更新日:2025年12月23日
「エナジードリンクを日常的に飲むと抜け毛につながる?」と気になっている方もいるかもしれません。エナジードリンクにはカフェインや糖類が多く含まれており、過剰摂取すると亜鉛の吸収阻害(間接的)や血行不良を招き、髪が成長しづらくなって抜け毛につながる可能性があります。
本記事では、エナジードリンクが髪に与える影響について解説します。あわせて、エナジードリンクを飲むときの注意点や、抜け毛につながりやすいその他の食べ物についても紹介します。
エナジードリンクを飲み続けると、抜け毛が増える可能性があります。
中国の1028人(18~45歳)の男性を対象に行った北京清華大学の研究によると、加糖飲料の大量摂取は、AGA(男性型脱毛症)のリスク上昇と関連する可能性があるとしています。
ただし、AGAの状態の評価は医師による診断ではなく、本人の自己申告に基づいているため、結果は示唆的な効果しか示さない可能性があるとしています。また、対象となった飲料にはエナジードリンク以外の砂糖入り飲料(スポーツドリンクやソフトドリンクなど)も含まれており、エナジードリンクとAGA発症の直接的な因果関係が明らかになったわけではありません。
とはいえ、エナジードリンクに多く含まれる糖分やカフェインが、体や頭皮の状態に悪影響を及ぼす可能性があるため、飲みすぎには注意が必要です。
エナジードリンクは、髪の健康に悪影響を与える可能性があります。含まれるカフェインや糖分が、髪の成長を妨げる恐れがあるためです。ここからは、エナジードリンクに含まれる成分がどのように髪に影響するのかを解説します。
エナジードリンクに含まれるカフェインは、適量であれば集中力を高めるなどのメリットがあるものの、摂りすぎると髪に悪影響を与える可能性があります。とくに問題となるのが、発毛に必要な栄養素の吸収を妨げる点です。
たとえば、髪の主成分である「ケラチン」の合成に欠かせない亜鉛は、カフェインの過剰摂取によって体内に吸収されにくくなるといった、間接効果が考えられます。また、頭皮の血流を促進し、発毛に関わるとされる「アデノシン」も、カフェインの影響で働きが弱まると考えられています。
このように、カフェインを過剰摂取すると、髪の成長に必要な栄養素が十分に働かず、結果として発毛が妨げられる可能性があるでしょう。
エナジードリンクの影響で血糖値が上昇し血流が悪化すると、抜け毛のリスクが高まります。血流の悪化によって、髪の成長に必要な栄養や酸素が頭皮に届きにくくなるためです。
エナジードリンクには糖分が多く含まれており、過剰摂取によって高血糖状態が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。血管が硬くなると、頭皮の血流も悪くなり、髪に必要な栄養が届きにくくなるでしょう。
その結果、髪の成長サイクルが乱れて、抜け毛や髪のボリューム低下につながる恐れがあるため、エナジードリンクの糖分量には注意が必要です。
エナジードリンクの髪への影響が気になる場合は、摂取量や成分表示に目を向けましょう。ここからは、抜け毛のリスクを抑えるために意識したい、エナジードリンクの摂取量と商品の選び方について紹介します。
エナジードリンクを日常的に飲んでいる場合は、摂取量を見直すことが重要です。
厚生労働省によると、カナダ保健省では、1日あたりのカフェイン摂取量は健康な成人で400mgまでとしています。ただし、カフェインの摂取量に関しては体重や体調などによる個人差が大きい点に注意が必要です。
市販のエナジードリンクの場合、多いもので1缶あたり150mgほどのカフェインが含まれています。エナジードリンクによる抜け毛への影響が気になる方は、1日1缶までに抑えるとよいでしょう。
参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
糖分の摂取量を抑えるなら、砂糖を使っていないシュガーレスタイプの商品を選ぶとよいでしょう。一般的なエナジードリンクには1本あたり30g前後の糖質が含まれており、これはティースプーン10杯分程度の砂糖を摂取しているのと同等です。
エナジードリンクの主要メーカーからもシュガーレス商品が多く販売されており、味や飲みごたえも改善されています。抜け毛や健康面への影響が気になる方は、エナジードリンクの種類を見直し、シュガーレスのものへ切り替えることをおすすめします。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
エナジードリンク以外にも、抜け毛につながりやすい食事があります。具体的には以下のとおりです。
それぞれの食事がどのように抜け毛に影響するのかを解説します。
カップラーメンを頻繁に食べることは、抜け毛の原因になる可能性があります。カップラーメンには塩分や脂質が多く含まれており、血流を悪化させたり皮脂の過剰分泌を促進したりすると考えられているためです。
カップラーメンを食べるときは、スープを残すだけでも塩分や脂質の摂取を抑えられます。また、カロリーが控えめのものや減塩タイプのカップラーメンも販売されているため、商品を選ぶ際に意識するとよいでしょう。
さらに、栄養を補うためにわかめやネギ、キャベツなどをトッピングしたり、サラダなどの野菜を一緒に食べたりするのがおすすめです。
スナック菓子やアイスも、抜け毛につながりやすい食事の1つです。直接的に関係するというより、糖の摂取しすぎによる糖尿病の合併症のひとつとして、抜け毛・薄毛になる可能性があります。
糖尿病では、毛根が自己免疫によって攻撃されたり、慢性炎症や免疫異常が関与したりするため、抜け毛・薄毛になると考えられています。
間食を控えるか、代わりにナッツやフルーツなど栄養価の高い食品に置き換えると、頭皮や髪の健康維持につながるでしょう。
アルコールの過剰摂取は、抜け毛や薄毛のリスクを高める可能性があります。とくに注意したいのが、体内で生成される「アセトアルデヒド」の影響です。
アセトアルデヒドは、男性型脱毛症(AGA)の一因とされるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を促すといわれており、毛母細胞の働きを弱めて髪の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、アルコールは体内の代謝に負担をかけ、髪の健康維持に必要なビタミンやミネラルが消費されやすくなります。
健康な髪を維持して抜け毛を防ぐためにも、飲酒する際は適量を心がけましょう。
エナジードリンクを飲み続けると、抜け毛が増える可能性があるため、飲みすぎには注意が必要です。カフェインの過剰摂取は、髪の主成分「ケラチン」の合成に欠かせない亜鉛の吸収を低下させ、発毛の妨げになる恐れがあります。
また、糖分の摂りすぎによる血糖値の上昇は動脈硬化を引き起こし、頭皮への血流が悪化することで抜け毛の原因になる可能性があります。エナジードリンクを飲む際は「摂取量を減らす」「シュガーレスタイプに切り替える」などの工夫が大切です。
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