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更新日:2024/04/26

低用量ピル服用中にお酒を飲んでも問題ない?飲酒する際の注意点とは

この記事のまとめ
  • 低用量ピル服用中にお酒を飲んでも問題ない
  • ピル服用中にお酒を飲む際の注意点には、ピルをお酒で飲まない、お酒を飲みすぎないなどがある
  • 低用量ピル服用前後3時間はお酒を飲むのを避けよう
  • 低用量ピルを服用をするメリットには、PMSの改善や生理周期の安定などがある

低用量ピルは毎日服用する薬のため、服用中にお酒を飲む機会がある方もいらっしゃると思います。「お酒がピルの効果に悪影響を与えたらどうしよう」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言うと、低用量ピル服用中にお酒を飲んでも問題はありません。この記事では、低用量ピル服用中にお酒を飲む際の注意点について詳しく解説します。低用量ピルを服用するメリットも紹介するので、低用量ピルとお酒の関係が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

低用量ピル服用中にお酒を飲んでも問題ない

低用量ピルの服用中にお酒を飲んでも問題はありません。お酒が直接的に、ピルの効果に影響を与えたり、副作用を強めたりすることはないので安心してください。

ただし、低用量ピルの服用中にお酒を飲む際は、後述の通り気をつけるべきことがあります。

低用量ピル服用中にお酒を飲む際の注意点

低用量ピルの服用中にお酒を飲む際には、下記の注意点があります。

  • 低用量ピルとお酒を同時に飲まない
  • お酒を飲みすぎない
  • 積極的に水分補給を行う

ここでは、それぞれを詳しく解説します。

低用量ピルとお酒を同時に飲まない

低用量ピルの服用中にお酒を飲む際は、低用量ピルとお酒を同時に飲まないようにしましょう。なぜなら、アルコールとピルはどちらも肝臓で分解されるので、同時に飲むとピルの成分を分解するのに時間がかかり、血中濃度が高まることで、副作用が強く出る可能性があるためです。そのため、基本的に水またはぬるま湯で飲むように推奨されています。

お酒を飲みすぎない

お酒の飲み過ぎは、下痢や嘔吐、飲み忘れを招き、ピルによる避妊効果を下げてしまう可能性があるので注意が必要です。これらのリスクを回避するために、目安として、低用量ピル服用前後の3時間はお酒を飲むのを避けるのがよいでしょう。

下痢や嘔吐をする可能性がある

お酒を飲みすぎると、アルコールが胃や腸の粘膜を刺激し、下痢や嘔吐をする可能性があります。

ピルの成分が体内に吸収されるまでには、約2時間かかるとされています。そのため、ピルの服用から3時間以内に下痢や嘔吐をしてしまった場合、ピルの成分が体内に吸収される前に体外へ排出されてしまう可能性があるのです。

万が一、3時間以内に下痢や嘔吐をした場合は、すぐにピルを追加で1錠服用するようにしましょう。また、下痢や嘔吐が続く場合は、症状が改善してから最低7日間は性行為を控えるか、別の避妊方法を併用するようにしましょう。

低用量ピルを飲み忘れる可能性がある

お酒を飲み過ぎると、低用量ピルを飲み忘れる可能性があります。たとえば、飲んでいてうっかりピルを飲む時間が過ぎてしまったり、飲んだ後にそのまま寝てしまったりする場合があります。

低用量ピルの効果を得るためには、毎日決まった時間に服用するのが大切です。低用量ピルを飲み忘れると、本来の効果を発揮することができなくなる可能性があるため、注意しましょう。

低用量ピルを飲み忘れてしまった場合は、気付いた時間に応じて下記のように対処しましょう。

状況服用方法
次の日の服用時間の前に飲み忘れに気づいた場合すぐに前日分の1錠を服用し、当日分はいつもの時間に1錠服用する
次の日の服用時間に飲み忘れに気づいた場合前日分と当日分の2錠をいつもの時間にまとめて服用する

積極的に水分補給を行う

低用量ピル服用中にお酒を飲む際は、積極的に水分補給を行うようにしましょう。お酒を飲むことによって、低用量ピルの副作用である血栓症のリスクが高まる可能性があるからです。

血栓症とは、血管の中に血のかたまり(血栓)ができて、血管が詰まってしまう病気です。血栓ができる場所によっては、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすことがあります。

お酒を飲むと、アルコールによって利尿作用が強まったり、アルコールを分解する際に水分が必要となったりするため、脱水状態に陥りやすくなります。体内の水分が不足していると、血行が悪くなり、血栓ができやすくなってしまうのです。

低用量ピルを服用をするメリット

低用量ピル服用中の飲酒には、さまざまな注意点があるのが面倒だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、低用量ピルは服用することで、下記のメリットを得ることができます。

  • PMSの改善
  • 生理周期の安定
  • 子宮体がん・卵巣がんの予防
  • 肌荒れの改善

それぞれについて詳しく解説します。

PMSの改善

低用量ピルを服用することで、PMS(月経前症候群)の改善効果が期待できます。PMSとは、月経前3~10日の間に起こる精神的あるいは身体的症状のことを指し、月経開始とともに症状が軽減・消失するのが特徴です。

PMSの主な症状は以下の通りです。

精神的症状身体的症状
・イライラ
・気分の落ち込み
・無気力感
・憂鬱
・集中力の欠如
・下腹部痛
・肌荒れ
・眠気
・乳房の張り
・むくみ
・便秘や下痢

PMSが起こる原因ははっきりとわかっていませんが、黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが原因と考えられています。低用量ピルにはホルモンバランスを整える作用があるので、この女性ホルモンの急激な変動を抑えることができるのです。

生理周期の安定

低用量ピルの服用によって、生理周期を安定させることができます。低用量ピルは、1シート28錠で構成されており、21日間の実薬を飲む期間を終えた後、7日間の休薬・偽薬期間を設けます。ピルを飲んでいる間は、この休薬・偽薬期間に出血が起こるようになるのです。

生理周期が安定すると、いつ生理がくるかわかるようになるため、旅行やイベントの日程が決めやすくなるといったメリットがあります。

子宮体がん・卵巣がんの予防

低用量ピルには、子宮体がん・卵巣がんの予防効果が期待できます。卵巣がんや子宮体がんは発見が難しいとされるがんで、特に卵巣がんは初期には自覚症状がほとんどなく、進行スピードが早いことが特徴です。

低用量ピルのガイドラインによると、低用量ピルの服用によって子宮体がんリスクが50%低下したという調査結果があります。また、卵巣がんに関しても、低用量ピルの服用歴のある女性の上皮性卵巣がんの発症リスクが40~50%低くなったと明記されています。

参考:日本産科婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン (改訂版)

肌荒れの改善

低用量ピルを服用をすることで、肌荒れの改善効果も期待できます。生理前になると、卵胞ホルモンの分泌量が減少し、黄体ホルモンの分泌量が増加します。黄体ホルモンは、男性ホルモンと似た働きを持つため、皮脂の量を増やし、肌荒れやニキビを引き起こしやすくするのです。低用量ピルは、ホルモンバランスを一定に保つ効果があるため、生理前にホルモンバランスの乱れを抑えることができます。

低用量ピルにはさまざまな種類がありますが、なかでもマーベロンやファボワールが肌荒れに効果的であるとされています。マーベロンやファボワールには、男性ホルモンのような作用がほとんどない黄体ホルモンが配合されているため、皮脂の分泌量を抑えられるのです。

まとめ

低用量ピル服用中にお酒を飲んでも問題はありません。しかし、お酒を飲んだことによって、ピルの飲み忘れや下痢・嘔吐が生じてしまうと、副作用が強く出たり、避妊効果が弱まったりする可能性があるので注意しましょう。

低用量ピル服用中にお酒を飲む場合は、目安としてピル服用の前後3時間は避けるのがよいでしょう。

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