更新日:2026年03月05日
「頭皮から嫌なにおいがするけど、原因がわからない」「周りの人に気づかれていないか心配…」と悩んでいる方もいるかもしれません。頭皮のにおいは主に皮脂や汗が原因で発生し、常在菌に分解されて時間の経過とともに強くなります。
本記事では、頭皮のにおいが発生する原因や自分で確認する方法、においを防ぐシャンプー方法について解説します。気になる頭皮のにおいを軽減したい方は、ぜひ参考にしてください。
頭皮から発生するにおいの主な原因は、皮脂や汗です。皮脂や汗は分泌された直後はほとんどにおいがありませんが、時間の経過とともににおいが強くなっていきます。頭皮に存在する常在菌が皮脂や汗を分解するときに、においの元となる成分が作られるためです。特に暑い季節や運動後は汗の分泌量が増え、においが強くなることがあります。
また、頭皮は体の中でも顔や背中と並んで皮脂の分泌量が多い部位の一つです。「公益社団法人日本毛髪科学協会」によると、人の皮膚にある皮脂腺の数は1㎠あたり平均100個以下であるのに比べて、頭皮には約900個の皮脂腺があり多くの皮脂を分泌するとされています。そのため、頭皮はにおいが発生しやすくなります。
参考:公益社団法人日本毛髪科学協会「毛髪を知る」

脂漏性皮膚炎が原因でにおいが発生する場合もあります。脂漏性皮膚炎とは、皮脂の過剰な分泌によって引き起こされる皮膚の炎症のことです。頭皮の赤みやかゆみのほか、黄色がかった脂っぽいフケが出ることがあります。 脂漏性皮膚炎のときは、酸っぱいにおいや油が古くなったようなにおいがする場合があります。頭皮のにおい以外にフケやかゆみなどの症状が見られる場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があるため皮膚科を受診しましょう。
頭皮のにおいが周りの人に伝わっているか気になることもあるかもしれません。頭皮のにおいを自分で確認する方法は以下の3つです。
一つは、毎日使用している枕のにおいをかいでみる方法です。頭皮のにおいは毎日使っている枕などに移りやすいため、かいで確認してみると良いでしょう。
また、ドライヤーや扇風機の風を後ろから頭に向けて吹きかけ、風に乗ってくるにおいをかぐ方法もあります。この方法なら、熱や風によってにおいの分子が飛散するため、より実際の状況に近い形でにおいを確認できます。
頭皮を指で軽くこすり、その指のにおいをかぐという方法も確かめやすいでしょう。特に耳の後ろや首の付け根など、洗い残しが起こりやすい部分を確認するのがおすすめです。
試してみて気になるにおいを感じた場合は、頭皮ケアの見直しが必要かもしれません。においだけではなく、脂漏性皮膚炎の症状が見られる場合は、医師に相談するのが良いでしょう。
頭皮のにおいを防ぐには、日々の生活習慣を整えることも大切です。ここでは、頭皮の健康を保ち、においを防ぐための生活習慣について紹介します。
頭皮のにおいを防ぐための生活習慣は、以下の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
頭皮のにおいを防ぐためには、1日3回の食事で栄養をバランスよくとることが大切です。栄養バランスの偏った食事を続けると頭皮環境が悪くなり、においの原因となる皮脂の過剰分泌を招く恐れがあります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
特に脂っこい食べ物を多くとりすぎないようにしましょう。脂質の多い食事を続けて過剰分泌された皮脂が酸化すると、頭皮のにおいが強くなる可能性があります。
頭皮環境を整えるために役立つ栄養素と効果、おすすめの食品について、以下の表にまとめました。
| 栄養素 | 頭皮への効果 | おすすめの食品 |
|---|---|---|
| ビタミンB群 | 皮脂分泌のコントロール | 豆類、レバー、魚 |
| 亜鉛 | 頭皮のターンオーバーの調整 | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 |
| ビタミンE | 血行促進、抗酸化作用 | 植物油、アーモンド、かぼちゃ |
| タンパク質 | 健康な髪の生成 | 肉類、魚介類、大豆製品 |
頭皮にとって特に重要な栄養素は、ビタミンB群と亜鉛です。ビタミンB群は皮脂の分泌をコントロールし、亜鉛は頭皮の新陳代謝を促進する働きがあります。牛肉や魚、豆類などは、ビタミンB群と亜鉛だけではなく良質なタンパク質も多く含むため、意識的に取り入れましょう。
栄養をバランスよくとることで、頭皮環境が徐々に良くなり、においの軽減につながる可能性があります。
質の高い睡眠をとることも、頭皮の健康維持のために大切です。
特に深い眠り(ノンレム睡眠)の時間帯には、成長ホルモンが分泌され、頭皮の細胞修復や再生が活発に行われます。睡眠不足になるとホルモンバランスが乱れ、頭皮の新陳代謝が滞って古い角質や余分な皮脂が溜まりやすく、においの原因となる可能性があります。
厚生労働省の「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)成人版」によると、質の高い睡眠をとるためには、就寝前にリラックスすることが大切だとされています。寝室の環境を整えた上で、寝る前はスマートフォンやパソコンの使用を避けることが望ましいでしょう。これらが発するブルーライトは、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制するからです。深い眠りにつけるよう、できるだけ静かで暗い環境を作るのがおすすめです。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
頭皮のにおいを防ぐためには、自分の肌に合ったシャンプーを選び、適切な頻度で洗髪することが大切です。
頭皮のにおいを抑えるために刺激の強いシャンプーや香りが強いものを使うと、逆効果になる可能性があります。強い洗浄力や香料によって頭皮が刺激を受け、バリア機能が低下する恐れがあるためです。
自分に合ったシャンプーは、以下の表のように頭皮のタイプによって選ぶと良いでしょう。
| シャンプーの種類 | 特徴 | 向いている頭皮のタイプ |
|---|---|---|
| アルコール系 | 洗浄力が強い | 脂性肌 |
| 石鹸系 | 刺激が少ない 天然由来が多い | 脂性肌、普通肌 |
| アミノ酸系 | 洗浄力が弱い 頭皮への負担が少ない | 乾燥肌、敏感肌 |
「頭皮のにおいが気になる=脂性肌」と思う方もいるかもしれませんが、頭皮の乾燥から皮脂が多く出ている場合もあります。また、女性はホルモンバランスによって皮脂のバランスが変わりやすいため、「頭皮がべたつく時に使う」「頭皮が乾燥している時に使う」というように、2種類のシャンプーを用意するのも良いでしょう。
なお、においが気になるからと1日に2回以上洗髪するのはおすすめしません。頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招く恐れがあるためです。頭皮が乾燥すると、皮脂が過剰分泌されてにおいの原因となる可能性があります。基本的には1日1回の洗髪が適切ですが、頭皮が乾燥しやすい人は2日に1回の頻度でも良いでしょう。
また、お湯だけで洗髪する「湯シャン」は、頭皮のにおいケアとしては不向きだと考えられます。湯シャンでは皮脂や汚れが十分に落ちないため、頭皮のにおいが気になる方や皮脂の分泌が多い方は、シャンプーを使用して頭皮の清潔を保ちましょう。
ここでは、においの元となる皮脂や汚れをしっかり落とすための正しいシャンプー方法を5つのステップでご紹介します。毎日のケアに取り入れて、頭皮を清潔に保ちましょう。
まず、シャンプーを始める前に髪をブラッシングすることが大切です。ブラッシングによって、頭皮や髪に付着した汚れやほこりを浮かせると、シャンプーの洗浄効果がより高まります。
ブラッシングを行う際は、毛先から少しずつ髪の絡まりをほぐすようにしてとかすのが良いでしょう。髪や頭皮が洗いやすくなることで、余分な皮脂をきちんと取り除けます。このとき、頭皮をゴシゴシとこすりすぎないように気をつけましょう。
ブラッシングを行うときのブラシは、細かい汚れや雑菌が溜まらないよう、こまめに手入れして清潔に保つことが大切です。
シャンプーを付ける前に、ぬるま湯で予洗いをしましょう。予洗いの目的は、髪や頭皮に付着した汚れやほこりを洗い流すことです。指の腹を使って頭皮全体を優しくマッサージするように洗いましょう。これにより、シャンプーの泡立ちが良くなり、本来の洗浄力が発揮されるため、皮脂やにおいの原因となる細菌を洗い流しやすくなります。
予洗いは、38℃前後のぬるま湯で1分程度行うのが目安です。熱すぎるお湯は頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、かえって皮脂が過剰分泌されることがあります。逆に冷たすぎるお湯では、皮脂が十分に落ちません。
髪ではなく、頭皮を洗うように意識するのがポイントです。予洗いをしっかり行うことで、その後のシャンプーの量を減らすことができ、頭皮への負担が少なく済みます。
シャンプーをするときには、頭皮をマッサージするように洗うのがポイントです。まず手のひらでシャンプーをよく泡立ててから、頭全体に行き渡らせるようになじませましょう。シャンプーの洗浄成分を均一に広げれば、ゴシゴシこすって髪を傷めることを防げます。
シャンプーの泡が頭全体になじんだら、指を髪の内側に入れ、指の腹で頭皮を優しく洗います。このとき、爪で頭皮を傷つけないよう気をつけましょう。特に念入りに洗いたいのが、洗い残しが多い後頭部や皮脂の分泌の多い耳の上部分です。頭皮のにおい防止のため、しっかりと洗いましょう。
シャンプーをしながら頭皮をほぐすようにマッサージをしていきます。マッサージは頭皮の血行を良くするため、習慣にすると良いでしょう。
シャンプー後は、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。シャンプーの成分が頭皮に残ると頭皮環境が悪化し、フケやかゆみ、抜け毛の原因となる場合があります。そのため、すすぎ残しがないよう、ぬるつきがなくなるまで丁寧に洗い流すことが必要です。
すすぎの際はぬるま湯を使い、頭皮全体に満遍なくお湯が行き渡るようにしましょう。頭皮の泡が流れていない場合もあるため、シャンプーをする時間よりすすぎに時間をかけるのがポイントです。特に耳の後ろや頭頂部などはシャンプーが残りやすいため、重点的にすすぐことをおすすめします。
お風呂上がりはタオルドライで髪の水分を拭き取り、なるべく早くドライヤーで乾かしましょう。髪を濡れたまま放置したり半乾きの状態にしたりすると、頭皮が湿った状態が続いて雑菌が繁殖しやすくなるからです。
洗髪後はまず、清潔なタオルで水分を取ります。タオルドライをしっかりしておくとドライヤーの時間が短くなるため、髪への負担も減らせます。強く擦るのではなく、髪を挟むようにして優しく押さえるのがポイントです。
ドライヤーを使用する際は、頭皮から10~15cm程度離し、熱すぎない温度設定で行います。毛先は傷みやすいため、まずは頭皮を中心に乾かすのが良いでしょう。
ドライヤーでの乾かし方のコツは、「自然乾燥とドライヤーのどちらが髪にいい?各メリット・デメリットも解説」でも詳しく紹介しています。
頭皮のにおいの主な原因は皮脂や汗で、頭皮の常在菌によって分解される際に発生します。頭皮には1㎠あたり約900個もの皮脂腺があり、皮脂分泌量が多いためにおいが発生しやすいでしょう。脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルもにおいの原因となることがあります。
頭皮のにおいを防ぐには、バランスのよい食事と質の良い睡眠を心がけるとともに、自分の肌質に合ったシャンプーで1日1回、皮脂や汚れをしっかり落とすことが大切です。
正しいシャンプーのポイントは、ブラッシングで汚れを浮かせてぬるま湯で予洗いすることや、指の腹で頭皮マッサージをしながら洗い、すすぎ残しがないよう丁寧に流すことです。洗髪後は早めにドライヤーで乾かし、頭皮を湿った状態で放置しないよう気を付けましょう。