更新日:2025年12月23日
「お風呂中の抜け毛が多い」と感じている場合、原因としてシャンプーが合わないことや季節的な要因、ストレス、脱毛症(AGA)などが考えられます。原因によっては、シャンプーのやり方を変えることで抜け毛の増加を防げる場合があるでしょう。
この記事では、お風呂で抜ける髪の毛の本数や、抜け毛が多い原因、抜け毛を防ぐための正しいシャンプーのやり方について解説します。
頭皮の状態が良好な人も、髪の毛は1日あたり50~100本くらい抜け落ちるのが一般的です。そのうちの約6割にあたる30~60本ほどの髪の毛が、お風呂(主にシャンプー)で抜けるといわれています。
髪の毛は、生え変わりのタイミングで自然に抜け落ちるのが通常です。シャンプー時は頭皮に刺激が加わることで髪の毛が抜けやすいため、抜け毛が多いと感じることがあるでしょう。
このようなお風呂での抜け毛は問題ないケースが多いですが、シャンプー時の抜け毛が急に増えたときは、何らかの原因が隠れているかもしれません。
お風呂の抜け毛が多いと感じる主な原因は、以下のとおりです。
それぞれの原因について解説し、原因別の対処法をご紹介します。
肌に合わないシャンプーを使い続けると、頭皮トラブルによる抜け毛が起こりやすくなります。シャンプーには洗浄成分として界面活性剤が含まれ、成分が肌に合わないと頭皮が刺激を受けて、さまざまなトラブルを引き起こす場合があります。
抜け毛のほかに次のような症状が現れたら、シャンプーの成分が合っていないかもしれません。
上記のような症状が気になった場合は、今使っているシャンプーの使用を控え、症状が改善するか様子を見ましょう。
抜け毛は、季節的な要因で増える場合があります。秋は抜け毛が増えやすい時期で、これは夏場に浴びた紫外線や汗の影響で、頭皮環境が悪化しやすいためだといわれています。
季節の変わり目に増える抜け毛は一時的であることが多く、頭皮環境が落ち着けば抜け毛の増加もおさまるのが一般的です。秋に増える抜け毛の対策としては、夏場に帽子をかぶって頭皮や髪の毛を紫外線からガードすることや、頭皮用の日焼け止めを活用することが有効です。
ストレスや睡眠不足は、コルチゾールといったストレスホルモンの異常分泌や自律神経の変調を介して、休止期脱毛症のリスクを高めたり、円形脱毛症の再発・難治化を助長したりするリスクがあります。 そのため、栄養バランスの取れた食事、質の高い睡眠、および適切なストレスマネジメントが不可欠でしょう。
お風呂中の抜け毛の量が前よりも多い場合、男性型脱毛症(AGA)を発症している可能性が考えられます。AGAは、男性ホルモンや遺伝に起因する脱毛症で、頭頂部や前髪の生え際から脱毛症状が進行するのが特徴です。
AGAを発症すると髪の毛の成長サイクルが短くなり、しっかり成長して伸びる前に抜け落ちます。抜け毛の原因がAGAかもしれないと思ったら、早めにクリニックを受診しましょう。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
シャンプーを正しい方法で行うと、間接的には物理的刺激や炎症を軽減するといった意味で抜け毛を抑えられる可能性があります。適切なシャンプーのやり方は、以下のとおりです。
お風呂中の抜け毛が多い方は、ぜひ実践してみてください。
まずは、シャンプー前のブラッシングと予洗いで、頭皮と髪の毛についた汚れを落としましょう。ブラッシングは髪の毛が乾いた状態で行い、頭皮にブラシを当てるようにして汚れを浮かせます。ブラッシング時には、髪の絡まりもほどいておきましょう。
次に、38~40℃くらいのお湯で頭皮と髪の毛を予洗いしましょう。予洗いで汚れやスタイリング剤の大半を落としておくと、そのあとに使うシャンプーの泡立ちがよくなります。
お湯が熱すぎると頭皮にダメージを与える可能性があるため、お湯の温度に気をつけてください。予洗いは1分以上の時間をかけて、しっかり行うのがおすすめです。
シャンプーは、髪の毛につける前に手のひらで十分に泡立てましょう。手に取ったシャンプーを直に髪の毛につけて泡立てる方もいるかもしれませんが、原液のまま使用したシャンプーは洗浄成分が頭皮や髪に残りやすいため注意が必要です。また、髪の毛同士の摩擦が起こり、ダメージにつながります。
シャンプーを手に取ったらお湯を少し加え、ある程度泡立ててから髪の毛にのせるようにしましょう。泡がクッションの役割を果たし、摩擦によるダメージを軽減します。また、しっかり泡立てたシャンプーの泡は汚れを吸着するため、頭皮や髪の毛を清潔に保つことにもつながります。
ボリュームがある泡を作るポイントは、手のひらでシャンプーとお湯を混ぜるときに、空気を含ませながら泡立てることです。空気を含ませることで、つぶれにくく弾力のある泡で頭皮や髪の毛を包むようにやさしく洗えます。
シャンプーで洗うときは、指の腹で頭皮をマッサージするように洗うことを意識しましょう。汚れをしっかり落とそうと力を入れると頭皮を傷つける可能性があり、髪の毛が引っ張られることで抜け毛を増やすかもしれません。
シャンプー時は髪の毛を泡で洗うことに意識が向きやすいですが、頭皮を洗うことを意識するのがポイントです。爪を立てないように指の腹を使って、頭皮を軽く揉むようにしてやさしく洗いましょう。
頭頂部はしっかり洗えていることが多いですが、後頭部や襟足、耳周り、髪の生え際は洗い残しが多い部分です。円を描くイメージで手を動かし、頭を一周するように全体を洗いましょう。
シャンプー後は、お湯でしっかりすすぎましょう。すすぎ残しは、頭皮や髪のベタつき、ニオイの発生、かゆみなどを引き起こすことがあります。
すすぎに使うお湯の温度は、予洗いのときと同じく38~40℃くらいに設定しましょう。髪の毛の生え際や耳の後ろは、すすぎが不十分になりやすい箇所です。汚れや泡が残らないよう、シャワーでまんべんなく洗い流すようにしてください。
洗髪後は、すぐにドライヤーをかけて髪の毛をしっかりと乾かしましょう。濡れたまま長い時間そのままにすると、頭皮に雑菌が繁殖し、ニオイだけでなくフケやかゆみといった頭皮トラブルを招きます。
水分が多い状態の髪の毛はドライヤーの熱でダメージを負いやすいため、タオルで髪の毛の水分をしっかり取ってから乾かしましょう。水分をある程度取ることで、ドライヤーの使用時間を短くし、熱によるダメージを軽減できます。ドライヤーで乾かすときは、毛先よりも髪の根元を中心に風を当てることを意識してください。
お風呂で抜け毛が多いと感じる原因は、合わないシャンプーの使用や季節的要因、ストレスなどが考えられます。シャンプーのやり方を見直すことで抜け毛を防げる場合があるため、この記事でご紹介した正しいシャンプーの方法を試してみてください。それでも抜け毛の増加が気になったら、脱毛症(AGA)を発症しているかもしれません。