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更新日:2024年06月19日

生理前にニキビはできやすい?原因や対策、改善方法などを詳しく解説

この記事のまとめ
  • 生理前にニキビができやすい理由は、女性ホルモンのプロゲステロンが活発化し、皮脂の分泌を増やすため
  • 生理周期における生理期は乾燥・肌荒れしやすいが、卵胞期は肌の調子が良くなる
  • 黄体期になると、プロゲステロンの分泌により肌が脂っぽくなりニキビができやすくなる
  • 生理前のニキビは乾燥や肌荒れを伴うことが多く、男性ホルモンの影響を受ける箇所にできやすい
  • 生理前のニキビを予防するには、バランスの良い食事や十分な睡眠をとることが大切

「生理前になるといつもニキビができる」と悩んだ経験のある女性もいるのではないでしょうか。女性の肌は、生理が近づくと女性ホルモンの影響でニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなります。

この記事では、生理前のニキビについて解説します。生理前にニキビができやすい理由やニキビを防ぐための対策、改善方法について解説するので、ぜひ参考にしてください。

生理前にニキビができやすい理由

生理前にニキビができる理由には、女性ホルモンが大きく関わっています。

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、女性の体はこれらのホルモンの分泌量を調整しながら心身のバランスを整えています。

エストロゲンは肌のターンオーバーを促し、肌にハリやツヤを与え美肌にする作用があります。プロゲステロンは男性ホルモンに似た作用があり、分泌量が増えると肌の皮脂が増える傾向があります。

生理前になると、エストロゲンの分泌が減少し、プロゲステロンが活発化するため、皮脂分泌が促進され肌が脂っぽくなります。そして、過剰に分泌した皮脂が毛穴にたまることで肌に菌が増殖し、炎症を起こすことでニキビができます。

生理周期と肌の変化

女性ホルモンのバランスは生理周期によって変動し、肌はその変動の影響を受けやすくなります。

ここでは生理周期を生理期・卵胞期・黄体期の3つに分け、それぞれにおける肌の変化について解説します。

女性ホルモンにより起こる月の変化を示す_.png

生理期(月経)

生理期は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌がともに減少するため、女性の体がとてもデリケートな状態になります。潤いやツヤが不足し、乾燥や肌荒れを起こしやすくなるのが特徴です。

生理期は1週間程度で、後半にさしかかるにつれて徐々に肌の調子は安定します。

卵胞期

卵胞期は、エストロゲンの分泌が増加するため、肌の調子が最も良い状態になります。卵胞期も1週間程度であり、肌に潤いやツヤが出て、ニキビや肌荒れなどの肌トラブルが起こりにくくなる時期です。

黄体期

黄体期は、エストロゲンの分泌が減少し、プロゲステロンの分泌が増加します。黄体期は約2週間程度続き、プロゲステロンによって肌が脂っぽくなりやすいとされています。

生理前にできるニキビの特徴

生理前にできるニキビには、以下の2つの特徴があります。

  • 乾燥や肌荒れを伴う
  • 男性ホルモンの影響を受けやすい箇所にできやすい

ここからは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

乾燥や肌荒れを伴う

生理前のニキビは、ホルモンバランスの影響によって乾燥や肌荒れが伴いやすくなります。

その理由は、エストロゲンの減少にあります。エストロゲンには、肌のターンオーバーを促し、肌の状態を健やかに保つ働きがあります。生理前になるとエストロゲンの分泌が減少するため、ニキビに加えて乾燥や肌荒れを引き起こしやすくなるのです。

男性ホルモンの影響を受けやすい箇所にできやすい

生理前のニキビは、男性ホルモンの影響を受けやすい箇所にできやすくなります。

前述したように、プロゲステロンは男性ホルモンと似た働きがあります。髭が生えるあごや頬、フェイスライン、眉毛が生える眉間やおでこなどは男性ホルモンの影響を受けやすい箇所で、ニキビができやすい傾向にあります。

生理前のニキビを防ぐ方法

生理前はニキビなどの肌トラブルが多くなりますが、主に以下の5つを意識することで、改善・予防できる可能性があります。

  • バランスのとれた食事を意識する
  • ストレスを溜めない
  • 十分な睡眠をとる
  • スキンケアをしっかり行う
  • ピルを服用する

ここからは、それぞれの改善・予防方法について解説します。

バランスのとれた食事を意識する

生理前のニキビを防ぐには、さまざまな食べ物をまんべんなく摂取し、バランスのとれた食事を意識することが重要です。

特に、ブロッコリーやキウイ、玄米、納豆、かぼちゃ、レバーなどのビタミン類を多く含む食材は美肌効果を期待できるため、日頃から意識して取り入れることをお勧めします。

一方で、スナック菓子やインスタント食品などの食べ過ぎは、栄養不足を招いたり腸内環境を悪化させたりし、ニキビなどの肌トラブルが起きやすくなるので控えましょう。

ストレスを溜めない

女性ホルモンはストレスの影響を強く受けます。そのため、強いストレスがかかるとホルモンバランスが乱れ、ニキビができやすくなります。

定期的にストレス発散・リフレッシュし、ホルモンバランスを維持することがニキビの予防につながるでしょう。

おすすめのストレス発散方法は、ウォーキング・ストレッチなどの軽い運動や、日光浴、趣味を楽しむことなどが挙げられます。

十分な睡眠とる

睡眠不足は肌の大敵であり、生理前のニキビなどの肌トラブルに深く関わります。

なぜなら、肌の再生を促す成長ホルモンは睡眠時に生成されるためです。そのため、質の良い睡眠をとることで生理前のニキビを予防し、肌の改善につなげることができます。

質の良い睡眠をとる方法としては、寝る前にストレッチやヨガなどの軽い運動を行う、お気に入りのアロマをたく、ノンカフェインのハーブティを飲んでリラックスするなどが挙げられます。

スキンケアをしっかり行う

生理前はニキビができやすくなることを理解したうえで、日頃からスキンケアをしっかり行うことが重要です。化粧水や乳液などのスキンケア用品に関しては、ニキビに良いとされる有効成分を含むものを選ぶと良いでしょう。

たとえば、ビタミンC誘導体やフラーレン、イソフラボンなどの成分は効果が期待できるとされています。

また、洗顔の仕方や洗顔料の種類にも注意しましょう。洗顔の際は、低刺激性の洗顔料をしっかり泡立て、手が肌にふれないよう優しく洗うことが大切です。すすぎ残しがあるとニキビの原因となるので、フェイスラインや髪の生え際などについた洗顔料もしっかり洗い流しましょう。

洗顔の回数は1日2回が目安です。洗顔の回数が多過ぎると必要な皮脂もとってしまい、結果的に皮脂が過剰に分泌されて逆効果となる可能性があるので注意しましょう。

ピルを服用する

生理前のニキビにはピルが効果的です。ピルは、ホルモンバランスを整える効果がある薬剤です。ピルの主成分は女性ホルモンで、ホルモンバランスを整えることで皮脂の過剰分泌が抑制され、ニキビの改善が期待できます。

ニキビに効果的なピルとして、ファボワールやマーベロンなどが挙げられますが、人によって適した種類や用量が異なるため、必ず医師に相談した上で服用しましょう。また、疾患の治療目的でピルを処方してもらう場合は保険適用となりますが、ニキビ治療の場合は保険適用外となる点にも注意が必要です。

まとめ

生理周期によって肌の状態は変化し、生理前はプロゲステロンの影響でニキビができやすくなります。生理前はニキビができやすいことを理解し、生活習慣やストレスケア、スキンケアに注意することで、ニキビを予防・改善できる可能性があります。

当記事で紹介した方法を試してもニキビが良くならない場合や、何度も繰り返す場合は、ピルの服用をおすすめします。最近では、手軽に受診できるピルのオンライン診療・処方サービスがあるため、症状が悪化する前に利用してみると良いでしょう。

レバクリでは、低用量・中用量ピルのオンライン診療サービスを提供しています。オンライン診療であれば通院の手間や交通費などをかけずに医師に相談することが可能です。診察は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました