更新日:2025年10月30日
「髪を結ぶとはげる?」と気になっている方もいるかもしれません。髪を結ぶことで長時間引っ張る状態にすると前髪や生え際などがはげることがあり、注意が必要です。
本記事では、髪を結ぶとはげる原因や薄くなりやすい部位、牽引性脱毛症の予防・改善方法をご紹介します。
髪を結ぶ習慣があると、前頭部などの髪が薄くなってきたと感じることがあるかもしれません。
ここでは、髪を結ぶことがはげる一因になる可能性について、解説します。
髪を結ぶと毛髪が継続的に引っ張られる状態になり、「牽引性脱毛症」を引き起こすリスクがあります。牽引性脱毛症は、髪を強く引っ張ることで頭皮や毛根にストレスがかかり、脱毛が生じる症状です。
このような負担が日常的に加わることで、頭皮の状態が悪化して一時的に脱毛が見られるようになります。特に生え際や分け目など、引っ張る力が集中しやすい部分では、髪のボリュームが減っていく傾向があります。
性別や年齢に関わらず、髪にテンションがかかるスタイルを日常的に続けていると、部分的にはげる症状が現れることがあるでしょう。
髪を結ぶとはげるのは、紫外線によるダメージも関係しています。髪を結んでいると分け目の部分が露出し、直接紫外線を浴びやすくなるためです。
長時間紫外線を浴びることで頭皮がダメージを受け、髪の成長が妨げられて薄毛や脱毛を引き起こしやすくなるでしょう。また、紫外線の影響を受けた頭皮は炎症を起こすこともあり、それがさらに髪の健康を損なう原因となります。
そのため、髪を結ぶときは紫外線対策をしっかりと行うことが大切です。特に、日差しが強い時期や時間帯には帽子をかぶるなど、紫外線から頭皮を守るための対策を行いましょう。
髪を結ぶとはげることがあるのは、生え際やもみあげ、分け目です。
それぞれについてみていきましょう。
髪を結ぶとはげることがあるのは、主に前髪の横や生え際です。これらの部位は髪を結ぶ際に引っ張る力が強くかかるため、毛根に負担が集中しやすく、脱毛が起こりやすくなります。
引っ張られる力が継続的に加わると、毛根周辺の血行が悪化し、頭皮に十分な栄養や酸素が届きにくくなります。結果として毛根が弱り、髪の成長サイクルが乱れることで抜け毛や薄毛の原因につながるでしょう。
特に毎日同じ位置で髪を結んでいる場合、同じ毛根に繰り返し負担がかかるため、牽引性脱毛症を引き起こすリスクが高まります。
もみあげも、髪を結ぶことで牽引性脱毛症が起こりやすい部位のひとつです。もみあげの髪は比較的細く繊細で、髪を結ぶ際に本来の生える方向とは逆に強く引き上げられることで、毛根に過剰な負担がかかりやすくなります。
このような状態が毎日続くと、もみあげ部分の毛根に継続的な刺激や圧力が加わり、血行不良を引き起こす原因になります。血流が滞ると毛根に十分な栄養が届かず、髪の成長が妨げられ、はげることにつながる可能性があるでしょう。
また、もみあげは顔の側面に位置しており、風や紫外線、摩擦などの外部刺激にも常にさらされやすいため、ダメージを受けやすくなります。これらの要因が重なることで、薄毛が進行しやすくなるため注意が必要です。髪を結ぶ際は、もみあげへの負担を軽減する工夫を取り入れるとよいでしょう。
髪を結ぶと、分け目の部分も薄毛になりやすくなります。結んだ状態では髪が常に引っ張られ、分け目付近の毛根に継続的な負荷がかかり、血行不良を引き起こしやすくなるためです。血流が滞ることで毛根に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、次第に毛根が弱ってしまいます。
また、いつも同じ場所で分け目を作っていると、その部分の頭皮が紫外線や乾燥、外部からの刺激を受けやすくなります。頭皮がダメージを受けることでバリア機能が低下し、はげるリスクが高まるでしょう。
このような状態が長期間続くと、分け目付近の髪の毛は細く弱くなり、抜けやすくなるだけでなく頭頂部のボリュームも減少します。定期的に分け目の位置を変えたり頭皮ケアを取り入れたりして、ダメージを軽減しましょう。
髪をいつも結んでいると牽引性脱毛症になりやすいため、予防・改善するための工夫が必要です。
具体的にどのような対処法があるのか、順にご紹介します。
髪を結ぶ際は、できるだけ低い位置で結んだり、きつく締めすぎずゆるめに結んだりすることが大切です。こうした工夫によって髪や頭皮への負担を軽減し、毛根にかかる力を抑えられます。
特に長時間髪を結ぶ場合や毎日同じ髪型にする場合は、毛根や頭皮にかかるストレスが蓄積されやすいため注意が必要です。日によって結ぶ位置を変えることも、牽引性脱毛症の予防につながります。
髪にやさしいヘアゴムを使うことも、髪への負担を減らすために大切なポイントです。金属がついていないタイプや、シルク・コットンなどやわらかい素材で作られたヘアゴムは、髪を強く引っ張ったり摩擦を与えたりするのを防ぎます。
特に毎日髪を結ぶ人にとっては、ヘアゴムの素材選びが毛根や頭皮へのダメージを軽減するカギとなります。小さな工夫ですが、長期的には髪の健康を守ることにつながるでしょう。
髪を結ぶ時間を減らすことも、牽引性脱毛症の防止になります。長時間同じ位置で髪を結んでいると頭皮への負担が大きくなるため、できるだけ髪を結ばない時間を作ることが大切です。
外出時や必要なとき以外は髪を下ろすなどして、できるだけ髪を結ばない時間を意識的に作ることが大切です。特に自宅にいるときや就寝時には、頭皮を休ませる時間を確保するとよいでしょう。こうした日々の心掛けが、健康な髪を保つために大切です。
髪を結ぶスタイルに特にこだわりがない場合は、髪を短くカットして結ばずに済むスタイルに変えてみるのもひとつの方法です。
髪を短くすることで、髪そのものの重さによる頭皮への負担が軽減されるほか、日々の手入れも楽になり、頭皮や毛根を健康に保ちやすくなります。頭皮の負担を減らしつつ、見た目も気分もリフレッシュしたい方におすすめです。
牽引性脱毛症の予防や改善には、頭皮マッサージも有効なケア方法のひとつです。正しい方法でマッサージを行うことで、頭皮の血行が促進されて毛根への栄養供給がスムーズになり、ダメージの軽減が期待できます。
マッサージを行う際は指の腹を使い、頭皮全体を優しくほぐすように行いましょう。
力加減は軽めにして、痛みや強い刺激を感じない程度にするのが理想です。
1回のマッサージは5分程度を目安にし、洗髪時やシャンプー後、寝る前のリラックスタイムなどに取り入れるとより効果的です。継続的に行うことで、頭皮環境の改善につながります。
薄毛や抜け毛を予防するためには、日頃のヘアケアを丁寧に行うことも大切です。特に、シャンプー選びには注意しましょう。洗浄力が強すぎるものは頭皮への刺激となり、頭皮環境が悪化して抜け毛を招くこともあります。できるだけ低刺激で、頭皮にやさしいシャンプーを選ぶようにしてください。
また、頭皮の乾燥を防ぐためには保湿ケアも大切です。ヘアオイルや頭皮用の保湿ローションを使い、潤いを与えることで頭皮環境を整えられます。乾燥によるかゆみやフケを防ぐことで、健康な髪の成長をサポートできるでしょう。
ヘアケアを毎日の習慣にし、薄毛や抜け毛の予防につなげましょう。
牽引性脱毛症が進行し、セルフケアだけではなかなか改善が見られない場合は、できるだけ早めにクリニックを受診することをおすすめします。医療機関では、現在の頭皮や毛髪の状態を確認したうえで、症状に応じた適切な治療を行えます。
また、はげるのを防ぐために日常生活で注意すべきポイントや、脱毛の進行を抑えるためのヘアスタイルのアドバイスなど、予防と改善の両面からサポートを受けることが可能です。早期に適切な対応をとることで、効果的に治療を進められるでしょう。
髪を結ぶ習慣のある人がはげる場合、必ずしも髪を結んでいることが原因とは限りません。円形脱毛症やAGAといった疾患の可能性もあるため、注意が必要です。
ここでは、牽引性脱毛症以外ではげるケースを解説します。
円形脱毛症とは、毛髪が円形または楕円形に突然抜け落ちる脱毛症の一種です。原因は完全には解明されていませんが、自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎、ストレスなどが関与していると考えられています。
円形脱毛症にはいくつかのタイプがあり、脱毛が1ヵ所だけに見られる「単発型」、複数箇所に現れる「多発型」、頭髪全体が抜け落ちる「全頭型」、さらに眉毛や体毛にまで広がる「汎発型」などがあります。脱毛の程度や範囲によって対処法も異なり、早期の診断と適切な治療が大切です。
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略で、男性型脱毛症のことです。成人男性特有の進行性の脱毛症で、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなるのが主な特徴です。見た目の変化がゆっくりと進行するため、気づいたときには脱毛がかなり進んでいることもあります。
AGAの原因としては、遺伝的な要因や男性ホルモンの影響に加え、食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなども関係していると考えられています。
AGAは進行性のため、治療しないままでいると薄毛の範囲が広がります。「抜け毛が増えた」「髪が細くなってきた」といった変化に気づき不安を感じたら、できるだけ早く医療機関で相談しましょう。早期の治療により、症状の進行を抑えて薄毛の改善を図れます。
髪を結ぶと髪や頭皮に負担を与え、部分的にはげる牽引性脱毛症になるリスクがあります。前髪の横や生え際、もみあげなどが薄くなってきたら、結び方を変えるなどの対策が必要です。
髪が薄くなるのは円形脱毛症やAGAなどが原因の場合もあるため、疾患の可能性がある場合は早めに病院を受診しましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)