更新日:2025年12月23日
「湯シャンの効果は?」「湯シャンのやり方は?」と気になっている方もいるかもしれません。湯シャンは、シャンプーを使わずお湯だけで髪や頭皮を洗う方法です。シャンプーにより肌トラブルや乾燥が生じている場合、湯シャンにより頭皮への刺激を減らすことで、頭皮環境の改善を図れる可能性があります。
ただし、湯シャンはすべての人に向いているわけではなく、頭皮の状態やライフスタイルに合わせて取り入れることが大切です。
シャンプーの使用は推奨されないといったわけではないことを前提に、本記事では、湯シャンのやり方やシャンプーを使わないメリット・デメリットなどについて解説します。
湯シャンとは、シャンプーを使わずにお湯だけで髪を洗う方法のことです。市販のシャンプーが合わない敏感肌の人や、頭皮が乾燥しやすく皮脂を取りすぎたくないと感じている人には、選択肢の1つとなるでしょう。
湯シャンで頭皮環境を自然な状態に保つことで、過剰な皮脂分泌を抑制するためフケやかゆみの軽減にもつながります。ただし、スタイリング剤を使用する人や、脂性肌の人には不向きな場合もあるため、頭皮の状態やライフスタイルに合わせて判断することが大切です。
湯シャンには、頭皮環境を改善する効果が期待できるほか、経済的なメリットもあります。シャンプーを使わずに湯シャンにすることで、頭皮の乾燥を防ぎ、乾燥が原因となるフケの発生を抑える効果が見込めます。
また、過剰な洗浄を避けることで頭皮環境が整い、健やかな髪が育つ土台作りにもつながるでしょう。ここでは、湯シャンに期待できる効果について解説します。
湯シャンは、頭皮の乾燥を防ぎ、乾性フケの予防に役立つとされています。お湯のみの洗髪によって、シャンプーに含まれる洗浄成分による刺激がなく、皮脂やうるおいが過剰に失われるのを防げるためです。
乾燥肌や敏感肌の人は、シャンプーの使用によって皮脂膜が失われやすくなり、角質層の水分が蒸発しやすくなる傾向があります。その結果、頭皮が乾燥しやすくなりフケの原因となることがあります。
このように、頭皮のうるおいを守り乾燥やフケの悩みを軽減する方法として、湯シャンは選択肢の1つです。
市販のシャンプーの中には、洗浄力が強く本来必要な皮脂まで洗い流してしまうものがあります。頭皮が乾燥したり反対に皮脂が過剰に分泌されたりして、トラブルの原因となることがあるでしょう。このような問題を防ぐ手段として、湯シャンは頭皮環境を良好に保つ方法の1つです。
洗髪後に頭皮がピリピリしたりかゆみが出たりする場合は、使っているシャンプーが肌に合っていない可能性があります。乾燥が進むと、皮脂分泌が乱れて頭皮のベタつきや湿疹などの新たなトラブルを招くこともあるため注意が必要です。
湯シャンは、化学成分による刺激を避けられる点で、頭皮の自然な油分バランスを保ちやすいのが特徴です。頭皮への負担を減らしたい人や、健やかな地肌を目指したい人には選択肢となるでしょう。
肌に合わないシャンプーの使用やすすぎ残しによる成分の蓄積が、乾燥や炎症といった頭皮トラブルを招き、それが一因となって抜け毛につながることもあります。湯シャンは、このようなシャンプー由来のリスクを避けたい場合に有効な選択肢となるでしょう。
頭皮環境が悪くなると、フケやベタつきといった問題が生じやすくなります。そのまま放置することで、健康な髪が育ちづらくなるおそれもあります。
抜け毛や頭皮トラブルの背景に、日常的な洗髪による刺激が関係している場合は、ケア方法を見直すことが大切です。お湯だけで洗う湯シャンは、化学的な刺激や過剰な洗浄を避け、頭皮への負担を抑えながら健やかな髪をサポートする手段となるでしょう。
湯シャンには、シャンプー代を抑えられる経済的メリットがあります。また、コンディショナーやトリートメントの購入も不要になるため、ヘアケアにかかる費用の削減が可能です。
また、洗髪の手間が減るため、シャワー時間の短縮にもつながります。ヘアケア代の節約と時短を両立したい人にとって、湯シャンは効率的な方法といえるでしょう。
自然なヘアケアとされている湯シャンには、デメリットや注意点もいくつかあります。例えば、整髪剤をしっかり落としきれなかったり、髪がベタついたりすることがある点です。
また、髪のツヤがなくなることもあるでしょう。さらに、湯シャンによる頭皮への効果を実感するまでに時間がかかるため、即効性を求める人には向いていないかもしれません。
正しい知識をもとに、自分に適した方法であるか検討しましょう。ここでは、湯シャンを検討する際に考慮したいポイントについて解説します。
湯シャンによる頭皮環境の改善は、即効性がない点に注意しましょう。頭皮の皮脂バランスや環境が整うには、数か月程度の期間が必要になることもあります。
短期間での効果を期待すると途中でやめてしまう可能性があり、すぐに結果を求める人にはあまり向いていない方法かもしれません。
1〜2回試しただけでは明確な変化は感じにくいため、劇的な変化を期待するのではなく、長期的な視点でじっくりと取り組む姿勢が大切になるでしょう。
湯シャンでは、整髪剤を十分に落とせないという注意点もあります。ワックスやスプレーといった整髪剤はお湯だけでは落としきれず、シャンプーやトリートメント・コンディショナーを使って洗い流すことが大切です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
頭皮に残った整髪剤は毛穴をふさぎ、炎症やかゆみを引き起こすリスクがあります。湯シャンをしたい場合、整髪剤の使用を控えるか、整髪剤を使った日はシャンプーを使うなどの対策を検討しましょう。
脂性肌の人は、湯シャンでは皮脂を十分に洗い流せず、頭皮のベタつきやニオイが生じる場合もあります。また、市販のシャンプーに含まれるコーティング成分が得られないため、髪のツヤが失われたと感じることもあるでしょう。
皮脂分泌が多い人や髪のツヤを重視する人は、髪質や頭皮の状態を観察しながら、自分に合った方法を見つけることが大切です。必要に応じて、湯シャンの日とシャンプーを使用する日を決めるのも1つの選択肢です。
湯シャンはすべての人に合う方法ではなく、髪質やライフスタイルによって向き不向きがあります。シャンプーの刺激に敏感な乾燥肌・敏感肌の人には、湯シャンのほうが頭皮への負担が少なく、適している可能性があります。シャンプーの使用によりフケやかゆみなどのトラブルがある場合も、湯シャンにより頭皮環境の改善を図れるでしょう。
一方で、皮脂分泌が活発な脂性肌の人は、お湯だけでは皮脂を十分に落としきれず不快感が生じることもあります。また、整髪剤を日常的に使う人や即効性を求める人にとっても、湯シャンはあまり向いていないでしょう。頭皮の状態や生活習慣を踏まえたうえで、湯シャンを行うか検討しましょう。
湯シャンでは、シャンプーの洗浄力に頼れない分、洗い方によっては汚れの落ち具合や頭皮への影響が変わります。そのため、湯シャンにより健やかな頭皮を保つには、以下の正しい手順で行うことが大切です。
これらのポイントを押さえることで、湯シャンの効果をより高められます。以下で、具体的な手順を見ていきましょう。
湯シャンを効果的に行うには、洗髪前のブラッシングが大切です。髪が濡れると絡まりやすくなるため、乾いた状態でブラッシングしておくとダメージを防げます。
まずは毛先から優しくブラシを入れ、もつれを少しずつ取り除きましょう。毛先が整ったら中間部分の絡まりをほぐし、最後に根元までブラッシングを進めます。
ブラッシングによって髪の絡まりが解消され、摩擦によるダメージを防げます。また、頭皮や髪の汚れを浮かせることで、お湯だけでも汚れが落ちやすくなるため、洗髪前の準備として重要です。
湯シャンの際、シャワーの適温は38〜40℃とされています。熱すぎると皮脂を落とし過ぎて頭皮が乾燥しやすくなり、冷たすぎると皮脂汚れが十分に落ちません。
洗うときは爪を立てず、指の腹を使って頭皮を優しくなでるように動かしましょう。頭皮をマッサージすることで、頭皮の血行促進にもつながります。
湯シャン後は、ドライヤーで髪をすぐに乾かすことが重要です。濡れたまま放置すると頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみや炎症などのトラブルを引き起こすおそれがあります。
湯シャンが終わったら、髪の根元から丁寧に乾かしましょう。ドライヤーは頭皮から10~20cm程度離して使うと熱による負担を抑えられます。湯シャンの効果を十分に得るためにも、乾燥の工程は手を抜かず、しっかりと行いましょう。
湯シャンを継続する際には、髪や頭皮の状態に合わせて頻度を調整することが大切です。週1〜2回の湯シャンから始め、皮脂の分泌や頭皮の状態を見ながら徐々に頻度を増やしていくとよいでしょう。
ベタつきが気になるときは、シャンプーと湯シャンを交互に行うのも一つの方法です。また、湯シャンだけでは髪のパサつきが気になることもあるため、必要に応じて毛先を中心にトリートメントをしましょう。
さらに、湯シャンを始めてから頭皮のにおいや過剰なベタつき、かゆみなどの異変を感じた場合は、無理に続けず中断することも大切です。我慢して続けると、頭皮の状態が悪化するおそれもあります。健康な頭皮を維持するため、無理のない範囲で取り組みましょう。
シャンプーを使わない湯シャンは、頭皮への刺激を抑え、乾燥やフケを防ぐといったメリットが期待できる洗髪方法です。一方で、頭皮への効果が出るまでに時間がかかり、整髪剤を落とせないというデメリットもあります。
正しいやり方で実践し、髪や頭皮の状態に合わせて頻度を調整することが大切です。湯シャンのメリット・デメリットを理解し、自分に合ったヘアケアかどうか考えたうえで、無理のない範囲で試してみましょう。
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