指の腹でやさしく円を描くようなイメージで頭皮全体をマッサージしましょう。
洗髪後に髪を自然乾燥させることは、水分の蒸発による頭皮の乾燥や血行不良を招くといわれています。ドライヤーを使って素早く乾かし、頭皮トラブルを予防しましょう。
生え際の産毛を育てるには、生活習慣の見直しも必要です。適度な運動を定期的に行い、頭皮の血流アップを促しましょう。
また、質の良い睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、産毛を太く健康な髪へ成長させるのに有効です。できる限り毎日同じ時間に就寝・起床して、睡眠のリズムを整えましょう。
睡眠の質を高めるコツとしては、入眠前の時間をリラックスして過ごすことがおすすめです。寝る直前のスマートフォンやタブレット、パソコンの使用は眠りを浅くするため避けたほうがよいでしょう。
健康な髪の育成には、栄養バランスの整った食生活も大切です。髪を構成する主要な成分であるタンパク質や、髪を育てるために必要なビタミン・ミネラルをしっかり摂りましょう。
タンパク質は、肉や魚、卵、大豆、乳製品などに多く含まれています。抜け毛の防止に効果的といわれているのはビタミンB2やB6などのビタミンB群で、毛母細胞を活性化させて髪の成長をサポートしたり、新陳代謝を高めて血流を良くしたりする働きがあります。
ビタミンB2を多く含む食品は、レバーや青魚、卵、大豆などです。ビタミンB6は、肉類やナッツ、サケ、マグロなどに多く含まれています。
健康な髪の育成に必要なミネラルは、亜鉛や鉄分です。亜鉛はシーフードやナッツ、鉄分はレバーやひじき、切干大根、ほうれん草などに含まれています。これらの栄養素をバランス良く摂る食生活を心がけましょう。
ストレスが原因で抜け毛が増えて産毛が目立っている場合は、ストレス解消法を見つけることが解決につながるかもしれません。ストレスが蓄積すると自律神経が乱れ、血流が悪くなって毛根に栄養が届きにくくなります。
さらに、ストレスによってホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが過剰に分泌されます。ジヒドロテストステロンの分泌量増加は薄毛につながるといわれており、ストレスを適度に発散して過剰分泌を防ぐことがポイントです。
ストレス解消のために、運動や音楽、入浴など、自分の好きなことを楽しむ時間を作りましょう。
髪に負担がかかることで抜け毛が起こっている場合は、髪を引っ張るヘアスタイルをやめましょう。髪や頭皮が習慣的に引っ張られて起こる脱毛症は、牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)と呼ばれます。
牽引性脱毛症は、ポニーテールなど髪を強く引っ張る髪型で髪や頭皮に強い負荷がかかり、毛根がダメージを負って抜け毛が増える脱毛症です。女性だけでなく、男性もオールバックなどの髪型を作るために髪を強く後ろに引っ張ることで、発症する場合があります。
髪を頻繁に引っ張っていると産毛の成長が阻害されるため、スタイリングはゆるめに整えて、髪に負担がかからないように注意しましょう。
AGAにより生え際の薄毛が進行している場合は、治療を受けることで改善を目指せます。生え際の薄毛を治療する方法として、以下の4つが挙げられます。
自力での対策が難しいと感じたら、治療を検討しましょう。
内服薬を服用するAGAの治療では、生え際の薄毛の進行を抑えたり、発毛を促進したりします。主な内服薬の種類と効果は以下の通りです。
いずれの内服薬も、飲み始めてから効果が得られるまで数か月を要し、継続的な服用が必要です。内服薬の服用を止めると再び薄毛が進行するため注意しましょう。
AGAによる生え際の薄毛は、外用薬の塗布で治療する方法もあります。薄毛治療に使用される外用薬は、ミノキシジルを主成分としたものが多いでしょう。
ミノキシジルの外用薬は特に頭頂部の発毛に効果を発揮しますが、継続使用により生え際の薄毛にもアプローチできます。ただし、生え際は頭頂部よりもミノキシジルの効果が現れにくく、長い期間をかけて発毛を実感できるケースが多いでしょう。
外用薬だけで薄毛の進行を抑制できない場合、内服薬と併用して治療する選択肢もあります。
薄毛の原因となるジヒドロテストステロンは、男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結びつくことで生成されます。そのため、5αリダクターゼの働きを阻害するフィナステリドやデュタステリドが配合された内服薬を併用すると、より治療の効果が現れやすいでしょう。
自毛植毛は、自分の毛髪を頭皮ごと薄毛の部分に移植する方法です。外科的な手術をともないますが、うまくいけば移植した頭皮の発毛組織から健康な髪の毛が生えて、生え際の薄毛を解消できる場合があります。
自毛植毛のメリットは、人工毛ではなく自毛を移植するため、拒絶反応が少ないことです。また、見た目も自然な仕上がりが期待できるでしょう。治療が成功すれば根本からの薄毛解消が期待できますが、費用は高くなりやすいとされています。
メソセラピーでは、毛根を活性化させる成分を頭皮に直接注入し、発毛を促します。
メソセラピーに使用される薬剤には、ミノキシジルやフィナステリドなどの成分が配合されています。そのほかに、毛母細胞の活性化を促す成長因子や、髪の健康維持に必要なビタミン・ミネラルなども個々の状況に合わせて配合されます。
メソセラピーのメリットは、外科的な手術に比べてダウンタイムが少ない点です。ただし、1回の治療では効果が得られず、一定の間隔を空けて治療を継続する必要があり、3〜6か月ほどで効果を実感できるケースが多いでしょう。
生え際の薄毛が気になっているときは、オンラインクリニックに相談するのがおすすめです。オンラインクリニックは、病院に行く場合に比べて待ち時間や交通費の負担がかかりません。
自宅に居ながらオンライン上で診療を受けられるため、人目を気にすることなく受診できます。院内処方であれば処方された薬は自宅に配送され、薬を受け取りに薬局まで出向く必要がありません。
薄毛治療の相談は、利便性の高いオンラインクリニックを利用してみてはいかがでしょうか。
生え際の産毛が増えてなかなか伸びないのが気になり、抜け毛の増加や生え際の後退などの症状が見られる場合は、薄毛の兆候かもしれません。頭皮環境や生活習慣を改善しても薄毛の進行を抑えられないときは、内服薬や外用薬などによる治療を検討しましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)