更新日:2023年12月22日
AGA治療は保険適用になる?月々の費用相場を解説
- AGA治療には保険が適用されない
- AGA治療にかかる費用は、クリニックごとの診察料や検査料、治療方法によって異なる
- 安価なプランを選択したりオンライン診療を利用したりすることで治療費を安く抑えることができる
AGA治療を検討しても、保険が適用されるかどうかやAGA治療の費用相場が分からず、なかなか踏み切れない方もいるのではないでしょうか。 ここでは、AGA治療は保険適用されるか説明するとともに、治療方法ごとの費用相場や治療費をできる限り抑える方法について説明します。
AGA治療は保険適用になる?
AGA治療は保険が適用されない自由診療となっており、基本的には費用の10割が患者負担となります。
脱毛抑制・発毛といったAGA治療は保険適用にはなりませんが、AGAだと思って受診した際に脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎(かぶれ)、円形脱毛症などの炎症が認められた場合は、その炎症の治療に保険が適用されます。
ただし、厚生労働省によると保険適用の治療とAGA治療のような保険適用外の治療を同時に受けること(混合診療)は2023年時点で原則認められておらず、全額自己負担となるため注意しましょう。 AGAが保険診療の適用になっていない理由は、命に関わる病気ではなく、あくまで整容面(見た目)の状態とみなされているためです。
基本的に、公的な保険診療の対象になるのは、放置すると生命に危険を及ぼしたり、社会的に著しい不利益を与えたりする可能性のある疾患やケガなどであり、骨折やガン治療などはそれに当てはまっています。 一方AGAは、加齢や遺伝的な要因の疾患とはいえるものの、公的な健康保険がカバーすべき疾患とは異なると認識されていることから、いまのところ保険診療の対象外になっているのです。
参照元:厚生労働省「いわゆる『混合診療』について」
AGA治療で医療費控除は受けられる?
医療費の負担を軽減できる所得控除として医療費控除がありますが、AGA治療で医療費控除を受けることはできません。
国税庁によると、医療費控除の対象となる医療費は、医師による治療や治療に必要な医薬品の購入などにかかる費用です。ただし、AGA治療や歯の矯正、整形手術のように、容姿・容貌を変えるための費用は医療費控除の対象外とされています。
参照元:国税庁「医療費控除を受けられる方へ」
AGA治療の費用相場
AGA治療では、クリニックごとの診察料・検査料や以下のような治療方法によって費用が変わります。
- 内服薬のみを使用する治療
- 内服薬と外用薬を使用する治療
- 注入薬による治療
- 植毛・増毛による治療
- その他のオプションを使用する治療
それぞれについて、費用の相場を確認していきましょう。
診察料・検査料
診察料や検査料はクリニックによってさまざまです。
診察料は0円〜5,000円前後のクリックが多く、無料としているところも少なくありません。 再診料は1,000円〜3,000円が相場ですが、こちらも無料としているクリニックもあります。
検査料は5,000円〜10,000円前後のクリニックが多いようです。AGA治療における検査には血液検査や遺伝子検査、頭皮マイクロスコープなどがあり、遺伝的な要素や頭皮の状態を確認します。
検査は基本的に初診時に受け、来院のたびにするものではありません。ただし、肝臓の状態を把握して服薬による治療を継続できるか判断するため、血液検査は数ヶ月~1年ごとに受ける可能性があります。体の状態を把握してAGA治療に臨めるよう、基本的には医師の判断に従って検査を受けるのがよいでしょう。 検査費用も、クリニックによっては無料の場合があります。
内服薬のみ服用した場合の費用
AGA治療の内服薬を使用した場合の費用相場は、月々約5,000円〜10,000円です。 飲み薬だけのAGA治療は維持や予防が目的となっていることが多く、軽症の方に向けた治療となる場合が多いでしょう。
内服薬と外用薬を併用した場合の費用
維持や予防を目的とした内服薬と、発毛を促進する効果のある外用薬を同時に使用するパターンです。 内服薬と外用薬を併用する場合の費用相場は、月々11,000円〜20,000円程度とされています。
服薬による治療費はクリニックによって価格設定が異なりますので、気になるクリニックがある際は、月々の費用を確認しておきましょう。
注入薬を使用した場合の費用
注入薬を使用した場合の費用相場は、メソセラピーであれば月々50,000円〜70,000円です。HARG療法(ハーグ療法)の費用は、100,000円〜200,000円程度を想定しておくとよいでしょう。
注入薬による治療は、外用薬の使用よりもさらに発毛を意識した治療になります。 メソセラピーとHARG療法のどちらも、月々の費用はクリニックや施術の合計回数などによって変わります。診察料や検査費用なども含めて確認し、治療にかかる総費用を把握しておきましょう。
植毛・増毛をした場合の費用
植毛・増毛をした場合は総額で約65万円〜200万円と高額になります。 金額はクリニックによって異なり、本数や株数(グラフト)、範囲によっても変動します。 AGA治療を開始する前に無料相談を行っているクリニックもありますので、植毛・増毛の金額が気になる場合は自身の要望を伝えて最終的な費用を確認しましょう。
その他治療にかかる費用
育毛シャンプーやサプリメントなどを購入する場合は5,000円程度かかります。 育毛シャンプーやサプリメントは、薬と違って、あくまで育毛環境を整えるための手段と考えましょう。
AGA治療の費用については、「AGA治療の費用相場はどれくらい?保険が適用されるかについても解説」でも詳しく解説しています。
AGA治療の費用を安く抑える方法
AGA治療の費用を安く抑える方法として、以下の3つが挙げられます。
- 初期費用が安いクリニックを選ぶ
- 費用を抑えられる治療プランを選ぶ
- オンライン診療を利用する
ここではそれぞれについて説明します。
初期費用が安いクリニックを選ぶ
初診料や検査費用など、初診時にかかる費用はクリニックによって異なります。
検査費用を確認する際は、どのような検査が行われるのかを把握しておくことが大切です。血液検査をはじめ、遺伝子検査や頭皮マイクロスコープなど、AGAの診断や頭皮の状態把握のために必要な検査が行われているか、しっかり確認しておきましょう。
費用を抑えられるプランを選ぶ
AGAによる薄毛の症状が軽い方であれば、維持や予防を目的として内服薬のみから治療を始めると費用を抑えやすいでしょう。 内服薬のみであれば月々約5,000円〜10,000円が相場ですが、発毛を目的とする外用薬を併用すると月々10,000円~20,000円ほど費用がかかるとされています。
なお、クリニックによっては、先発医薬品よりも安価で効果が同程度と認められているジェネリック医薬品を販売している場合もあります。 ジェネリックを取り扱っているクリニックを選ぶことも費用を抑えるポイントです。
同じ内服薬・外用薬でもクリニックによって費用が異なるため、診察料や検査費用などの初期費用も考慮して、どのクリニックでAGA治療を行うか決めるとよいでしょう。
オンライン診療を利用する
2023年現在ではオンライン診療を行うクリニックも増えてきています。
オンライン診療を利用すると、交通費がかからない、通院する場合に比べて時間を節約できるといったメリットがあります。特に、近隣にAGA治療をしているクリニックがない方にとっては良い手段といえるでしょう。
ただし、治療薬は郵送のため、配送料の支払いが必要になったり、診察を受けてから薬が手に入るまでに数日かかったりすることには注意が必要です。
AGA治療の費用を安く抑えるには比較検討が大事
AGA治療は保険適用されるのかどうか、また、AGA治療の費用相場や安く治療を受けるための方法について説明しました。
AGAは命に直接関わる疾患ではないため、保険の適用されない自由診療とされています。 自由診療のため、治療に関する費用の相場は、治療の内容はクリニックによって変動します。治療費を抑えるには、初期費用やプランが安いクリニックを選んだりオンライン診療を利用したりすることがおすすめです。
AGAは薄毛の症状が軽度であれば予防・維持を目的とした薬のみで治療でき、費用を抑えられると考えられます。AGAは進行性で治療を行わないと症状が悪化していくため、薄毛が気になり始めた方はできる限り早めにクリニックで受診しましょう。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会