更新日:2026年09月10日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「自分のAGAは今どのくらい進行しているのか」と気になっている方もいるかもしれません。AGAは進行性の脱毛症で、進行度はハミルトン・ノーウッド分類や高島分類という指標によって評価されます。薄毛の進行パターンには、M字・O字・U字があります。 AGAを治療せずに放置すると薄毛が進行するため、薬を使った治療が必要です。分類を見て進行度をセルフチェックするのは参考程度に留め、実際の判断は医師に相談しましょう。
AGA(男性型脱毛症)は、進行性の脱毛症です。主に前頭部や頭頂部から薄毛が進み、治療をせずに放置すると範囲が徐々に広がります。 AGAの発症は、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合して、DHT(ジヒドロテストステロン)に変換されることから始まります。このDHTがヘアサイクルの成長期を短くし、AGAが進行するメカニズムです。 髪が十分に育つ前に抜けることが繰り返されるため、細く短い毛が増えていきます。 進行のスピードや症状の出方には個人差がありますが、自然治癒は難しいため、早めに対策することが大切です。
参考:National Library of Medicine 「Classification of Male-pattern Hair Loss」
参考:Alopecia Androgenetica — Its Incidence in Japanese and Associated Conditions
AGAの進行度は、「ハミルトン・ノーウッド分類」と「高島分類」を合わせた基準で段階的に表されます。これは、薄毛の進行の程度や範囲によって1型から7型まで分類するもので、AGAの進行度を捉える際に広く用いられています。 1型は薄毛がほとんど目立たない初期の状態、2〜4型は生え際の後退や頭頂部の薄まりが進んだ状態、5型以降は前頭部と頭頂部の薄毛がつながり、範囲が広がった状態です。最も進行した7型では、側頭部から後頭部にかけての髪以外が抜け落ちた状態になります。 上の図で、自分の状態に近いものがないか確認してみましょう。ただし、分類はあくまで進行度の目安です。実際の薄毛の形には個人差があるため、正確な診断には医師による診察が必要です。
AGAの進行は、薄くなり始める場所によって以下の3つのパターンに分けられます。
それぞれのパターンをみていきましょう。
M字型は、額の左右の生え際(こめかみ付近)から後退していくパターンです。後退した形がアルファベットの「M」に見えることから、M字型と呼ばれます。 鏡で正面から見て気づきやすい一方、少しずつ進むため見逃しやすい面もあります。進行度が気になる場合は、以前の写真と生え際の位置を見比べてみると変化がわかりやすいでしょう。
U字型は、前頭部の生え際全体が後退していくパターンです。上から見ると「U」のような形に見えます。 M字型やO字型が進行して複合的に現れることもあります。生え際全体が後退すると変化に気づきやすい一方、気づいたときにはすでに進行した状態であることも多いため、早めの対策が大切です。
O字型は、頭頂部やつむじ周辺から円形に薄くなっていくパターンです。薄毛の範囲が「O」のように見えます。 頭頂部は自分では見えにくいため、症状が進むか他人に指摘されるまで気づきにくいのが特徴です。合わせ鏡やスマートフォンのカメラで、定期的に確認することが大切です。

AGAの進行速度には個人差があります。一般的には、加齢による自然な薄毛よりAGAのほうが進行が速い傾向にあるとされています。 AGAは、放置するとDHT(ジヒドロテストステロン)の影響でヘアサイクルの成長期が短くなり続け、毛包が小さくなる「ミニチュア化」が進むのが特徴です。ミニチュア化が進んだ毛包は元に戻りにくいとされているため、薄毛が目立ってからでは対策が難しくなります。 一方、AGAは早く対策を始めるほど治療法の選択肢が多くなり、変化が期待できます。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、早めに医師へ相談しましょう。
自分のおおよそのAGA進行度は、いくつかのポイントで確認できます。以下の方法で、現状を把握しましょう。
これらはあくまで、進行度を大まかに把握するためのセルフチェック方法です。細く短い毛が増えている場合は、AGAが進行している可能性があります。ただし、本チェックリストは診断に代わるものではないため、現在の状態を確かめる参考としてご活用ください。AGAの正確な診断には医師による診察が必要なため、気になる場合は医療機関を受診することが大切です。
AGAの進行を抑えるには、医学的なアプローチを中心とした対策が大切です。ここでは、主な方法を紹介します。
AGAは進行性のため、薄毛が気になる場合は早めに医療機関を受診し、原因と進行度を確認しましょう。医療機関では、薄毛の原因がAGAなのか、ほかの脱毛症なのかを診断できます。 通院の時間がとりにくい場合は、自宅から医師の診察を受けられるオンライン診療という選択肢もあります。自分の状況に合った方法で、早めに相談することが大切です。
AGA治療の基本は、治療薬の服用・使用です。代表的なAGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドは、5αリダクターゼを阻害してDHTの生成を抑え、抜け毛の抑制が期待できます。 また、ミノキシジルは、作用機序が完全には解明されていませんが、血管拡張作用による頭皮の血流改善や毛包細胞への作用などにより、発毛をサポートすると考えられている薬です。 これらの薬は医師の処方によって入手できます。効果の実感までには個人差がありますが、一般的に6ヶ月以上の継続が必要です。 なお、ミノキシジル内服薬は2026年7月時点で国内未承認です。医師の判断のもと個人輸入等で入手し処方されるため、国内承認薬の有無や諸外国の安全性情報、および医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点について、事前に必ず医師の説明を受けてください。
AGAの進行について、よくある質問と回答をまとめました。AGAの進行についての疑問が残る方は、ぜひ参考にしてください。
AGAの進行は昔の写真と比較して確認できますか?
数ヶ月前や数年前の写真と、今の生え際や頭頂部を見比べることで、進行のおおよその傾向が把握できます。ただし、写真や分類図での確認はあくまで目安です。正確な進行度や原因は自分では判断できないため、気になる場合は医療機関で確認しましょう。
M字はげはO字型より進行が遅いですか?
進行のパターンや速度には個人差があり、M字型がO字型より必ず遅いとは限りません。M字型とO字型が複合して現れることもあります。どのパターンでも進行性であることに変わりはないため、パターンにかかわらず早めの対策が大切です。
AGAの進行は止められますか?
AGAは、治療薬によって進行を遅らせる効果が期待できます。早く始めるほど、効果が期待できます。自己判断で対処するより、医師に相談して自分に合った治療法を検討しましょう。
AGAは、治療をしなければ薄毛が進む進行性の脱毛症です。進行度はハミルトン・ノーウッド分類と高島分類を合わせたもので1〜7型に分類され、進行パターンはM字型・O字型・U字型の3つに分けられます。進行速度には個人差がありますが、放置すると毛包のミニチュア化が進み、薄毛は徐々に広がります。 分類図やセルフチェックは現状を大まかに把握する目安になりますが、正確な進行度や原因は自分では判断できません。そのため、医師の診断で確認することが大切です。 AGAの進行は治療薬によって抑制が見込め、早く始めるほど現状の髪の維持が期待しやすくなります。薄毛が気になる方は、できるだけ早めに医師へ相談しましょう。通院の時間がとりにくい場合は、自宅から受診できるオンライン診療も選択肢の一つです。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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治療と並行して、生活習慣を見直すことも頭皮環境の土台づくりに役立ちます。睡眠・運動・バランスの取れた食事を意識し、喫煙や過度な飲酒は頭皮環境に影響を与える可能性があります。
ただし、生活習慣の改善だけでAGAの進行を止めるのは難しいとされています。あくまで治療を支える土台と考えることが大切です。

薄毛の原因はAGA以外にも考えられます。なかには自然治癒する脱毛症もありますが、セルフケアのみで対処し続けると、悪化するおそれもあります。薄毛の原因を自己判断せず、まずは医師に相談することが大切です。