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更新日:2024年07月11日

トリキュラーとは?効果や副作用、正しい飲み方を詳しく解説

この記事のまとめ
  • トリキュラーは低用量ピルの一種
  • トリキュラーは不正出血が起こりにくく、錠剤に含まれているホルモンの量が3段階あるのが特徴
  • トリキュラーの種類にはトリキュラー21とトリキュラー28があり、違いは偽薬の有無にある
  • トリキュラーには、避妊や生理痛・PMSの緩和、生理不順の改善などに効果がある
  • トリキュラーを服用する際は、毎日欠かさず服用することと決められた順番で服用することに注意しよう

トリキュラーは低用量ピルの一種です。低用量ピルにはたくさんの種類があり、特徴もそれぞれ異なるため、違いを理解した上で自分に合ったものを服用することが大切です。

この記事では、トリキュラーの特徴や種類について解説します。トリキュラーの効果や飲み方、服用時に注意すべきことも解説するので、トリキュラーの服用を検討している方や低用量ピルの種類選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

トリキュラーとは

トリキュラーとは、低用量ピルの一種です。

低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンという2つの女性ホルモンが配合された薬で、飲み続けることで避妊や生理痛・PMSの改善などが期待できます。

ピルの種類の違い (1).png

関連記事:低用量ピルとは?効果や種類、服用方法、副作用を詳しく解説

トリキュラーの特徴

トリキュラーは低用量ピルの中でも、不正出血を起こしにくいことが特徴です。トリキュラーに使用されている「レボノルゲストレル」という黄体ホルモンの働きで、不正出血が起こりにくくなるとされています。

世代ごとのピルの違い (1).png

また、トリキュラーは「3相性ピル」に分類される薬であり、錠剤に含まれているホルモンの量が3段階あります。1枚のシートの中で、ホルモン量の少ないものから、赤、白、黄の3種類の錠剤に分かれています。

相性ピルと3相性ピルの違い (1).png

3相性ピルは、自然に近いホルモンの変化を起こすため、安心して飲むことができます。

トリキュラーの種類

トリキュラーには、1シート21錠タイプの「トリキュラー21」と28錠タイプの「トリキュラー28」があります。

2種類の違いは「プラセボ」という偽薬があるか否かで、錠剤に含まれている成分は同じです。

トリキュラー21には偽薬がないため、7日間の休薬期間があります。一方、トリキュラー28には、実薬よりやや大きめの偽薬が7日分あるので、錠剤を飲まない期間が生じません。

飲み忘れに不安がある方は、トリキュラー28を選ぶことをおすすめします。

トリキュラーの効果

続いて、トリキュラーをはじめとする低用量ピルを飲むことで期待できる効果をご紹介します。

避妊

低用量ピルを正しく服用した場合、99.7%の避妊効果が期待できます。

低用量ピルには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンが配合されており、排卵を抑制する作用があるため、妊娠のリスクが少なくなります。

また、低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)によると、排卵を抑制するには7日間連続して低用量ピルを服用する必要があるため、服用を始めてから避妊効果が出るまで8日ほどかかります。

出典元:日本産科婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)

生理痛やPMSの緩和

トリキュラーは、生理痛やPMSの症状の緩和に効果があります。

そもそも生理痛は、不要になった厚い子宮内膜を体外に押し出すときに、子宮収縮が強くなることで起こるとされています。

トリキュラーを服用すると排卵が抑えられ、子宮内膜が厚くなりにくくなるため、子宮内膜が剥がれるときの痛みが軽減されるのです。

また、PMSは、生理3~10日前にホルモンバランスが急激に変動することが原因で起こると考えられています。トリキュラーを飲むことで、ホルモンバランスを整えることができるため、PMSの症状緩和に繋がります。

生理不順の改善

3相性ピルの1種であるトリキュラーは、生理不順を改善する効果が高いとされています。

3相性ピルは、錠剤に含まれるホルモンの量が3段階に分かれており、ホルモン含有量が一定である1相性ピルと比べて、服用時のホルモンバランスが体内の自然なホルモンバランスの変化に近いという特徴があります。さらに、生理周期の調整性が向上しているほか、ピル服用中の不正出血率も低下しています。

トリキュラーの副作用

トリキュラーをはじめとする低用量ピルを服用する場合、下記のような副作用が出ることがあります。

  • 吐き気
  • 乳房の張り
  • 眠気
  • 頭痛
  • 眠気

これらの症状は2~3ヶ月飲み続けることで治まることがほとんどなので、副作用が出た場合でも安心して服用を続けてください。

ただし、重篤な副作用として血栓症を発症するおそれがあることには注意が必要です。血栓症は、血管の中に血のかたまり(血栓)ができることで血管が詰まってしまう病気です。

発症頻度は稀ですが、血栓症の初期症状にみられるふくらはぎの痛みや手足のしびれ、めまいなどが生じた際には速やかに医療機関を受診しましょう。

トリキュラーの副作用で太ることはない

トリキュラーを飲むと副作用で太るという噂がありますが、トリキュラーを含む低用量ピルの副作用で太ることはありません。

低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)には、 低用量ピルと体重増加の因果関係は証明されていないと明記されています。

トリキュラーを飲んで太ったと感じる理由には、錠剤に含まれている女性ホルモンに食欲増進作用や保水作用により、むくみや食べ過ぎが生じることにあります。

しかし、飲み続けることで女性ホルモンによる作用は次第に治まるので安心してください。気になる方は、トリキュラーの服用を開始してしばらくの間はバランスのよい食事や適度な運動を心がけましょう。

参照元:日本産科婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)

トリキュラーの服用方法

トリキュラー21とトリキュラー28では、シートの順番に沿って飲んでいく点は共通しますが、実薬を服用する期間を終えた後の飲み方に違いがあります。

それぞれの飲み方を以下で説明します。

トリキュラー21の場合

トリキュラー21は、1日1錠を一定の時間に21日間連続で服用し、その後7日間休薬します。偽薬を含まないため、自分で7日間の休薬期間を管理する必要があります。

この28日間を1周期とし、29日目から新しいシートの錠剤を服用しましょう。

適切な効果を得るためにも、次のシートをいつから飲み始めるかを確認し、飲み忘れを防ぐことが大切です。

トリキュラー28の場合

トリキュラー28は、1日1錠一定の時間に28日間連続して服用します。これには7日分の偽薬が含まれているため、休薬期間ではなく偽薬期間が生じます。

29日目になったら、そのまま新しいシートの錠剤を服用しましょう。

トリキュラー服用時に注意すべきこと

トリキュラーを服用するときに、注意すべきことについてご紹介します。

毎日欠かさず服用する

毎日、一定の時間に服用することに注意しましょう。飲み忘れてしまった場合、避妊効果が弱まることがあります。

もし、偽薬を除いた錠剤を飲み忘れた場合は、下記の対応をとるようにしましょう。

飲み忘れた日数対応方法
1日飲み忘れた場合直ちに飲み忘れた錠剤を服用し、その日も通常通り服用する
2日以上飲み忘れた場合服用を中止し、次の生理から服用を開始する

参照元:GenomeNet「医療用医薬品:トリキュラー」

決められた順番で服用する

トリキュラーの服用時は、シートの決められた順番で服用することに注意しましょう。

トリキュラーは、錠剤の色によって含まれるホルモンの量が分かれており、同じ色の錠剤を間違えて飲んでしまった場合は問題ありません。しかし、飲む予定だった錠剤と違う色の錠剤を間違えて飲んでしまった場合、ホルモンの血中濃度のバランスが崩れ、不正出血が起こる可能性があります。

違う色の錠剤を飲んでしまった場合は、本来飲む予定だった錠剤を翌日に飲むのではなく、間違えて飲んだ錠剤の次の錠剤から飲んでいくようにしましょう。

トリキュラーは保険適用になるか

トリキュラーは、OC(経口避妊薬)であるため保険適用になりません。

低用量ピルには、保険適用になるものとならないものがあり、トリキュラーのような避妊目的とされるピルは、基本的に自費診療となります。

一方、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で処方されるLEPと呼ばれるピルは保険適用になります。具体的には、ルナベルやフリウェル、ヤーズなどがLEPに該当します。

自費診療の場合は、同じピルでもクリニックによって金額が多少異なるため、事前にクリニックのホームページや電話で確認することをおすすめします。

トリキュラーの購入方法

最後に、トリキュラーの購入方法をご説明します。

トリキュラーをはじめとする低用量ピルは医療用医薬品に該当するため、医師からの処方で購入することができます。

海外から個人輸入をする方法もありますが、偽薬や低用量ピルと偽った別の薬である可能性があります。

低用量ピルを安心して服用するためにも、必ず医師の診察を受けた上で自分に合ったピルを処方してもらいましょう。

医師から低用量ピルを処方してもらうには、婦人科に通院する方法と、オンライン診療サービスを利用する方法があります。

婦人科で処方してもらう

自分で婦人科を受診して医師の診察を受け、低用量ピルを処方してもらう方法です。

通院に手間がかかりますが、診察当日に薬局に行くことができれば、ピルを即日で手に入れられる点がメリットです。

オンライン診療サービスを利用する

オンライン診療サービスを利用して、低用量ピルを処方してもらう方法もあります。

オンライン診療サービスでは、電話やビデオ通話で医師の診察を受け、低用量ピルを処方してもらいます。処方された薬は、自宅など任意の場所への配送が可能です。

気軽に診察が受けられるため、通院する時間がない方や、婦人科に行くことにハードルを感じる方でも受診しやすいことがメリットです。

まとめ

トリキュラーの効果や副作用、正しい服用方法について解説しました。トリキュラーには、生理痛や生理不順改善などの効果があり、正しく服用することで99.7%の避妊効果が期待できます。飲み忘れや飲む順番を間違えないよう注意して服用するようにしましょう。

トリキュラーは婦人科やオンライン診療で処方が可能です。服用を検討しているが、時間がない方や婦人科に通っていることをあまり知られたくない方にはオンライン診療がおすすめです。

レバクリでは、低用量・中用量ピルのオンライン診療サービスを提供しています。診察は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました