更新日:2025年10月30日
「AGA治療中に白髪染めをしても大丈夫なのだろうか?」「AGA治療を開始してから、白髪が増えた気がする」と考えている人もいるかもしれません。白髪とAGAによる薄毛に直接的な関係はありませんが、どちらも加齢や生活習慣の乱れなどにより起こりやすいため、同時に生じたと感じる場合があります。
本記事では、白髪とAGAによる薄毛の関係について解説します。また、AGA治療中に白髪が増えたと感じる原因や、白髪があるときにAGA治療を始める際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
白髪は、頭皮のメラニン細胞(メラノサイト)でメラニン色素を産生できなくなることで発生します。メラニン色素には黒色メラニンと黄赤色メラニンがあり、産生されなくなると色のない白い毛が増えていきます。
一方、薄毛は毛量が減った状態のことです。男性ホルモンの分泌異常によって引き起こされるAGAは薄毛の原因のひとつで、日本人の成人男性の3人に1人はAGAともいわれています。なお、AGAは治療しないと症状が進行するため、薄毛が気になるときは早めに受診しましょう。
白髪と薄毛はそれぞれ異なる状態で、直接的な関係はありません。しかし、共通した原因もあるため、同時に起こることがあります。
白髪と薄毛・AGAには、いくつか共通した原因があります。共通の原因により白髪と薄毛が同時に生じることで「薄毛治療を始めたら白髪が増えた」「白髪染めをしたら薄毛になった」と感じることがあります。
白髪や薄毛に共通する原因について見ていきましょう。
加齢により、白髪や薄毛は生じやすくなります。個人差はありますが、年齢が高くなるほど白髪が生えたり薄毛になったりする可能性が高まります。
また、薄毛の原因のひとつであるAGAは、年齢が高くなるほど発症率が高くなる脱毛症です。そのため、白髪が増えるのと前後してAGAになる可能性があります。
食生活が乱れると、血行不良や栄養不足を招き、頭皮に十分な栄養が行き渡りにくくなります。メラミン色素の産生や毛髪の成長が阻害され、白髪や薄毛を招くことがあります。
頭皮に十分な栄養を補給するためにも、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを豊富に含んだ食事をとることが大切です。特定の栄養素に偏らず、バランスよく食べるよう意識しましょう。
紫外線はメラニン細胞にダメージを与え、機能が低下することがあります。紫外線によるダメージは蓄積するため、年齢を問わず紫外線対策を実施することが、白髪の予防に役立つでしょう。
紫外線はメラニン細胞だけでなく頭皮そのものにもダメージを与えます。毛髪が産生されにくくなったり抜けやすくなったりすることで、薄毛が生じやすくなる可能性もあるでしょう。
白髪や薄毛を予防するためにも、日傘や帽子などを使って、頭皮や毛髪に直接紫外線が当たらないように対策することが大切です。また、UVカット効果のあるスプレーやヘアクリームなども活用しましょう。
ストレスは心身に多大な影響を及ぼします。ストレスにより自律神経が乱れて交感神経が優位になると、血管が収縮して血流が悪化します。これにより頭皮に栄養が十分に行き渡りにくくなり、白髪や薄毛を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
しかし、社会や人との関わりを完全に避け、ストレスをゼロにするのは難しいでしょう。自分にとって何がストレスになるのかを考えて回避するよう工夫したり、ストレス解消法を実践したりしましょう。
睡眠時間が不足すると、成長ホルモンの分泌が低下します。成長ホルモンは細胞の修復に必要です。分泌量が減少することで、毛髪をつくる毛母細胞やメラニン色素の産生に悪影響が及ぶ恐れがあり、薄毛や白髪が生じやすくなります。
睡眠時間は十分に確保できても眠りの質が悪いと感じている場合は、良質な睡眠をとるための工夫をしてみましょう。たとえば就寝の2時間ほど前に入浴すると、就寝時に適度に体温が下がり、入眠しやすくなります。
胃腸の働きが活発なときには入眠しづらいため、就寝の3時間以上前に夕食を終えることもおすすめです。また、就寝直前にはスマートフォンやテレビなどを見ないようにすることや、寝室を快適な温度に調整することでも、睡眠の質を高められます。
薄毛やAGAの治療により、白髪が生えやすくなることはありません。しかし、AGA治療を進める中で、白髪が増えたように見えるケースもあります。
ここでは、白髪が気になる方が薄毛・AGA治療を始めるときの注意点を紹介します。
AGA治療により薄毛を改善できますが、白髪は改善されません。白髪とAGAによる薄毛の両方が気になる場合は、白髪染めをしつつAGA治療を進めましょう。
また、AGA治療により、今まで黒髪だった髪が白髪になることもありません。もしAGA治療を開始してから白髪が増えたと感じるなら、AGA治療を開始した時期と白髪が生える時期が偶然重なったと考えられます。
AGA治療により薄毛が改善されても、必ずしも黒髪が生えてくるわけではありません。すでに白髪がちらほら見えていた方なら、白髪が生えてくる可能性もあります。
また、AGA治療により毛量が増えたり毛髪が太くなったりすることで、白髪の量が増えたように見えることもあります。しかし、あくまでも薄毛が改善されたのであり、AGA治療によって白髪が増えたわけではない点に注意が必要です。
白髪が生えていても、AGA治療は可能です。ただし、次の点に注意が必要です。
それぞれの注意点を解説します。
フィナステリドやデュタステリドといった内服薬は、高齢者が服用すると副作用が出やすくなることがあります。たとえば、フィナステリドには勃起機能不全や射精障害といった生殖器関連の副作用や、蕁麻疹や血管浮腫といった過敏症関連の副作用などがあります。
そのため、高齢者がAGA治療の内服薬を服用したいときは、慎重に判断することが必要です。場合によっては、内服薬による治療を実施できないこともあります。
また、他に服用している薬があるときも、AGA治療薬を内服できないことがあります。AGA治療で受診した際は、服用中の薬について医師に伝え、副作用など気になる点があれば確認しておきましょう。
ミノキシジル外用剤は整髪料と同時に使用できません。ミノキシジル外用剤がしっかりと乾いたのを確認した後、整髪料を使用するようにしてください。
なお、ミノキシジル外用剤はしっかりと洗った清潔な頭皮に塗布することで、浸透力が増して効果が発揮されやすくなります。整髪料を先に塗布するのではなく、ミノキシジル外用剤を塗布した後に整髪料を使用しましょう。
また、ミノキシジルは毛髪に塗布しても、発毛促進効果は得られません。毛髪にあまりつかないように注意して、頭皮に直接塗り込むようにしてください。
ミノキシジル外用剤は清潔で何も塗っていない頭皮に塗布することで、効果を発揮しやすくなります。白髪染めをする場合、完全に染毛を終えたあとにミノキシジル外用剤を塗布するようにしてください。
また、どの医薬品についてもいえることですが、ミノキシジル外用剤も決められた用法や用量を守ることが大切です。規定量以上に塗ったり塗布する頻度を増やしたりしても早く効果が得られるわけではなく、かえって副作用が生じるリスクが高まります。
ミノキシジル外用剤は、使用を開始してから効果を実感するまでに3~6ヶ月程度がかかります。1回の使用量や1日の塗布回数を確認し、正しく使用しましょう。
白髪とAGAに直接的な関係はありませんが、いずれも加齢や偏った食生活、ストレスといった共通する原因で生じやすくなるため、同時に進行することがあります。AGAは進行性の脱毛症で、治療を行わないと症状が悪化するため、治療の期間や費用の負担を減らすためにも、気になるときは早めに治療を開始するのがよいでしょう。
「AGA治療を始めたいけれど、忙しくてクリニックに行く時間がない」「AGA治療のクリニックに行くことに抵抗がある」という方は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。スマートフォンやパソコンなどのインターネットデバイスがあれば診療を受けられるため、時間的あるいは心理的な支障がある場合も治療を開始しやすくなります。
AGAによる薄毛と白髪には、直接的な関係はありません。しかし、AGAも白髪も加齢やストレスといった原因から生じやすくなるため、薄毛になり始めたときに白髪が増えたり、AGA治療を開始したときに白髪が目立つようになったりすることがあります。
AGA治療中も、白髪染めやパーマ液、整髪料を使用することは可能ですが、使用方法や用法・用量を守る点に注意しましょう。
AGA治療を開始するならオンライン診療を利用してみてはいかがでしょうか。場所を選ばず診察を受けられるため、忙しい方にもおすすめです。
レバクリでは、AGAのオンライン診療を実施しています。レバクリなら、診療から薬の処方まですべてオンラインで対応可能です。診察料は無料のため、ぜひご相談ください。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)