更新日:2026年08月31日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
シャンプーのたびに抜け毛を見ると不安に思うかもしれませんが、1日50〜100本程度なら自然な現象です。髪を縛る習慣や、シャンプーの頻度によっても、抜け毛が増えたように見えることがあります。洗髪の工程で抜け毛対策をしたい場合は、脂性肌・乾燥肌・敏感肌などの状態に合わせたシャンプーを選び、髪にやさしい手順で洗髪しましょう。ただし、細く短い毛が生え際や頭頂部から抜け続ける場合はAGAの疑いがあり、ヘアケアだけで改善できないため、早めの治療検討をおすすめします。

シャンプー時の抜け毛は、寿命を迎えて自然に抜け落ちる「自然脱毛」のケースがほとんどです。1日50〜100本程度の抜け毛は正常な範囲とされ、シャンプー時にまとまって見えても多くは自然脱毛によるものと考えられます。まずは、抜け毛の正常な本数と、シャンプー時に抜け毛が多く見える理由から確認していきましょう。
抜け毛の平均本数は、1日あたり50〜100本程度が目安です。髪には生え変わりの周期であるヘアサイクルがあり、寿命を迎えた髪が毎日一定数抜けていきます。

このうち多くが洗髪時に抜けるため、シャンプーのときに抜け毛が多いと感じやすいでしょう。排水溝に集まった髪を見て驚く場合があるかもしれませんが、それだけで薄毛が始まったと判断しないようにしましょう。
シャンプー時に抜け毛が多いと感じやすいのは、抜ける準備ができていた髪が物理的な刺激によって抜け落ちるためです。寿命を迎えた髪はすぐに落ちるわけではなく、毛穴や周りの髪に絡んで頭皮に留まっています。そこで洗髪時の水流や指の摩擦が加わると、留まっていた髪がまとまって抜けていきます。本来は日中に少しずつ抜けるはずの髪が洗髪時に集まるため、一時的に量が多く見えるだけのケースがほとんどです。
| 比較項目 | 正常な抜け毛 | 注意が必要な抜け毛 |
|---|---|---|
| 太さ・長さ | ある程度の太さと長さがある | 以前と比べて細く短い毛が多い |
| 抜ける場所 | 頭全体からまんべんなく | 生え際・頭頂部など特定の部位に集中 |
| 本数の目安 | 1日50〜100本程度 | 以前より明らかに増えた状態が続く |
以前よりもシャンプー時の抜け毛が増えたと感じる場合は、洗髪の頻度や生活習慣の変化、AGAなどが関係している可能性があります。抜け毛が増えている原因のなかには対策が必要なものもあり、日々の観察が大切です。抜け毛の毛根を見ることでも薄毛の危険度を観察できるため、気になる方はチェックしてみましょう。
シャンプー時の抜け毛は、洗髪の頻度や髪を束ねる習慣によって見え方が変わります。シャンプーをしない日が続くと、本来少しずつ抜けるはずの髪が頭皮に残り、次の洗髪でまとめて抜け落ちるためいつもより多く抜けたと感じるでしょう。また、髪を長時間強く結んでいると毛根に負担がかかり、洗髪時に抜けてしまうことがあります。髪の縛り過ぎは牽引性脱毛症につながる場合もあるため、できるだけ控えましょう。 秋など季節の変わり目に抜け毛の量が一時的に増えることもありますが、細く短い毛でなければ多くは一時的な変化だと考えられます。
注意が必要なのは、抜けた毛が細く短い場合や、特定の部位から集中して抜けている状態です。寿命を迎えた健康な髪は、ある程度の長さと太さがあります。一方で、細く短い毛が増えている場合は、髪の毛が十分に育つ前に抜け落ちている可能性があり、ヘアサイクルが乱れているサインと考えられます。次のような特徴がないか確認してみましょう。
洗髪時に、排水溝についた抜け毛や濡れた髪のボリューム感をチェックしてみましょう。
洗髪時の抜け毛が以前よりも増え、生え際や頭頂部が薄くなってきた場合は、AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。AGAは、男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根に作用してヘアサイクルを乱す進行性の脱毛症です。 本来なら太く長く育つはずの髪が育ちきる前に抜け、しだいに細く短い毛が増えて地肌が目立つようになります。
上記のような項目に心当たりがある場合は、早めに専門の医師へ相談しましょう。

AGAによる抜け毛は、市販のシャンプーやセルフケアだけで止めるのが難しく、クリニックでの治療を検討することが推奨されます。AGAは進行性なので「細く短い毛が増えた」と感じたときは早めに受診しましょう。また、遺伝性があるため、家族に薄毛の人がいる方は抜け毛が気になった時点で一度医師に相談しておくと安心です。
| シャンプーで対策できること | シャンプーで対策できないこと |
|---|---|
| ・フケやかゆみ、余分な皮脂のケア ・頭皮環境を整える | ・AGAの進行を抑える ・発毛を促す |
シャンプーは頭皮環境を整えるためのもので、抜け毛やAGAの進行そのものを止める効果はありません。フケやかゆみ、余分な皮脂による頭皮トラブルが抜け毛につながっている場合は、シャンプーの種類や洗髪方法を見直すことで頭皮の状態を整え、余分な抜け毛を抑えられる可能性があります。 一方で、AGAによる抜け毛は男性ホルモンのDHTが原因で、進行を抑えるには治療が必要です。育毛シャンプーや薬用シャンプーも、フケ・かゆみの予防や頭皮環境のケアが役割で、発毛やAGAの原因を抑える働きは認められていません。抜け毛がAGAによるものであれば、まずは医師の診察を受け、治療薬による医学的なアプローチを検討することが大切です。
洗髪による抜け毛を最小限に抑えるためには、頭皮にやさしいシャンプー選びと正しい洗髪方法が欠かせません。特に男性は女性よりも皮脂の分泌量が多い傾向にあるため、適切な頭皮ケアが必要です。ここでは、頭皮の状態に合わせたシャンプーの選び方と髪の毛の正しい洗い方について解説します。
シャンプーは、自分の頭皮タイプに合わせて選びましょう。皮脂の量や頭皮の状態によって、向いている洗浄成分は変わります。頭皮タイプ別の選び方の目安は次のとおりです。

薬用シャンプーは医薬部外品で、フケ・かゆみ・抜け毛の予防に役立つ有効成分が配合されています。通常のシャンプーで頭皮の状態が整わない場合は、薬用シャンプーを試してみるのも一つの方法です。ただし、これらはあくまで頭皮環境を整えるためのもので、AGAの抜け毛そのものを防ぐものではない点には注意しましょう。
髪を適切な方法で洗うことで、頭皮を傷つけずに汚れを落とし、余分な抜け毛を防げる可能性があります。どれだけ良いシャンプーを選んでも、洗い方が雑だと頭皮に負担がかかるため、抜け毛を招きかねません。今日から実践できる洗髪の手順を、ブラッシングから乾かすまで順番に紹介します。

シャンプー前にブラッシングをすることで、髪の絡まりをほどき、洗髪時の摩擦ダメージを減らせます。また、すでに抜ける準備ができていた髪をあらかじめ取り除けるでしょう。ブラッシングは、毛先の絡まりを取ってから徐々に根元をとかし、ブラシをやさしく通すように行うのがコツです。髪の毛への摩擦を和らげながら、マッサージ効果も期待できます。
シャンプー前に38℃程度のぬるま湯で十分に予洗いし、頭皮と髪の汚れや余分な皮脂を落としましょう。予洗いするだけでも、頭皮の汚れはある程度除去できるとされています。予洗いの時間は最低1分以上取り、指の腹でやさしく頭皮をマッサージするように洗いましょう。熱過ぎるお湯は頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥や皮脂の過剰分泌を招く可能性があるため、避けるのがおすすめです。
シャンプーは直接頭に付けず、必ず手のひらで十分に泡立ててから使いましょう。適量は500円玉大くらいが目安で、少量のぬるま湯を加えて手のひらで空気を含ませるように泡立てるのがポイントです。きめ細かく弾力のある泡は、毛穴の奥の皮脂や汚れを吸着しやすくする効果もあります。泡で髪と頭皮を包み込むように洗うことで、洗浄力が頭全体に均一に行き届くほか、指先と頭皮の余分な摩擦が減るため、髪や頭皮へのダメージも軽減できます。
シャンプーのときは爪を立てず、必ず指の腹を使って洗いましょう。頭皮を傷つけてしまうと、炎症を起こす原因となることがあります。頭皮を洗うポイントは以下のとおりです。
力を入れ過ぎず、頭皮全体を包み込むように丁寧に洗いましょう。
シャンプー後は、すすぎ残しがないよう時間をかけて十分に洗い流しましょう。泡や皮脂が頭皮に残ると、毛穴の詰まりやかゆみ、においの原因になります。特に生え際や耳の後ろ、襟足は見落としやすいため丁寧にすすぎましょう。ぬるま湯で頭皮をなでるように流すと、すすぎ残しを防ぎやすくなります。
洗髪後は、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。濡れたまま放置すると雑菌が繁殖しやすく、頭皮トラブルやにおいの原因になります。 まずはタオルで水分を押さえるように拭き取り、ドライヤーは頭皮から20cmほど離して根元から乾かします。熱を一点に当て続けず、全体を動かしながら過度な乾燥や熱ダメージを防ぐのがコツです。最後に冷風を当てると、髪のキューティクルが整いやすくなります。
毎日のシャンプーによる抜け毛がどの程度だと問題ないのか疑問に思う方がいるかもしれません。シャンプーで起こる抜け毛の基本的な知識を押さえておきましょう。
シャンプー時に何本以上抜けたら危険ですか?
本数だけで危険かどうかを判断するのは難しいとされています。シャンプー時の抜け毛を含め、1日50〜100本程度は正常な範囲の目安です。以前よりも排水溝にたまる抜け毛が増えていないか、細く短い毛が抜けていないか、同じ部位から集中して抜けていないかを確認しましょう。
1日に何回もシャンプーすると抜け毛は増えますか?
洗い過ぎは必要な皮脂まで落とし、頭皮が乾燥するといった皮膚トラブルにつながる場合があります。頭皮環境が乱れると毛髪にもダメージを与えてしまう可能性があるので注意しましょう。基本は1日1回を目安にして、汗や汚れが気になるときに調整するのがおすすめです。
抜け毛を減らすためには朝と夜のどちらでシャンプーをするのが良いですか?
1日の汚れや皮脂を落とせる夜の洗髪がおすすめです。日中の汚れを残したまま眠ると、頭皮環境が乱れやすくなります。朝に洗う場合は、頭皮に必要な皮脂を落とし過ぎないよう、洗浄力がマイルドなシャンプーを選ぶと良いでしょう。
シャンプー時に抜ける髪の多くは自然脱毛で、1日の合計で50〜100本程度なら正常な範囲です。洗髪の頻度や髪を束ねる習慣によっても抜け毛が増えて見えることがあります。ただし、太くしっかりとした抜け毛ではなく、細く短い毛が抜けていたり、同じ部位から継続的に抜けたりしている場合は注意が必要なサインです。男性ホルモン(DHT)の影響で脱毛するAGAの可能性があるため、受診を検討しましょう。 また、シャンプーは頭皮環境を整えるためのもので、AGAの進行を止めることはできませんが、肌に合ったシャンプー選びや正しい手順の洗髪は髪への負担の軽減が期待できます。脂性肌や乾燥肌、敏感肌などの状態に合わせてシャンプーを選び、洗い過ぎや乾かし過ぎに注意しましょう。適切なヘアケアを行っても抜け毛が増え続ける場合は早めに医師へ相談することが大切です。
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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