更新日:2025年12月23日
「襟足がはげる原因は?」と気になっている方もいるかもしれません。襟足がはげる原因として、円形脱毛症や牽引性脱毛症などが考えられます。
この記事では、襟足がはげる原因や薄毛が気になるときの対処法を紹介します。襟足のはげ・薄毛とAGAとの関係についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
襟足がはげる原因は多岐にわたりますが、主なものは以下の4つです。
病気だけではなく、生活習慣やストレスなど考えられる原因はいくつかあります。症状や対処法は原因によって異なるため、まずは原因を検討することが大切です。ここでは、襟足がはげる4つの主な原因について解説します。
円形脱毛症は、毛を作る器官(毛包:もうほう)を自身の免疫細胞が攻撃してしまうことによる自己免疫疾患で、特定の部位が円形または楕円形にはげるのが特徴です。
円形脱毛症には単発型や多発型、蛇行型などのタイプがあります。襟足にのみできるはげは単発型が多い傾向ですが、蛇行型に進展する可能性も否定できません。
円形のはげが1か所のみできるタイプです。襟足に1か所だけはげがある場合は、このタイプと考えられます。単発型の円形脱毛症の場合は、比較的毛髪が生えてきやすい(治りやすい)傾向がありますが、この後紹介する多発型や蛇行型などに発展すると、はげが回復する確率は低くなるといわれています。
単発型から移行する場合や、複数のはげが同時に発生するタイプの脱毛症です。多発型のはげは拡大や縮小、再発を繰り返しやすいとされます。治療が長期にわたるケースもあるため、早期発見が症状の進行を防ぐポイントです。
主に後頭部から側頭部にかけて、はげが帯状に広がるタイプです。治療は長期間に及ぶことも少なくありません。このタイプの脱毛は、進行すると頭部全体にはげが拡大する「全頭型」や、脱毛が全身に及ぶ「汎発(ばんぱつ)型」などに移行するケースもあります。
頭皮環境が悪化する要因として挙げられるのは、以下のとおりです。
このような要因により、頭皮の炎症や毛穴の詰まり、乾燥などのトラブルが生じると、抜け毛が増加したり髪の成長に悪影響を及ぼしたりします。また、ストレスや生活習慣の乱れも頭皮の環境悪化の要因です。
牽引(けんいん)性脱毛症は、「髪をきつく結ぶ」「エクステを装着する」「ヘアアイロンを頻繁に使用する」など、毛髪が長期間にわたって強く引っ張られることにより発症する脱毛症です。
襟足の抜け毛が増えていると感じるときは、髪型を見直したり髪に負担をかけないよう工夫したりすることで、症状の改善が期待できます。ただし、毛包にまでダメージが及ぶと、機能が失われて毛髪が再生しなくなる可能性もあります。
抜毛症は、無意識あるいは意識的に自分の毛髪を抜いてしまい、はげができてしまう精神的な病気です。毛を抜く部位はさまざまで、襟足の毛が対象となることもあります。
抜毛症に大きく関係していると考えられているのが、ストレスや不安です。毛を抜くことでストレスによる体の緊張や不安が緩和することがある一方で、このような行為により本人がつらいと感じたり、通常の生活を送れなかったりする場合には抜毛症と診断されます。
AGA(男性型脱毛症)の発症メカニズムや起こりやすい部位、進行の特徴などを踏まえると、襟足のはげとは関係が薄いと考えられます。
AGAに深く関与しているのは、発毛を妨げる作用をもつホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」です。DHTが頭頂部や前頭部に強く作用するため、これらの部位で脱毛の症状が強く現れやすいといわれています。
前述した機序があるため、襟足(うなじ)はDHTの影響を受けにくいとされています。このため、襟足のはげがAGAによって生じる可能性は低いでしょう。
また、襟足のはげが突然現れた場合には、AGAが原因である可能性はさらに下がります。AGAは進行がゆるやかで、徐々に脱毛が進んでいくのが一般的です。したがって、急に襟足に脱毛が生じた場合は、AGAではなく円形脱毛症など他の要因が疑われます。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
襟足のはげや薄毛が気になるときは、以下の7つのポイントを意識してみましょう。
生活習慣やヘアケアの見直しにより、襟足のはげを改善できる可能性があります。それぞれについてみていきましょう。
襟足の脱毛の発症や進行には、食事や睡眠といった生活習慣が関係していることもあります。心当たりがある場合は、早めに見直しましょう。
栄養バランスの整った食事や十分な睡眠、適度な運動は、健康な毛髪を育むための基本です。栄養面では髪の主成分であるたんぱく質や、健康な頭皮を保つために必要なビタミン、ミネラルを積極的に摂取しましょう。睡眠不足は自律神経の乱れを招き、交感神経が優位になって頭皮の血行不良を招く恐れがあるため、質の高い睡眠を確保することも重要です。
ストレスや睡眠不足は、コルチゾールなどのストレスホルモンの異常分泌や自律神経の変調を介して、休止期脱毛症のリスクを高めたり、円形脱毛症の再発や難治化を助長したりする可能性があります。 これらをコントロールするため、栄養バランスの取れた食事、質の高い睡眠、および適切なストレスマネジメントが不可欠でしょう。
誤ったヘアケアは頭皮トラブルにつながるため、正しいやり方を身につけましょう。とくに洗髪の際は、頭皮に負担がかからないよう、以下のポイントに注意しながら丁寧に洗うことが大切です。
頭皮にダメージを与える洗い方が頭皮環境の悪化につながり、薄毛やはげのリスクを高める可能性があります。頭皮を清潔かつ健やかに保つために、正しいヘアケアを実践しましょう。
ヘアカラーやパーマは頭皮や毛髪に負担をかけるため、薄毛やはげが気になる方は控えたほうがよいでしょう。カラーリングやパーマの薬剤が頭皮に付着してダメージを受けると、かゆみや赤み、炎症を起こすことがあります。
かゆみにより頭皮をかきむしったり炎症により髪が成長しづらくなったりすると、脱毛につながる可能性があります。ヘアカラーやパーマはできるだけ控えるか、期間を空けての施術がおすすめです。
襟足(うなじ)を紫外線から守ることも、はげや薄毛のケアにつながります。顔や身体と比較すると、襟足の紫外線対策は疎かになる人もいるかもしれません。しかし、十分に対策しないと頭皮や髪がダメージを受け、毛髪の成長が妨げられて脱毛につながる可能性があります。
帽子をかぶったりストールを巻いたりするなどして、日常的に襟足を紫外線から守るよう心がけましょう。なお、紫外線対策が必要なのは夏場や晴れている日に限りません。冬場やくもりの日でも、油断せずに対策を行いましょう。
ミディアムヘアやロングヘアで髪を1つに束ねることが多い方は、ヘアスタイルを変えることも検討してみましょう。髪を結ぶことで常に襟足の髪が引っ張られていると、牽引性脱毛症を引き起こすことがあります。
また、襟足部分を引っ張りながらヘアアイロンをかけたり、エクステをつけたりすることも脱毛の引き金となります。はげや薄毛が気になる場合は、襟足に負担をかけないようなヘアスタイルを選択することも必要です。
襟足がはげる原因がはっきりしない場合は、クリニックの受診を検討しましょう。
襟足にできたはげは自然に治ることもあれば、原因を取り除くことで症状の改善につながるケースもあります。しかし、はげが円形脱毛症であった場合、重症化する可能性も否定できません。
襟足にはげができた原因を検討して適切な治療を行うためには、医師による診察が不可欠です。皮膚科や脱毛症の専門クリニックなどで相談してみましょう。
襟足がはげる原因は多岐にわたり、それぞれに適した方法での対処が重要です。生活習慣の見直しや正しいヘアケアなどを行っても症状が改善しないときは、早めに受診しましょう。
とくに円形脱毛症が原因でできたはげであれば、重症化する可能性も否定できないため、早めの受診が推奨されます。皮膚科や脱毛症専門のクリニックでは、頭皮トラブルやAGAについての相談も可能です。
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